リビア国(2011年以降)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 08:06 UTC 版)
「リビアの国章」の記事における「リビア国(2011年以降)」の解説
2011年に勃発した第一次リビア内戦によってカダフィ政権は崩壊し、代わってリビア国民評議会がリビア唯一の政府として承認された。2012年に全国で選挙が実施され、暫定政府としてリビア国民議会が発足。2014年、国民議会に代わる議会として代議院が発足し、議員の選挙が実施された。 いずれの組織は国章を採用せず、政府発行物の証明といったものに使用される印章・ロゴにとどまった。国民評議会は当初中央に星と三日月を配置し、上部には「リビア国民評議会」下部には「リビア」とアラビア語で表記したロゴを使用していた。次に使用されたロゴは意匠が変更され、下部には英語表記が加わった。国民議会のロゴは中央に星と三日月を配置し、「国民議会 - リビア」と表記された英語とアラビア語で二重に囲んである。代議院のロゴにはアラビア語・英語表記に加え星と三日月の部分にアーチが加えられた。ほかにも首相や政府では別のものが用意された。2013年2月に新たなバイオメトリック・パスポートが発表され、表紙に記載されるエンブレムは金色の星と三日月に変更された。このエンブレムを事実上の国章とする場合がある。 リビア国民評議会が初期に使っていたロゴマーク(2011.03-04) リビア国民評議会が2番目に使ったロゴマーク(2011.04-2012.08) パスポートのエンブレム 2014年、代議院に不満を持ったイスラム系武装勢力は首都トリポリを攻撃、制圧し新国民議会の成立を宣言(トリポリ政府)。一方でトリポリを追われた代議院はトブルクへ避難した(トブルク政府)。トリポリ、トブルクの2つの政府は互いに正当性を主張し、国内は二重政府に陥った(第二次リビア内戦)。2015年12月に国際連合主導で統一政府の形成に向けた政治合意が両政府間で署名され、リビア国民合意政府(英語版)の樹立で合意するも、代議院は国民合意政府を承認せず内戦は続いた。 国民合意政府のロゴは中央に星と三日月、上部に「リビア国」下部に「国民合意政府」とアラビア語と英語で書かれている。トブルクの代議院はロゴを引き続き使っていたほか、カダフィ政権の国章を基にした独自の政府章を採用した。 トブルク政府の国章 2020年8月21日、両者は停戦で合意。話し合いの結果統一暫定政府が樹立されることが決定し、2021年3月15日に発足した。印章も刷新され、アラビア語で「国民統一政府 - リビア国」に囲まれている。なお英語表記はない。 統一政府の印章
※この「リビア国(2011年以降)」の解説は、「リビアの国章」の解説の一部です。
「リビア国(2011年以降)」を含む「リビアの国章」の記事については、「リビアの国章」の概要を参照ください。
- リビア国のページへのリンク