平国香とは? わかりやすく解説

たいら‐の‐くにか〔たひら‐〕【平国香】

読み方:たいらのくにか

[?〜935]平安中期武将高望(たかもち)の子。初名、良望。常陸大掾(ひたちだいじょう)として関東威を振るったが、甥(おい)の将門(まさかど)に殺された。


平国香

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/09 15:26 UTC 版)

 
平国香
時代 平安時代中期
生誕 貞観14年(872年)春[1]
死没 承平5年(935年2月
改名 良望、国香[注釈 1]
墓所 茨城県筑西市東石田
官位 従五位下常陸大掾鎮守府将軍
主君 宇多天皇
氏族 桓武平氏高望王流(坂東平氏
父母 父:平高望、母:藤原良方
兄弟 国香良兼良将良繇良広良文良茂良正藤原維幾室など
源護娘、藤原村雄[2]、家女房[3]
貞盛繁盛、兼任、男子
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平 国香(たいら の くにか、旧字体平󠄁 國香)は、平安時代中期の武将常陸平氏越後平氏)や伊勢平氏の祖。別名(初名か)、平 良望(よしもち)。平高望の長男。弟の良将平将門の父。

略歴

貞観14年(872年)の春に生まれたとする史料がある[1]

寛平元年5月13日889年6月14日)、宇多天皇勅命により平姓を賜与され臣籍降下し、上総介に任じられ父の高望と共に昌泰元年(898年)に坂東に下向、常陸国筑波山西麓の真壁郡東石田(現・茨城県筑西市)を本拠地とした。源護の娘を妻とし、前任の常陸大掾である護よりその地位を受け継ぎ坂東平氏の勢力を拡大、その後各地に広がる高望王流桓武平氏の基盤を固めた。

舅である護の子に要撃された甥の平将門が、承平5年(935年)2月4日に反撃に出た際、居館の石田館を焼かれて死亡した。京都左馬允在任中にこの報せを聞いた子の貞盛は休暇を申請して急遽帰国、一時は旧怨を水に流し将門との和平路線を取ろうとするも、叔父の良兼に批判・説得されて将門に敵対する事となり、承平天慶の乱の発端となった[注釈 2]

後世の系図には、国香が鎮守府将軍に任命されたとする記述があるが、これは、子飼渡の戦いにおいて平良兼が「故陸奥将軍良茂」の霊像を掲げたのを、「陸奥将軍良茂=平良将」ではなく良望=国香であると誤解したことに起因する謬説である[4]

国香は、貞盛やその子孫が後世活躍したことによって結果的に嫡流と見做されるようになったのであって、元から嫡子であったというわけではなかった。逆に元々族長であったのは平良兼であり、良兼は源護一族を含んだ「姻婭の長」として、平高望の基盤(上総国)を受け継ぎ、常総を貫く内海を媒介とし、上総から下総、下野にまで勢力を広げ、関東の桓武平氏の族長として卓越していた[4]

系譜

墓所

茨城県筑西市東石田地内に平国香の墓と伝わる石塔がある[5]

画像集

脚注

注釈

  1. ^ 平家物語』に「其子鎮守府将軍良望、後には国香とあらたむ」とある。
  2. ^ 将門記』の原本は残っておらず二つの写本があるもののいずれも冒頭部分が失われていて扶ら兄弟の要撃から始まっている。冒頭に『今昔物語集』の記述を充て、「弟の良将の死後、その遺領を良兼ら他の兄弟と共に勝手に横領・分割し、それにより将門と対立するようになった」とする説もあるが、『将門記』は所領問題に触れておらず、戦いで将門が伯父の領地を占拠したという記述も無いため(将門は父良将の遺領の下総国豊田を本拠とし、国香は常陸を良兼は上総を本拠としている)、所領問題は承平天慶の乱の始まりにおける主因ではないとも言われている。

出典

  1. ^ a b 須藤春峰『東北中世史 岩城氏とその一族の研究』(白銀書房、1975年)
  2. ^ a b c 系図纂要
  3. ^ a b 尊卑分脈
  4. ^ a b 入間田宣夫『兵たちの登場』(高志書院、2010年)
  5. ^ 筑西魅力散策 MAP4 筑西市観光協会 2025年2月9日閲覧

参考文献

登場作品

テレビドラマ

外部リンク




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