特待生組
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「MAJORの登場人物」の記事における「特待生組」の解説
眉村 健(まゆむら けん) 声 - 保村真 投手。右投右打。背番号1(高校)・18(横浜マリンスターズ、アニメではブルーオーシャンズ)・23(W杯日本代表)・13(テキサス・レイダース)。 海堂付属中学出身。作中でも吾郎、ギブソンと並ぶ剛球右腕。吾郎と同じくジャイロボーラーである剛速球に加え、キレ抜群の多彩な変化球も投げられる。インコースへの高速シュートがウイニングショット。聖秀編で吾郎の渾身のボールをホームラン性の打球にするなど打撃も優秀であり、自信家の吾郎にも幾度も「化け物」と言わせるほどである。 通称「鉄仮面」、「いつもの無表情」と周囲から言われるほどの冷静さ、寡黙さであるが、本人曰く敢えてクールに振る舞い、自分にプレッシャーをかけてマウンドで開き直りやすくしているとのこと。本当はいつも緊張しており、試合前にトイレの個室でクラシックを聞く理由を「緊張して腹がゆるくなるのをごまかす為」と語った。好きな曲はドヴォルザークの交響曲第9番。嬉しいと鼻の穴をヒクつかせる癖がある。一匹狼タイプだが、W杯編から性格が聖秀編までと比べて穏やかになった。 小学生の頃はドッジボールのチームに所属。海堂スカウトの大貫に才能を見抜かれ、海堂学園中等部(アニメでは付属中学校)に入学。海堂の環境と自らの才能により、中学時代に高校野球部一軍の内定を受けた。地区大会で優勝し天狗になっていた吾郎を世話になった大貫の依頼により、完膚なきまでに叩きのめし、吾郎が海堂にくる契機を作った。歓迎試合で吾郎と再び対決、佐藤寿也のサヨナラ本塁打によりこのときは敗北(ただし佐藤が海堂の4番を張れるか見極めるため変化球を封印していた。打者としての吾郎との対決ではファウルで粘ったものの三振に討ち取られた)。2年時の一軍vs二軍の壮行試合ではブルペンで投球練習をしていただけで、投手としては出番はなかったが、アニメ版では吾郎を本当の好敵手と呼べるかどうかを確かめるために三宅の代打で登場し、榎本のジャイロボールを見事打ち返しツーベースヒットにした。そして、3年夏の県大会で吾郎と三度激突、逆転されてもなお、ピンチの中でリリーフ登板し吾郎をあっさり三振に取る。その後、江頭の指示に背き、バントをせずに吾郎からヒットを打つ(本人曰く、疲労で球威の衰えた吾郎の速球ならバントを使わずとも打てると確信したから)。態度には出さないものの吾郎との対戦を楽しみに思っており、試合中ピンチになった吾郎の裏をかくばかりの戦術に失望するも、その後のチームメイトの叱咤激励で再び真っ向勝負するようになったことを喜んだり、最後の打席では吾郎に三振を食らい、プロで互いによいライバルになりたかったと眉村なりの賛辞を送った。試合は吾郎の足の怪我の限界でボークにより勝利する。その後、甲子園大会を春夏連覇。甲子園大会で1回のノーヒットノーランを達成した。 ドラフト1位指名で横浜マリンスターズ(アニメでは横浜ブルーオーシャンズ)へ入団、1年目にチーム勝ち頭の11勝(8敗)を挙げた(防御率は3.21〈アニメでは2.78〉でリーグ5位)。ルーキーで唯一、最初からW杯日本代表に選出されていた。ドミニカ戦ではリリーフとして好投し、プレッシャーに潰されそうになった日本代表の危機を救った。この試合の中で、「メジャーに挑戦している吾郎が羨ましい」と思っている描写があり、将来は自身もメジャーへ行きたいと思う。決勝のアメリカ戦では先発を務めるが、かつて経験したことのないプレッシャーに耐えられず、打ち込まれてしまう。しかし寿也の一喝で冷静さを取り戻し、ピンチを凌ぐ。その後、アレックスのピッチャー強襲となる打球を足に受けながらも、4回2/3を4安打2四球2失点という奮闘ぶりを見せて降板した。 2年目は最多勝・最優秀防御率・沢村賞を獲得。後にFA権を取得、テキサス・レイダースへ移籍し、先発として活躍。早乙女静香と結婚し、2児をもうけている。父親は物心付く前に他界し、母親も早乙女静香との結婚後に亡くなっている。 ワールドシリーズ第7戦で先発登板。母親の命日であり、両親への思いも背負いながら7回までパーフェクトピッチングを続けていたが、味方の失策と疲労から投球リズムを崩し、寿也に自身のウイニングショットを満塁ホームランにされて降板した。 『2nd』ではさらに道塁と渉をもうけ、4人姉弟の父となっている。道塁と渉が物心ついた頃には既に現役を引退しており、先に生まれた長男と長女も野球はしていない。 風林中学の野球部監督になってくれと吾郎から頼まれるが、「次女・道塁が同じ世界にいて、接点が多い自分が、よその監督になるのはフェアじゃない」という理由で断った。 現在は地域活動に(吾郎曰く「あんな顔して」)積極的に参加しており、さらに大尾中学のPTA会長を務めている。吾郎の提案で風林中学野球部との合同チーム結成の時は「大尾中学には自分の娘(道塁)がいる。許可を出さなければ海堂高校時代の悪事を世間に公にする」と寿也と共に校長になっていた江頭を脅し、渋々認めさせた。 薬師寺(やくしじ) 声 - 桐井大介 三塁手。右投左打。背番号5。 特待生として海堂学園高校に入学。巻き毛の長髪が特徴で、特待生の中でもリーダー的発言が目立つ。 二軍を経て一軍レギュラーに定着し、3番打者に。苦手なコースはインコース高め、外側とローボールには強い。 最初は他の特待生組とともに、マニュアル野球を否定する吾郎を疎ましく思っていたが、アニメでの一軍壮行試合を終えたら海堂を去るという吾郎の態度に見かねた特待生メンバーの中で唯一、自身の守備位置に付き、特待生に理解を示すも「(吾郎の)毒が回ったか…」と呟き、吾郎に影響されるようになる。 夢島組との歓迎試合で特待生組が負けた際、米倉らが負けた悔しさから夢島組に突っかかっていくのを止め、潔く負けを認めた上で特待生組と夢島組の団結を促したり、若手選抜チームと日本代表チーム戦の途中に吾郎の態度に不信感を抱いていた寿也を上手く諭したりするなど、精神的に大人でありリーダータイプの人物。実力はあるが、三振やフライでアウトになる描写が多く、作中で活躍している場面が少ない。 聖秀戦では吾郎から抜け球を狙ってヒットを1本打った。江頭によるバント作戦に対してチーム内で意見が別れる中、9回裏一死満塁の場面で打席に立ち、初球スクイズのサインが出る。しかし、江頭の考えは間違っており、吾郎の球を正々堂々打って甲子園に行くという決意になったことでサインを無視し、痛烈な一打を放つ。結果的に大河のファインプレーによってアウトになり、江頭からは激昂されるが、この造反がチームが一丸になるきっかけとなった。甲子園優勝後は寿也や眉村と共に高校選抜に選ばれ、アメリカ選抜と対戦したことが寿也の口から語られている。 卒業後は東武ライオンズ(アニメでは埼玉ジャッカルズ)に入団し、1番打者と活躍する。若手選抜では3番(アニメ版では2番)として出場する。 アニメ版では入団1年目のオープン戦でも登場し、寿也のリードの裏をかいて長打を放つ。 『2nd』では、現役引退後に新聞記者となっている。吾郎から寿也が風林中の監督になったと聞き取材を訪れるも、寿也に拒否された。 渡嘉敷(とかしき) 声 - 阪口大助 二塁手・投手。右投右打。背番号4。 特待生として海堂学園高校に入学。低身長と八重歯が特徴。饒舌で口数が多い。 本来は野手であるが、シニアでの経験から夢島組との歓迎試合では投手として先発した。投手としての実力は薬師寺曰く、他校でなら間違いなくエースになれるほどの実力の持ち主。しかし夢島組に打ち込まれて阿久津と代わり、セカンドの守備についた。 アニメでは一軍との壮行試合の終盤、大場に乗じて茂野に対して嫌味も混ぜ、他の特待生組同様、守備に入らず試合放棄した。しかし、最終的には吾郎が海堂のエースである榎本に食らいつくのに見かねて応援した。 野手では動体視力が抜群で仕掛け役に適し、バントも得意な2番バッター。 聖秀戦では7回裏無死満塁の好機でスクイズに失敗。それが江頭の逆鱗に触れることとなり、控えの国分と交代させられた。 米倉(よねくら) 声 - 川上貴史 捕手。右投左打。背番号17。 特待生として海堂学園高校に入学。大柄な体格に色黒のスキンヘッドという、いかつい風貌が特徴。夢島組戦では敬語まじりで「サービス」と称して、序盤は手を抜いていたことを漏らすなど嫌味な性格。当初から吾郎のことを疎ましく思っており、吾郎の海堂退学後も吾郎に対して突っかかる場面や聖秀戦の試合中も吾郎を馬鹿にする発言が目立っていた(ただ海堂で共に練習していた時は「内、外といいとこを突く」と脱帽する発言もしている)。 夢島組との歓迎試合では6番キャッチャーを務め、本塁打も放っている。試合に負けた後は勝利を喜ぶ夢島組に「眉村が先発し変化球も解禁してたらお前らは1点も取れてない」と負け惜しみに近い発言をするが、薬師寺に「敗者の言い訳程見苦しいものはない」と苦言を受けた。後に正捕手の座を寿也に奪われ、特待生組では関と共に数少ない控えになった。渡嘉敷曰く、顔に似合わずリードは慎重。 聖秀戦ではベンチの御意見番的な役回りだった。ブルペンでは眉村の球を受けている。9回裏に江頭から寿也の代打に出るように指示され、それに応じかけるも江頭の非道な行いを不服に思った草野に制止された(本人は「バントが苦手」と言い訳しつつ、実力が上の寿也を比較したのか「やっぱ俺じゃねぇ…」と引き下がる)。結局、一軍壮行試合並びに聖秀戦ではベンチ入りメンバーの中で唯一出場の機会が与えられなかった。 聖秀戦では塁に出た眉村にウインドブレーカーを持っていくように他の選手に指示を出している。 大場(おおば) 声 - 川野剛稔 一塁手。右投右打。背番号3。 特待生として海堂高校に入学。長身に切れ長の目が特徴。冷静な性格。 夢島組との歓迎試合では4番打者を務めた。 アニメ版では一軍との壮行試合に出場するも、「一軍に勝って海堂を退学する」という吾郎の個人的な事情に対し、わざわざ敵になりたがる人の守備にはつけないと思うようになる。そのため吾郎の話を聞いた直後の打席でわざと榎本から三振を取られ、静香に自分を交代させるよう告げ、薬師寺を除いた特待生組は大場の意見に同意してベンチに下がった。しかし、榎本相手にファウルで粘る吾郎の最終打席は、特待生組の中では最初に声援を送った。 のちに一軍レギュラーに定着し、5番打者を務めた。聖秀戦では活躍する描写がなかった。 関(せき) 声 - 谷口祐貴 遊撃手。右投右打。背番号不明。 特待生として海堂高校に入学。眼鏡をかけている。 特待生組のチームメイトたちからはバント職人と呼ばれている。夢島組との歓迎試合には2番ショートで先発出場し、吾郎から送りバントを決めたり四球で出塁している。 原作ではその後一軍に昇格。泉がショートのレギュラーに定着したため、特待生組では米倉と共に数少ない控え選手となった。原作では3年夏の聖秀戦にもベンチ入りしていたが、アニメでは描写がない。 石松(いしまつ) 声 - 藤田圭宣 左翼手。左投左打。背番号7。 特待生として海堂高校に入学。魚顔と「ウキョ~」などの奇妙な口調が特徴。 夢島組との歓迎試合では5番打者を務めた。のちに一軍レギュラーに定着。 聖秀戦では6番レフトで先発し、攻守共に比較的活躍した。吾郎のボークでサヨナラのホームを踏んで喜んだが、チームメイトは勝利より吾郎に瞠目していた。 西城(さいじょう) 声 - 藤田圭宣 二塁手、捕手。右投左打。 特待生として海堂高校に入学。白目が特徴。 夢島組との歓迎試合で8番セカンドで出場。二塁走者として本塁に向かう際、寿也が打たれたような表情で立ちつくし、捕球の構えをしていないことから滑り込まずにホームインしようとしたが、これは寿也の策であり、あえなくタッチアウトされてしまった。交代後に眉村の球を受けているなど捕手としての描写もある。 矢尾板(やおいた) 声 - 後藤哲 右翼手。両投左打(右投げと左投げのどちらの描写もある)。背番号9。 特待生として海堂高校に入学。三白眼が特徴。 夢島組との歓迎試合では1番打者を務める。盗塁 成功率100%の俊足が売りだが、夢島組との歓迎試合では寿也に刺されて驚愕する。 のちに一軍レギュラーに定着。聖秀戦では7番ライトで先発するが、バントを失敗するなど、活躍する描写はない。 原田(はらだ) 声 - 後藤哲 中堅手。右投右打。 夢島組との歓迎試合に7番センターとして出場。活躍する描写はない。 阿久津(あくつ) 声 - 谷山紀章 投手。左投左打。背番号10(高校)・16(若手選抜)。 特待生として海堂高校に入学。常に笑っているように見える、むき出しの歯が特徴。特待生組の中でも他人を見下した言動が多く、吾郎の事もたびたび馬鹿にしていたが、吾郎の海堂退学後のチームメイトとの会話では阿久津曰く「うちにいればそれなりのポストで甲子園に行けた」と実力は認めている。 ナックルボールが最大の武器で、他にもスライダーやカーブを持っているようだが、作中ではほぼナックルしか投げている描写がない。ストレートはよく打たれるらしい。50球ほどでスタミナに限界がきて、得意のナックルは投げられなくなる。そのため先発で起用されることはなく中継ぎのみで起用されている。 1年生の頃から一軍に昇格しており、同じ投手の市原とは仲が悪い。内心ではマニュアル野球より投手としてのプライドを重視しており、歓迎試合ではファウルで粘る寿也に対し、マニュアルを無視して勝負球のナックルを多投。その結果本塁打を打たれ、静香に「荷物まとめて出て行きな(アニメ版は分かりやすく「出て行きな」が『おうち帰んな』に変更されている)」と罵倒され退部になりかけたが、吾郎の一言に助けられ、1ヶ月メンバーから外されるだけで済む。 聖秀戦では5回途中から市原のリリーフとして登板するが、いきなり藤井に同点適時二塁打を打たれる。その後は好投していたが、9回表に大河に勝ち越しの適時二塁打を打たれ、次の内山にもストライクが入らず死球で出塁させてしまい降板した。また、打者としては死球やエラーで出塁している。 卒業後は広島(アニメ版では広島アローズ)に入団。リリーフで活躍しており、若手選抜にも選ばれた。 アニメ版では、日本代表チームとの試合に2番手で登板。得意のナックルで攻めるもまるで通用せず、香取以上に滅多打ちに遭い、0回1/3を7安打1四球5失点(自責点7)という惨たんたる結果に終わった。 『2nd』では、海堂学園中学の監督として再登場。 市原(いちはら) 声 - 森伸 投手。右投右打。背番号12。 特待生として海堂高校に入学。1年生の頃から一軍に昇格していた。牛のような顔と大柄な体格が特徴。のんびりとしたマイペースな性格。 多彩な変化球とクセ球が持ち味。打てそうで打てない速球と変化球の緩急で勝負する技巧派、寿也曰く「一番攻略しにくいタイプ」で、米倉に「図太いマウンド捌きはうろたえることを知らない」と評されている。 夢島組との歓迎試合では、3番手として登板。9回二死まで1失点の好投を見せるも、土壇場で国分に同点本塁打を打たれ、続く吾郎にも三塁打を打たれたところで眉村と交代する。 聖秀戦では先発投手として出場。第1打席で吾郎が知らない変化球・フォークで三振を取り、パワーアップしたことを見せつける。しかし、雨が降ったことで神経質な一面が現れて乱調を起こし、4回2/3を7安打3失点(自責点4)という内容で降板。アニメ版では、眉村からは吾郎に雨を利用されたことと、水を含んだ人工芝に対する適応力の無さを指摘された。
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