登板
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/05/13 00:23 UTC 版)
登板(とうばん)とは、
投手が投球するとき、マウンドに埋め込まれている投手板を踏んでいることから、この名称がある。以下では1.について述べる。
試合に出場しても登板が記録されない例
野球の試合においては、投手として登録されている選手であっても、出場した試合で投手を務めなかった場合、打撃成績としての試合出場は記録されるが、登板は記録されない。
- 投手以外の守備位置(先発出場のほか、指名打者、代打、代走、守備のみの出場など)でのみ出場した場合がこれに該当する。投手以外で先発出場しても、試合の途中で投手に移った場合は、登板が記録される。
- 試合中の投手交代で、新たに登板することになった投手が告げられた直後(投手が投球する前、あるいはプレイが開始する前)に、降雨などでコールドゲームが宣告された場合。[注釈 2]
- 2009年の規則改正に伴い、このような例では登板は記録されないようになった。それ以前は登板が記録されていた(いわゆる「0球登板」)。以下はいずれもNPBにおける降雨コールドゲーム時の例。
- 呉昇桓(阪神タイガース) ― 2014年8月29日、対東京ヤクルトスワローズ18回戦(阪神甲子園球場)の9回表、ヤクルトの攻撃中、阪神が10 - 5と5点リードしている無死満塁の場面[1][2]。
- 増田達至(埼玉西武ライオンズ) ― 2015年9月6日、対千葉ロッテマリーンズ23回戦(QVCマリンフィールド)の9回裏開始前。
- タナー・シェッパーズ(千葉ロッテマリーンズ) ― 2018年5月23日、対北海道日本ハムファイターズ11回戦(ZOZOマリンスタジアム)の9回表開始前。
- 三嶋一輝(横浜DeNAベイスターズ) ― 2018年6月10日、対北海道日本ハムファイターズ3回戦(横浜スタジアム)の6回表開始前。なお、5回まで投げていた先発投手の今永昇太には完投が記録された[3][4]。
- 甲斐野央(福岡ソフトバンクホークス) ― 2019年4月9日、対北海道日本ハムファイターズ1回戦(長崎県営野球場)の10回表開始前。
- 武藤祐太(横浜DeNAベイスターズ) ― 2020年7月10日、対阪神タイガース4回戦(阪神甲子園球場)の5回裏開始前。
- テイラー・ハーン(広島東洋カープ) ― 2025年9月4日、対横浜DeNAベイスターズ23回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)の6回表攻撃中、DeNAが1 - 0とリードしている二死一・二塁の場面。この試合で広島の先発投手を務めた髙太一にはプロ初となる完投が記録された。
- 清水昇(東京ヤクルトスワローズ) ― 2026年4月14日、対横浜DeNAベイスターズ4回戦(坊っちゃんスタジアム)の6回表開始前。
- 試合中の投手交代で、新たに登板することになった投手が告げられたが、その投手が負傷により投球できなくなりそのまま別の投手と交代した場合。
- 通常、救援投手は最初の打者との対戦を終えるか、または攻守交代になるまで別の投手と交代できない[注釈 3]が、この場合に限り交代が認められる。
- 谷元圭介(中日ドラゴンズ) ― 2021年7月11日、対横浜DeNAベイスターズ14回戦(バンテリンドーム ナゴヤ)の7回表開始前、谷元はマウンドに上がって投球練習を始めたが途中で異変を訴え、そのまま体調不良により祖父江大輔と交代。なお、谷元は翌日付で出場選手登録を抹消された[5]。
- ルイス・ペルドモ(オリックス・バファローズ) ― 2025年7月2日、対埼玉西武ライオンズ13回戦(沖縄セルラースタジアム那覇)の8回裏開始前、オリックスは投手を先発の宮城大弥からペルドモにスイッチしたが、ペルドモは投球練習中に爪に違和感を訴えそのままベンチに退き、代わって山岡泰輔が登板した[6]。
日本プロ野球
通算記録
| 順位 | 選手名 | 登板 |
|---|---|---|
| 1 | 岩瀬仁紀 | 1002 |
| 2 | 米田哲也 | 949 |
| 3 | 金田正一 | 944 |
| 4 | 宮西尚生 | 900 |
| 5 | 梶本隆夫 | 867 |
| 6 | 小山正明 | 856 |
| 7 | 江夏豊 | 829 |
| 8 | 五十嵐亮太 | 823 |
| 9 | 藤川球児 | 782 |
| 10 | 益田直也 | 769 |
| 順位 | 選手名 | 登板 |
|---|---|---|
| 11 | 皆川睦雄 | 759 |
| 12 | 稲尾和久 | 756 |
| 13 | 鹿取義隆 | 755 |
| 14 | 権藤正利 | 719 |
| 15 | 大野豊 | 707 |
| 16 | 石井茂雄 | 705 |
| 17 | 鈴木啓示 | 703 |
| 18 | 山本和行 | 700 |
| 平野佳寿 | ||
| 20 | 東尾修 | 697 |
- 記録は2025年シーズン終了時[7]
シーズン記録
| 順位 | 選手名 | 所属球団 | 登板 | 記録年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 久保田智之 | 阪神タイガース | 90 | 2007年 | セ・リーグ記録 |
| 2 | 平井克典 | 埼玉西武ライオンズ | 81 | 2019年 | パ・リーグ記録 |
| 3 | 藤川球児 | 阪神タイガース | 80 | 2005年 | |
| 4 | 久保裕也 | 読売ジャイアンツ | 79 | 2010年 | |
| 浅尾拓也 | 中日ドラゴンズ | 2011年 | |||
| 6 | 稲尾和久 | 西鉄ライオンズ | 78 | 1961年 | |
| 菊地原毅 | 広島東洋カープ | 2001年 | 左投手記録 | ||
| 8 | 福間納 | 阪神タイガース | 77 | 1984年 | |
| 9 | 木塚敦志 | 横浜ベイスターズ | 76 | 2007年 | |
| 青木高広 | 広島東洋カープ | 2011年 |
- 記録は2025年度シーズン終了時[8]
救援登板記録
| 順位 | 選手名 | 登板 |
|---|---|---|
| 1 | 岩瀬仁紀 | 1001 |
| 2 | 宮西尚生 | 900 |
| 3 | 五十嵐亮太 | 823 |
| 4 | 益田直也 | 769 |
| 5 | 藤川球児 | 763 |
- 記録は2025年度シーズン終了時
新人登板記録
| 順位 | 選手名 | 所属球団 | 登板 | 記録年 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 益田直也 | 千葉ロッテマリーンズ | 72 | 2012年 |
| 2 | 林安夫 | 朝日軍 | 71 | 1942年 |
| 大原慎司 | 横浜ベイスターズ | 2011年 | ||
| 4 | 攝津正 | 福岡ソフトバンクホークス | 70 | 2009年 |
| 5 | 野口二郎 | セネタース | 69 | 1939年 |
| 堀本律雄 | 読売ジャイアンツ | 1960年 | ||
| 権藤博 | 中日ドラゴンズ | 1961年 |
野手登板
野手として登録されている選手が公式戦で投手として起用されるという事例がある。これを「野手登板」と呼ぶことがある。
以下はNPBにおける事例。いずれの例も、大量リードを相手に許したチームが、ファンサービスの一環として、あるいは所謂「敗戦処理」として終盤の1イニング程度を野手に任せるという起用法であって、その選手の投手転向を視野に入れたものではない。
- オレステス・デストラーデ(西武ライオンズ) ― 1995年5月9日、対オリックス・ブルーウェーブ4回戦(富山市民球場アルペンスタジアム)、オリックスが9 - 0と大量リードしている8回裏二死無走者の場面で登板。
- 登板成績 - 投球回0、打者3、被安打1、与四球2、失点0、自責点0
- 五十嵐章人(オリックス・ブルーウェーブ) ― 2000年6月3日、対大阪近鉄バファローズ9回戦(大阪ドーム)、近鉄が16 - 3と大量リードしている8回裏無死三塁の場面で登板。なお、本件により五十嵐は日本プロ野球史上2人目となる全ポジション出場を達成した。
- 登板成績 - 投球回1、打者4、被安打1、与四球0、失点0、自責点0
- 増田大輝(読売ジャイアンツ(巨人)) ― 2020年8月6日、対阪神タイガース7回戦(阪神甲子園球場)、阪神が11 - 0と大量リードしている8回裏一死無走者の場面で登板。[9][10]
- 登板成績 - 投球回2/3、投球数13、打者3、被安打0、与四球1、失点0、自責点0
- 北村拓己(読売ジャイアンツ) ― 2023年9月2日、対横浜DeNAベイスターズ20回戦(横浜スタジアム)、DeNAが12 - 4と大量リードしている8回裏開始時に登板。[11][12][13]
- 登板成績 - 投球回1、投球数14、打者4、被安打1、被本塁打1、与四球1、失点1、自責点1
- 北村拓己(東京ヤクルトスワローズ) ― 2025年9月12日、対横浜DeNAベイスターズ22回戦(明治神宮野球場)、DeNAが9 - 1と大量リードしている9回表開始時に登板。自身2度目の「野手登板」。[14]
- 登板成績 - 投球回1、投球数18、打者6、被安打2、奪三振1、与四球1、失点1、自責点1
- 柴田竜拓(横浜DeNAベイスターズ) ― 2026年5月1日、対東京ヤクルトスワローズ6回戦(明治神宮野球場)、ヤクルトが16 - 5と大量リードしている8回裏二死一・三塁の場面で登板。
- 登板成績 - 投球回1/3、投球数6、打者1、被安打0、奪三振0、与四球0、失点0、自責点0
- ホセ・オスナ(東京ヤクルトスワローズ) ― 2026年5月12日、対阪神タイガース7回戦(明治神宮野球場)、阪神が10 - 0と大量リードしている9回表一死無走者の場面で登板。MLB時代に続き自身3度目の「野手登板」。
- 登板成績 - 投球回2/3、打者2、被安打0、与四球1、失点0、自責点0
以下は「野手登板」後、正式に投手として登録された選手の例。
メジャーリーグベースボール
通算記録
| 順位 | 選手名 | 登板 |
|---|---|---|
| 1 | ジェシー・オロスコ | 1252 |
| 2 | マイク・スタントン | 1178 |
| 3 | ジョン・フランコ | 1119 |
| 4 | マリアノ・リベラ | 1115 |
| 5 | デニス・エカーズリー | 1071 |
| 6 | ホイト・ウィルヘルム | 1070 |
| 7 | ダン・プリーサック | 1064 |
| 8 | マイク・ティムリン | 1058 |
| 9 | ケント・テカルヴ | 1050 |
| 10 | ラトロイ・ホーキンス | 1042 |
| 順位 | 選手名 | 登板 |
|---|---|---|
| 11 | トレバー・ホフマン | 1035 |
| 12 | リー・スミス | 1022 |
| ホセ・メサ | ||
| 14 | ロベルト・ヘルナンデス | 1010 |
| 15 | マイク・ジャクソン | 1005 |
| 16 | リッチ・ゴッセージ | 1002 |
| 17 | リンディ・マクダニエル | 987 |
| 18 | トッド・ジョーンズ | 982 |
| 19 | デビッド・ウェザース | 964 |
| 20 | フェルナンド・ロドニー | 951 |
- 記録は2025年シーズン終了時[19]
シーズン記録
| 順位 | 選手名 | 所属球団 | 登板 | 記録年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | マイク・マーシャル | ロサンゼルス・ドジャース | 106 | 1974年 | ナ・リーグ記録 |
| 2 | ケント・テカルヴ | ピッツバーグ・パイレーツ | 94 | 1979年 | |
| サロモン・トーレス | 2006年 | ||||
| 4 | マイク・マーシャル | モントリオール・エクスポズ | 92 | 1973年 | |
| ペドロ・フェリシアーノ | ニューヨーク・メッツ | 2010年 | 左投手記録 | ||
| 6 | ケント・テカルヴ | ピッツバーグ・パイレーツ | 91 | 1978年 | |
| 7 | ウェイン・グレンジャー | シンシナティ・レッズ | 90 | 1969年 | |
| マイク・マーシャル | ミネソタ・ツインズ | 1979年 | ア・リーグ記録 | ||
| ケント・テカルヴ | ピッツバーグ・パイレーツ | 1987年 | |||
| 10 | マーク・アイクホーン | トロント・ブルージェイズ | 89 | 1987年 | |
| フリアン・タバレス | サンフランシスコ・ジャイアンツ | 1997年 | |||
| スティーブ・クライン | セントルイス・カージナルス | 2001年 | |||
| ポール・クアントリル | ロサンゼルス・ドジャース | 2003年 | |||
| ジム・ブラウワー | サンフランシスコ・ジャイアンツ | 2004年 |
- 記録は2025年度シーズン終了時[20]
脚注
注釈
出典
- ↑ 呉昇桓 緊急登板もその瞬間豪雨…結局1球も投げず「ハジメテ」 - 2014年8月30日 Sponichi Annex
- ↑ 【プロ野球セ】すべては大雨のせいだ!呉昇桓リリーフカーで登場も… 2014/08/29 T-S - YouTube プロ野球チャンネル・セ【CentralLeagueMovie】
- ↑ 2018年6月10日(日)【日本生命セ・パ交流戦】 横浜DeNAベイスターズ vs 北海道日本ハムファイターズ 3回戦 NPB(日本野球機構)試合速報
- ↑ DeNA筒香が勝ち越し3ラン 今永は今季初勝利 - 2018年6月10日 日本経済新聞
- ↑ 中日・谷元を「体調不良」で登録抹消 10日に1球も投げず緊急降板 - 2021年7月11日、スポーツニッポン
- ↑ オリックス・ペルドモにアクシデント 投球練習中に爪に違和感か、1球も投げずに交代 - 2025年7月2日、デイリースポーツ
- ↑ 歴代最高記録 登板【通算記録】 - NPB.jp 日本野球機構(シーズン中は毎日更新)
- ↑ 歴代最高記録 登板【シーズン記録】 - NPB.jp 日本野球機構
- ↑ 2020年8月6日(木) 甲子園【JERA セ・リーグ公式戦】 阪神タイガース vs 読売ジャイアンツ 7回戦(試合速報 | NPB.jp 日本野球機構)
- ↑ 巨人・増田が野手20年ぶり登板の珍事!過去にマウンドに上がった野手は誰? | THE DIGEST
- ↑ 2023年9月2日(土) 横浜【JERA セ・リーグ公式戦】 横浜DeNAベイスターズ vs 読売ジャイアンツ 20回戦(試合速報 | NPB.jp 日本野球機構)
- ↑ 【巨人】内野手の北村拓己が8回プロ初登板 大量失点に「僕でよければ投げられます」と志願 : スポーツ報知
- ↑ 巨人投手陣が大崩れ、初回の守備ミスから先発・横川乗れず…大量ビハインドで野手登板 : 読売新聞
- ↑ 2025年9月12日(金) 神宮【JERA セ・リーグ公式戦】 東京ヤクルトスワローズ vs 横浜DeNAベイスターズ 22回戦(試合速報 | NPB.jp 日本野球機構)
- ↑ 2022年度 支配下選手登録(中日ドラゴンズ) | 2022年度公示 | NPB.jp 日本野球機構
- ↑ 2022年5月21日(土) マツダスタジアム【JERA セ・リーグ公式戦】 広島東洋カープ vs 中日ドラゴンズ 10回戦(試合速報 | NPB.jp 日本野球機構)
- ↑ 2022年5月29日(日) 京セラD大阪【日本生命セ・パ交流戦】 オリックス・バファローズ vs 中日ドラゴンズ 3回戦(試合速報 | NPB.jp 日本野球機構)
- ↑ 2022年6月19日(日) バンテリンドーム【JERA セ・リーグ公式戦】 中日ドラゴンズ vs 読売ジャイアンツ 12回戦(試合速報 | NPB.jp 日本野球機構)
- ↑ MLB 通算記録 - Baseball-Reference.com
- ↑ MLB シーズン記録 - Baseball-Reference.com
関連項目
「登板」の例文・使い方・用例・文例
- 明日は彼が登板することになりそうだ
- 今週 3 試合に登板した.
- 火消し役に野村が登板した.
- シアトル・マリナーズの長谷川滋(しげ)利(とし)投手は5回に登板したが,4失点を許した。
- 田中投手は日本の3人目の投手として7回にリリーフ登板し,3者連続三振を奪った。
- 4月5日,ボストン・レッドソックスの松(まつ)坂(ざか)大(だい)輔(すけ)投手がメジャーリーグの公式戦で初登板を果たした。
- 早(わ)稲(せ)田(だ)大学の斎藤佑(ゆう)樹(き)投手(18)が,4月14日の神宮球場での東京六大学野球春季リーグ戦の開幕試合に先発投手として登板した。
- その後はトヨタの服部泰(やす)卓(たか)投手が登板し,三菱重工に再び得点を許さなかった。
- その夜のヤフードームでの試合では,クルーン投手は試合が3-3の同点の10回に登板した。
- このベテラン投手は2日間で3試合に登板し,計413球というとてつもない数の球を投げた。
- 法政大のエース,二(ふた)神(がみ)一(かず)人(ひと)投手は,決勝では6回にリリーフ登板した。
- 先月,彼は日米大学野球選手権の試合に登板した。
- 彼女は計11回登板して0勝2敗だった。
- 斎藤佑(ゆう)樹(き)投手が早稲田の先発として登板した。
- 3点リードの状況で,36歳の抑え投手は9回に登板した。
- 12年連続で1シーズン50試合以上に登板している。
- 沢村賞の選考基準は15勝,150奪三振,10完投,200投球回,25登板,勝率6割,防御率2.50である。
- 岩瀬投手は9回に登板した。
- ア・リーグのジム・リーランド監督はリベラ投手が確実に試合で登板できるようにしたかったので,リベラ投手を早く投入することにした。
- ライオンズ戦の9回裏イーグルスが4-3でリードしている場面で,イーグルスのエース,田中将(まさ)大(ひろ)投手がリリーフ登板した。
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