アポロ11号
名称:アポロ11号(Apollo 11)
小分類:アポロ計画
打ち上げ国名・機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:1969年7月16日
帰還年月日:1969年7月24日
打ち上げロケット:サターンV
宇宙飛行士:ニール・A・アームストロング/マイケル・コリンズ/エドウィン・E・オルドリン
飛行時間:195時間18分35秒
国際標識番号:1969059A
アポロ11号は史上初の月着陸を達成しました。着陸地点は「静かの海」。月着陸船イーグル号から降りて人類で初めて月面を踏みしめたのが、ニール・アームストロング船長です。「人間の小さな一歩だが、人類にとって大いなる飛躍だ」とアームストロング船長は無線機を通じて、テレビ中継で見守る世界中の人々に語りかけました。
また、アメリカとソ連の宇宙計画で命を失った5人の宇宙飛行士(バージル・グリソム、エドワード・ホワイト、ロジャー・チャフィー、ウラジミール・コマロフ、ユーリ・ガガーリン)のための記念碑が、月面に置かれました。記念碑には「地球から来た人類がここに初めて足跡をしるす。西暦1969年7月。すべての人類のため、われわれは平和のうちに来た」と刻まれています。
アームストロング船長とエドウィン・オルドリンの2人は、21時間36分のあいだ月面にとどまり、21kgの月の石を地球に持ち帰りました。
1.宇宙船はどんな形をして、どのような性能を持っているの?
アポロ宇宙船は司令船と機械船から構成されています。司令船は円錐形をした居住カプセルで、全長3.23m、底辺の直径3.91m、重量5.56tです。円筒形の機械船は司令船に酸素や電力を供給したり、推進ロケットの役割をする部分です。全長7.37m、直径3.91m、重量23.2tです。また、月着陸船は全長7m、重量15.1tです。
2.ロケットはどんな形をして、どのような性能を持っているの?
サターンVは3段式ロケットで、宇宙船をふくめた全長が111m、重量2941tです。第1段に推力694tのエンジンが5基、第2段に推力93tのエンジンが5基、第3段に推力93tのエンジンが1基ついています。
3.打ち上げや飛行の順序はどうなっているの?
サターンVの第1段と第2段の推力で、第3段とアポロ宇宙船を地球軌道に乗せ、第3段の推力で月に向かいます。第3段を離れた宇宙船が第3段に収めてある月着陸船とドッキングして、第3段と着陸船を切り離します。月の周回軌道に乗ってから月着陸船で月面に降り立ちます。地球に帰るとき、着陸船は再び宇宙船とドッキングして、飛行士が宇宙船に乗り移ったあとで切り離されます。大気圏再突入は司令船だけで行われます。
5.宇宙でどんな活動をし、どのような成果をおさめたの?
史上初の月面着陸に成功しました。
※参考文献:アラン・シェパード,ディーク・スレイトン著/ムーンショット(集英社)、野田昌宏・編著/NASA これがアメリカ航空宇宙局だ(CBS・ソニー出版)
アポロ11号
アポロ11号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/25 07:14 UTC 版)
「マーガレット・ハミルトン (科学者)」の記事における「アポロ11号」の解説
アポロ11号ミッションにおける1つの重大な局面において、アポロ誘導コンピュータソフトウェアでのハミルトンチームの仕事は、月面着陸が失敗するのを回避することになった。アポロ月着陸船が月面に降り立つ3分前、いくつかのコンピュータアラームが鳴った。ランデブーのレーダーシステム(着陸には必要ない)がコンピュータからのサイクルスチールによって知らず知らずのうちにカウンタを更新したので、コンピュータは受信データで過負荷を起こしていたためである。このとき、コンピュータの安定した仕組みによって、着陸動作を続けることができた。というのも、アポロに搭載されたフライトソフトウェアは、(着陸の際に重要な)優先度の高い命令を、優先度の低い命令に先んじて実行できるような、非同期実行を用いて作られていたのである。このときに起きたアラームは、誤ったチェックリストに起因していた。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}チェックリストマニュアルに誤りがあって、ランデブーのレーダースイッチが違った場所に置かれていました。だから間違った信号がコンピュータに送られていたのです。その結果、15%長い時間をかけて誤った別の信号を受信しながら、コンピュータは着陸のための通常の機能すべてを実施するようになっていました。コンピュータ(というより、その中に入っているソフトウェア)は頭が良かったので、やらなければならない命令以上のことを頼まれたということが分かるようになっていました。それで宇宙飛行士に知らせるためにアラームを鳴らしました。「今しなければいけないこと以上の命令が入り込んできて手が回らない。だから続けるのは重要な命令だけにするよ」すなわち、着陸に必要な命令を……。実際、コンピュータはエラー状態を認識する以上のことを実行するようプログラムされていました。ソフトウェアには回復プログラム一式が組み込まれていたのです。ソフトウェアの動作としては、この場合、優先度の低い仕事を除外し、重要なものに再構築します。……もしコンピュータがこの問題を認識できずに回復動作をとらなかったら、月への着陸が上手くいったかどうか、疑わしいと思います。 —Margaret Hamilton、Director of Apollo Flight Computer Programming MIT Draper Laboratory, Cambridge, Massachusetts, "Computer Got Loaded", Letter to Datamation, March 1, 1971
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アポロ11号
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「ニール・アームストロング」の記事における「アポロ11号」の解説
1968年12月23日、アポロ8号の月周回飛行成功後、スレイトンはニールをアポロ11号の船長に任命した。2005年に出版されたニールの自伝で明かされたところによると、この時の会合でスレイトンは、船長をニール、着陸船の操縦士にバズ・オルドリン、司令船操縦士にマイケル・コリンズを考えているが、オルドリンの代わりにジム・ラベルを起用するのはどうかと聞いていた。ニールは数日間考えた後、ラベルは一緒に仕事をする上で何の問題もないが、着陸船の操縦士はオルドリンがよいだろうと答えた。もしラベルを起用すると、彼は3人の飛行士の中で(非公式なものだが)3番目に序列されてしまう。ジェミニ12号で船長を務めたような人物をそのような順位に置くことは適切ではないと考えたという。 はじめオルドリンは、最初に月面に降り立つのは自分だと考えていた。ジェミニ計画では、全体の責任者であり船外活動の訓練はあまり積んでいない船長が、船内にとどまり副操縦士の船外活動を補佐していたからである。しかし地上の訓練で飛行士に宇宙服を完全装備させ着陸船の模型で手順を試してみると、彼を先に出すと船長の体が邪魔になり機体内部を傷つけてしまう可能性があることが判明した。 1969年3月、スレイトン、ジョージ・ロウ、ボブ・ギルルース、クリス・クラフトらの会合で、最初に月面に降り立つ人間はニールにすることが決定された。NASAの上層部は彼が最も自己顕示欲の少ない人物だと見ていたのである。1969年4月14日に開かれた記者会見では、着陸船の内部構造と、なぜ船長を先に出さなければならないのかという理由が説明された。船外活動用のハッチは内側に右開きになるように設計されており、右側に立っている着陸船操縦士が先に出るには船長の体を乗り越えなければならず、非常に困難だった。この会見でスレイトンはさらに、 「付け加えるならば、私の個人的な見解としては、最初に物事を行なうのは船長であるということが当然だと思ったからだ。この決定にはギルルースらも賛成してくれた」 と述べた。もっとも3月の会合では、彼らはハッチの問題は全く知らなかったのだと、ジーン・クランツは2001年に出版した自伝で述べている。 1969年7月16日、月に向かう当日に、ニールは打ち上げ責任者のグエンター・ウェンドから、「月への鍵だ」と言ってポリスチレン製の三日月のおもちゃを受け取った。月から帰還した後、ニールは返礼として「二つの星間のタクシー券」を渡した。
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