至高天(シコウテン)の登場人物
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「天使禁猟区」の記事における「至高天(シコウテン)の登場人物」の解説
アレクシエル〈有機天使〉 声 - 折笠愛 自然無限物質(エーテル)の力を司る有機天使。火・風・水・土の言魂(ルーン)を操る。3枚の羽と緩く波打つ長い黒髪を持ち、豊満な胸をした抜群のプロポーションを誇る絶世の美女。かつて神に反旗を翻して堕天使となり、九雷達と戦いを共にした。 天地大戦後、肉体と精神を裂かれ、肉体は天界最大の牢獄―中空回廊に天使の結晶として収監されていた所を、九雷達に盗み出される。精神はウリエルによる堕天使の最高刑―〈言霊呪法〉で幾度となく人間に転生し、非業の死を遂げるという刑罰を受けていた。しかしその結果、刹那として転生する事になる。時折現れてはロシエルやルシファーと話し、時間魔法によって刹那を救う事もある。大戦後の裁判では、神に反旗を翻した理由を「神を愛していたので、寵愛を一身に受けるロシエルが憎かった」と答えたが、実は別の理由があるらしい。 ロシエル〈無機天使〉 声 - 千葉進歩、佐々木望(ドラマCDの物質界編) 電磁場無限物質(アカシヤ)の力を司る無機天使。アレクシエルの双子の弟で、同じく3枚の羽を持つ。女性と見紛うばかりに美しい中性的な姿をしているが、実はそれは創世神が与えたアレクシエルの身体である。アレクシエルに対しては、復讐心と愛情という歪んだ感情を抱いている。元の聡明な人柄や、その美貌の魔力により信奉者は多いが、成長が逆行してしまう為に精神的に非常に不安定であり、絶対の服従を求めてチップや自らの血を利用する。 天地大戦時にアレクシエルの手によって封印されたが、カタンにより復活した。 カタン 声 - 三木眞一郎 元は実体のない精霊天使(グリゴール)だったが、ロシエルから肉体と「導きたる者」を意味するカタンという名を与えられ、智天使にまで昇り詰めた。カタンは精神のバランスを崩していくロシエルにとって唯一、「壊したくない大切なもの」であり、カタンもまた自分に命を与えてくれたロシエルを無二の存在として無償の忠誠を誓っている。ロシエルにどんなに遠ざけられようとも尽くす程に、その気持ちは強い。 刹那の有機天使としての覚醒の際、キリエを救おうと死にかけるが、ロシエルがチップを与えて生かした。 ティアラ / ティアイエル 声 - 矢島晶子 天使の心が分かる能力を持つ、「未来の天使」。生きる為に天使の死体を食った事から堕天使の烙印を押され、「天使食い」「悪魔の子」などと皆から蔑まれていた。チップを与えられて以降、ロシエルへの忠誠に迷っていたカタンと心を通わせるも、ロシエルの屋敷に忍び込んだ暗殺者らにより殺害されてしまう。 ジブリール 四大天使の1人で第一質料(プリマ・マテリア)の1つである水の守護者で、元智天使長(グレートケルビム)。正面を切ってセヴォフタルタと対立した為に策略に嵌められ、魂は刹那の守護天使(ガーディアンエンジェル)として紗羅に転生。肉体はうなじの針で自由を奪われ、水の庭園に幽閉されていた。紗羅の魂が宿った際、脱走の為に切った髪は、魂が抜けた途端に元通りになった。 慈悲に溢れる天使として多くの天使の尊敬を集めていたが、その真面目さから傍若無人な振る舞いを説教する事も多かった為、同じ四大天使であるミカエルには煙たがられていた。 ラファエル 声 - 成田剣 四大天使の1人で第一質料(プリマ・マテリア)の1つである風の守護者で、力天使長(グレートヴァーチューズ)。天界最高位の医者として治癒を司り、蘇りの術―〈反魂〉を使う事を唯一許された存在。ミカエルを「ミカちゃんと」呼び、「昔から何一つ変わらない奴」として大きな信頼寄せる、喧嘩もよくするが親友。 「女」を嫌悪する復讐心から、激しい女遊びで何百人もの女性達を弄んでは、その優越感で自分のプライドを保っていた。が、紗羅との出会いにより変化し、恋心から独占欲を抱く。だが紗羅に憑依したサンダルフォンに殺されかけた際、自分の副官―バービエルが身代わりに倒れた事でその愛に気付き、蘇生に命を賭した末、コールドスリープに入る。 ミカエル 声 - 高橋直純 四大天使の1人で第一質料(プリマ・マテリア)の1つである炎の守護者で、能天使長(グレートパワーズ)。天界の境界警備隊最高責任者であり、天地大戦ではその武功で天界一の英雄とされているが、逆上時の暴れ振りから天界一の問題児でもある。名の意味は「神の如き者」。燃えるような赤毛を逆立て、やんちゃな少年のような風貌をした、激しい気性の持ち主。生まれる前から預言されていた〈光の御子〉だが、全く似ていないルシフェル(ルシファー)のあまりの優秀さから、周囲が誤認。背が低いのも、能力の高い絶対年齢が早過ぎて肉体の成長が止まってしまった為だったが、それもまた誤認を強める結果となった。それにより、ルシフェルと身長の低さには強いコンプレックスがあり、話題に登ると逆上する。 天地大戦終結後、ルシフェルを殺せなかった悔しさから周りの全てを焼き尽くす程に、力を暴走。それを命を賭して止めたラファエルとは、無二の親友となる。 セヴォフタルタ 声 - 塩沢兼人(ドラマCDの物質界編)、小杉十郎太 大熾天使長付きの宰相で、白き天使(セヴォフタルタ)の名を持つ。その立場を利用し、政治の実権を握っている独裁者と天界ではみなされているが、実はサンダルフォンの傀儡。常に顔を大きなマスクで隠している。極度の潔癖症で、私邸の中はどんな汚れも許さない程に掃除を徹底させている。その病的な潔癖ぶりは政策にも色濃く現れ、その冷酷な采配により非常に恐れられている。しかしその恐怖政治ゆえに、アニマ・ムンディを生み出してしまってもいる。 実はサンダルフォン研究チームのチーフだった女天使―ライラが男に身を変えた存在だが、彼女は脳だけになったと刹那に述べ、その事実を頑なに否定している。 ライラ 声 - 相沢恵子 額に逆十字の傷を持つ、元サンダルフォン研究チームの女チーフ。アナエルの友人であり、(本人は決して認めなかったが)ザフィケルに恋心を抱いていた。その優秀さを妬まれ、同僚達により陵辱されるが、刹那をヘイディーズから送り届けた元天使―廃竜(ニドヘック・星幽界の項目参照)により救出される。しかし錯乱の内にニドヘックを刺し、その潔癖さから現実に耐えられずに全てを隠蔽しようとニドヘック共々陵辱者達を告発し、処刑に追い込んだ。その後、サンダルフォンの力で自分の姿を男性のように変え、セヴォフタルタとして天界を支配していた。 失脚後はサンダルフォンにより妊娠させられ、精神を病んだまま力を封じられて、孤高離宮に幽閉。そこにかつて幽閉されていた沙羅を追ってきた刹那が落として行った星幽界の種(ニドヘッグの鱗だったもの。ニドヘッグの身体はウリエルが植物から作ったもののため、現世に戻ってからは元の種子の姿に戻っていた)から成長した蔦によりニドヘックと再会するという幻想を見、離宮の窓から身を投げた。 メタトロン 声 - こおろぎさとみ、川田妙子(ドラマCDの物質界編) / OVA版白鳥由里 絶大な権力を持つ大熾天使長(グレートセラフィム)を務める、あどけない少年。セヴォフタルタを「セヴィー」と呼んで大変に慕っており事実上、セヴォフタルタの保護下にある。いつも抱いているうさぎのぬいぐるみ―うささんに唆されて、水の庭園に幽閉されていたジブリールのうなじの針を抜くなど、何も知らずに度々利用されてしまう。サンダルフォンとは死別した双子の兄弟。 サンダルフォン 声 - 関智一、城雅子(胎児) メタトロンの死産した双子の弟で、うささんの正体。肉体がないので〈揺り籠〉の中でしか外界を見る事が出来ず、メタトロンを使って気に入った女に自分の肉体を産ませようとしている。セヴォフタルタはサンダルフォンを恐れ、針をもって封印し、メタトロンに薬を与えては表に出て来られないよう工作していた。 アドナイ / 創世神 声 - 中田譲治 天界唯一の絶対の存在。肉体を持たず、物体や誰かの身体を媒介とする。巨大情報体マザーコンピューター―アカシック・レコード(天の板)を手にしている。実体はないが、事実上の天使達の父。現在は神の塔(エテメナンキ)ごと行方不明となっているが、最高会の極秘事項とされており、表向きは眠っていると説明されている。ラグナロク(終末)プログラムを最初にセットした存在。 セラフィタ / 聖隠者(アダム・カダモン) 声 - 置鮎龍太郎 / OVA版中尾隆聖 6枚羽根を持ち、創生神が創り上げた最高の存在。非常に長いストレートヘアの、男とも女ともつかぬ中性的な美しい姿をしており、古の時代に失われた時間魔術を使う事が出来る。現在は神の塔に、人知れず幽閉されている。地球を一掃させる計画を、一先ず阻止している。事実上の天使達の母体。創世神に反発し、自分が封じられる前に自身の力をアレクシエルとロシエルに分け、子供達の力で創世神の計画したラグナロクプログラムを阻止させようとしている。 ザフィケル 声 - 田中秀幸 座天使長(グレートトロウンズ)で、天地大戦時には、最も果敢で残忍な猛将として恐れられた男。周囲には柔和で実直な人物を演じているが、その胸には堕天使の烙印があり、アニマ・ムンディの統主でもある。ウリエルから紗羅の魂を預かっていた。 セヴォフタルタの策略により、愛する女天使・アナエルを自らの手で殺害させられたショックから自殺を図った際、アダム・カダモンによって命を救われた代わりに、光を奪われた。その後、非武装主義と人間・悪魔・天使の共存を唱えて負った刀傷が、喉に残り続けている。 当初は長い黒髪を後ろで一つに纏めた眼鏡の神父姿でアッシャーに現れ、刹那の自殺を思い留まらせる。後に刹那の身代わりとしてセヴォフタルタの手に落ち、天界の極刑・羽落としを受けて精神が崩壊したが、サリエルの放った剣先に仕込まれた毒性のウイルスで一時的に、正気を取り戻す。最後はアダム・カダモンがその目を開かせ、アナエルによく似た実の息子・ラジエルの風貌を目にしながら、その手に掛かった。 ラジエル 声 - 浅川悠、結城比呂(ドラマCDの物質界編) 表向きは座天使長・ザフィケル付きの士官候補生だが、後にサフィケルの志を継ぎ、アニマ・ムンディの統主となる。また、ザフィケルとアナエルの息子であり、肩まで伸ばした母譲りの金髪に碧眼、純粋な心を持つ少年。 実は他人の意識体と同調し、アストラル力(パワー)を無差別に増幅・放出させられる赤い瞳の変異亜種(アイオーン)で、その特異能力の為にラボ―白い部屋(ホワイトルーム)では、モルモット扱いであった。が、ザフィケルに救われてその腹心となる。互いにザフィケルの死の直前まで親子だとは知らないながらも、強い絆で結ばれていた。ザフィケル亡き後はその遺言により、刹那達と共に天界に闘いを挑むことになる。 シャティエル 「沈黙の天使」の意の名を持つ、片翼の欠けた不完全な天使。形成最下層第一天・シャマイムの廃墟で、インプロバチャイルドや身体の一部が欠けた不完全な天使達と共同で、隠れるように生活している。上層の天使達から、度重なる暴行を受けてもいる。社会科見学としてシャマイムを訪れたラジエルと心を通わせるが、セヴォフタルタの罠により、非業の死を遂げる。 アナエル 声 - 日野由利加 元主天使ST(シンクタンク)の金髪碧眼の美女。ザフィケルの元恋人で、ラジエルの実母。しかしセヴォフタルタの罠で叛逆者に仕立て上げられ、ターゲットを知らされない殺害の命を受けたザフィケルに、殺されてしまう。 キリエ 声 - かないみか ロシエルに利用され、紗羅抹殺に暗躍した士官候補生の女天使。刹那の有機天使としての覚醒時に発せられた力によって、命を落とす。思い込みが激しく、ロシエルに寵愛されていない事を最後まで認めず、嫉妬心からカタンを敵視していた。死後、顔を紗羅に似せて作られた人形であるドールに宿してくれたウリエルに、献身的に仕える。 リル 声 - 釘宮理恵 脳にミクロの機器を埋め込み、機能を麻痺させる手術を行わされた杭打ち(ステイカー)で、元精霊天使(グリゴール)の聖巫女(シスター)見習い。キラキラ一杯の目をした笑顔で、目覚めたジブリール(=紗羅)に仕える。 リウエト 「発明の天使」。元大天使ST(シンクタンク)の科学技術開発部のホープであったが、そのマッドサイエンティストぶりから周囲より危険分子として敬遠されるようになり、やがてアニマ・ムンディに協力するようになった。初めはからかい半分であったが、自らの命を懸ける加藤の強い意志を認め、その腕を改造した。 カマエル 声 - 相沢正輝、楠本一星(ドラマCDの地獄編) 能天使長であるミカエルの副官。幾多の戦いの結果、身体の半分以上が作り物となった短髪の無口な男。天界一の暴れ馬であるミカエルの監督役としての役割が大きく、ミカエルの影武者も務める。 バービエル 声 - 柳沢真由美 力天使長であるラファエルの副官。紗羅に憑依したサンダルフォンに殺され掛けたラファエルの盾となって斃れるが、ラファエルが全力で蘇生させる。その為、ラファエルはコールドスリープに入らざるを得なくなった。 サリエル 声 - 稲田徹 権天使長(グレートプリンシパリティーズ)で、中空回廊の最高司令官。邪眼(イヴル・アイ)の持ち主。刹那や吉良を殺そうとするが、辛うじて正気を取り戻したザフィケルに殺される。 ドビエル 声 - 高橋広樹 智天使長(グレートケルビム)。セヴォフタルタの命令で、ロシエル殺害のためにその屋敷を襲撃するが失敗し、ロシエルの手駒となる。
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