アニマ・ムンディとは? わかりやすく解説

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アニマ・ ムンディ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/06/24 13:28 UTC 版)

  1. 転送 宇宙霊魂

宇宙霊魂

(アニマ・ムンディ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/07 14:54 UTC 版)

宇宙霊魂(うちゅうれいこん、: ψυχή κόσμου, : Anima mundi)は、宇宙は全体としてひとつのを有する活きものであり、その魂は宇宙に遍在する原理的なものとなっているという考えに基づく概念である。世界霊魂(せかいれいこん)とも[1]

概説

いくつかの思想体系では、地球上の生きとし生けるもの全ては本質的につながっているとされ、が人の体につながっているように宇宙の魂/生命は宇宙とつながっていると考えられた。この思想はプラトンの『ティマイオス』から始まり、ほとんどのネオプラトニズムの体系において重要な構成要素であった。

[…]こう言わなくてはなりません。この宇宙は、神の先々の配慮によって、真実、魂を備え理性を備えた生きものとして生まれたものである、と。[…]理性によって把握されるものの内でも、もっとも立派な、あらゆる点で完結しているものに、一番よくこの宇宙を似せようと神は欲したので、自分自身の内に生来自分と同族である生きものすべてを含んでいるような、一個の可視的な生きものとして、この宇宙を構築したのです[2] — 『ティマイオス』(紀元前4世紀

プラトンの考えた宇宙霊魂は、身体の中に魂があるのではなく、逆に魂の中に身体があるのだというように定式化される。また、ネオプラトニストのプロティノスは時間の中に空間があると考えており、プロティノスの考える時間はこの宇宙霊魂にぴったり符合する[3]

中世にはピエール・アベラールがプラトンの世界霊魂の思想を聖霊の隠喩として解釈した。アベラールはキリスト教の観点から、世界霊魂の思想を真面目に取り扱わなかった[4]

ストア派は宇宙霊魂が世界で唯一の生命力だと信じていた。同様の概念は東洋哲学でもバラモン教ブラフマン-アートマンで述べられている。さらに、中国陰陽家道家宋明理学でもがこれに相当する。

似た概念はパラケルススのようなヘルメス主義哲学者や、バールーフ・デ・スピノザゴットフリート・ライプニッツフリードリヒ・シェリングに見いだされる。さらに、1960年代からジェームズ・ラブロックらが進めてきたガイア理論もこれと類似した思想である。

参考文献

  • Jung, C. G. (1968). Psychology and Alchemy. 12. London: Routledge. ISBN 0-691-01831-6 (日本語版『心理学と錬金術』人文書院)
  • Roszak, Theodore (2001) [1992]. The Voice of the Earth: An Exploration of Ecopsychology. Phanes Press. ISBN 1890482803 
  • Southern, R. W. (2001). Scholastic Humanism and the Unification of Europe, Volume II: The Heroic Age. Wiley-Blackwell. ISBN 978-0-631-22079-4 
  • プラトン『ティマイオス』田之頭安彦訳、岩波書店、1975年9月13日。 
  • 小浜善信「時間の問題―アリストテレスとイアンブリコス―」『新プラトン主義の原型と水脈』昭和堂、2000年、24-61頁。 
  • J・マレンボン『初期中世の哲学 480-1150』中村治訳、勁草書房、1992年5月30日。 ISBN 978-4326100941 

関連文献

  • 根占献一、伊藤弘明、伊藤和行、加藤守通『イタリア・ルネサンスの霊魂観』(新装版)三元社、2013年(原著1995年)。 
  • 熊田陽一郎「姉なる魂 宇宙霊」『宗教への問い3 「私」の考古学』坂口ふみ・小林康夫・西谷修・中沢新一[編集]、岩波書店、2000年。 
  • 酒井健『「魂」の思想史』筑摩書房〈筑摩選書〉、2013年。 

脚注

関連項目


アニマ・ムンディ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 08:00 UTC 版)

アキハバラ電脳組」の記事における「アニマ・ムンディ」の解説

巫女の意。機動女神ディーヴァ召喚する純粋な精神力を持つ少女たちのことを指す。

※この「アニマ・ムンディ」の解説は、「アキハバラ電脳組」の解説の一部です。
「アニマ・ムンディ」を含む「アキハバラ電脳組」の記事については、「アキハバラ電脳組」の概要を参照ください。

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