物語の真相とは? わかりやすく解説

物語の真相

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 02:20 UTC 版)

killer7」の記事における「物語の真相」の解説

「分身」終盤の展開分身」の章終盤において、唐突に舞台ニューヨーク移動し格闘ゲームめいた決闘シーン展開され、ハンサムピンクはラブ・ウィルコックスとなりガルシアンと会話する。ここでガルシアンが「ゲームの中の世界現実繋がってしまった」と考えているように、この決闘シーンオンライン上にアップロードされたゲームHardboiled Shooting killer7TM ONLINE』の一場面であり(この事は後に流れエンディング画面でより強調される)、同時にガルシアンとラブにとっての現実である。ラブ現実虚構クロスオーバーさせる能力を持つシナリオライターであり、エレクトロ&ライン社に利用されていた。同社トレヴァー殺され仇討ち誓ってラブ姿を消し、クン・ランは遊んでいた『killer7TM ONLINE』の電源消してこの章は完結となる。 ラブその後について作中では語られないが、『コンプリートガイド』において小林プロデューサーは、ラブ単身エレクトロ&ライン社を「潰し行った」と表現し、また1クリエイターであるラブ大手メディアとの戦い困難な道のりとなるであろうことも示唆している。 合衆国選挙の陰謀笑顔」の章では2つ謀略平行して語られる1つ合衆国行なわれる大統領選挙まつわる陰謀である。合衆国では多く大統領選挙会場学校選ばれる各地学校統括する文部省開票直前にこの票をすり替え文部省の望む結果出していた。すなわち大統領実質的に文部省傀儡であり、国家動かしているのは文部省長官だったという事になる。マツケンは「笑顔」の章で現職文部省長官グレッグ・ナイトメア絞殺し合衆国屋台骨揺るがそうとしている。 『Hand in killer7』中の年表には、ハーマンコバーン小学校設立者であり、また同校合衆国初の大統領予備選が行なわれた事が記されている。この事からハーマン合衆国建国以来大統領選出に関わってきた事が分かる八雲会の存在 国立コバーン小学校得た情報によって「笑顔」の章におけるもう1つ陰謀、「八雲会」の存在が明らかとなる。同校は「ある他国」の支配下にあり、生徒偏向した英才教育施され優秀な者が八雲会会員選出されるという。八雲会目的合衆国中枢浸透し国家積極的な派兵武力行使に導くことにある(これはゲーム発表当時アメリカ対外政策カリカチュアである)。八雲会組織した国家作中明らかにされていないコバーン小学校保護されエミール・パークライナーもまた八雲会影響下にある。しかしその一方で、彼はホテル・ユニオンで八雲会標的として6名(スミス同盟)を射殺しており、『コンプリートガイド』でプロデューサー小林はこの6名は国家機密接触したためにエミール暗殺されたと説明している。 多層人格の条件Hand in killer7』では、一時的にハーマン・スミスの主治医となったグラハム・マカリスター博士の手記という形で、具体的に多層人格についての説明加えられている。ここでは多層人格交替人格は(いわゆる多重人格交替人格異なり実在死者をもとに構成されるとされ、劇中笑顔」の章での描写裏付け与えている。 他にハーマン任意の死体意思の力で粒子化し、自己の体内吸収する儀式」によって多層人格構成されること、また多層人格形成にあたり死体ハーマン肉体に「適合」しなければならず、不適合者は残留思念となること等が書かれている。ただしこの説明自体マカリスター博士一人称書かれ主観に基づく手記という設定であるため、虚構誤謬を含む可能性も本文中指摘されている。 エミール・パークライナーの正体 序章よりその存在が仄めかされた「エミール」は、「笑顔」の章において徐々に正体顕になっていく。コバーン小学校プレイヤー犯罪遺伝子を持つ少年エミール・パークライナー戸籍改竄され、同校ハーマンらしき人物教育受けた事を知る。さらにホテル・ユニオンでガルシアンが過去の事件追体験する一連の映像によって、殺人鬼ハートランド」ことエミールが6名の男女(後のkiller7)を殺していく様が語られる。ここでガルシアンの正体記憶失ったエミールである事が明らかになり、ガルシアンはエミール相対し自己のアイデンティティ再構築する事となる。 劇中でガルシアンが相対するエミールビジョン少年のものであり、額に第三の目を持つ(これは『Hand in killer7』においてディミトリとの関連性強くうかがわせる材料にもなっている)。エミール生来持つ犯罪遺伝子偏向教育結果、わずか13歳にして完璧な殺人鬼となっており、政府管理下で殺人行った。ホテル・ユニオンでの連続殺人の後、エミールハーマンに「保護」され、ガルシアン・スミスとしてkiller7一員となっている。 ホテル・ユニオンで起こった「killer7」 エミール・パークライナーによるホテル・ユニオンでの6人連続殺人事件と、コバーン小学校での変死体発見事件犯人の名は劇中では伏せられているため、本当にエミール仕業であったかは不明である)を併せて被害者人数から付けられた「戒名」がkiller7である。 被害者達は(作中主人公として描かれるスミス同盟とは別に)「スミス同盟」と呼ばれる集団で、主宰含め7名から成る存在であった。そのメンバーダンカエデケヴィンコヨーテコンマスクら後の第二次スミス同盟の構成員であることは「笑顔」の章の回想で明白である。主宰について劇中では名前が挙がらないが、『killer7: OFFICIAL STRATEGY GUIDE』においてハーマン主宰であった明らかにされている。各殺害詳細下記の通りである。ホテル・フロント - ケヴィンフロント勤務中に振り向きざま射殺されるホテルRoom#203 - コン部屋窓際で外の様子注意向けていた所を背後から射殺されるホテルRoom#306 - マスクシャワー中に室内闖入され射殺されるホテルRoom#404 - カエデ逃げ込んだ部屋クローゼットで扉越し射殺されるホテルRoom#502 - コヨーテエミール交戦状態になり部屋待ち伏せしていた所を隣室バルコニーから迂回してきたエミール窓越しに射殺されるホテルRoom#601 - ダンエミール対峙互いに突き付けた銃を撃ち合うも、エミール届かず射殺されるコバーン小学校 - ハーマン校長室金庫の中から死体となって発見されるゲーム中ではこれらは「八雲会狙った犯行」と表現されているが、『コンプリートガイド』『Hand in killer7』では暗殺対象が「八雲密議会」あるいは「密議会」という表現変わっている小林プロデューサーは『コンプリートガイド』において、密議会と八雲会直結し存在であるとしているが、この表現の変遷について特に説明はない。なお『Hand in killer7』中の年表によればスミス同盟7名が暗殺された後も密議自体存続している。 劇中笑顔」のラストシーンで、ガルシアンはホテル屋上当時エミールという自己の鏡像出会い、このエミールはガルシアンに第三の眼撃たれるというトリガー経て口中に銃を銜え自害するガルシアンの鞄 ガルシアン・スミスは常に鞄を携帯し死体回収時には人格の首が入った袋を鞄に入れて回収する一方笑顔」の章ラスト直前自身エミールであることを理解し錯乱したガルシアンは、手元の鞄を開く(この伏線として、章序盤エド・マカリスターが鞄に言及している)。この時鞄の中にはスミス同盟人格6人分の武器入っている。 この矛盾する2つ描写の意味するところには大きく解釈の幅があるが、解釈正誤の答は与えられていない戦艦島の内部 終章獅子」でガルシアンは朽ちたビル群の中にある広場コロシアム」に到達する。ここは過去羈絆門中継地として通過してきたコロシアム同様の場所で、他のkiller7素通りしてきた中央階段をガルシアンがこの時はじめて下りることになる。地下通路の先はハーマン部屋とガルシアンの家に繋がっており、これまた素通りしてきた扉から地下室下りると、そこには最後の「笑う顔」がいる。 その物理的な位置スペースの異常さから、終章以前登場していたハーマン部屋内的世界表現あるいは何者かに用意され虚構の類であったことは明白である。一方この章で描かれているハーマン部屋現実存在なのか、それともこれもまた虚構なのかは一切プレイヤー想像任せられているが、このハーマン部屋戦艦島コロシアム地下存在する事が手掛かり一端にはなろう。『killer7: OFFICIAL STRATEGY GUIDE』では戦艦島コロシアム(ここでは羈絆門を含む)について、精神的な絆が集束される場所と説明されている。羈絆門ハーマン意識の一側面でもあり、同時にクン・ランの想像上の場所でもあり、また実存する笑う顔」の工場という一面持っているという。 ラスト・ショット 戦艦島にいる最後の「笑う顔」がラスト・ショットである(呼称は『Hand in killer7』より)。ラスト・ショット死により世界から「笑う顔」は根絶される。「獅子」の章においてガルシアンはラスト・ショット追い詰めるが、その姿はイワザル着ていたボンデージスーツ酷似する。そして黄金銃撃ち抜かれ倒れたラスト・ショットの顔はクン・ランそのものであったイワザル正体がクン・ランであったのか、あるいはクン・ランがイワザルの姿を使ってガルシアンを最後まで弄んだのか、明快な解答プレイヤー与えられないハーマンとクン・ランの関係 二人劇中しばしば描写されるように親しげチェスをする友人であるが、同時に利害一致しない敵同士でもあると公言されている。その要因二人思想あるいは立場にあるとされ、『Hand in killer7』においてディレクター須田剛一両者それぞれ国家ハーマン)とテロリズムクン)を象徴する存在であるとしている。「獅子」の章ラストで一旦二人戦いは(ガルシアンあるいはエミールという個、異物によって)絶たれたかに見えるが、その100年後、二人何事も無かったかのように再び戦い始める。これは須田自身が「終わりなき戦い」と表現している。 こうした比喩措け劇中二人目に見えた戦いをしない。作中ハーマンとクン・ランが直接対決する場面は常にハーマンがクン・ランに効果のない銃弾を撃つばかりであり、二人killer7政府・「笑う顔」などを駒として遊んでいるかのように描かれている。作中両者胸中明確に描写されることは無いが、『Hand in killer7』で須田が「天使」の章におけるクン・ランの行為を「出来心」「冗談」と評している。 マツケンとガルシアンの選択獅子」の章においてプレイヤーの操作するガルシアンがマツケンを殺さなければ彼の根回しによって国連軍合衆国攻撃するマツケン殺せば弱体化した日本合衆国消滅させる対照的な結果であるが、どちらも100年後に上海で再びハーマンとクン・ランの戦いが始まる事に変わりはない。これはマクロ視野見れば日本合衆国興亡も、国家テロ言い換えればハーマンとクン・ラン)の戦い歴史の一断面に過ぎない事を示している。 ディレクター須田自身作家として過去から一貫してマルチエンディングに否定的な立場取っていたが、『Hand in killer7』において須田はこの選択を、本作世界規模発売する上で用意した経緯」であるとしている。 サマンサの素性 サマンサ姓名劇中「サマンサ・シットボーン」とテロップ表記されているが、鳩書簡中に現れる署名には「Samantha smith」(サマンサ・スミス)と綴られている。スタッフロールキャスト表記においても同様にSamantha Smithであった。この差異について劇中では無視されているが、『Hand in killer7』の年表ではハーマン下僕としての人格が「サマンサ・シットボーン」、一時的なkiller7活動休止中の)戦闘人格が「サマンサ・スミス」であると書かれており一つ説明となっている。 同年表では密議会と何らかの関係を持つと考えられる「女の殺し屋」がスミス同盟壊滅追い込んだ末、ハーマン倒され事件書かれているが、年表にはこの一件とサマンサ・シットボーンが多層人格取り込まれた事が併記されているため、「女の殺し屋」がサマンサであった強く匂わせる記述となっている。 ハーマン・スミスとハーマン・デルタヘッドHand in killer7』の年表中に、「ハーマン・デルタヘッド」という人物登場する。これは劇中登場しなかった名であるが、元来はハーマン・スミスの本名とされる殺し屋となりディミトリによって多層人格目覚めたハーマンスミス姓を名乗り一方彼の中のディミトリ拒絶した人格は「ハーマン・デルタヘッド」として分離別行動を取ることとなる。 スミス同盟の構成Hand in killer7』のインタビュー中で須田は、劇中描かれているスミス同盟主人格は実はガルシアンであり、この際ハーマンは「死者実体化」という能力を持つ人格だとしている。すなわちガルシアンがハーマン仕えている状態は(物語上の必然であると同時に)この支配関係を隠すミスリードという事になり、この説明はガルシアンの家の中でのハーマン相反し扱われ方とも符合する。ただし、須田はこの発言直後発言自体が嘘である可能性をも示唆している。 Jaco's ReportJaco's Report」または「Jaco Checkbox's Reports」は『Hand in killer7』の人物紹介ページ併載された小説である。Jaco Checkbox(ジャコ・チェックボックス)と名乗る人物エミール・パークライナー宛てたメッセージという形式一人称小説で、掲載されページ人物紹介関連した物語語られるという趣向になっている作者フリーライター大岡まさひ。『Hand in killer7』中、本編のストーリー関わるテキストの中では唯一の記名原稿となっている。 Jaco's Reportの中で、ジャコは「笑う顔」に妻子殺され復讐燃え、「最後の一体」を倒すために事象連鎖反応起こそうとする(この背景には膨大なデータを基に未来予測行なうコンピュータプログラム「ミス・ジェイコブ」の存在があるが、その予測自体八雲始めとする「絵図」の影響下にあるという)。ウルメイダとカーティスジャコ思惑通り暴走しジャコサマンサ傀儡としてガルシアン以下killer7行動操作する。この物語の中では28年前に日本合衆国東の大国の3国が描いたシナリオの下に全て進行し同時に因果律制御という不可能事生んだ歪み異分子である「笑う顔」とkiller7無意識的シナリオ破壊しようとする(その戦い結末ゲームエンディングであると言える)。 作中ジャコ自身言及するによれば彼のメッセージには重大な虚偽ちりばめられているとされ、この物語のうち何が真実なのかがきわめて曖昧にされている。唯一ジャコ本人真実認めメッセージでは、ジャコ正体エミールの知るきわめて近しい女性であることが示唆されているが、これが誰を示すのかは完全に伏せられている。

※この「物語の真相」の解説は、「killer7」の解説の一部です。
「物語の真相」を含む「killer7」の記事については、「killer7」の概要を参照ください。

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