じょうじつろん〔ジヤウジツロン〕【成実論】
成実論〈巻第十二残巻/〉
成実論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/14 02:20 UTC 版)
『成実論』(じょうじつろん、梵: Satyasiddhi, Tattvasiddhi)は、訶梨跋摩(かりばつま、Harivarman, ハリヴァルマン)によって著された、16巻の仏教論書である。
概要
鳩摩羅什の漢訳が現存しているが、サンスクリット本およびチベット語訳本はない。翻訳は、弘始13年(411年)9月8日に始めて、同14年9月15日に終了している。経量部にも学び、法が空であることを強調する多聞部の論書である[1]。
202品で、35品までに三宝を明かし、続いて94品までに苦諦、140品までに集諦、154品までに滅諦、202品までに道諦を明かしている。
脚注
注釈
出典
参考図書
- 平井俊榮; 荒井裕明; 池田道浩『毘曇部6 成実論1』大蔵出版〈新国訳大蔵経 15〉、1999年。ISBN 4804380167。
- 福原亮厳『成実論の研究 : 仏教諸派の学説批判』永田文昌堂、1969年。
関連項目
成実論
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『成実論』(Satyasiddhi Śāstra、Tattvasiddhi Śāstraとも呼ばれる)は多聞部から生まれた現存するアビダルマ文献である。今日では大蔵経第16巻に収録されている(『大正新脩大藏經』1646)。著者は三世紀中央インドの僧訶梨跋摩とされる。真諦はこの多聞部のアビダルマが「小乗」と大乗の教説の混淆から成ると言及しており、Joseph Walserもこの評価の正しさに同意している。Ian Charles Harrisもこの文献を「小乗」と大乗の総合であると特徴づけており、その教説は中観派および瑜伽行唯識学派のそれに非常に近いと述べている。 『成実論』には多聞部の聖典に含まれる菩薩蔵に関する言及も見られる。
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