天童民間警備会社
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「ブラック・ブレット」の記事における「天童民間警備会社」の解説
里見 蓮太郎(さとみ れんたろう) 声 - 梶裕貴 本作の主人公。勾田高校2年生、16歳。身長174cm。体重62kg。 天童民間警備会社のプロモーター。実は元陸上自衛隊東部方面隊第七八七機械化特殊部隊「新人類創造計画」の人間兵器。物語初期のIP序列は12万3452位だったが、元IP序列134位の影胤に勝利し、ステージVのガストレアを倒した結果IP序列を1000位まで上げ、聖天子暗殺事件でティナに勝利したことで300位となり、第三次関東会戦直後の時点では延珠とのペアで210位。 天童式戦闘術初段。整った顔立ちをしているが、他人からは「不幸顔」と揶揄される。口調の乱暴さに反し、誠実で世話好きな性格。もとは一人称が「僕」の比較的大人しい性格だったが、友人の水原に口調を移された。また、家庭的なスキルが高く家では自炊が基本。料理は趣味でもあり、その味は延珠が絶賛するほど。ティナが来るまでは天童民間警備会社で唯一料理ができる存在だった。 ガストレア戦争により6歳で両親を失って天童家に引き取られた後、ある日屋敷に迷い込んだガストレアから木更を庇い、左目と右腕、さらに右足を失う瀕死の重傷を負い、生きるために「新人類創造計画」の手術を受けた。15歳で木更について天童家を出奔し、天童民間警備会社を立ち上げる。天童家に居た頃は、蓮太郎を政治家にしようと考えた菊之丞にパーティーへ連れ回されたり、弟子として仏師の修行を経験させられたりしていた。 住んでいるボロアパートに相棒の延珠を居候させ、事実上の保護者となっている。爪に火を灯すほどの極貧だが、延珠を食べさせることは出来ている模様。過去1度だけ延珠にやむなく金を借りたことがあったが、悲惨な目に遭ったため、自身の収入のみで死に物狂いでやりくりしている。 『ファーブル昆虫記』が好きだったために生き物全般に詳しく、その知識量はほとんどオタクの域、作中ではガストレアの特徴を度々見抜いている。電撃文庫マガジンに連載された鵜飼沙樹の外伝漫画「ブラック・ブレットIF」では解説役としてイニシエイター達のモデル生物を紹介する。菫や延珠が好き勝手に吹聴するデタラメにより、周囲に「ロリコン」や「変態」などと言われることも多く、火垂によればネット上にまで広がっている模様。 子供に好かれやすく、特に自分が助けた「呪われた子供たち」には異性として好意を持たれている。だが本人は幼少期から木更に恋焦がれており、決してロリコンではない。しかし、和光との決闘で木更の狂気を目の当たりにし、自分では彼女を幸せにできないことを悟る。一度は木更の幸せのためを思い、彼女を突き放すような態度を取ってまで身を引こうとしたが、結局は思いを捨て切れず、利己的な行動に走ってしまう。 公立の勾田高校に通っているが、スポンサーの未織との契約から仕方なくであり、本人は必要性を感じていない。教師や同級生は基本的に無視、クラスメイトの名前も覚えていない上、未織のスキンシップが激しいため校内では男子を中心によく思われていない。その上延珠との同居がクラスメイトにばれている。 自身の出生についてはあまり記憶になく、出生を知る前に両親に先立たれており親戚筋もいないため、自身のルーツを知らない。菊之丞との会話である秘密があることが仄めかされる。 普段は40口径仕様のXD拳銃と天童式戦闘術で闘う。機械化兵士としての能力は、左目の「二一式黒膂石義眼」の演算装置による思考の加速と、義肢内部に仕込んだカートリッジ(腕に10発、足に15発)を炸裂させることで得られる推進力を利用した超人的な攻撃および高速移動。ステージⅣまでの全ガストレアに対抗可能な「最強の矛」として設計された。カートリッジのストックがなくなるとただの人間と変わらなくなることから高速移動を行う際は延珠の背を借りることが多い。義眼は思考を百倍程度に加速するが、莫大な情報処理が脳に悪影響を与えるためリミッターがかけられている。已継悠河との戦いで義眼の共進現象を起こしリミッターを突破、加速倍率2000倍、「二千分の一秒の向こう側」(ターミナル・ホライズン)に至る。この倍率に至った被験者の中で生還したのは彼のみである。藍原 延珠(あいはら えんじゅ) 声 - 日高里菜 本作のもう1人の主人公兼メインヒロイン。モデル・ラビットのイニシエーターであり、蓮太郎の相棒。10歳。 一人称は「妾(わらわ)」で尊大な口調であるが、性格は明るく素直で天真爛漫。巨乳で恋敵の天童を僻んでいる。ツインテール。未織がデザインした司馬重工製の特殊な靴を履いており、靴底に仕込まれたバラニウムと延珠の脚力を加えた蹴りは強固な甲殻に覆われたガストレアをも粉砕するほどの威力を持つ。ウサギの因子を持つだけあって非常に脚が速く、蓮太郎を抱えたまま縦横無尽に走り回ることもできる(ただし抱えられている蓮太郎にはすさまじいGがかかる)。蓮太郎の「ふぃあんせ」を自称し、木更にライバル心を持っている。天童民間警備会社から給与が支払われており、極貧の蓮太郎をよそに高価なノートパソコンや大ファンであるアニメ『天誅ガールズ』のグッズやDVD-BOXを爆買いして彼の胃痛の種になっている。外周区の一つ第39区出身で、物語開始の約1年前に蓮太郎と契約した経緯がアニメDVDに付属する書き下ろし小説にて描かれる。「藍原」の姓は延珠を児童養護施設から引き取った義父母のものであるが、給付金目的で引き取られて虐待に近い扱いを受けたために出奔し、第39区に移り住んだ。しかし、それでも人としての姓をもらったことに感謝し、藍原の姓を大事にしている。その後、イニシエーターになれば優遇されると知り、実の両親のことが分かるかも知れないとIISOに志願、蓮太郎と出会ったという経緯を持つ。 当初は「呪われた子供たち」であることを隠して一般の小学校に通っていたが、影胤によってこのことが漏れて辞めることになってしまった、その後外周区の青空教室に参加するが、爆発事件で多くの学友を失うという辛い現実に直面する。七巻では里見家から遠く離れた進学校に編入している。 1巻終了時点でガストレアウイルスによる体内浸食率が40%以上の超危険域に達しており、残り2年も生きられないと予測されている。この事実は蓮太郎や菫など限られた人物だけが知っており、延珠本人には実際よりも低い数値を告げる形で伏せられている。 天童 木更(てんどう きさら) 声 - 堀江由衣 もう1人のメインヒロインで、天童民間警備会社の社長。16歳。 姫カットのストレートの黒髪を持ち、常に美和女学院のセーラー服を着ている巨乳美少女。名家と名高い天童家の令嬢であったが、ある事件を境に出奔して民間警備会社を立ち上げ、独立した。元お嬢様ということで気位が高いが、会社がほとんど儲かっておらず、株と証券の運用でなんとか維持しつつ貧乏暮らしをしている。木更自身の譲れないプライドのために、お嬢様学校と名高い美和女学院に通い続けてはいるが、高い学費を払うことで家計は更に圧迫されており蓮太郎以上に内情は苦しい。未織とは犬猿の仲で、蓮太郎曰く一緒に置いておくと凄まじい化学反応を起こすらしい。 典型的なツンデレであり、普段は蓮太郎に対して高圧的な態度を取っているが、内心では彼に想いを寄せている。しかし、木更自身は両親の死をきっかけに精神を病み、自らの幸福に対して強迫観念を持っている。蓮太郎から求められた際にはひどく取り乱し、彼のことを拒絶した。 普段はごく普通に振る舞っているが、その本性は天童家を憎む復讐者「天童殺しの天童」であり、全ての「天童」は死ななければならないという強迫観念に捕らわれている。父母を殺した天童家に対する復讐心のあまり幻覚を見るほどに至り、果ては笑顔で肉親を惨殺するまでに人間性が壊れた狂人と化している。 天童式抜刀術の免許皆伝の剣鬼。抜刀術「射程距離のある斬撃」では刀が触れもしない10m先の物まで切断でき、超高位序列者であるティナを戦慄させ、小比奈には動物的な勘で「一番やばい」と言わしめた。「零の型」を創出するなど圧倒的な実力を持ちながらも、父母を失った際に患った腎臓の持病で人工透析を定期的に受けている影響から、長時間は戦えない。そのため事務職に落ち着いていたが、第三次関東会戦で蓮太郎の力になるべくティナとペアを組み、戦闘に加わる。登録時のIP序列は9200位、第三次関東会戦後は3500位に昇格した。 使用する刀は天童家に伝わる妖刀「殺人刀・雪影」で、持つに値する者が使うと真価を発揮するが、そうでない者が使うと刀に魅入られて破滅の道を歩むと言われる業物。ティナ・スプラウト 声 - 黒沢ともよ 本作ヒロインの1人。モデル・オウルのイニシエーター、四賢人の1人エイン・ランドの造り出した「ハイブリッド」強化狙撃兵。アメリカ人の「呪われた子供たち」であり、プラチナブロンドの髪で、整った顔立ちをしている。登場初期は夜型であり、第2巻では日中は大量のカフェイン錠剤を摂らなければ意志疎通もままならなかったが、第3巻からは蓮太郎達と同じ時間を生きたいという理由で生活リズムを昼型に戻そうと努力している。現在は木更と同居しており抱き枕代わりにされているらしい。料理はピザしか作れないが、種類は豊富。また、延珠の影響で『天誅ガールズ』にハマった。 単独の戦闘力でIP序列98位を誇り、「黒い風(サイレントキラー)」の二つ名を持っていた。夜目が利き狙撃が得意で、1km以上先の目標を百発百中で射抜くほか、マシンガンの扱いやナイフ格闘もこなすオールラウンダー。機械化兵士としては、脳に埋め込まれたニューロチップを介して操る球状の小型偵察機「シェンフィールド」から情報を受け取ったり、設置した火器を遠隔操作する能力を持つ。この能力はビットなどの使用機器の数量に比例し、ニューロチップの負荷による熱が脳へ直接伝わって最悪の場合は脳死に至るため、同時操作は通常3機までにしている。第三次関東会戦では無数の火砲を遠隔操作し、一人で航空母艦クラスの火力を発揮した。 名ばかりのペア登録をしていたランドに命じられ、聖天子を暗殺するために東京エリアへ潜入し、互いの素性を知らないまま出会った蓮太郎と心を通わせるが、戦いの場で互いを敵と知ったことによる葛藤を経て、死闘の末に敗れる。その後は投降し、蓮太郎の取りなしと聖天子の計らいで死刑を免れ、謹慎が解けた後には木更にスカウトされた。それと同時に序列も剥奪されるが、第三次関東会戦にて木更とペアを組み直して9200位に、戦後は3500位に昇格した。戦いしかなかった日々から自分を救ってくれた蓮太郎には好意を抱いており、「お兄さん」と呼んでいる。
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