国家・組織・施設
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 22:20 UTC 版)
「ガンダム Gのレコンギスタ」の記事における「国家・組織・施設」の解説
本作の主な舞台は、地球上のキャピタル・タワー周辺の都市国家「キャピタル・テリトリィ」とそれに敵対しつつある大陸国家「アメリア」、月の裏側の宙域のスペースコロニー国家「トワサンガ」、金星方面宙域のスペースコロニー国家「ビーナス・グロゥブ」の4つの国家となる。各国家もいわゆる“保守派”と“改革派”(例を挙げると【キャピタル・テリトリィ⇒キャピタル・ガードとキャピタル・アーミィ】、【トワサンガ⇒本国守備隊とドレット軍】、【ビーナス・グロゥブ⇒テン・ポリスとジット団】など)がいるなど、単純に一枚岩ではない。 主立って戦闘を繰り広げ、劇中の最終決戦まで絡む組織は、4つの国家それぞれの“改革派”である「キャピタル・アーミィ」、「アメリア軍」、「ドレット軍」、「ジット団」の4つの勢力である。主人公のベルリとアイーダが属する「海賊部隊」は、本来アメリア軍の秘密独立部隊であったが、旅をするうちに4つの国家それぞれの穏健派な人々が乗り合わせる中立的な立場となり、戦争を防ごうと奔走する。 キャピタル・テリトリィ ベルリたちの住んでいた都市国家。赤道直下のエルライド大陸北部、カリブ海からアマゾン川流域に至る国土を持ち、キャピタル・タワーの存在によって繁栄を極めている。現在の国家元首はビルギーズ・シバ。キャピタル・ガード キャピタル・タワーの防衛と保守点検、クラウン運行の安全確保を目的とした警備的自衛組織。トップはタワーの運行長官であるウィルミット・ゼナム。 キャピタル・アーミィ キャピタル・ガードからの引き抜きと新規の募集を行い設立されたキャピタル・テリトリィの新軍組織。大陸間戦争を続けているアメリア軍・ゴンドワン軍などからの侵略を想定して設立された。スコード教の禁忌に触れているかと思える新型武装の導入運用に積極的でウィルミットは危険視しているが、法皇は一応タブーは守られていると認めている。トップはジュガン・マインストロン司令。 なお、引き抜き派と新規派には、士気や錬度でかなりの差がある。 セントフラワー学園 キャピタルの学校。劇中にはノレドやマニィが所属するチアリーディング部が登場する。 キャピタル・タワー キャピタル・テリトリィの中心部に存在する軌道エレベータ。宇宙世紀時代に建設されたエレベータを基に大規模改装を施している。宇宙からもたらされるフォトン・バッテリーを運ぶ世界唯一の施設で、神聖視されている。全長8万km。4線の並列構成になっている。基本的な原動力は、地球の存在そのものがバッテリーになっている。これは、人工的なエネルギーを供給して維持できるほど、簡単なシステムではないため。ビクローバー キャピタル・タワーの地上側発着施設。4つのブロックに分かれており、ベルリたちが通うキャピタル・ガード養成学校を始め、セントフラワー学園、空港など様々な都市施設が存在している。 ザンクト・ポルト キャピタル・タワーの最上部施設でトワサンガから運ばれるフォトン・バッテリーの積み下ろし港、スコード教最大の聖域。 ナット キャピタル・タワーの途中に設けられている多数の宇宙ステーション。正式144基の他、高度約300km地点に事前工事用衛星を基にした「アンダーナット」がある。標準サイズは直径1300m、高さ400m以内でケーブルに固定された駅施設部と、回転する外周リング部に分かれる。ケーブル間に発生させたMMFという場の力によりケーブルの指定位置に固定され、ミノフスキー・クラフトで滞空している。 クラウン キャピタル・タワー内を往還するゴンドラ。1ユニットの高さは約60メートル。球形の荷台部の上下にボーディング・ブリッジと連結器が、下部にミノフスキー・クラフトを備える。3本のアームでケーブルを掴みMMFと呼ばれる場の力で上下移動する。鉄道車両のように客車や貨物用など用途別のユニットを連結し編成を構成して運用する。 アメリア エルライド大陸の北側、かつて北米と呼ばれた地域に位置する大陸国家。ゴンドワンと敵対している。また、主要な都市としてニューアークがある。大統領を国家元首とするので共和制のはずだが、劇中の大統領ズッキーニ・ニッキーニ は自国の国号を「アメリア帝国」と呼んでいる。また、軍の最高指揮権(統帥権)は大統領ではなく総監が有しており、これをさしおくと大統領といえど「統帥権の侵害」となる。キャピタルによるエネルギー配給の独占を悪とみなし、自国による管理およびエネルギー生産や流通の自由化実現を志向している。第8話・第13話によると大陸国家ゴンドワンと10年(第6話では20年とも)もの間、大陸間戦争を起こしているため、平穏な時代が続いていた本作の世界観の中では、軍の戦闘経験には長けている。 『∀ガンダム』にも同名の大陸が登場する。海賊部隊 「宇宙海賊」とも呼称される、アメリア軍の秘密独立部隊。宇宙戦艦メガファウナやMSグリモア等を運用し、タワーからのフォトン・バッテリー強奪や諜報活動を行っていた。 アメリア軍の諜報部隊ではあるが、表向きは軍属ではなくあくまで“宇宙海賊”という立場を取っていた。軍令行動時以外は、アイーダの意見を基に独自裁量的に行動している。 ビーナス・グロゥブへの旅をする過程で、キャピタル・ガードやトワサンガのレジスタンス、ドレット軍からの脱走兵や捕虜、アーミィの兵、ビーナス・グロゥブの客人等様々な出自の人間が乗り合わせ共棲する艦となった。各陣営からの様々な人材が無差別に寄り集まり、中立性を保っている。地球圏へ帰還後の第23話で、グシオンはメガファウナをアメリア宇宙艦隊へ移籍させる意向を示すが、アイーダらはそれを拒み、艦隊へ協力はするが単独で地球圏の争乱収束のための行動をとる旨を伝えた。 ビクエスト島 海賊部隊の基地となっているカリブ海の島。アメリアの「カリブ海洋研究所」が置かれている。研究所の脇の岩山内が洞窟状のドックとなっている。 ゴンドワン アメリアの東方、キャピタルの北東、かつての欧州地域にある大陸国家。アメリアと敵対している。 第8話・第13話によるとアメリアと10年(第6話では20年とも)もの間、大陸間戦争を起こしている他、キャピタル・アーミィとは協力関係にあり戦艦ガランデンの調達先としてその名前が挙がるが、劇中、話題には挙がるもののその国自体は一度も登場せず、人物も一部がガランデンの運用クルーとして登場するのみ。 トワサンガ 月の裏側のスペースコロニー群からなる国家。地球では近年の会議でようやく存在が公然化した。宇宙世紀以来の2000年以上の歴史を持つ。宇宙世紀時代、ジオン公国のサイド3が存在した宙域でもある。 現在の「ハザム政権」は、ドレット家がレイハントン王家を倒して擁立した傀儡政権。ただし「レコンギスタ」政策自体は民意を強く反映したものである。シラノ-5 2つの採掘用小惑星間を円柱状の構造物で接続した形状の複合コロニー。円柱に沿い5つのリング状コロニーを持ち、最北側リングをノースリング、最南側をサウスリング、3番目のリングをセンターリングと呼称する。センターリングにはドレット艦隊の基地のアパッチ軍港があり、ドレット軍の中枢となっている。クンパによれば「シラノ」の名称は小惑星の形状がシラノ・ド・ベルジュラックの鼻に似ているからとの事。 ドレット家 トワサンガの軍人家系。10数年前のクーデターで王家のレイハントン家を滅ぼして台頭した。地球へ帰還する「レコンギスタ作戦」の実行とフォトン・バッテリー技術のヘルメス財団からの解放を主張し、自ら遂行しようとしている。現在の当主はノウトゥ・ドレット。ドレット軍 ドレット家が組織した軍。地球の艦隊行動を察知し、トワサンガ政府の意向を地球側へ伝える名目でザンクト・ポルトに急遽赴いた。地球へ帰還する「レコンギスタ作戦」遂行を目的としている。 一時期キャピタル・アーミィとは、レコンギスタを円滑に進めるため、実験機MSビフロンを貸与するほど懇意にしていたが、ベルリらがビーナス・グロゥブまで旅に出ている間にドレット軍が起こした、カシーバ・ミコシを占領してゲル法皇を人質とする事件が決定打となり、その協力関係は解消された。 レイハントン家 ヘルメス財団とも繋がりの深い トワサンガの元王家。宇宙世紀時代からの技術を継承・管理していた。ドレット家の主張するレコンギスタの実行やフォトン・バッテリー技術の解放には反対の立場を取っていたが、クーデターによって滅びる。シラノ-5のサウスリングに領地を持ち、ベルリとアイーダの生家も在る。 トワサンガ本国守備隊 トワサンガ本国の治安維持と防衛を目的とした軍組織。トワサンガ政府を事実上支配しつつあるドレット軍とは折り合いが悪い。ガヴァン・マグダラの率いるMSザックスのみで構成された精鋭部隊は「ザックス兵団」という別称を持つ。 レジスタンス 政策化されてしまったレコンギスタ作戦に反対する人達。レイハントン家の元家臣や領地民が参加している。 ビーナス・グロゥブ 金星近傍宙域にあるとされた巨大な球状のフォトン・バッテリーの集合体とそれに付随する「オーシャン・リング」と呼ばれるスペースコロニー群の総称。それらを管理するヘルメス財団のトップはラ・グー総裁。実際には金星方面にあるだけで、金星宙域にある訳ではないとのこと。 コロニー部は直径100km、水深150mの海を持つ「シー・デスク」 と呼称する円盤型のコロニーを6つ接続した円環構造で、環の中心には資源採掘小惑星がある。この全体を「オーシャン・リング」と呼ぶ。 球状のフォトン・バッテリー集合体は本物語では4対のバッテリー群の環で構成されており、エル・カインドによれば直径は月と同程度で「ビーナス・リング」と呼ばれる。 月ほどの大きさにまでフォトン・バッテリーを貯蔵しているのは、将来的に地球圏が枯渇するほどの危機的状況が訪れた際、地球を若い銀河に丸ごと移動させるため、いわゆる「ダイソン球」を完成させるという壮大な計画の実現を目指してのもの。ロザリオ・テン ビーナス・グロゥブの首都。フォトン・バッテリーの生産拠点でもある。どれ位の期間、地球の人々の復興のために従事してきたのか正確には不明だが、劇中「1000年の夢」という台詞がある。 ヘルメス財団 フォトン・バッテリーや水の玉、空気の玉などの生産・供給を管理している財団。トワサンガで創設されたが、現在はビーナス・グロゥブを拠点とする。 フォトン・バッテリーの供給システム、スコード教、アグテックのタブーを考案した組織。旧来のエネルギーでは限界を察し、宇宙世紀の度重なる戦争で傷付いた地球の再生のため、過酷な環境である金星まで出向き、自身らを犠牲にしてフォトン・バッテリーを開発・製造した。 争いが起きぬように「スコード教」や「アグテックのタブー」を作り、それらによって自身らを神聖視させることで、権力とは切り離した不可侵な存在として、地球人が戦争を起こさずに地球を復興できる程度にフォトン・バッテリーを供給し、星を再生させようとした。 それから1000年経ち、ヘルメス財団を多くの人々が“天上人”と認識してはいるものの、その創設目的はトワサンガの人々ですら忘れてしまっており、それが「レコンギスタ」を引き起こす要因となった。 テン・ポリス ロザリオ・テンの自警組織。その練度は低い。 ジット・ラボラトリィ ビーナス・グロゥブの技術保全局。宇宙世紀の技術を研究しており、G系統の機体や各種MS、モビルアーマー (MA)の開発・製造を行っている。 ジット団 ビーナス・グロゥブから地球への帰還(レコンギスタ)を望んでいる一団の名称。リーダーはキア・ムベッキ。 宇宙世紀の技術を研究するうち、穏健なラ・グー総裁の意に反して地球へのレコンギスタを実行しようとする。リーダーのキアら主要メンバーを始め、その多くがジット・ラボラトリィの中の地球へのレコンギスタを宿願とする者たちで構成されるが、クレッセント・シップの乗組員から離反して参加した者たちなど、ラボの研究員以外のレコンギスタを熱望するビーナス・グロゥブ出身者らも参加している。戦争に憧れている者も多い。リーダーのキアを喪うもフルムーン・シップで地球圏へ飛来し、キャピタル・アーミィと手を組む。 ギアナ高地 キャピタル・テリトリィの北部にある、テレビシリーズにおける最終決戦の舞台となった場所。 テーブル台地と呼ばれる独特の地形で、周囲から隔絶された場所となっており豊かな生態系を残す。宇宙世紀には近郊一帯が地上、地下を問わず軍事基地化され、激しい戦争の舞台となったと言われている。 三つ富士 レコンギスタにまつわる一連の騒乱の終結後、G-セルフのパイロットとしての責務から解放されたベルリが、世界一周の旅の出発点に選んだ国・日本の一番高い山の通称。リギルド・センチュリーの時代の富士山は噴火活動によりその姿を変え、3つの頂を持つ山に変化している。なお、テレビ本放送時には、監督の演出意図が現場に伝わっておらず三つの峰が離れて中央が現代の富士山に近い形になっていたため、ブルーレイ版では富士山とかけ離れた稜線に修正されている。
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