地球の人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/06 02:00 UTC 版)
リルオード 火星を探索していたDRFの調査員らが遭遇した女性。24対の染色体を有する不老不死者で、逆相写像重合体並びにドローンらと深い繋がりを持っているらしい。また、逆相写像重合体の雄性配偶体を排出することがあった。 イジッツァ地区の小さな村の出身。レーフとは恋人のような関係にあったが、不老不死であることから彼の元を離れ、後に火星で行方不明になる。700年後、崩壊した火星で唯一生き残っていたところを発見される。 イオン・グリーン 別名ヴィエフ・チイエナ。N5Sウイルス適応者と仮定されていた少女。9JOにある祖父の家にコズロフと暮らしていた。N5SVの蔓延する大気下に生身でいてもドローン化せず、四肢を断裂するほどの重症でも短時間での再生が可能。造一らが保護するはずだったが、巡回査察員に拉致された後、DRF公衆衛生局の管理下に置かれた。 後に、N5SVに感染していないことが判明。さらに180年前に閉鎖した「ゼル研究所」の所員ヴィエフ・チイエナと網膜の血管パターンが一致し、このことから彼女が不老不死者であることが判明する。リルオードと似通った身体的特徴を持ち、彼女と同じ逆相写像重合体の雄性配偶体を排出する。どうやらリルオードと同郷の出身で、彼女と血縁関係にあった模様。 第3MSCFで一度は造一達に保護されたが、ニアルディを足止めするために造一が残った際、カーダルに預けられる。共に大陸繋留索まで逃れた後、「復物主の世界」では数千年後に遺跡と化した大陸繋留索で避難民の子孫達に扶養されていた。復物主の世界でもDRFに回収されたが、恐らく造一達がここを襲撃した際に再度保護されたと思われ、ようやくコズロフと再会することが出来た。 コズロフ・Л(レーフヴィチ)・グレブネフ イオンの保護者を名乗る大型の熊。人語を解し、二足歩行(場合により四足歩行)をする他、重火器から日用品まで器用に道具を扱う。見た目は熊だが、その性格は作中でもっとも常識的といえる。ミドルネームのレーフヴィチとは「レーフの息子」を意味し、コズロフもDRFの前身マイクロボルト社の創設メンバーであるレーフ・グレブネフを「親父」と呼ぶ。彼自身は二銖から聞かされるまで、レーフとDRFの関係を知らなかったようである。 彼の素性は、レーフとヴィエフ・チイエナの受精卵から作られたクローンの脳を、レーフの飼っていた小熊に移植したことで誕生した存在である。そのため、イオンほどの再生能力は持たないものの、彼自身も半ば不老不死である。 庚班の助力によって9JOを脱出後、旧イジッツァ領区にてヒノト・タイラを回収。さらに壬班によって巡回査察員の襲撃から救出され、以来行動を共にする。ニアルディとの戦いでは、レーザー砲を搭載した飛行船に乗って登場。ニアルディが地表に蒔こうとした「花粉」を狙撃する。しかし最終的には、発芽した復物主の誕生による時空の混乱に巻き込まれ、「復物主の世界」の誕生より数千年後(造一たちの出現時間よりさらに数百年後)へ転送される。 転送された第4区画で、復物主の世界でも発生しつつあるドローン渦の中で生き残っていた住人に助けられ、その集落でレーフの代理人やタイラ達と過ごす。その12年後、フニペーロの「示現構成体」に接触し、メッセージを受け取って第6区画へと旅立つ。数十年をかけて到着したニアルディを倒す装置へと向かい、ついには彼女を倒すことに成功する。その際の心象風景では、イオンに対して過剰な保護欲求を抱いている感情が描かれている。 レーフの代理人 コズロフが小さかった頃、世話になっていた医者。コズロフからは「先生」と呼ばれている。その素性は第1世代の合成人間であり、現在の年齢は200歳近い。かつてはDRFの技術開発部に所属していた。ドローン渦で崩壊した旧イジッツァ社の領区でただ1人生き残っていた。コズロフと再会し、殆ど巻き込まれる形で彼に同行したが、それによって復物主の発芽の中でも生き残り、コズロフらとともに「復物主の世界」へと転送される。 復物主の世界では、現地の女性との間に子供を作っていた。 レーフ・グリゴリエヴィチ・グレブネフ 世界第1位の高齢者として世間に知られるDRFの元総主。火星ドローン禍勃発の7年後(西暦2272年)に設立されたマイクロボルト社(現DRF)の創設メンバーの一人。延命手術によって300年生き続け、ついには不老不死の肉体を手に入れる。物語の第1話の時点でその消息は不明とされている。ヴィエフ・チイエナ(イオン・グリーン)が所属していた「ゼル研究所」を個人的に運営していた。 人類総改換計画は本来彼が打ち立てたもので、その内容は「種族全体の不老不死化」であった。ニアルディはこれを「星が人間で溢れ返るだけ」と否定したが、ナレインは「不老不死化こそが人口統制」と肯定している。また、ニアルディは不老不死の研究は人類のためではなく、リルオードとの関係を保つためのものでしかなかったと推察している。 リルオードとは恋人関係にあったようだが、後に離別。レーフ自身は彼女のことを忘れられなかったらしく、リルオードとの再会を夢見て不老不死の研究を始める。最終的には火星に旅立ち、リルオードと再会した。
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