地球の一時的な衛星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 07:11 UTC 版)
「2020 CD3」の記事における「地球の一時的な衛星」の解説
2020 CD3は地球のような太陽周回軌道を持っているため、地球に対するその動きは低く、ゆっくりと惑星に接近して惑星の重力に捕らわれることができる。2020 CD3の公称軌道解は、2020 CD3が2016年から2017年の間に地球の重力に捕らわれ、軌道のシミュレーションによると、2020年5月までに地球中心軌道を離れると予想されていることを示唆している。2020 CD3の地球中心軌道は、太陽と地球両方からの潮汐力の効果と、月との繰り返しの接近のために安定していない。月は2020 CD3の地球中心軌道を重力的に乱し、不安定にする。月との摂動により2020 CD3が地球の重力の影響から逃れるために十分な勢いを確保できるため、2020 CD3の軌道の過程で月との繰り返される接近は最終的にその地球中心軌道からの離脱につながる。 2020 CD3の地球周回軌道は非常に変動しやすく、偏心しているため、過去の軌道の予測は不確実である。JPL Small-Body Databaseによると、地球への最も近い接近は2019年4月4日に13,121キロメートル (8,153 mi)の距離で接近したとみられる。2020年までの2020 CD3の以前の接近は、2020年2月13日に地球の表面から41,000 km (25,000 mi)の距離で発生した。地球の周囲を公転する2020 CD3の公転周期は約47日だが、より大きな軌道では70日から90日の範囲となる可能性がある。ただし、2020 CD3の軌道は不安定で複雑なため、これらの推定値は非常に不確実である。 地球の重力に捕らわれて地球周回軌道となっていた2020 CD3は、一時的な地球の衛星である。2020 CD3は、そのサイズが小さいため、メディアでも地球の「ミニムーン」と広く呼ばれている。2020 CD3は、地球の周囲でその場で発見された2番目の既知の一時的な地球の衛星であり、最初の事例は2006年に発見された2006 RH120である。小さな地球近傍小惑星である1991 VGと火球であったDN160822 03等、他の小惑星も一時的な地球の衛星となった疑いがある。一時的に地球の重力に捕らえられる小惑星は一般的であると考えられているが、直径2 ft (0.61 m)を超える大きな小惑星は、地球の重力に捕らえられたり、現代の望遠鏡で検出されたりする可能性が低いと考えられている。
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