古谷一行の金田一耕助シリーズ
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古谷一行の金田一耕助シリーズ(ふるやいっこうのきんだいちこうすけシリーズ)では、横溝正史の推理小説「金田一耕助シリーズ」を原作とする、古谷一行主演のテレビドラマシリーズについて説明する。いずれもTBS系で放送された、以下のシリーズがある。
- 1 古谷一行の金田一耕助シリーズとは
- 2 古谷一行の金田一耕助シリーズの概要
名探偵・金田一耕助シリーズ(概要)
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1983年からTBS系の2時間ドラマ枠「ザ・サスペンス」にて放映開始された。同番組の終了後は、映画番組枠(「月曜ロードショー」、「水曜ロードショー」)や改編期の特別番組として「横溝正史スペシャル」と銘打って放送された。映画番組枠の廃止に伴う「水曜ロードショー」の終了により、再び「月曜ドラマスペシャル」、「月曜ミステリー劇場」などの2時間ドラマ枠で放映されるようになり、2005年まで続いた。当時の金田一人気に肖って好評を得て、息の長いシリーズになったといえる。 当初は「名探偵金田一耕助の傑作推理」というシリーズ名であったが、ビデオソフト化された際に「名探偵・金田一耕助シリーズ」と付けられて以降はこちらが使用されている。2008年に、BS-i(現:BS-TBS)で再放送されたタイトルには「金田一耕助の傑作推理」と表記されていた。 他では映像化されることの少ない短編や戦前作品に原作を多く仰いだのが大きな特徴である。特に初期には、第1作として代表作の1つである『本陣殺人事件』を取り上げたあと第2作から第10作まで、それまで映像化されていなかった(ただし第7作『不死蝶』のみは1回きり映像化された)作品である。中期の第11作から第19作までは劇場映画も含む映像化がされている代表的な長編が主となるが、その間にも映像化されたことのない作品が3作取り上げられている。後期の第20作以降は再び映像化されたことのない作品が主となり、例外は『黒猫亭事件』が第28作『トランプ台上の首』の原作の1つになっていることを含めて4作である。 結果的には、金田一もの全長編28作を上回る32本が製作されたにもかかわらず、半数近い13長編が摘み残された形になった。意欲作に属するとされる長編のうち『犬神家の一族』『夜歩く』『迷路荘の惨劇』『白と黒』『仮面舞踏会』は取り上げられなかった。また、戦後の倶楽部雑誌などで発表された金田一物の通俗長編(映画化されたことのある『幽霊男』『吸血蛾』をはじめ、『悪魔の寵児』『夜の黒豹』など)は一切取り上げられていない。毎日放送版の15作については、そのうち10作がリメイクされた結果になっている。 金田一が登場しない作品の転用も多くみられ、由利麟太郎ものである『木乃伊の花嫁』を原作とする第2作など5作品は原作に金田一が全く登場しない。原作の設定を部分的に踏襲するのみでストーリーは新たに創作した作品も多く、そのうち第4作『霧の山荘』、第12作『魔女の旋律』(『空蝉処女』が原作)、第19作『女王蜂』、第24作『幽霊座』、第32作『神隠し真珠郎』(『真珠郎』が原作)では原作の人物設定を少なからず残しているが、第17作『三つ首塔』、第26作『悪魔の仮面』(『薔薇の別荘』が主な原作)では人物設定もほとんど残っていない。その一方で、第28作『トランプ台上の首』(実質的には『黒猫亭事件』が原作)、第29作『水神村伝説殺人事件』(『車井戸はなぜ軋る』が原作)のように、状況設定を大きく変えながらも、ストーリーの大きな流れや主要トリックを原作通り踏襲している作品もある。後期には第31作『白蝋の死美人』など、複数の短編を組み合わせた事例もある。 毎日放送版と同じネット、同じ古谷の主演、オリジナルキャラクターであった日和警部の名でハナ肇(毎日放送版第1作の署長役)の助演と、続編的なイメージで始まったシリーズだが、実際は制作局、制作会社、プロデューサーと全て一新された体制となっている。共通する主要スタッフは脚本で岡本克己(毎日放送版1回、TBS版3回)、安倍徹郎(毎日放送版2回、TBS版1回)、監督で斎藤光正(各1回)のみ。製作会社は東阪企画だが、第3作までは毎日放送版の多くをてがけた映像京都が製作協力として孫請け(ただしスタジオは毎日放送版の大映京都に替り京都映画)、第4作はこれが東京のにっかつ撮影所に替わり、以降両社が何本かおきに孫請けを分担している。メイン監督となったのは東映京都撮影所出身の関本郁夫監督で、本数が多いだけでなく、劇場映画化されたことのあるメジャー原作9本のうち6本を独占的に手掛けている。前半期には関本も含めロマンポルノ経験者の監督登板も目立った(16本中9本。後半は16本中関本のみの4本。毎日放送版では15作品中ゼロ)。 金田一の相棒役は「横溝正史シリーズI」の第1作『犬神家の一族』で橘署長を演じていたハナ肇が等々力警部(第3作までは「日和警部」)役を演じていた(第7作『不死蝶』のみ矢崎滋が神崎警部(原作の神崎署長)を演じた)が、1993年9月にハナが亡くなったため、第19作『女王蜂』では中継ぎ的に名古屋章が亀山警部を演じ、第20作『悪魔の唇』よりハナと同じクレージーキャッツのメンバーであった谷啓が河合警部役で引き継いでいる。なお、第11作『悪魔の手毬唄』には等々力警部も登場するが、むしろ藤岡琢也が演じる磯川警部がメインの相棒役である。 等々力警部(日和警部)や河合警部は第1作『本陣殺人事件』を除く各作品の冒頭で金田一とすでに親しい関係であり、それまでの作品でのやりとりを前提とした科白なども少なくない。しかし、各作品の事件発生地に応じて所属が警視庁、岡山県警、長野県警、京都府警、大阪府警、神奈川県警と変化しており、その矛盾を解消しようとする演出は見られない。ただし、各作品における所属の管轄外へ出かける設定は多々見られる。 第22作まではフィルム制作(ただし第5作からはビデオ編集が施されており、画質やテロップなど差異がある)。第23作からビデオ制作で第31作と第32作はHD制作。 全作品がビデオ化されDVDマガジンとして発売された。
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名探偵・金田一耕助シリーズ(主題歌)
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「糸電話」※『本陣殺人事件』、『獄門岩の首』〜『香水心中』、『殺人鬼』〜『魔女の旋律』、『水神村伝説殺人事件』〜『白蠟の死美人』。 「見えない雨の降る街を」※『ミイラの花嫁』のみ。 唄:古谷一行、作詞:山川啓介、作曲:伊勢正三、編曲:青木望、発売:VAPレコード(1983年) A・B面カップリングのシングル盤 「三色幻燈」唄:内田あかり、作詞多夢星人、作曲:堀内孝雄 ※『悪魔が来りて笛を吹く』、『女怪』のみ。
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