パーン一行
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「ロードス島戦記の登場人物」の記事における「パーン一行」の解説
パーン 「ロードス島戦記」1-5巻、及び7巻の主人公。自由騎士として活躍し、後に「ロードスの騎士」の称号を与えられる。 風の精霊王が封じられた塔に残されていた魔法の武器防具一式を装備しており、それは対精霊王用の武具「鎮めるもの(サプレッサー)」であったことが『魔法戦士リウイ』シリーズで明かされる。 元は「TRPGリプレイ第1部」のプレイヤーキャラクター。『コンプティーク』連載時のプレイヤーは北川直。名前の由来は明らかではないが、他のプレイヤーからは、アン・マキャフリイの小説『パーンの竜騎士』との関連を問われていた。通称「無理・無茶・無謀の暴走戦士」。 ディードリット 「ロードス島戦記」のヒロイン的存在。帰らずの森出身のハイエルフで、人間から見ると不老不死に等しいほど長命なことから「永遠の乙女」とも呼ばれる。閉ざされたエルフ世界の外を見るため帰らずの森を出、パーン達の旅に同行し、その後も絶えずパーンと行動を共にしている。 ハイエルフであるため精霊との親和性が非常に高く、「炎の魔神」事件では古の契約に縛られていた風の精霊王「ジン」と「破壊の炎」を司る精霊王「エフリート」を解放し、ハイエルフの間でも伝説と化していた「再生の炎」を司る上位精霊「フェニックス」を目の当たりにすることになる。 「ロードスの騎士」に寄り添うエルフの美姫として、自身もまた伝説的な存在となっていく。 元は「TRPGリプレイ第1部」のプレイヤーキャラクター。『コンプティーク』連載時のプレイヤーは山本弘。トラップやトリックを見破るのが巧み。出渕裕のイラストや紅一点だったことにより人気票が集まった。 エト パーンの友人。至高神ファリスの神官。カーラとの対決後は、仲間と別れてヴァリスやファリス教団の復興に尽力し、後にヴァリス国王となる。神官王とも呼ばれる。 元は「TRPGリプレイ第1部」のプレイヤーキャラクター。 スレイン パーンの故郷ザクソン村で隠遁生活を送っていたアラニアの「賢者の学院」出身の魔術師。スターシーカー(星を探す者)を名乗り、魔術師ならではの奇行癖もあり周囲からは変人と見られていた。 無謀とも言えるパーン達の行動を心配して旅に同行、カーラとの対決後はレイリア保護のため共にアラニアに帰還、後にレイリアと結婚する。 英雄戦争時のヴァリスにてフレイムの宮廷魔術師に招かれ一旦は固辞。ザクソンの相談役として村の自治を指導していたが、火竜山での戦い・ハイランド公国の紛争に尽力した後、パーンがカノン自由軍に参加するのを見届けて、ついにその座に就く。 元は「TRPGリプレイ第1部」のプレイヤーキャラクター。プレイヤーは連載版・文庫版ともに吉岡太郎。薀蓄好きはそのプレイスタイルに由来する。「ですよお〜」という間伸びした口調。非常にのんびりした性格で、連載時の欄外のキャラ紹介でGMをイライラさせると書かれるほど。他のプレイヤーからは「腐れ魔法使い」と呼ばれていた。名前の由来はRPG小説『ドラゴンランス』の登場人物レイストリン・マジェーレから[要出典]。 ウッド・チャック アラニアの首都アランの盗賊。ウッド・チャックは通り名であり、ジェイ・ランカードという本名を持つが、本名の姓は虚栄心から自分で付けた物である。 若い頃の盗みにより逮捕され、22年も牢獄生活を送っていた。アラニア王子誕生の恩赦により出所したところでパーン達と出会い、以後の旅に同行する。 ブランクはあるもののパーティでは一番世俗的な知識・経験に長けており、情に厚い一面もある。しかし自分の将来に対する危機感からか金銭や野心などに固執する面もある。 後に、カーラの力を得ようとした(OVAではカーラの魔力が残っていたサークレットにギムの死を嘆いた隙を突かれ無理矢理はめられた)が失敗し、カーラに体を支配されてしまう(ウッド・チャックを宿主とした状態のカーラは、便宜上「ウッド・カーラ」と呼ばれている)が、パーンたちの活躍により解放された。 元は「TRPGリプレイ第1部」のプレイヤーキャラクター。カーラのサークレットを奪ってその力を得ようとする結末は、プレイヤーの行動によるものらしい(雑誌掲載はされなかった)。 ギム 北のドワーフ族の出身で大ニースとは幼なじみ。歴戦の戦士。レイリア失踪時の出来事に関して強い責任を感じており、ついに捜索の旅に出る。 途中でパーン達と同行することになったが、常にレイリア捜索を優先していた。パーティの主戦力として力を発揮していたが、静寂の湖におけるカーラとの対決で死亡した。 ドワーフらしく細工の腕が巧みであり、その最後の作品となった髪飾りはスレインの手からレイリアへと贈られた。 元は「TRPGリプレイ第1部」のプレイヤーキャラクター。プレイヤーは安田均。名前は『指輪物語』のギムリから。 レイリア ニースの養女でマーファの神官であったが、神殿に侵入した「灰色の魔女」カーラを倒したため憑依される。パーンらの活躍で解放され、その縁で魔術師スレインと結婚し、娘ニースをもうける。 ある冒険者達が破壊神カーディス教団の最高司祭にして「亡者の女王」と呼ばれたナニールの復活を阻止した際、その魂を宿し、冒険者の友人である騎士ピートの娘として生まれたのがレイリアである。彼女は大ニースの元に預けられ、養母と信仰の力によって本来の魂はナニールの魂に喰われることなく、ナニールの魂は眠ったまま娘ニースの魂として受け継がれて生まれる。 憑依に伴ってカーラの持つ古代魔法王国時代からの記憶と知識を解放後も保持しており、普段は封印しているが必要に応じてその一端をのぞかせる。 ウッド・チャックが解放された後、彼女は自らの意思でカーラの額冠を再び身に着ける。今度は支配されることはなく、カーラは眠りにつくこととなった。彼女はいずれ自らが最期を迎える時にマーファの降臨を願い、カーラの魂を解放するつもりでいる。 フォース ライデン盗賊ギルドのギルドマスターの養子で、養父を裏切り殺害して新たなギルドマスターとなった男の追っ手から逃れるためにシュードと名乗り、義兄サーディー(デニ)とともにフレイム傭兵隊に身を隠していた盗賊・吟遊詩人。「優男」という二つ名を持つ美男子。後に裏切り者の男を殺害し、ライデンの盗賊ギルドを再興してギルドマスターになる。過去の体験から「女は毒使いだ」という偏見を持つ極度の女嫌いで、女性に近づかれることさえ嫌がる。 デニの他に2人の兄がいたらしく、名前の由来は「4番目」から(ただし、これは小説版で作られた後付け設定)。 アシュラム一行との戦いでは、スメディに倒されたシーリスに気を取られた事が、無二の親友マーシュの死につながった。フォースは「やはり女は疫病神だ」と激しく後悔した。 「TRPGリプレイ第2部」では、プレイヤーキャラクターの一員。プレイヤーはスレインと同じ吉岡太郎。女嫌いという設定は魅力 (Charisma)の数値が高かった事をプレイヤーがネタにしたもの。 デニ 本名はサーディー。義弟フォースとともにフレイム傭兵隊に身を隠していた盗賊。両手に2本の小剣を持って戦い、「両腕落とし」という二つ名を持つ。小柄で醜い容貌。「砂塵の塔」探索の途上、砂漠の怪物「砂走り」に襲われて命を落とす。 マーシュ フレイム傭兵隊に所属する巨体の戦士。「斧使い」の二つ名を持つが、「砂塵の塔」の探索以後は、塔の武器庫で見つけた魔法の大剣を武器とする。 後にフォースの補佐役としてライデン盗賊ギルドの幹部になるが、フォースを庇ってスメディに殺される。 セシル フルネームはセシル・ファーレンス。スレインがザクソン自治活動を指導していた時、押しかけ弟子となった魔術師。元々はアラニアの貴族の家系に生まれた。美しい金髪を持ち、女性的な容貌の男性だが、そのコンプレックスから男性であることを必要以上に強調する言動を取る。短気かつ直情的な性格で、スレインからは「昔のパーンにそっくり」と言われている。パーンから剣を教わり、並の戦士と充分渡り合えるほどの技量を持つため、戦いの際には魔法を使わず白兵戦を挑むことが多い。スレインがザクソンを去った後は、彼の後を引き継いで村の相談役となった。 「魔獣使い」と呼ばれる女性エレーナと知り合い心惹かれるが、彼女とは「最も親しい友人」以上の関係には進まず、最終的にはエレーナは別の男性と結ばれるなど、女性関係では不器用で報われない側面が描かれている。 アラニア内戦終結後のザクソン自治領の扱いについて、併合しようとするロベス王に最初は反発するものの、スレインの勧めを受け入れ、ザクソン伯爵に叙爵されて(後に侯爵へ陞爵)、実質的には従来通りの自治を継続させる。また、アラニア宮廷魔術師も兼任することになる。しかし後に王都アランで不可解な死を遂げ、以降50年以上に亘ってザクソンを始めとする北部アラニアは新領主を拒否し、再び完全な自治状態になる。 元は「TRPGリプレイ第2部」のプレイヤーキャラクター。耐久力 (Constitution)の能力値が最大値であり、魔術師でありながら戦士並みのヒットポイントを誇るため、魔法よりも殴り合いを好むプレイスタイルとなり、それが上記の性格の基となった。文庫版では「クレバー」をモットーにしているが、結局その行動原理はほとんど変わっていない。 オルソン シーリスの相棒の傭兵。優秀な精霊使いとしての素養があったが、幼い頃、妖魔たちに最愛の姉を惨殺された事で、怒りの精霊フューリーにとりつかれた狂戦士(バーサーカー)となる。アシュラムに魂砕きで斬られた事と、水竜エイブラの咆哮を受けた事によりフューリーの支配を逃れ、一時的に狂戦士ではなくなるが、シーリスの危機を救う為自ら望んで再び狂戦士と化し、女戦士スメディと精霊使いアスタールを道連れにして死亡。その亡骸はシーリスの手により火竜山の山肌に埋葬された。OVA版では戦死せず、仲間達と共にパーンやディードリットを見送る。 元は「TRPGリプレイ第2部」のプレイヤーキャラクター。『コンプティーク』掲載時のリプレイでは、個性付けのため『ジョジョの奇妙な冒険』のディオ・ブランドーを模した「ウリィィィ!」という雄叫びとともに剣を振るう(小説版では狂戦士化した時のみに叫び、「リィィ」に変更されている)。シューティングスターとの戦いを前に、アシュラム配下の戦士と戦って死亡。レイリアが蘇生の魔法とウィッシュ(神に祈願して望み通りの奇跡を起こす高レベルの呪文)の魔法をかけるが、どちらも判定(独自の追加ルール)に失敗し死亡が確定する(オルソンのプレイヤーは、その後しばらくパーンをPCとして使用する)。その後「魂の水晶球」の力で復活したか否かは不明、という結末だったが、「TRPG第3部」ではルード解放軍のリーダーとして登場、シャイニングヒルでの戦いで戦死して「真騎士」の称号を得ている。口癖は「だよ〜ん」。後にプレイし直した文庫版第2部ではシューティングスター戦にパーンとディードリットはおらず、PC勢の戦士(オルソン・シーリス・マール)は全滅するが、レイリアの魔法と魂の水晶球で全員復活している。文庫版のクラスはウォリアー。 シーリス カノンの貴族出身の女傭兵。オルソンを相棒としていた。後にレドリックの妻のハイランド王妃となり、火竜に乗るようになる。父親はカノンの近衛騎士隊長でレオナーの剣の指南もしたウェイマー・ラカーサ伯爵。 元は「TRPGリプレイ第2部」のプレイヤーキャラクター。文庫版のクラスはウォリアー。 ホッブ フレイムのマイリー神殿の司祭。「勇者の導き手」と呼ばれ、カシュー王の信任も厚く、砂漠の民の気性もありその神殿はロードス一の規模に成長した。その実力から将来はマイリー教団の次代大司祭(最高司祭)と目されていたが、マーモの黒衣の将軍アシュラムの人柄に惹かれ、彼の支配の王錫探索の旅に付き従う。自らが勇者と見込んだアシュラムが、カシューとの一騎打ちに敗れた後に卑怯な行動を取りそれを恥じて火竜山の火口に身を投げたことで、自らの信仰と信念を大きく揺るがされ、改めて「勇気」と「勇者」を考え直すために、パーンに忠誠を誓いその旅に同行して、カノン自由軍によるカノン解放運動にも参加した。邪神戦争終結時、パーンの勧めによって、新天地を目指すアシュラムを再度勇者として従いロードス島を離れた。 シャリー ホッブの弟子で、フレイムのマイリー神殿の侍祭。妙齢の女性。「太守の秘宝」探索の旅ではパーン側につき、アシュラムに付き添うホッブとは敵同士の関係になった。魔竜騒動の後、ホッブがパーンの冒険に従うことになったため、フレイムに戻り彼の神殿を引き継ぐことになる。シャリー本人は、ホッブが神殿に戻ってくることを願っており、あくまで神殿の留守を預かっているという考えであったため、その実力にもかかわらず司祭就任を固辞し、侍祭の地位にとどまり続けていた。だが邪神戦争終結後、ホッブがロードス島を離れてしまったため、この願いは叶えられず、最終的に司祭に就任することを了承する。 「TRPGリプレイ第2部」では、NPCながらプレイヤーキャラクター達のパーティーメンバーであった。文庫版では、途中でPC達がマーモの海賊船に捕まる中、マールがひとりだけ逃亡に成功したため、一時的にマールのプレイヤーがシャリーとして参加。普通に話して語尾に無理矢理「だわ」「わよ」「ですわ」などと付ける口調になった。 マール アレクラスト大陸から渡ってきたグラスランナー。本職は吟遊詩人らしいが、盗賊業も得意としている。すでに成長した男性ではあるが、種族の特徴でもある人間から見れば子供のような容姿と性格が、詩人としても盗賊としても仕事の助けとなっている。ロードス島に渡ったと噂される「大陸最強の剣士」剣匠ルーファスの消息を求め、彼のサーガを完結させるため、ロードス島にやって来た。しかし、パーン一行と知り合い、新しい英雄伝説の誕生に心惹かれ、パーンと同行することになる。パーンのもとでカノン自由軍のカノン解放運動に参加した。邪神戦争終結時、新たな冒険に興味を惹かれ、ホッブとともにアシュラムに付き従いロードス島を離れる。 性格はグラスランナーらしく陽気で好奇心が旺盛、危険なことは嫌いであるが、新しい冒険に興味がわいたらお構いなしについて行く。 元は「TRPGリプレイ第2部」のプレイヤーキャラクター。「ハーフリング・ソング」(小坂一也「青春サイクリング」の替え歌)、「降伏勧告のバラード」など数々の「持ち歌」を誇る(美声であるが音痴らしい)。連載版のクラスはハーフリング。文庫版では、フォースの他に2人目のスカウトは要らないということで、クラスがウォリアーになった。
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