カーディス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 08:37 UTC 版)
他の神々が「始源の巨人」に属しているのとは異なり、未来に存在する「終末の巨人」に属しているといわれている唯一の神である。「終末の巨人」はこの世界の終わりに姿を現すとされ、この世界が無に帰したあと次の「始源の巨人」となり、新たな世界を創世するとされている。カーディスはこの世界を破壊することで「終末の巨人」を出現させ、次の世界を誕生させるために存在しているといわれる。 そして新たに生まれる世界では創造の神(大地母神マーファの位置付け)として生まれ変わるとされている(そのためマーファとは本質的には同じ神でありながら、その存在理由から対立することになる)。 また、不死者達の支配者であるともされ、強力な死霊魔術を行使する際にその助力を得るために魔術師達が交信を行うこともある。 しかし現世におけるカーディスは破壊の女神であり、存在理由に反して来世すら破壊された無を良しとして、死と破壊と否定を司る。(終末に属する物を破壊したことさえある)「終末の巨人」との関係はほとんど知られておらず、ファラリスなどと同じ邪神で闇の神の一柱である、という認識が一般的である。カーディスの司祭であっても終末信仰や後述の転生を行わず、破壊神としてのカーディスを崇拝するものも多い。 信者達は死後は虚無界に堕ちて消滅する、あるいは転生を繰り返し新たな世界に生まれ変わるとされている。破壊神としてのカーディスに仕えるものは前者、終末の眷属としてのカーディスに仕えるものは後者の教えを支持する。 未来と同義語である「終末の巨人」に属しているという特異性から、その高位の司祭達の中には現世での死を超越した「転生者」となり、繰り返しこの世に生を受けて世界を破滅に導くために暗躍するものもいる(未来に属しているため、現世での死は意味が異なる、ただし転生に失敗した場合は未来が消滅することを意味し、魂の完全なる消滅となる)。また彼ら転生者達はカーディスと共に次の世界への転生が約束されているという。ロードスにはこうした終末信仰の転生者たちによるカーディスの大規模な教団が存在し、『新ロードス島戦記』などでは、これら「終末のもの」達との熾烈な戦いが描かれている。 世界が完全に安定して永続してしまうと次の世界が生まれなくなってしまうので、終末の者は安定に対抗する形で発生する。そして出現する終末の者は、安定を支えていた力に反する者として存在する。 神の創造と完成の時代が安定しすぎた結果として破壊の女神カーディスが生まれたのと同様に、魔法の支配によりカストゥール王国が安定しすぎて天地万物を司る精霊をも支配した結果としてあらゆる精霊を喰らい尽くす魔精霊アトンが生じ、クリスタニアでは神獣の支配が安定しすぎた結果として魔神獣が誕生した。 つまりどのような形態であろうとも世界が安定すればするほど、その対抗として終末の巨人に属する勢力が誕生してしまうと考えられ、どのように努力してもいずれはフォーセリアは終末を迎えると考えられる。 ただし、これまでの歴史の中で出現した終末の眷属は全て一時的なものであるにせよ退けられており、最終的な終末は避けられずとも努力することによってその到来は遅らせられるというのもまた確かなようである。 またこの現象を逆手にとってわざと安定を崩すことで終末を遅らせることも出来るらしく、ファラリスが神々の大戦を引き起こしたのは神々の時代の安定を崩すことで終末を遅らせようとしたのではないかという推測もある。
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