強姦 語源・表記

強姦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 10:23 UTC 版)

語源・表記

日本での罪名は2023年より不同意性交等罪という名称となった。かつては強姦罪、2017年より強制性交等罪という罪名だった。

強姦罪では男性が陰茎を女性のに強制的に挿入した場合が犯罪要件であったが、強制性交等罪以降は、男性ないし女性が他人の男性の陰茎を(自身または第三者の)口腔や膣、肛門に挿入させた場合も犯罪要件となる。また性交同意年齢が、強姦罪や強制性交等罪では13歳、不同意性交等罪では16歳となり、年齢に達していない者との性交も(当事者同士が同意しても)未熟に乗じたものとして処罰される。

報道では、かつては当用漢字による漢字使用制限により「強かん」と表記されることもあったが、2000年代以降は漢字で「強姦」と表記するようになっている。英語表記のレイプrape)も、欧米文化の流入、女性の人権に対する意識の高まりとともに一般化している。また婉曲的に「乱暴」などとぼかした言い方がなされ、被害者が児童・小児の場合は「いたずら」とも言われた。「暴行」の語も使用されるが、この語は性的暴行ではない暴力行為(殴る蹴るなど)にも使われる。

俗に加害者が複数の場合は「輪姦」と呼ばれることもある。被害者が男性で加害者が女性の場合、「逆レイプ」と呼ばれることもある。警察業界や刑事弁護業界などでは、強姦事件を「ツッコミ」という隠語で表現することもある[6]

ローマ法では、他の男性の管理下にある女性を拉致した男性はラプスの罪に問われた。拉致の時点で既遂となり姦通は要件ではなかった。ラプスはレイプの語源である。


  1. ^ 小学館『デジタル大辞泉』、三省堂大辞林』第3版. “強姦”. コトバンク. 2019年10月23日閲覧。
  2. ^ 平凡社世界大百科事典』第2版、. “強姦”. コトバンク. 2019年10月23日閲覧。
  3. ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “強姦”. コトバンク. 2019年10月23日閲覧。
  4. ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』、平凡社『百科事典マイペディア』、ほか. “性暴力”. コトバンク. 2019年10月23日閲覧。
  5. ^ 小学館『デジタル大辞泉』. “性的暴力”. コトバンク. 2019年10月23日閲覧。
  6. ^ 今日のKEIBEN用語集一覧 ツッコミ”. 刑事弁護OASIS. 2021年5月10日閲覧。
  7. ^ 犯罪統計”. 警察庁. 2022年10月20日閲覧。
  8. ^ a b 平成30年1~12月犯罪統計【確定値】 訂正版”. e-Stat 統計で見る日本(公式ウェブサイト). e-Stat(cf. 政府統計共同利用システム) (2019年3月8日). 2019年10月23日閲覧。
  9. ^ 大塲 2006, pp. 28–34.
  10. ^ 安藤 2010.
  11. ^ 2 強制性交等・強制わいせつ - 平成30年版 犯罪白書 第1編/第1章/第2節/2”. 犯罪白書(公式ウェブサイト). 法務省 (2018年). 2019年1月31日閲覧。
  12. ^ 総務省 統計局統計調査部 国勢統計課 (2019年3月20日). “人口推計 各月1日現在人口 「全国:年齢(5歳階級),男女別人口」及び「(参考表)全国人口の推移」平成30年10月確定値、平成31年3月概算値”. e-Stat 統計で見る日本(公式ウェブサイト). e-Stat. 2019年3月22日閲覧。
  13. ^ FBI. “Uniform Crime Reports>2018 Crime in The United States>Violent Crime>Table1”. 2019年10月3日閲覧。
  14. ^ 法務省:犯罪被害実態(暗数)調査
  15. ^ a b 南ア男性の4人に1人がレイプ経験者!? 研究機関調査」『産経新聞産業経済新聞社、2009年6月19日。2019年10月23日閲覧。[リンク切れ]
  16. ^ Zieminski, Anna「南ア男性の4人に1人がレイプ経験者!? 研究機関調査」『AFPBB News』フランス通信社 (AFP)、2009年6月19日。2019年10月23日閲覧。
  17. ^ 性犯罪が米大学内で横行「キャンパスレイプ」の実態」『』DIAMOND Online、2016年6月24日。2022年10月21日閲覧。
  18. ^ a b なぜ大学生は性犯罪に走るのか」『東スポweb』Tokyo Sports Press、2016年11月23日。2022年10月21日閲覧。
  19. ^ 韓国20代男性の53% 「キスは性関係に同意したこと」…大学の性暴力が危険レベル(1)」『中央日報』韓国経済新聞社、2022年7月23日。2022年10月21日閲覧。
  20. ^ アメリカの女子大生4人に1人が性的暴行被害に─調査結果により判明」『』COURRiER、2019年10月22日。2022年10月21日閲覧。
  21. ^ ダイヤグラムグループ 1992, p. 288 (M. Amir, "Patterns of Forcible Rape")
  22. ^ 「性的暴行、8割は知り合い・親族による犯行」『Record China』2008年9月9日付配信
  23. ^ [1]
  24. ^ 子どもへの性犯罪、死刑と「去勢刑」認める インドネシア”. CNN.co.jp. 2020年3月21日閲覧。
  25. ^ 小児性犯罪者を化学的に去勢 米アラバマで州法成立」『BBCニュース』、2019年6月12日。2020年3月21日閲覧。
  26. ^ 姜暻來「韓国における性犯罪者に対する化学的去勢 : 性暴力犯罪者の性衝動薬物治療に関する法律の概観」『比較法雑誌』第46巻第2号、日本比較法研究所、2012年、75-102頁、ISSN 0010-4116NAID 120006638529 
  27. ^ 性犯罪者への「化学的去勢」には賛成できません”. 香山リカ 公式ブログ. 2020年3月21日閲覧。
  28. ^ a b 関 2017, pp. 38–41.
  29. ^ 井田良『講義刑法学・各論』第2版、有斐閣、2020年、126頁
  30. ^ 松宮孝明『刑法各論講義』第5版、成文堂、2018年、121頁
  31. ^ About USA. “アメリカ合衆国におけるレイプ 婦女暴行”. 2012年12月16日閲覧。
  32. ^ アメリカ:FBI「レイプ」定義を拡大”. 公式ウェブサイト. アジア女性資料センター (2012年1月12日). 2019年10月23日閲覧。
  33. ^ “レイプ被害、アメリカ人女性の5人に1人(調査結果)”. The Huffington Post. (2014年9月14日). https://www.huffingtonpost.jp/2014/09/13/rape-in-america-study_n_5816762.html 
  34. ^ “「まともなレイプ」発言にパニクる共和党”. ニューズウィーク. (2012年8月22日). http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2012/08/post-2655.php 


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