年金積立金管理運用独立行政法人 運用実績

年金積立金管理運用独立行政法人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/10 14:56 UTC 版)

運用実績

市場運用開始以降の運用実績(平成13年度〜平成27年度第3四半期)

年金積立金の自主運用を始めたのは、前身の年金資金運用基金が設立された2001年度(平成13年度)からである。運用結果は四半期ごとに公表される。市場運用開始以降(平成13年度〜平成27年度第3四半期)の収益率(年率)は2.99%、累積収益額は50兆2229億円だった[34]。また、平成13年度〜平成26年度までの累積収益額は50兆7,338億円にのぼる。収益率の分母となる運用資産額は、2014年度(平成26年度)末で137兆4,769億円であった[35]

通年

[36]

年度 収益額 収益率
2001年度(平成13年度) −5,874億円 −1.80%
2002年度(平成14年度) −2兆4,530億円 −5.36%
2003年度(平成15年度) +4兆8,916億円 +8.40%
2004年度(平成16年度) +2兆6,127億円 +3.39%
2005年度(平成17年度) +8兆9,619億円 +9.88%
2006年度(平成18年度) +3兆9,445億円 +3.70%
2007年度(平成19年度) −5兆5,178億円 −4.59%
2008年度(平成20年度) −9兆3,481億円 −7.57%
2009年度(平成21年度) +9兆1,850億円 +7.91%
2010年度(平成22年度) −2,999億円 −0.25%
2011年度(平成23年度) +2兆6,092億円 +2.32%
2012年度(平成24年度) +11兆2,222億円 +10.23%
2013年度(平成25年度) +10兆2,207億円 +8.64%
2014年度(平成26年度) +15兆2,922億円 +12.27%
2015年度(平成27年度) −5兆3,098億円 −3.81%
2016年度(平成28年度) +7兆9,363億円 +5.86%
2017年度(平成29年度) +10兆810億円 +6.90%
累計 +63兆4,413億円 +3.12%

論評

荻原博子は2009年8月時点で、2007年からの世界的金融危機によりそれまでの収益のほとんどが消し飛び累計収益が1兆円を割り込んでしまったとして批判している[37]

2015年11月には中国株の大暴落の影響で第2四半期の運用成績が絶対額[38]アメリカ同時多発テロ事件やリーマン・ショックを超える過去最悪の約7兆8899億円となったことを公表した[39]。資産別では国内株式が4兆3154億円の赤字。外国株式も3兆6552億円の赤字。外国債券も2408億円の赤字だった。国内債券は3022億円の黒字であった[40]

2015年度の年金積立金の運用実績が「5兆円超の損失」と報じられたことを受け、民進党は2016年4月6日、年金損失『5兆円』追及チームを結成(座長、初鹿明博衆議員議員)。政府に対して厳しい姿勢で臨む考えを示した[41]

経済ジャーナリストの磯山友幸は、2015年度は5兆3098億円の運用損で野党から批判されたが、2016年度の運用収益は7兆9363億円であり、野党も政権に批判的なマスコミも追及しなくなったと述べている[42]。また、国内債券はマイナス0.85%、外国債券はマイナス3.22%で、第2次安倍内閣より前の「債券中心のポートフォリオ」では、損失になっていたと指摘。内閣支持率が株価に左右されるとも述べ、ポートフォリオを株式にもシフトさせたことが収益力を増加させて奏功したと評価した[42]

2018年10-12月期は4半期ベースで約14兆8000億円の赤字となった。 2019年4月、会計検査院は2014年以降、株式運用の割合が増えてリスクが増加しているとし「国民への丁寧な説明が必要」「年金は老後生活設計の柱。積立金は国民から徴収した保険料の一部。国民の利益の為安全、効率的に運用し将来にわたって公的年金制度の安定に資することが強く求められる」「一部の手数料などが詳細に開示されていない」と指摘した[43]




  1. ^ 組織図”. 年金積立金管理運用独立行政法人. 2016年9月18日閲覧。
  2. ^ GPIF 知恵蔵2015の解説
  3. ^ 年金福祉事業団は1961年(昭和36年)11月25日に設立。年金資金の運用は1986年(昭和61年)4月18日に開始。
  4. ^ 役員一覧、年金積立金管理運用独立行政法人。
  5. ^ 2016年(平成28年)4月1日就任
  6. ^ a b bloomberg (2014年10月31日). “GPIF:内外株25%に倍増、国内債35%に引き下げ-新資産構成 (1)”. 2014年11月26日閲覧。
  7. ^ 資産クラスごとに管理会社が選定されている。
    「資産管理機関の選定について」 (PDF) 2008年1月31日
  8. ^ 東洋経済ONLINE アベノミクス「3の矢」でGPIF見直しが再浮上 2013年6月11日
  9. ^ しんぶん赤旗 年金削減に歯止めを 2014年10月16日(木)
  10. ^ NEWポストセブン 安倍政権 高い支持率維持のため「国民のカネ」に手をつけた 2013.06.18 16:00
  11. ^ 47NEWS(よんななニュース) 年金法人、株重視で26兆円赤字 リーマン時試算答弁書 2015年1月9日
  12. ^ 東京新聞朝刊 GPIF年金運用 軍事上位10社の株保有 本紙調べ 2017年9月17日
  13. ^ 持続可能な投資の促進に向けたGPIFと世界銀行グループの提携について ― 債券投資とESGに関する共同研究 ― 年金積立金管理運用独立行政法人 2017年10月12日
  14. ^ 年金運用で環境・社会貢献 GPIF、企業に投資拡大へ 朝日新聞 2017年11月18日
  15. ^ 日経新聞朝刊 GPIF、預金にかかるマイナス金利分を負担 2017/12/18付
  16. ^ Business Insider Japan (2018年7月9日). “あなたの年金運用するGPIFは巨大IT企業がお好き。アップル、アマゾン、テンセント…”. 2019年1月2日閲覧。
  17. ^ ブルームバーグ (2018年8月22日). “GPIF、海外でも存在感ーアップル株保有ゴールドマンしのぐ (訂正) (1)”. 2018年12月31日閲覧。
  18. ^ 最新の運用状況ハイライト(公式サイト)
  19. ^ Sovereign Wealth Fund Institute (2014年6月). “Public Fund League Table”. 2014年11月26日閲覧。
  20. ^ P&I / TW 300 analysis - Towers Watson, By Towers Watson | September 2012.
  21. ^ 日刊工業新聞 (2014年11月5日). “GPIF改革-世界最大の機関投資家、新基本ポートフォリオが株価下支えに”. 2014年11月26日閲覧。
  22. ^ a b c 最新の運用状況ハイライト - 資産構成割合(年金積立金全体)(公式サイト)
  23. ^ 4. 基本ポートフォリオの考え方 公式サイト
  24. ^ WebYenSPA! 株買支 毎日400億円の怒涛の買いで日経7000円を維持!?〈その1〉 2014年10月閲覧
  25. ^ a b c d 日本一の筆頭株主GPIF、三井住友など3メガやホンダ121社に君臨ブルームバーグ 2016年8月23日(2016/11/18閲覧)
  26. ^ 委託先の選定に当たっては金融の専門家で構成される運用委員会の諮問を受ける。
  27. ^ 国内株式アクティブ運用におけるスマートベータ型。野村グループとは、野村ファンド・リサーチ・アンド・テクノロジー株式会社と野村アセットマネジメント。Chief INVESTMENT Officer Japan’s GPIF Appoints Smart Beta Managers Headlines April 07, 2014
  28. ^ GPIF 「国内株式運用受託機関の選定及びマネジャー・ストラクチャーの見直しについて」 (PDF) 2014
  29. ^ http://jp.reuters.com/article/idJPL3N0R517220140904
  30. ^ アクティブ運用についてのみ、日付がなく、経緯等の説明も一切ない選定通知書が出ている。バンク・オブ・ニューヨーク・メロンen:MFS Investment Management他多数。2つ目の外部リンクのウエリントン・インターナショナル・マネージメント・カンパニー・ピーティーイー・リミテッドは、en:Wellington Management Companyの子会社。
    GPIF 「運用受託機関(外国株式アクティブ)の選定について」 (PDF)
    GPIF 「運用受託機関(外国株式アクティブ)の選定について」 (PDF)
  31. ^ エマージング株式(BRICsや東欧、北アフリカなどの新興国企業の株式)のアクティブ運用は三井だが、en:Baring Asset Managementへ再委託するとのこと。先の外国株式においても再委託ばかりであった。
    GPIF 「運用受託機関(エマージング株式)の選定について」 (PDF)
  32. ^ 「新規運用受託機関公募のお知らせ」 (PDF)
  33. ^ 年金運用に人工知能=市場分析へ活用検討-GPIF
  34. ^ 最新の運用状況ハイライト - 運用実績
  35. ^ 平成26年度 業務概況書 (PDF) 、年金積立金管理運用独立行政法人、2015年(平成27年)。
  36. ^ 前年度末の運用状況ハイライト(公式サイト)
  37. ^ asahi.com(朝日新聞社):公的年金が消えていく? - 荻原博子の“がんばれ!家計” - ビジネス・経済
  38. ^ “投資ファンド化するGPIF”. (2016年1月). http://www.bestbookweb.com/verdad/article.php?id=20160102 2018年3月25日閲覧。 
  39. ^ “年金界のクジラGPIF、過去最悪の運用成績でもリスク資産投資”. (2015年12月1日). https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2015-12-01/--ihmmj1by 2018年3月25日閲覧。 
  40. ^ 公的年金の運用損失7. 8兆円=過去最大、株式投資拡大が裏目—7〜9月ウォール・ストリート・ジャーナル 2015年11月30日
  41. ^ 年金損失5兆円追及チーム”. 民進党. 2019年2月17日閲覧。
  42. ^ a b GPIF「8兆黒字」は安倍政権への神風か(現代ビジネス)
  43. ^ https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252652


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