ハーバード・ビジネス・スクールとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 建物・施設 > 施設 > 教育施設 > アメリカ合衆国の経営大学院 > ハーバード・ビジネス・スクールの意味・解説 

ハーバード・ビジネス・スクール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/04 23:19 UTC 版)

Harvard Business School
種別 私立
設立年 1908
資金 US$2.8 Billion[1]
学部長 ニティン・ノーリア
教員数
200
職員数
1,100
学生総数 1,937
1,837 MBA
100 Ph.D.
所在地 アメリカ合衆国
マサチューセッツボストン
北緯42度22分02秒 西経71度07分21秒 / 北緯42.36722度 西経71.12253度 / 42.36722; -71.12253座標: 北緯42度22分02秒 西経71度07分21秒 / 北緯42.36722度 西経71.12253度 / 42.36722; -71.12253
キャンパス 都市部
ハーバード大学
公式サイト HBS.edu
テンプレートを表示

ハーバード・ビジネス・スクール: Harvard Business School、略称HBS)は、ハーバード大学経営大学院である。HBSは、スタンフォード大学経営大学院ペンシルバニア大学ウォートン・スクールと共に世界最高峰のビジネススクールであり、Business Weekの2022年のランキングでは全米で第2位、QS World University Rankings 2022年では世界第2位、Financial Times 2022年では世界第3位に選ばれている[2][3][4]。また、経営層養成プログラムであるエクゼクティブ・エデュケーションのAMP(アドバンスド・マネジメント・プログラム)は国際的に名高い。M7の参加校。

プログラム

MBA

学位 MBA: Master of Business Administration

日本語学位名 経営学修士

ハーバード・ビジネス・スクールは、Master of Business Administration略称MBA(経営学修士)プログラムを1908年に設立した。MBAを習得する為、世界各国からハーバード・ビジネス・スクールに学生が集まってくる。

ハーバード・ビジネス・スクールは、特にケースメソッド方式(事例研究法)を授業スタイルとして採用したことで有名である。ケースメソッド方式は、ハーバード・ロー・スクールにおいて、元来、開発され、それをビジネススクールに応用した。学生は、事前にビジネスの状況が描かれたケースを分析した上で、対話中心の授業に臨む。

学内は、ハーバード大学のメインキャンパスから、チャールズ川を挟んだ向こう側であるボストン市オールストンにある。ケネディ・スクールと向かい合わせである。

日本人留学生数は、日本経済の伸長に伴い、一時期増加傾向にあった。しかし、現在は減少し、年十人弱で推移している。東京地区において活躍しているハーバード・ビジネス・スクール卒業生の人数は250人程度である。

直近2021年度のMBA生の卒業直後の総年収の中央値は、$215,000(日本円換算で24,443,350円 2021年12月8日時点)である。[5]

2021年の合格率は12.5%、合格者の内入学した歩留まりは82.7%だった[6]

Ph.D.

学位 Doctor of Philosophy (Ph.D.) in Business Administration/Business Economics/Organizational Behavior/Health Policy Management

日本語学位名 博士 (経営学)

将来ビジネススクールで教鞭をとる教授・研究者の養成を目的としたプログラム。会計学(Accounting & Management)、 マーケティング(Marketing)、 ビジネス経済学(Business Economics)、経営管理(Management)、 組織行動(Organizational Behavior)、 戦略(Strategy)、技術&オペレーション管理(Technology & Operation Management)、医療政策管理(Health Policy Management)の8プログラムに各10数名在籍している。各プログラムに1学年若干名が在籍している。

最初の2年間は専門分野を中心にコースワークと研究論文の提出が必須とされ、その後2〜4年間が博士論文の執筆に費やされる。また、在学中にハーバード大学の学部生向けセミナーやハーバード・エクステンション・スクールの修士課程、及び、ビジネススクールでのMBA課程の授業の一部で教鞭をとることが必須とされている。

ビジネススクールにおける他のプログラムと異なり、授業料は免除され、加えて大学の教員・研究員として毎月の給料が支払われる。博士号取得後、大半の卒業生はハーバード大など欧米を中心に世界各国のビジネススクールの助教授に就任する。

伝統的にDoctor of Business Administration (DBA)学位を授与していたが、世界的にDBAが研究ではなく実務家向けの学位という認識が広まった事等を踏まえ、Doctor of Philosophy (Ph.D.)プログラムに移行された。これに伴い、ハーバード大学文理大学院と経営大学院のジョイント・プログラムとなった。

著名な卒業生にはマイケル・ポータークレイトン・クリステンセン、日本人では、石倉洋子藤本隆宏國領二郎などがいる。最近の日本人卒業生では、武田悠作(イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校助教授)がいる。

エクゼクティブ・エデュケーション(経営人材養成プログラム)

ハーバード・ビジネス・スクールには、学位取得できるMBA/DBAプログラムの他に、学位とは無関係なエクゼクティブ・エデュケーション(経営人材養成プログラム)が存在する。

これらのプログラムは主に

①Focused Programs(マネジメントやマーケティング、財務、リーダーシップなど、1つのトピックについて短期集中で学ぶマネジャー層向けプログラム)

②Custom Programs(企業ごとの課題を解決することに主眼をおいたオーダーメイドのプログラム)

③Comprehensive Leadership Programs(主に後述するAMP、GMP、PLDなど)

の3つに大別される。

一般的には①のFocused Programsが多く用意されているが、エグゼクティブエデュケーションの中でもアルムナイ(卒業資格)が授与され、ハーバード・ビジネス・スクールの卒業生ネットワークに加入できる数少ないプログラムとして、AMP、GMP、PLDなどが存在し、エグゼクティブMBA(EMBA)の代替として位置付けられている。

AMP

プログラム名 AMP:Advanced Management Program (certificate program)

日本語名 アドバンスド・マネジメント・プログラム

AMPは、約6カ月間に亘る経営人材養成プログラムで、数多くのグローバル企業のCEOを輩出している。授業料は、約6カ月間で9万4000ドル。大手グローバル企業からの社費派遣者が主な受講者で参加するには厳しい審査があり、世界的にも著名な教授陣の下で厳しいカリキュラムに集中的に取り組む必要がある。

主な参加者は、大企業においてCEOの1、2階級下の指導的地位にあり、会社の後継者計画の中心的存在として認識されている実績のあるビジネス・エグゼクティブ(経営委員会のメンバー、主要ビジネスユニットの責任者、オペレーティング・グループの上級メンバーなど)や大きな成長機会のある中堅企業でC-suiteレベルの役職に就いている方。特に、上級管理職や会社役員としての豊富な経験を含め、20年以上の職務経験を持つ上級管理職に適している。

修了時にアルムナイ(卒業資格)が授与され、ハーバード・ビジネス・スクールの卒業生ネットワークに加入できる数少ないプログラムの1つである。

GMP

プログラム名 GMP:General Management Program (certificate program)

日本語名 ジェネラル・マネジメント・プログラム

AMPと並ぶハーバード・ビジネス・スクールのエクゼクティブ・エデュケーションの看板プログラムの一つ。

GMPは、約4カ月間に亘る経営人材養成プログラムで、授業料は8万ドル。AMP同様に大手グローバル企業からの社費派遣者が主な受講者で参加するには厳しい審査があり、世界的にも著名な教授陣の下で厳しいカリキュラムに集中的に取り組む必要がある。

主な参加者は、少なくとも15年から20年の経験を持ち、知識と影響力を高め、組織に大きな影響を与え、個人の目標を達成したいと考えているシニアエグゼクティブを対象としており、事業損益に責任を持つリーダーや機能的な役割が大幅に拡大しているシニア・エグゼクティブに適している。

AMP同様に修了時にアルムナイ(卒業資格)が授与され、ハーバード・ビジネス・スクールの卒業生ネットワークに加入できる。

PLD

プログラム名 PLD:Program for Leadership Development (certificate program)

日本語名 リーダーシップ開発プログラム

PLDは、主な参加者は、少なくとも10年から15年の経験を持つエグゼクティブを対象としており、期間は7ヶ月間で、4つのモジュールにおいて、グローバルリーダーに必要な会計や金融の基礎知識からはじまり、ビジネス戦略、マーケティング、オペレーション、組織改革する上でのリーダーシップ等を学ぶ。モジュール1と3は、オンラインで教育が行われ、グループワークによる課題と評価が課される。モジュール2と4は、完全寄宿制で、教授陣によるケースベースでの授業に加え、政界や経済界の著名人からプレゼンテーションスキルやビジネスの心得なども学ぶ。モジュール5は、完全寄宿制でリーダーシップについてケーススタディを使いながら学ぶことに加え、演劇のプロフェッショナルからプレゼンテーションの仕方も学ぶ機会がある。授業料は、モジュール5まで含めて7万9000ドル。

2013年からモジュール4の後に、2週間のモジュール5にてリーダーシップについて学べるようになり、修了後には、アルムナイ(卒業資格)が授与され、ハーバード・ビジネス・スクールの卒業生ネットワークに加入することができるようになった。

教員

現在の教員
歴代教員、元教員

歴史

  • 1908年 設立、Edwin Francis Gayが初代学長に就任。初年度は59名の学生が入学した。
  • 1920年代 学生数は一学年200名程度まで拡大。
  • 1963年 初めて女性の入学生を受け入れる。

世界的に著名な卒業生

世界的に著名な卒業生から挙げる。基本的には米国のビジネス界で活躍した人物、米国政府高官、世界的な影響力を持った人物、ビジネススクールの教授になった人物などを挙げる。

その他、ゴールドマン・サックスモルガン・スタンレー、メリルリンチ、JPモルガンブラックストーン、カーライル、マッキンゼー&カンパニーボストン・コンサルティング・グループベイン&カンパニーニューヨーク証券取引所、GE、IBM、スターバックスステイプルズリーバイスアディダスゼロックスボーイングタイム誌ヤフーなどの経営者、設立者など多くの人材を輩出している(英語版参照)。

以下では、MBA、DBAなどコース別に世界的に著名な卒業生を、ファミリーネームのアルファベット順に挙げる。

MBA


日本人卒業生

ベーカー・スカラー

ベーカー・スカラー (Baker Scholar) とは、2年間を通じてカテゴリーIが7割以上で、成績上位5%の学生に与えられるタイトル。毎年900-1000名の卒業生のうち。45-50名ほどが選出される。

脚注

  1. ^ [1]
  2. ^ https://www.bloomberg.com/features/2016-best-business-schools/
  3. ^ https://www.topuniversities.com/university-rankings/university-subject-rankings/2016/business-management-studies
  4. ^ http://rankings.ft.com/businessschoolrankings/global-mba-ranking-2017
  5. ^ ハーバードビジネススクール|海外MBA比較のPeetslist”. 2021年12月8日閲覧。
  6. ^ Ethier, Marc (2021年4月14日). “Acceptance Rates & Yield At The Top 50 U.S. MBA Programs” (英語). Poets&Quants. 2022年10月26日閲覧。

関連項目

外部リンク


「ハーバードビジネススクール」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ハーバード・ビジネス・スクール」の関連用語

ハーバード・ビジネス・スクールのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ハーバード・ビジネス・スクールのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのハーバード・ビジネス・スクール (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS