外国債券とは? わかりやすく解説

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外債

(外国債券 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/01 05:11 UTC 版)

外債(がいさい)とは、日本においては、債券(または債券に表示されるべき権利)のうち、狭義には、外国又は外国法人の発行するものをいい(振替法127条)、広義には、外国通貨建てで発行されたもの(外貨建債券)や外国の市場において発行されたものをも含む。日本の場合、日露戦争の準備期間中に高橋是清が日本国債をポンド建てで売りイギリス製軍艦(当時の日本はまだ鉄鋼業が発達不十分で軍艦製造能力に不安があったため)や弾薬の購入などに充てたものも外債である。さらに、日本以外の国を基準として同様のものを指すこともある[注釈 1]外国債または外国債券ともいう。


注釈

  1. ^ 露仏同盟はロシアに歴史的な外債市場を形成した。そこではラテンアメリカバルカン半島で行われたように、欧州各国の金融機関による開発競争が展開された。
  2. ^ 1873年の7分付英貨国債240万ポンドについては、毎年米40万石分の買入担保を提供すること、2ヶ年据置後23年かけて返済(1897年に償還完了)すること、発行を引き受けたオリエンタル・バンクへの手数料88万円を支払うことなども約された。
  3. ^ 大隈財政下で紙幣整理のために5,000万円規模の大規模な外債導入が検討されたが、保守派は「大量の外債発行は日本の植民地化を招く」としてこれを非難し、さらに明治天皇直々の発言(「節倹の聖旨」)を持ち出してこれを阻止した。以後、政府は外債発行に慎重となった。列強としても大不況 (1873年-1896年) で日本へ貸す理由はなかった。各国で金本位制の採用が進み兌換準備に充てなくてはならずアジアへ金を回す余裕がなかった。銀建てにしても、金と関係なく産出過剰で価格の下落が慢性的であったので、償還期限が長いほど債務国に有利な構造となっていた。この状況が変化するのは、清の下関条約賠償国債を香港上海銀行などが引受けて、日本へ間接的に資金を提供してからである。
  4. ^ 鉄道は借換の担保として国有化された。
  5. ^ 震災復興のための資金が切迫していた日本政府は日本が未開国扱いされていた明治初期水準の高い利息を付けて外貨を調達せざるを得ず、日本国内では「国辱公債」とも揶揄された。この時期には東京・横浜両市も復興の為の外債発行を行っている。また、この時期に社債募集に悩んでいた電力会社がニューヨーク市場の好調ぶりに目をつけて相次いで現地で外債を発行した。
  6. ^ 外債は以後順調に償還された。円建ての償還金は日本に滞留し、海外投資家の紐つきという広い意味での蓄積円となった。これは、投資国企業の日本子会社がオイルショックを自己金融でやり過ごすのに使われた。合衆国企業の場合はヨーロッパ通貨も還ってきていたので、ヨーロッパ子会社を維持し親会社の負担を減らすのに同様の戦略を用いた。
  7. ^ リンク先下部。バハマ支店をドレクセル・バーナム・ランバートのデニス・レヴィーンがインサイダー取引に利用。
  8. ^ インターナショナル・ファイナンス
  9. ^ CCF は2000年4月HSBC に買収された。
  10. ^ キャピタルマネジメント
  11. ^ 日本興業銀行
  12. ^ 日本長期信用銀行
  13. ^ 円貨建外債(えんかだてがいさい)とは、日本以外の国家及び日本に本拠地を持たない機関・法人などが、日本市場において日本円による額面表記をもって発行する債券の事である。円建て外債(えんだてがいさい)あるいはサムライ債とも呼ばれる。発行者は外国政府、政府機関、自治体、企業、国際機関など。発行から償還まで、全てが日本円で行われる。1970年アジア開発銀行債が第1号の円貨建外債である。

出典

  1. ^ a b スタンリイ・チャップマン 『マーチャント・バンキングの興隆』 有斐閣 1987年 156-161頁
  2. ^ 鈴木俊夫「戦間期のロンドン外債市場 (前川寛教授退任記念号)」『三田商学研究』第43巻第6号、慶応義塾大学商学会、2001年2月、129頁、CRID 1050001337392918912ISSN 0544-571X 
  3. ^ 中塚晴雄「1920年代の商業銀行の投資銀行業務と証券発行構造 : ニューヨーク外債市場と証券子会社の引受とリテール販売」『福岡大学商学論叢』第52巻第3-4号、福岡大学研究推進部、2008年3月、531-567頁、CRID 1050001202555129856ISSN 0285-2780 
  4. ^ 国際協力銀行日本政策金融公庫国際協力機構又は外国政府金融機関
  5. ^ 日本開発銀行社史 巻末年表
  6. ^ Japan $30,000,000 External Loan BondsDated January 15, 1959 Three, Four, Five and Fifteen Year Bonds 大蔵省 年代不詳の渡辺武関係文書
  7. ^ 福島昌則「わが国外資政策の実証的考察 -累積債務問題によせて-」『經營と經濟』第63巻第4号、長崎大学産業経営研究会、1984年3月、1-22頁、CRID 1050005822263108864hdl:10069/28206ISSN 02869101 
  8. ^ 日本興業銀行みずほ銀行 『証券便覧』より。発行件数は網羅できていない。戦前の公社債については日本興業銀行の『日本外債小史』または森賢吾の『国際金融』を参照されたい。
  9. ^ a b c 円建外債・東京外貨建外債 財務省
  10. ^ 集団行動条項を巡る国内法制上の論点に関する研究会 2章 p4 脚注1 (財)国際金融情報センター
  11. ^ Some General Observations on the Kangaroo Bond Market オーストラリア準備銀行
  12. ^ 2006年东盟加中日韩财长会联合声明(英文) 中華人民共和国財政部
  13. ^ Enhancing Japan's Status as an International Financial Center: Chairman's Summarization of "Study Group on the Internationalization of Japan's Financial and Capital Markets" (Summary) 日本国財務省
  14. ^ Oil Prices & Foreign Exchange are No Worries, Deputy Minister Said (Jun 15, 2006) 大韓民国企画財政部
  15. ^ Supplement to MOFE Press Release "2nd Meeting of the Financial Hub Initiative Committee" 大韓民国企画財政部
  16. ^ VATFIN9100: Glossary of terms: A to B 英国歳入関税庁
  17. ^ [1] p485 米国財務省
  18. ^ [2] p8 米国証券取引委員会
  19. ^ The USSR and the Changing Scene in Europe p13 米国中央情報局
  20. ^ Report on the Evaluation of the Receiver General Cash Management Programカナダ財務省
  21. ^ The Development of the Kauri bond marketニュージーランド準備銀行
  22. ^ Ministro de Hacienda, Felipe Larraín, destaca medida que amplía autorización a emisores extranjeros para emitir “Huaso Bonds” en Chile Ministro de Hacienda(チリ共和国財務省)
  23. ^ [3]中華民國證券櫃檯買賣中心


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