大ノ国とは? わかりやすく解説

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大乃国康

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 13:13 UTC 版)

大乃国 康(おおのくに やすし、1962年10月9日 - )は、北海道河西郡芽室町出身で放駒部屋(入門時は花籠部屋)に所属した元大相撲力士。第62代横綱(昭和最後の横綱)。本名は青木 康(あおき やすし)[1]。現在は年寄芝田山芝田山部屋の師匠を務めている。


注釈

  1. ^ 過去に琴風増位山の3場所31勝(大乃国と同数)、さらには北の冨士(のち第52代横綱)・北葉山の3場所28勝で大関昇進した例がある。横綱・大関の員数が少ない場合は昇進が甘くなるケースもあるが、1985年7月場所では2横綱3大関が在位していて、大乃国の場合はこのケースに当てはまらない。
  2. ^ 現在では12勝3敗の優勝次点程度では「綱獲り」と騒がれることはほとんどない。事実、年6場所制定着以降に綱取りを果たした力士の中で直近2場所前が12勝の優勝次点にとどまった者は他に北尾と稀勢の里しかおらず、これを下回る例は直近2場所前が11勝であった柏戸、直近2場所前が10勝止まりであった玉の海のみである。参考として、 北勝海は直近2場所前が12勝での優勝であった。
  3. ^ 旭富士も大関時代の1989年1月から5月にかけて、大乃国の横綱昇進時と同じ3場所通算で40勝5敗という成績を残したが、「横綱昇進基準厳格化」の煽りを受けて昇進が見送られた。その後旭富士は翌1990年5月と同年7月に大関で2場所連続優勝を果たしてようやく横綱に昇進した。
  4. ^ ただし、鶴竜以降の横綱も直前場所で優勝して横綱に昇進しており、直前場所優勝無しで昇進したのは現在のところ大乃国を最後に出ていない
  5. ^ 平成以降の新横綱では、2012年11月場所・第70代横綱の日馬富士と、及び2014年3月場所・第71代横綱の鶴竜が、共に9勝6敗の1桁勝利に終わった。
  6. ^ ほか大乃国が引退する迄の幕内優勝力士は、大関の小錦(1989年11月場所)、大関〜横綱の旭富士(1990年5月・7月・1991年5月場所)、大関の霧島(1991年1月場所)、平幕の琴富士(1991年7月場所)の4人が居る。
  7. ^ 大乃国の1988年5月〜1991年7月と通算20場所(期間・3年2か月)の間、横綱として一度も幕内優勝無しは、年6場所制(1958年)以降では最長記録となる。
  8. ^ 1997年9月日本相撲協会理事会で、「同地位で優勝決定戦を行った場合優勝者を上位とする」という規定に改正。現在のケースであれば翌場所の番付は、優勝者(大乃国)が東正位横綱に上がり、優勝同点者(北勝海)は西正位横綱に廻す形式となる。
  9. ^ 東正位の地位に1度もつかなかった横綱は、双羽黒以来史上5人目。
  10. ^ 読売「大相撲」平成元年4月号・「北出清五郎のやあこんにちは」での本人談「180kgが理想体重。(中略)関脇のころが最高だった。200kgはムリがあると思うがなろうと思ってなったんじゃない、なってしまった。(中略)体質的に太りやすいんだよ」
  11. ^ 15日制定着以前も含めれば1945年11月場所の安藝ノ海以来。
  12. ^ 事実、横綱昇進後の大乃国の9月場所の成績は15勝15敗15休と全く振るわなかった。
  13. ^ 10年後の1999年9月場所には、若乃花(第66代横綱)も7勝8敗の皆勤負け越しを喫している。
  14. ^ 横綱昇進後も大乃国は相手が不振や弱敵でも、常に安心して見られない不安定さがあった。また霧島との幕内対戦成績は6勝8敗と非常に分が悪かった。
  15. ^ この場所は他の横綱陣も大変な不調で、千秋楽は北勝海と旭富士で8勝6敗同士の横綱戦という事態だった。
  16. ^ 9日目の琴ヶ梅戦は不戦敗。
  17. ^ なお、このとき大乃国本人は引退するつもりはなかったが、二子山理事長(当時)が続投を許さなかった[要出典]
  18. ^ 大乃国の最後の対戦相手である安芸乃島も、引退会見で思い出の一番として、1988年秋場所で同門の先輩である大乃国に初めて勝った相撲(初金星)をあげている
  19. ^ 1993年3月に若獅子の師匠である10代二子山が停年を迎えるため、年寄名跡の都合が付くことが確定していたため、それまでの繋ぎとして芝田山を借用した。
  20. ^ この横綱空位のために、同年10月、旭富士の引退相撲でも露払い:旭里・太刀持ち:旭道山と、同じ大島部屋の平幕力士が務めている。翌年1月、北勝海の引退相撲では横綱になったばかりの曙が太刀持ちを、大関・小錦が露払いを務めた。しかし2003年の貴乃花以降、横綱・大関の空位とは関係なく、大関以下の現役幕内力士が露払いと太刀持ちを務めるケースが続いている。
  21. ^ 短期間で独立または日本相撲協会から退職するか、自身の所属部屋または一門の別の部屋を継承するか、あるいは部屋付きとして長期間在籍した場合は後継者として部屋を譲渡されそのまま部屋持ち親方となるか部屋付きのまま終わる例がほとんどである。千代の山鏡里が引退後十年ほど部屋付きとして務めた後で独立しているが、後継者争いに敗れたことによるもので大乃国とは事情が異なる。
  22. ^ 肝機能障害により10日目から途中休場
  23. ^ 北勝海と優勝決定戦
  24. ^ 右膝関節内障(内側側副靱帯及び内側半月板損傷により5日目から途中休場
  25. ^ 横綱皆勤負け越し
  26. ^ 右膝靱帯及び半月板損傷により全休
  27. ^ a b c d 左足関節脛腓靱帯断裂・左脛骨後顆骨折により全休
  28. ^ 右脹脛化膿性蜂窩織炎により全休

出典

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  10. ^ 7月場所を展望する朝日新聞1985年7月7日付朝刊スポーツ面では、大乃国について「大関を狙う」のみで具体的な展望は記されなかった。
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  34. ^ Sports Graphiv Number PLUS April 2017(文藝春秋、2017年4月10日)p79
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