フランス国内の措置
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「フランスにおける2019年コロナウイルス感染症の流行状況」の記事における「フランス国内の措置」の解説
2020年2月29日、同日、フランス政府はクラスターのあるオワーズ県のクレイユ、クレピー=アン=ヴァロワ、ラモルレイ、ヴォモワーズ、ラニ=ル=セックとオート=サヴォワ県のラ・バルム=ド=シヤンジーの住民の集会と旅行を制限した。 3月6日、エドゥアール・フィリップ首相はコロナウイルスによる疾病の拡散に対処するため、オワーズ県とオー=ラン県のすべての学校、高校、大学を3月9日から15日間閉鎖すると発表。 3月12日、エマニュエル・マクロン大統領は国民に向けた演説を行った。演説では、70歳以上の高齢者、慢性病患者、呼吸器系疾患患者、障害者に対し可能な限り自宅待機を求める、3月16日以降新たな指示があるまでの間、保育所、小中学校、高校、大学は閉鎖する、医療関係者が仕事を続けるための保育手段を確保する、企業に対しテレワークの促進を推奨する、3月15日に予定されていた市町村議会選は投票所の感染対策を行った上で予定どおり実施するなどと発表。 3月14日、エドゥアール・フィリップ首相は「国民の生活にとって不可欠ではない」場所を全て閉鎖すると発表した。レストラン・カフェ・映画館・ディスコは閉鎖される。食料品・薬局・ガソリンスタンド・銀行・タバコ新聞販売所といった必須のものを除き、全ての商店も閉鎖の対象となる。 3月16日、マクロン大統領はテレビ放送で国民に向けた演説を行った。「コロナウイルスとの戦争」を強調し、17日の正午12時より、全土での旅行・集会を15日間制限するほか、シェンゲン圏の辺境を30日間閉鎖し、地方選挙も延期すると発表した。 3月20日、マルティニークではビーチと川への進入が禁止された。 3月21日午後10時より、アルプ=マリティーム県では夜10時から朝5時の間の外出が完全に禁止された。4月15日まで続く予定である。 3月27日、エドゥアール・フィリップ首相は外出禁止措置をさらに2週間4月15日まで延長すると発表した。衛生状況によりこの期間はさらに延長される可能性がある。翌28日、首相はオリヴィエ・ヴェラン保健大臣、パリサン=タントワーヌ病院の感染症対策責任者カリーヌ・ラコム、保健連帯省保健総局長ジェローム・サロモン、パスツール研究所の疫学者であるアルノー・フォンタネとともにビデオを発表し、最新の対策と今後の強化内容を説明した。 4月6日から、外出時に持参する理由の証明書がそれまでの紙媒体ではなく内務省のホームページから発行されるQRコード付きのPDFを携帯電話等にダウンロードする制度が開始された。氏名・住所・生年月日・生誕地・外出の目的・外出開始の日付時刻を入力し、送信すると作成できた。外出中の路上等で検問を受けた場合には携帯電話等の画面上にQRコードを表示し提示することで対応できることとなった。認められる理由の選択肢及び外出の範囲(必需品の買い物以外では最大1時間の散歩/運動、住居から 1 km以内)は変更なかった。 4月7日、パリ市は4月8日以降屋外/路上での運動やスポーツを10時から19時の間禁止することを発表した。散歩はこれには含まれない。 4月13日、エマニュエル・マクロン大統領はテレビ放送で国民に向けた演説を行った。2020年5月11日まで外出制限を維持、5月11日から託児所と小中高校は段階的に再開するが高等教育機関は夏までは引き続き遠隔でのみ開講、レストラン,バー,映画館,劇場,博物館等は5月11日以降も閉鎖継続、大規模集会/イベントは7月中旬まで禁止、5月11日から症状のある全ての人に対しテストを実施可能にするともに大衆用マスクを全ての国民に配布、EU境界は新たな決定まで閉鎖継続。 5月7日、防衛閣議において5月11日からの外出制限緩和が決定され、同日、エドゥアール・フィリップ首相び6大臣による外出規制暖和に関する説明が行われた。イル=ド=フランス地域圏においては、ラッシュアワー(6時30分から9時30分及び16時から19時)の間、職業証明書を携行する者の通勤のほかやむを得ない理由(健康上,司法・行政からの呼び出し,子供の通学の同伴)を有する者以外による公共交通機関の利用を禁止。公共交通機関利用時における11歳以上の者のマスク着用を義務化。5月11日から,マイヨット県を除き日常の外出に関しては証明書携行不要。ただし、職業上の理由や家族のやむを得ない理由を除き、居住地から直線距離100 km以上の移動は禁止。新たな理由証明書は内務省ホームページから紙媒体及び電子媒体でダウンロード可能。感染流行地域からフランス国内に入国する者について、原則14日間の自主的隔離を求めることとした。シェンゲン圏からの入国は隔離対象外の一方、仏海外領土からの入国は14日間自主隔離の対象。 5月11日、55日ぶりに外出制限を解除した。自宅から100 km圏内の移動は自由になった。 5月28日、エドゥアール・フィリップ首相及び関係閣僚は記者会見を行い、6月2日以降の措置緩和の第2フェーズに関する発表を行った。全土で6月2日以降小中学校を再開。高校も部分的に再開。カフェ、レストラン、バー等は6月2日から営業再開可能ながら、特に注意が必要なオレンジゾーン(発表当時はイル=ド=フランス地域圏ほか)においてはテラス席のみ営業可。5月31日から公園の利用を再開。6月2日以降、ビーチ、博物館、歴史的建造物等の営業を再開。また、6月2日以降、自宅から100キロ以内の外出に対する制限を廃止。携帯向け無料アプリ「StopCovid」を開発し、6月2日以降任意での利用を奨励。GPSは使用せず、データは匿名化され、保存期間は限定されている。国はデータにアクセスできない。患者と1メートル以内で15分以上接触した可能性がある場合に通知される。また、6月22日から措置緩和の第3フェーズに移行する予定であることも告知された。 6月14日、エマニュエル・マクロン大統領はテレビ放送で国民に向けた演説を行った。マイヨット島とギアナを除く仏全土を6月15日から緑ゾーンとし、イル=ド=フランス地域圏のカフェやレストランも再開できることとする。6月15日から欧州内で移動が可能となる。欧州外との移動については、7月1日からコロナ感染症がコントロールされている国々への移動が可能となる予定。6月15日以降、海外領土を含めた仏全領土において、保育園・小学校・中学校は、通常の出席規則に基づいて、義務的なやり方で、全生徒を6月22日から受け入れるように準備を行う予定。6月28日には、3月に実施を延期した市町村選挙第2回投票を実施する。演説で大統領はさらに、フランスおよび欧州経済の活性化、国内の団結と安定を訴えた。 10月14日、マクロン大統領は、新型コロナウイルスの感染者が拡大していることから同月17日から4週間、パリを含む9地域で午後9時から翌午前6時までの夜間の外出を原則禁止にすると発表した。外出禁止の時間帯には飲食店や映画館などは閉鎖となる。また、マクロン大統領は休業状態にある人の給与を政府が肩代わりする制度の対象を今より広げると表明した。 10月22日、ジャン・カステックス首相は、夜間外出禁止令の対象地域を大幅に拡大すると発表した。夜間外出禁止令はパリを含む9地域で既に実施されていたが、同月24日より対象地域を38県及びフランス領ポリネシアに拡大し、6週間実施されるとした。 10月28日、マクロン大統領は10月30日から12月1日までフランス全土で外出制限を行うと発表した。通勤・通学・通院・買い物・軽い運動などの理由での外出は認めるものの、申告書の携帯が必要とした。また、飲食店の閉鎖も求めた。 11月24日、エマニュエル・マクロン大統領は10月30日から行っていた外出制限の緩和措置を発表した。必要不可欠ではない商店とされた書店、衣料店などの業種の店舗が11月28日朝から再開できることとなった。一方バー・レストランは1月20日まで閉店措置が継続される。市民による余暇目的の外出は自宅から20キロ圏内、最大3時間まで可能となる(それまでは1キロメートル以内、1時間まで)が、友人や家族の家を訪れることはできないとされた。 また12月15日以降日中の外出制限が撤廃され、夜間外出規制が午後9時から午前7時まで実施される旨も発表した。 12月10日、ジャン・カステックス首相及び関係閣僚は国内の新型コロナウイルスの感染状況が期待していたほど改善していないとし、12月15日に予定していた文化施設の規制緩和を延期すると発表し、12月15日に再開される予定だった博物館や映画館、劇場、スポーツ施設は、2021年1月7日まで閉鎖が続くこととなった。日中の外出制限は、予定通り15日に解除されるが、夜間外出規制が午後8時から翌朝6時までの間に適用される(12月24日夜は適用外)。夜間外出制限の適用時間は11月24日の大統領発表、11月26日の首相発表の内容から修正され、夜間外出禁止令は大みそかにも適用されることとなった。 12月15日、フランス本土内における日中の外出制限が解除された。バー・レストランの閉店措置、文化施設の閉鎖措置、夜間午後8時から翌朝6時までの外出規制は継続される。 2021年1月14日、ジャン・カステックス首相及び関係閣僚は記者会見を行い、1月16日から夜間外出禁止の時間帯を午後6時から午前6時までに変更し、商店や商業施設が午後6時で閉店となる措置を全国に導入するとした。それまでは1月2日以降一部地域で午後6時への繰り上げが導入され、全国では午後8時以降の外出が制限されていた。 1月29日、ジャン・カステックス首相は記者会見を行い、1月31日から欧州連合(EU)域外との出入国を原則禁止すると発表した。フランスへの入国を拒否し、フランスからの出国も認められなくなる。食料品以外を扱う大型商業施設を1月31日から閉鎖する措置も導入する。 4月29日、エマニュエル・マクロン大統領は4段階の規制措置緩和、休止施設再開の戦略を発表した。第一段階は5月3日から、日中の移動理由証明書の持参義務を撤廃、地域圏間の移動制限を解除、中学校第3学年以上の対面とオンラインの授業再開の一方、夜間外出禁止措置および商業施設の閉鎖は継続。第二段階は5月19日から、夜間外出禁止の開始時刻を午後9時に繰り下げ、商業施設が再開可能となりバーやレストランのテラス席、美術館・博物館、劇場、映画館(屋内最大800人、屋外最大1,000人)が再開可能に。第三段階は6月9日から、夜間外出禁止の開始時刻を午後11時に繰り下げ、カフェとレストランが再開可能となり、文化・スポーツ施設は最大5,000人収容可能(衛生パスの提示義務付き)、衛生パスを保有する外国人旅行者を受け入れ開始。第四段階は6月30日から、夜間外出禁止が解除され、観客を受け入れる施設の人数制限が地域の感染状況に応じて解除となる。同時に衛生パス(Le pass sanitaire)を6月以降に、接触確認用スマートフォンアプリ「TousAntiCovid」を介して入手可能にすることが発表された。 7月12日、エマニュエル・マクロン大統領はテレビ放送で国民に向けた演説を行った。病院、診療所、高齢者施設、障害者施設の医療従事者および職員、さらに在宅も含めた高齢者や脆弱な立場にある人との接触を伴う仕事に従事する人やボランティアについてワクチン接種を義務化し、9月15日から罰則を伴う取り締まりを実施することを表明。ワクチン接種証明(または陰性証明)提示の対象を7月21日から娯楽施設や文化施設に拡大し、8月からカフェ、レストラン、ショッピングセンター、病院、高齢者施設、医療福祉施設、長距離輸送機関に導入するとともに、2021年の秋から、検査を増やすよりもワクチン接種を促進するため、医師が必要と判断した場合を除きPCR検査を有料化することも発表した。 8月9日、フランス政府は飲食店のほか飛行機や高速鉄道などの利用者に対する、ワクチン接種の証明または陰性証明などの提示の義務化を開始。
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