人数制限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 13:34 UTC 版)
昔から「江戸の大関より土地(くに)の三段目」と言われており、番付・知名度に関わらず同じ出身地の力士を応援する風潮がある。力士の後援会は出身地で作られるほか、学生相撲出身力士の場合は母校OBが後援会組織を作ることが多い。そのため、出世すれば「郷土の誇り」「母校の誇り」となる。外国人力士の場合は「国の誇り」として扱われる。それだけ「故郷と力士の関わり合い」は深いものであるとされている。 もともと外国人力士枠は無制限であった。事例として、1975年に朝日山部屋で師匠の16代朝日山が死去した後に6人のトンガ人力士が廃業するという「トンガ騒動」が起こっている。しかし、外国人力士が起こす不祥事もあった。1986年7月場所中には、カナダ出身の琴天山(ジョン・テンタ)が通訳の女性と失踪し、「日本になじめない」という理由でそのまま廃業した。西サモア出身の南海龍はその飲酒癖により一般人に暴力行為を行い、日本で面倒を見ていた小錦(サモア系)の再三の注意にも関わらず1988年9月場所には二日酔いで休場、その後引退している。 このような状況を受けて、1988年に日本相撲協会理事長の二子山が親方衆に対して外国人力士のスカウト自粛を申し入れるなど、外国人力士の人数を制限する動きが1980年代後半から存在した。1992年、ハワイ出身力士の躍進・増加を機に、師匠会の申し合わせで、外国人力士を総数40人以内に収めることや1部屋に付き2人までとすることが定められた。その後数年はどの部屋も外国人力士の採用を自粛してきたが、1998年から再開され、モンゴル人力士らが隆盛する。そして2002年、先の40人という枠を撤廃する一方、外国人力士は1部屋に付き1人までと制限する方針に変更。当時相撲部屋は54部屋なので、54人が上限となった。 それでも、制限は「外国人力士」つまり「外国籍を持つ力士」にしか及ばないことと、日本の国籍法は国民の区分を認めておらず、帰化した力士は同じ日本人であるため、帰化者まで制限するのは日本国憲法が定める「法の下の平等」に反するとの見方もある。この点を悪用して外国人力士に日本国籍を取らせ、新たに外国人の新弟子に採る部屋が後を絶たなくなった。2010年1月場所時点で外国出身力士の総数は57人に及んでいたという。 さらに2006年の露鵬によるカメラマン暴行や2008年の大相撲力士大麻問題、朝青龍が騒動を起こし続け、2010年に自ら起こした一般人への暴行事件で引退となるなどの問題が発生し、その再発防止のため同年2月23日に理事会は先の制限を「帰化者含む外国出身力士を1部屋1人まで」として、制度の抜け道を無くすことを決定した。ただし、1部屋1人の規則を制定する前に外国出身力士が複数人入門していた場合や、消滅した部屋から所属力士を引き取った場合はこの規則に違反するものとはみなされない。 制限が日本人力士の育成や伝統的な相撲文化の維持発展につながるという考え方は根強く、外国人力士が問題を起こす度に外国人力士の存在の賛否に話が及ぶこともある。2017年に日馬富士(第70代横綱)が貴ノ岩に対する暴行事件により引退しているが、同年10月の鳥取巡業での暴行の現場には白鵬や鶴竜(第71代横綱)も同席していたにも関わらず事件について師匠らには報告がなかった。結果、貴ノ岩の師匠である貴乃花が広島県警に被害届を提出していることが11月場所中に第一報として報じられ、対応が遅れた協会執行部の混乱を招いている。貴乃花は白鵬との確執が報じられていたほか、日馬富士と師匠の9代伊勢ヶ濱の謝罪を拒んだとみなされたことや、警察の捜査中であるとして相撲協会執行部との対話を拒むなど激しい対立姿勢を示したことから、協会内で孤立して2018年には退職に至った。なお、貴ノ岩は同年12月に自身の付け人に対する暴行事件を起こして引退している。一連の騒動を受けて、同年12月には相撲協会は暴力禁止規定を明文化した。また、コンプライアンス委員会(委員長・青沼孝之 元名古屋高等検察庁検事長)を立ち上げ、処分事案とみられる件については委員会に調査と処分意見案の答申を求め、その報告を受けた理事会が処分を決定することとしている。 2018年1月には大砂嵐が長野県内で無免許運転で事故を起こし、協会の聴取に虚偽説明をしたほか、重婚未遂騒動が起こったこともあり、引退している。 「閉鎖的で国際化の流れにそぐわない」「人種差別である」との批判もあるが、近代スポーツとしての相撲の国際化はアマチュア相撲が行っており(国際相撲連盟)、男女の国際大会や女子への普及を行っている。日本では、ちびっこ・学生・実業団などのアマチュア相撲を統括する日本相撲連盟が競技団体の役割を果たしている。日本相撲協会は勧進相撲を行っていた職能団体が現在に続いているもので、団体として相撲文化の継承・様式の保護の目的を掲げていることから、日本相撲連盟とは協力関係にあるものの同じ役割は積極的に負わないものとみられる。
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人数制限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 22:46 UTC 版)
不審な申請と疑われる事案がある。2010年(平成22年)4月22日に兵庫県尼崎市の市役所窓口で、韓国人男性が妻の母国であるタイ王国に養子縁組した子供が554人居るとして、554人分の子ども手当(年間換算で 8642万4000円)の支給を申請しに来ている。この韓国人男性はタイ政府が発行したという証明書を持参しており、市窓口の担当者が「養子はどの子か」と聞くと「全員だ」と答えた。男性は「タイに定期的に渡航し、現地で子どもたちと寝起きしている」と主張した。このケースは、「書類上は条件を満たしている」が、判断を仰がれた厚生労働省は「554人の子供と生計を同じくしているとは判断できず、社会通念上も認められない」として支給対象にならないと判断した為、尼崎市側は申請を受理しなかった。 厚生労働省は4月6日、同省のホームページで「母国で50人の孤児と養子縁組を行った外国人」については支給されないとしたが、人数制限がないことへの指摘や、「母国で50人の子どもと養子縁組をした外国人には支給しない」と記載したことの根拠が曖昧だとの疑問の声が上がっている。
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