あれとは?

あれ

[感]感動したり驚いたり、また不審に思ったりしたときに発する語。あら。おや。「あれ、変だなあ」


あれ【×吾/我】

[代]一人称人代名詞。われ。わたし。

さ寝むとは—は思へど」〈記・中・歌謡〉

[補説] 上代語中古には、「あれにもあらねば返しすべくも思はねど」〈源・玉鬘のような慣用表現に残るだけで、「われ」が多く用いられた。


あれ【彼】

[代]

遠称指示代名詞

第三者持っている物、または、話し手聞き手双方見えている物をさす。あのもの。「彼は何だ」「彼が欲しい」

双方見えている場所をさす。あそこ。

「—に見えるは茶摘みじゃないか」〈文部省唱歌茶摘

双方知っている過去事柄をさす。例のこと。「彼は忘れられない出来事だ」「彼以来からだのぐあいが悪くってねえ」

三人称人代名詞双方見えている人、分かっている人をさす。あの人。「彼が君の妹か」

二人称人代名詞あなた。

「—は何する僧ぞと尋ねらるるに」〈宇治拾遺・一〉


あれ【荒れ】

あれること。荒廃。「壁の荒れが目だつ

風雨激しく天候穏やかでないこと。また、物事激しく変動すること。「荒れ模様

皮膚があらくなること。「手の荒れ」


あれ【×礼】

動詞「あ(生)る」の連用形からか》賀茂の祭のときの幣帛(へいはく)。(さかき)に種々の綾絹(あやぎぬ)や鈴などをつけたもの


あれ

感動〕 意外なことが起こって驚いた時や、不審に思う時などに発することば。あれよ。あれん。

高野平家13C前)九「めのとの女房おどろき〈略〉あれよあれとぞあきれける」

小公子(1890‐92)〈若松賤子訳〉前編アレ、…かあさんに逢(あひ)に来ないんですか?」


あれ【吾・我】

代名自称。私。中古以降は「われ」が用いられるようになって、次第衰えた。

古事記(712)中・歌謡「撓(たわ)や腕(がひな)を (ま)かむとは 阿礼(アレ)はすれど」

大鏡(12C前)四「あれは舞はじとて、角髪(びづら)ひきみだり」


あれ【彼】

代名〕 (中古以後用いられた)

[一] 他称話し手聞き手両者から離れ事物、人、場所、過去出来事などを指し示す遠称)。あ。

事物指し示す

(10C終)一五二「親の来たる所得て『あれ見せよ、やや、はは』などひきゆるがすに」

浄瑠璃曾根崎心中(1703)「あれじゃ何も話されぬ。わしがするやうにならんせ」

② 人を指し示す

宇津保(970‐999頃)国譲中「あれはあらぬ人ぞよ」

源氏100114頃)総角わが身にては、またいとあれがほどにはあらず」

③ 場所を指し示す

平家13C前)九「あれに見え候、粟津松原と申す」

過去出来事指し示す

蜻蛉(974頃)中「あれより四日、れいの物忌みとかあきて、ふたたびばかりみえたり

(5) はっきり言いたくないことやうまく言えないことなどを指す。

桑の実(1913)〈鈴木三重吉〉八「その積り麺麭も余計にあれしたんですから」

(6) 性的事柄性行為を、遠回しに指す。

安吾巷談(1950)〈坂口安吾東京ジャングル探検懐中電燈パッと光ると、そこには必ずアレが行われているのだから」

(7)アメリカ It の訳語昭和初期流行語性的魅力をいった俗語。→イット。〔モダン用語辞典(1930)〕

[二] 他称相手側に属し、話し手から離れ事物、人、場所などを指し示す中称)。

事物指し示す

延慶平家(1309‐10)五本「いかに佐々木殿遅れおはし給ぞ。あれは生喰と見候はいかに」

② 人を指し示す

(10C終)八「あれはた顕証(けそう)に」

③ 場所を指し示す。そこ。あそこ。

光悦本謡曲善知鳥(1465頃)「なふなふあれなる御僧に申べき事の候」

[三] 対称あなた。

宇治拾遺(1221頃)一「侍、あれはいかなる御坊ぞと問ひければ」

[語誌](1)古くは「これ」対「かれ」、「こなた」対「かなた」のように、近称「こ」対遠称「か」の対立中心的であった。平安時代に「あ」「あれ」が現われ、しばらくは「か」「かれ」と共存して、おおむね、「あ」「あれ」は現場にない対象、「か」「かれ」は現場見え対象のように使い分けられていたもの考えられる中世に入ってしだいに「か」「かれ」が衰退し、遠称もっぱら「あ」「あれ」が担当することとなった。
(2)近世以後(二)用法は「それ」「そこ」等「そ」の領域認められるようになった
(3)(三)対称用法(二)から派生したもので、現代語の「あなた」がこの用法痕跡として認められる


あれ【村】

〔名〕 村。ふれ。

書紀720神武即位前(寛文版訓)「遂に邑(むら)に君(きみ)有り、村(アレ)に長(ひとこのかみ)有りて、各自(みづか)ら疆(さかひ)を分ちて用て相凌(あひしの)ぎ(きしろ)は使めつ」

[語誌]語源については、「ありか(在処)」の変化したものとする説があるが、未詳。「つのさはふ石村(いはれ)も過ぎず」〔万葉二八二〕の「石村」は地名「いはれ(磐余)」の借訓であるが、「村」に「あれ(または、ふれ)」の訓のあった証拠である。


あれ【荒】

〔名〕 (動詞「あれる(荒)」の連用形名詞化

土地建物などがいたむこと。荒廃また、荒地のこと。

東寺百合文書‐に・永享八年(1436)一一月一〇日・丹波大山荘一井谷百姓申状西田井事、是又皆荒にて、御下地に主もなく候間

勢いはげしく動きまわること。あばれること。

俳諧・ひさご(1690)「のみに行(ゆく)居酒(ゐざけ)の荒(あれ)の一(さわぎ)〈乙州〉 古きばくちののこる鎌倉野径〉」

別れ霜(1892)〈樋口一葉〉一四「鼠の荒(ア)れにも耳そばだてつ」

天候おだやかでないこと。あらし。暴風雨

蔭凉軒日録文明一九年(1487)二月一一日「早旦暴雨迅雷、実今日初午之荒也」

魔風恋風(1903)〈小杉天外〉後「おやおや此の風雨(アレ)にまア、何処へお出ででしたい?」

皮膚脂肪欠乏してきめのあらくなること。

故旧忘れ得べき(1935‐36)〈高見順〉八「皮膚の荒れや弛み

(5) 書画の幅物、巻物などの絹張り紙面汚れ損じていること。

(6) 試合中、勝敗形勢変化がはげしいこと。

(7) 歌舞伎で、荒れ場演技英雄豪傑鬼神などが怒り荒れ狂う所作をいう。

滑稽本古朽木(1780)一「四ノ口の荒(アレ)の場がどうしてかうしてと」

(8) 相場などがはげしく規則変動すること。

家族会議(1935)〈横光利一〉「昨日の荒で痛手を受けた東京方の、追証の払へるのを待って


あれ【阿礼】

〔名〕 (動詞「ある(現)」の名詞化で、神霊出現するものの意) 幣帛(へいはく)の一種大き(さかき)に種々のあやぎぬ垂らし、鈴などを飾り付けたもの。賀茂祭立てた。

延喜式(927)一五「賀茂祭 下社、上社松尾社〈略〉阿礼料、五色帛各六疋〈下社二疋、上社四疋〉盛阿礼料筥八合」


有れ、在れ


荒れ、散れ、離れ、生れ


有れ、在れ


荒れ

読み方:あれ

ラ行下一段活用動詞「荒れる」の連用形、あるいは連用形名詞化したもの

日本語活用形辞書はプログラムで機械的に活用形や説明を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

あれ 【阿礼】

御阿礼

あれ

作者星新一

収載図書怪談24恐怖
出版社講談社
刊行年月2004.9

収載図書死体ばんざい
出版社理論社
刊行年月2008.8
シリーズ名星新一YAセレクション


あれ

作者皆川博子

収載図書小説
出版社集英社
刊行年月2006.7


あれ?

作者賢二

収載図書ショートショートの広場 14
出版社講談社
刊行年月2003.2
シリーズ名講談社文庫


あれ?

作者平山夢明

収載図書東京伝説渇いた街怖い話
出版社竹書房
刊行年月2006.5
シリーズ名竹書房文庫


あれ

  1. 英語のItを訳した言葉性的魅力
  2. 英語のイツト(It)を訳した言葉、クララ・ボーの映画イツト」から来てゐる。性的魅力のことを言ふのである。「あのはあれがあるわ」などと近代女性にまで性的魅力発見するとか。

あれ

  1. 例のもの、乃至レコともいう。千変万化意味深長にして自由自在にどこでも、何事にも使える代名詞、「君のあれはいけるね」「あれのつもりだったら幸いにして、あれは終ってたよ」など。〔風流

荒れ

読み方:あれ

  1. 逆艪』の樋口次郎のやうに大童(おほわらは)に髪を振りさばいた鬘(かつら)。〔歌舞伎
  2. 髪を振りさばいた鬘。逆櫓樋口次郎等に用ひ、剣劇の方では、大乱闘揚句になる髪の形に用ふ

分類 歌舞伎演劇

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読み方
あれ

アレ

(あれ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 09:23 UTC 版)

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アレあれ

  • あれ・アレ - 日本語の指示語のひとつ。→指示語を参照。

作品名

人名

その他

関連項目

  • 先頭一致ページ名一覧 : 「アレ」、「あれ」。
  • 語句含むページ名一覧 : 「アレ」、「あれ」。
  • Wikipedia:索引 あれ#あれ


あれ

出典:『Wiktionary』 (2020/05/06 09:47 UTC 版)

代名詞

あれ(れ)】

  1. 距離的、時間的、または心理的に、話し手からも聞き手からもとおくにあるものごと人格意識されない人、また時節状況
    • あれが市役所です。
    • あれは誰?
    • あれはもう昔のことだ。
    • あれからすっかり元気になった。
    • あれほどはひどくない。
    • あれで一体何か面白いのか。
    • あれはあれでいいだろう。
  2. 距離的、時間的、または心理的に、話し手からも聞き手からもとおくにあるひと。(その人見下した表現とされる)。あいつ。
    • あれにも困ったもんだ。
  3. (古)距離的に話し手からも聞き手からもとおくにある場所。あそこ、かなた。
  4. (「あれで」「あれでいて」「あれでも」などの形で)見かけと違って。ああ見えて。案外。意外と
    • からだの弱さうな、気の弱さうな人であるけれども、あれで却々野心家だとも思つてゐた。(中原中也『逝ける辻野君』)
  5. (「あれだろう」「あれじゃないか」「あれだ」などの形で)事情確認説明する際の導入句として。知ってのとおり。たしかこのように聞いているが。自分はこう思うが。
    さ子 あら。(悄気て)困るわ。あたし、ちっとも怠けなんかいやしないのよ。だけど、あれでしょう三年間ちっともお針なんか持たなかったんだもの。そりゃ、女学校時分はやったけれど。(森本薫『みごとな女』)
  6. 事物。もの。それ。そのこと
  7. 述語用いられて)おかしい、こまる、具合が悪い、いきすぎだなどのニュアンスを表す。〜何だ
  8. 言葉をぼかす。または頭に浮かばない言葉代わりとして。
    • 久しぶりにあれをしようとしたら急にあれが始まっちゃって。
    • あれのあれをあれしてもらえるとあれなんだけど。

発音

東京式アクセント
あ↗れ
京阪式アクセント
↗あ

関連語

日本語指示詞
  近称(こ-) 中称(そ-) 遠称(あ- 不定称(ど-)
指示代名詞 これ[複数:これら] それ[複数:それら] あれ[複数:あれら] どれ
指示代名詞卑称 こいつ そいつ あいつ どいつ
連体詞 この その あの どの
場所 ここ そこ あそこ どこ
方向 こちらこっち そちらそっち あちらあっち どちらどっち
態様 こう
こんな
そう
そんな
ああ
あんな
どう
どんな

翻訳

感動詞

あれ

  1. 意外さや驚き不審想定異な様子に気がついたことなどをあらわす。あ、あら、あれれ、おや
  2. (古)感動をあらわす

発音

あ↗れ

名詞

あれれ】

  1. 荒れること。

発音

東京式アクセント
あ↗れ
京阪式アクセント
↗あれ

動詞

あれ

  1. あれる」の未然形
  2. 「あれる」の連用形
  3. 「ある」の仮定形
  4. 「ある」の命令形

代名詞:彼

あれ

  1. 遠くにある人・物・場所・時節などを指して)あれ。
  2. あなた

代名詞:吾

あれ

  1. わたし

語源

日本祖語 *a




品詞の分類


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