こちらとは? わかりやすく解説

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こち‐ら【×方】

読み方:こちら

[代]

近称指示代名詞

話し手に近い方向をさす。「—を向いてください

話し手のいる、またはその方向にある場所をさす。「—に来てからもう三年になる」

話し手近くにある物をさす。「—も御試着なさいますか」

一人称人代名詞話し手自身、また話し手の側をさす。当方。「—はいつでも結構です

三人称人代名詞話し手のすぐそばにいる人をさす。同等上の人用いる。この人。「—が私の兄です」


こちら

  1. 同上(※「おにいさん参照)、『こちら今夜つくりなすてもいいんでせう』の類。

分類 花柳界

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指示語

(こちら から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/08 18:45 UTC 版)

指示語(しじご)または指示詞(しじし、demonstrative)とは、話し手のいる地点と状況をもとにしてものを指し示す機能を持つ語であり、特に代名詞限定詞として用いられる[1]日本語の「これ」「その」や英語thisthat などは典型的な指示詞である。

指示語の使い分け

指示詞は遠近によって使い分けられる。

  • 話し手から近いか遠いか。
  • 話し手から近いか、中くらいか、遠いか。
  • 話し手に近いか、聞き手に近いか、話し手にも聞き手にも近くないか。
  • 話し手に近いか、聞き手に近いか、第三者に近いか、誰にも近くないか。

また、距離以外に次のような直示的情報によって使い分けがある言語もある。

  • 視界に入っているかどうか。
  • 上の方にあるか下の方にあるか。
  • 上流か下流か、山の上か麓かなど地理的な情報。
  • 近づいているか遠ざかっているか、横切るのかなどの動きの情報。

さらに、直示的情報以外にも以下のような指示物の性質によって使い分けられる。

  • 場所をさすのかものを指すのか。
  • 有生か無生か。
  • 人間かどうか。
  • 性別はどうか。
  • はどうか。
  • 明確な輪郭を持ったものかどうか。

日本語の指示語

日本語の指示語は一般にこそあどと呼ばれる4系列からなる(場合によって、カ系列を加え、5系列にすることもある[2])。コ系列を近称、ソ系列を中称、ア系列を遠称、ド系列を不定称と呼ぶ場合もあるが[3]、厳密には後述のようにソ系列は中距離を示すものではない。

指示語表
事物 場所 方向 方向/人称 人称 連体詞 副詞 連体詞
コ系列 これ ここ こちら(こっち) こなた こやつ(こいつ) この こう こんな
ソ系列 それ そこ そちら(そっち) そなた そやつ(そいつ) その そう そんな
ア系列 あれ あそこ あちら(あっち) あなた あやつ(あいつ) あの ああ あんな
ド系列 どれ どこ どちら(どっち) どなた どやつ(どいつ) どの どう どんな
カ系列 かれ かしこ かなた かやつ(きゃつ) かの

「こそあ」はそれぞれ現場指示用法と文脈指示用法をもつ。

現場指示

現場指示用法は、談話の場において実際に近くにあるものを指して用いる用法である。コ系列は話し手の近くにあるもの、ソ系列は聞き手の近くにあるもの、ア系列はどちらからも離れているものを指す。

文脈指示

文脈指示用法は、話題になっているものや記憶の中にある要素を指す用法である。コ系列は談話に導入された要素や、直後に導入する要素を指す(「正解はこうです。まず…」)。ソ系列は、それまでに談話に導入された要素を指し、仮定した要素や不特定の要素をも指すことができる(「誰か来たらその人に…」)。また「その」には「この」「あの」にはない所有関係を表す機能がある。ア系列は記憶の中にあるものを引き出すときに用いる(「あの頃は良かった」)。

中古日本語における指示語

平安時代中古日本語では、こ、そ、か(あ)の3系列と、カク、サの指示副詞2系列が用いられていた[4]

脚注

  1. ^ Diessel 1999: 2.
  2. ^ こそあど + か / think_leisurely”. think0298.stars.ne.jp. 2020年10月22日閲覧。
  3. ^ 【こそあどとは指示語のこと】上手な使い方を4つの事例で解説”. xn--3kq3hlnz13dlw7bzic.jp (2019年8月21日). 2020年10月22日閲覧。
  4. ^ 岡崎友子「現代語・古代語の指示副詞をめぐって」『日本語文法』第3巻第2号、日本語文法学会、2003年9月、163-180頁。 

参考文献

  • Diessel, Holger. 1999. Demonstratives: form, function, and grammaticalization. Amsterdam/Philadelphia: John Benjamins.

関連項目


こちら

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 13:40 UTC 版)

日本語の一人称代名詞」の記事における「こちら」の解説

アマチュア無線使用される通信において自らの名を名乗る場合、「こちら山田」のように表現していたもの由来これから転じてか、電話通信の際に「こちら本部」「こちら339便」などのように用いられることもある。英語でも、無線電話での自己紹介では I am代わりにThis is使われる

※この「こちら」の解説は、「日本語の一人称代名詞」の解説の一部です。
「こちら」を含む「日本語の一人称代名詞」の記事については、「日本語の一人称代名詞」の概要を参照ください。

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こちら

出典:『Wiktionary』 (2021/12/22 09:23 UTC 版)

発音

代名詞

こちら此方

  1. 近称代名詞
    1. 話し手近い方向を指す。
    2. 話し手のいるにある場所を指す。
    3. 話し手近くにあるものを指す。
  2. 一人称人代名詞話し手、又は話し手の側を指す。
  3. 三人称人代名詞話し手近くにいる人を指す。

派生語

  • こちらさま

関連語

日本語指示詞
  近称(こ-) 中称(そ-) 遠称(あ-) 不定称(ど-)
指示代名詞 これ [複数: これら] それ [複数: それら] あれ [複数: あれら] どれ
指示代名詞 こいつ
こちらさま
そいつ
そちらさま
あいつ
あちらさま
どいつ
どちらさま
連体詞 この その あの どの
場所 ここ
こっから
そこ
そっから
あそこ
 
どこ
どっから
方向 こちらこっち そちらそっち あちらあっち どちらどっち
態様 こう
こんな
こんくらい
こんだけ
そう
そんな
そんくらい
そんだけ
ああ
あんな
あんくらい
あんだけ
どう
どんな
どんくらい
どんだけ

「こちら」の例文・使い方・用例・文例

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