「ジュラシック・パーク」スタッフ
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「ジュラシック・パーク (小説)」の記事における「「ジュラシック・パーク」スタッフ」の解説
ジョン・ハモンド(リチャード・アッテンボロー・永井一郎) インジェン社、ハモンド財団創始者。原作では76歳。映画ではインジェン社という社名は台詞に出なかったものの、ジェットヘリにインジェンのロゴが施されている。右足が悪く、杖を使っている。 主人公サイドから批判される立場に変わりはないが、映画版と原作では正反対の性格を持つ。 映画版ではグラントやティムと同様、幼いころから恐竜に思いをはせ、「まやかしや小細工のない、誰が見ても驚愕する物を作る」との信念からパークを建設する。「人を楽しませる為には金を惜しまない」と言及しており、金儲けに固執するジェナーロを「このパークは金持ちのためだけに作ったのではない」とたしなめる場面もあった。子供好きの好々爺で、施設の案内から恐竜の出産や発掘の立ち会いまで自らが行うほどサービス精神旺盛だが、計画が狂うとヒステリーを起こす。事故発生後も遺伝子操作による恐竜復活の正当性を主張し続けていたが、最終的には自らの過ちを認め、ジュラシックパーク事業から完全に撤退する。ラストでは彼の無念さが強調されている。スピルバーグの思いが強く込められたキャラクターであり、性格描写も自身をモデルにしている[要出典]。また、演じるリチャード・アッテンボローは制作時には演出のアドバイスもスピルバーグに行っており、演技指導をする必要が全くなかったと語っている。グラント達と共に生き残り、続篇では一転して島の恐竜達を保護する立場にまわる。 原作小説では悪辣なビジネスマンとしての色合いが強い典型的な山師であり、その商才は一方的に弁舌をふるう強引な金集めの面で強力に発揮される。ジュラシックパーク建設に際しては、遺伝子操作で造り上げた手の平サイズのゾウを持参して出資者を説得してまわった。子供達を楽しませることを目指してはいるが、これもあくまで金儲けのための過程としてしかとらえておらず、ヒステリーを起こして子供達への恨み言を心中で吐く場面もある。映画版とはまったく対照的でアランやマルコムをパークに招待したり、施設の案内をするのもすべて部下たちにまかせっきりで、自らは命令するだけ自己中心的かつ頑迷なその性格から、ネドリーを始めとするほとんどのスタッフから信頼されていない。マルコムは続編で「ハモンドは単なる詐欺者だった」と言い切った。恐竜を「自分の高価な財産」と考え、凶暴なラプトルの処分や緊急時の対恐竜用武器の装備、性質をおとなしくするための遺伝子改良はおろか、生態解明のための解剖すら許さない。ラプトルが脱走した際にも、マルドゥーンに「わしの恐竜に何をするつもりだ」と食って掛かり「(この状況では)主語が逆ですね」と返されている。 映画5作目『ジュラシック・ワールド/炎の王国』では彼の若い頃の旧友で恐竜造りの仕事パートナーでもあったベンジャミン・ロックウッドと言う人物が登場している。1984年にハモンドはインジェン社を設立した時、ロックウッドの支援の元でロックウッドの邸宅にある地下実験室で恐竜造りのDNA抽出の実験に初めて成功した。 レイ・アーノルド(サミュエル・L・ジャクソン・梁田清之) 小説での名前はジョン。パークのチーフエンジニア、神経質で、映画と原作の人物像に相違はない。勤務態度の悪いところがある。兵器開発に携わったのち、ディズニーワールドをはじめとする大手アミューズメントパーク建設に次々に参加。その経歴はハモンドからも認められている。口癖は「9月オープン」。マルドゥーンと並び、現場の立場からハモンドに対して積極的に意見する人物。カオス理論はある程度理解しており、ジェナーロに解説するほどだが、本人は『システムの管理を徹底すれば問題は解決される。』と言及しマルコムの理論を完全に否定している。ヘビースモーカーらしく、原作でも映画では何本も煙草を吸っている。 ネドリーシステム解除のプログラミングを膨大なデーターから解読し、緊急時に見舞われた際は不眠不休になりながらシステムの再構築に従事する。 パークのシステムダウン後、電源復活のために発電所に向かったところ、所内でラプトルに襲われて死亡。後に変圧室で腕のみ見つかるが、映画では彼の死は直接描写されず、エリーの肩に彼の腕が落ち、残りの死体の影だけが見えるという形で描写された。 ロバート・マルドゥーン(ボブ・ペック・田中信夫) 恐竜監視員。ケニア生まれで元はアフリカのハンティングガイド。原作では50歳。80年以降は野生動物コンサルタントとして実績を重ね、動物園における各種動物区の境界を指示していた。動物の恐ろしさを知らないハモンドを「口うるさい小男」と嫌っている。一部の恐竜は動物園で管理できる代物ではないと主張し、対戦車誘導ミサイルなどの強力な兵器を管理本部に要求している。恐竜が逃げ出した後はT-REXやラプトルを殺傷するが、自身も負傷する。ハモンドの孫達を助ける事を承諾するなど、勇敢な性格。原作では生還したが、映画版ではラプトルに不意を突かれ生死不明となる。シナリオ初期稿ではグラント達を救う展開が用意されていたが、その役目はティラノサウルスへと変更された。 映画版でもラプトルを殺処分すべきと公言する現実主義者で、パークのシステムダウン後にラプトルによって殺害されたと思われていたが、コミックシリーズの『ラプターズ・アタック』では、ラプトルの攻撃から辛うじて生還した事実が判明しており、グラント、エリー、イアンと共に、島から持ち去られたラプトル捕獲の為に協力して行動するなど活躍していた。その後のコミック作品『ラプターズ・ハイジャック』、『リターン・トゥ ジュラシック・パーク』にも登場。 デニス・ネドリー(ウェイン・ナイト・桜井敏治) ハーバード大出のエンジニア。肥満体型で度の強い眼鏡を着用し、デスクの上下は食品の包装ゴミなどであふれている。映画では強欲だがどこか憎めない、間抜けな小悪党に描写されている。一連の事件を起こした張本人だが、雇用面などでは才能に反してインジェン社からさんざんな目に遭わされていたことも事実である。塩基解読用のスーパーコンピューターの並列処理を実現するなど優秀な人物だが、ハモンドは勤務態度の悪さなどから彼を一切評価せず、他のスタッフからも有能だが扱いづらい厄介者とされている。恐竜復活のさい恐竜のDNAの膨大なデーターの解析を行ったのもネドリーであり、仕事は恐竜の遺伝子配列の解析からパーク内のシステム管理に至るまで多義に渡っていた。 金目的で恐竜の胚を盗んで他のバイオシン・コーポレーションに渡すというスパイ的取引を企むが、港があるイーストドックにジープで向かう途中、嵐のために予定が早まり焦って道に迷うというミスを犯した。おまけにイーストドックへの近道をするために恐竜を囲うフェンスの電気系統を切ってしまったため、パーク脱出の途中でディロフォサウルスに襲われ死亡、盗んだ胚を隠したシェービングフォームの缶も車から落としてしまい泥に飲み込まれた。 ヘンリー・ウー(B・D・ウォン・中村大樹) 遺伝子学者。恐竜のクローン再生の最大の功労者であると同時に、コンピュータにも強く、パークの管理システムにも精通している。映画では中盤の時点で船で本土に帰ってしまうため出番は少なかったが、原作では主要人物。 原作では大学院で研究中に教授が故人となり行き場を失っていた所、ハモンドの熱弁に乗せられてクローン研究に参加したが、その目標が実現した現在、恐竜をより改良を加え一般の人間に対しても無害な存在にすべきだとハモンドに通告しているがハモンドは自然のままのリアルティを求めるあまり、意見が対立しており、もはや利用価値はないと思われている。恐竜の個体数の制御のため全ての恐竜を雌にしていたが、グラントから爬虫類の性転換の過程を語られ個体数の管理が上手く行ってない事を痛感する事となる。恐竜に改良を加えるたび、ソフトウェアのようにヴァージョンをナンバリングするが、そのやり方にグラントは違和感を覚えた。アーノルドの見落とした点にも気づいてシステム復旧に尽力するが、終盤、ラプトルからエリーを助けようとして自分がえじきになる。 映画4作目『ジュラシック・ワールド』にも登場。また、映画5作目『ジュラシック・ワールド/炎の王国』にも登場する。 エド・リージス(映画未登場) 原作に登場したインジェン社のジュラシック・パークの広報室室長で開演前に世界各地にパークのマーケティングを行っている人物。。ラプトルの事故で重傷を負った労働者ジョフェリーを、ヘリコプターで本土のバヒヤ・アニャスコ村の診察所に連れて行った。医師のボビー・カーターに重傷の原因を聞かれた時、建設工事の事故だと嘘をついていた。内心子供嫌いで、広報活動で多忙ながら、最初のパークのツアーガイドとレックスとティムの面倒も嫌嫌ながら余儀なくされた。ツアー車の中でパークのシステムダウン後、ティラノサウルスの暴走前に危機を感じレックスとティムを残して一人逃げ去り岩の中に逃げ隠れた。一人で隠れて難を逃れていたが後に1人でビジターセンターに戻ろうとする中、アラン達の目の前でオスの子供のティラノサウルスの餌食となる。マルコム、マルドゥーン、ジェナーロが彼の切断された足を発見している。 映画版では広報室室長は登場せずエドの子供嫌いな性格はグラントに、中盤子供を差し置いて逃げて恐竜の餌食になる流れはジェナーロにそれぞれ引き継がれる。 ハーディング(ジェラルド・R・モーレン) ジュラシック・パークに常駐している獣医で、恐竜の生態について現時点で最も多くの知識を会得している人物。物語を通して活躍し、最後まで生き残る。 原作で登場するのは苗字のみで名前は判明していない。映画・原作双方の続編に登場するサラ・ハーディングと同姓で、特に後者とは親子関係にあることが作中で示唆されている。映画版でハーディング役を演じたモーレンは本作の共同プロデューサー。彼から名前を取って「ジェリー」というファーストネームも設定されている。 またゲーム『Jurassic Park: The Game』にも主人公として登場しており、ゲイリー・ハーディングと示され、映画と違い、ゲームでは50代ぐらいのしなやかで若く口髭が無く、サングラスを掛けておらず、キャップも被っていない姿だった。ただし、原作では青い眼に口髭の50歳のたくましい男性と記述されている。なお、ゲームには彼の娘として14歳のジェシカ(ジェス)・ハーディングが登場している。 ジョフェリー(ジョフェリー・C・ブラウン) ジュラシック・パークの労働者の1人。檻に入れたラプトルをパドックに移す作業の際、彼が檻のゲートを開けた瞬間にラプトルが体当たりをした為、バランスを崩して落ちた彼はラプトルに檻の隙間に引き込まれた。マルドゥーンが彼を救出しようとしたが間に合わなかった。彼の死後、彼の家族がインジェン社に対して2000万ドルの賠償金の訴訟を起こした。 原作では18歳の少年と示されており、重傷を負ってエド・リージスがヘリコプターでコスタリカ本土のロベルタ(ボビー)・カーターが営む診察所に連れて行くが、最後に「ラプトル」と言い残して結局死んでいる。
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