強姦
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歴史
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性的暴力は、少数民族や奴隷、先住民、難民、貧困層また大規模災害などによって生まれた社会的弱者に対して行われたり、刑務所や収容所内、そして戦時下において行われたりしてきた。内乱や戦時下では大規模な集団レイプが発生した事案がある。
古来、征服された民族の女性の運命は過酷であった。最も有名なのはモンゴル帝国の創始者チンギス・ハーンとその係累・後裔であろう。モンゴル帝国による降伏勧告を受け入れず抵抗の後征服された都市はことごとく破壊・略奪・殺戮され、女性も戦利品として王侯・軍隊などの権力者以下にあてがわれた。また、これに先立つ遊牧騎馬民族王朝の金は、北宋を滅ぼした際、北宋の皇族女性全てと多くの貴族女性を捕え、これを金皇族・貴族の妾または彼らを客とする官設妓楼の娼婦にした。世界各地の男性のY染色体を調べた結果、かつてのモンゴル帝国の版図に高率で共通の染色体が検出されたという話さえある。もっとも、歴史上このような事は金やモンゴル帝国に限った事ではない。
近代から現代も、戦時下において各国軍隊に属する複数の兵士による敵国女性へのレイプが少なからず発生した。第一次世界大戦以降では米軍、ソ連軍、ドイツ軍の男性兵士による女性民間人・一般市民への大規模な強姦事件が起こった。
南アフリカ共和国では「男性の27.6%が女性をレイプした経験がある」とする調査結果を、2009年に同国の医学研究評議会が明らかにしている[16][17]。調査は全国9州のうちクワズールー・ナタール、東ケープの2州で行われたものである[16]。
20世紀以降は、アメリカ[18]や日本[19]、韓国[20]等において大学生による性的暴行事件、いわゆる「キャンパスレイプ」が多発し社会問題になっている。日本では2003年に発生した早稲田大学のインカレサークルによる集団強姦事件「スーパーフリー事件」から集団強姦罪・集団強姦致死傷罪が創設されるなどしたが、2010年代後半に再び事件が多発し、その実態が明るみになっている[19]。アメリカでは、女子大学生のおよそ4人に1人が性的暴行を受けていることが2019年に行われたワシントンポストのアンケートによって判明しており、その大多数の被害にアルコールが絡んでいたという[21]。
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- ^ 「韓国20代男性の53% 「キスは性関係に同意したこと」…大学の性暴力が危険レベル(1)」『中央日報』韓国経済新聞社、2022年7月23日。2022年10月21日閲覧。
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- ^ 「性的暴行、8割は知り合い・親族による犯行」『Record China』2008年9月9日付配信
- ^ [1]
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- ^ About USA. “アメリカ合衆国におけるレイプ 婦女暴行”. 2012年12月16日閲覧。
- ^ “アメリカ:FBI「レイプ」定義を拡大”. 公式ウェブサイト. アジア女性資料センター (2012年1月12日). 2019年10月23日閲覧。
- ^ “レイプ被害、アメリカ人女性の5人に1人(調査結果)”. The Huffington Post. (2014年9月14日)
- ^ “「まともなレイプ」発言にパニクる共和党”. ニューズウィーク. (2012年8月22日)
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