めいわくぼうし‐じょうれい〔メイワクバウシデウレイ〕【迷惑防止条例】
読み方:めいわくぼうしじょうれい
迷惑防止条例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/14 11:37 UTC 版)
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この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。
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迷惑防止条例(めいわくぼうしじょうれい、Trouble Prevention Ordinance)とは、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等を防止し、もって住民生活の平穏を保持することを目的とする、日本の条例の総称である。
概要
現在では47すべての都道府県および一部市町村に、「迷惑防止条例」あるいは「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」[1]などの名称で定められている。
1962年に東京都で条例が制定され、全国に拡大した。当初は、愚連隊防止条例と呼ばれ、当時社会問題となっていた愚連隊による粗暴行為の防止に重点が置かれていた。現在では、ぐれん隊(愚連隊)による粗暴行為に加えて、ダフ屋行為、痴漢、つきまとい、ピンクビラ配布、押売、盗撮、覗き、客引き、スカウトなども禁じる。これらの違反に対しての罰則は、自治体ごとに定めているため、自治体によって大幅に異なるほか[2]、複数の条例を定めている自治体もある。条例の内容によっては問題になることもある[3]。
迷惑防止条例は親告罪でないため、被害者の告訴がなくても公訴を提起することができる。
47都道府県の条例
都道府県 | 題名 |
---|---|
北海道 | 北海道迷惑行為防止条例[注釈 1] |
青森県 | 青森県迷惑行為等防止条例 |
秋田県 | 秋田県迷惑行為防止条例[注釈 2] |
岩手県 | 公衆に著しく迷惑をかける行為の防止に関する条例 |
宮城県 | 迷惑行為防止条例[注釈 3] 宮城県ピンクちらし根絶活動の促進に関する条例 |
山形県 | 山形県迷惑行為防止条例[注釈 4] |
福島県 | 福島県迷惑行為等防止条例 福島県ピンクビラ等の規制に関する条例 |
茨城県 | 茨城県迷惑行為防止条例[注釈 5] 茨城県押売等防止条例 茨城県入場券等の不当な売買行為の防止に関する条例 |
栃木県 | 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例 |
群馬県 | 群馬県迷惑行為防止条例[注釈 6] |
埼玉県 | 埼玉県迷惑行為防止条例 |
千葉県 | 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例 千葉県ピンクビラ等の掲示、頒布、差入れ等の禁止等に関する条例 |
東京都 | 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例[4][注釈 7] |
神奈川県 | 神奈川県迷惑行為防止条例 |
新潟県 | 新潟県迷惑行為等防止条例 |
長野県 | 長野県迷惑行為等防止条例[注釈 8] |
山梨県 | 山梨県迷惑行為防止条例[注釈 9] |
静岡県 | 静岡県迷惑行為等防止条例[注釈 10] |
愛知県 | 愛知県迷惑行為防止条例[注釈 11] |
岐阜県 | 岐阜県迷惑行為防止条例[注釈 12] |
富山県 | 富山県迷惑行為等防止条例[注釈 13] |
石川県 | 石川県迷惑行為等防止条例[注釈 14] |
福井県 | 福井県迷惑行為等の防止に関する条例[注釈 15] |
三重県 | 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例 |
滋賀県 | 滋賀県迷惑行為等防止条例 |
京都府 | 京都府迷惑行為等防止条例 |
奈良県 | 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例 |
大阪府 | 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例 行商人の押売防止に関する条例 |
兵庫県 | 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例 |
和歌山県 | 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例 |
岡山県 | 岡山県迷惑行為防止条例[注釈 16] |
広島県 | 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例 |
山口県 | 山口県迷惑行為防止条例 山口県押売等防止条例 |
鳥取県 | 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例 |
島根県 | 島根県迷惑行為防止条例[注釈 17] 押売等の防止に関する条例 |
愛媛県 | 愛媛県迷惑行為防止条例 |
香川県 | 香川県迷惑行為等防止条例[注釈 18] |
高知県 | 高知県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例 押売等防止条例 |
徳島県 | 徳島県迷惑行為防止条例[注釈 19] |
福岡県 | 福岡県迷惑行為防止条例[注釈 20] 福岡県押売り等防止条例 |
佐賀県 | 佐賀県迷惑行為防止条例[注釈 21] |
長崎県 | 長崎県迷惑行為等防止条例[注釈 22] |
大分県 | 大分県迷惑行為防止条例[注釈 23] |
熊本県 | 熊本県迷惑行為等防止条例[注釈 24] |
宮崎県 | 宮崎県迷惑行為防止条例[注釈 25] 押売等防止条例 |
鹿児島県 | 公衆に不安等を覚えさせる行為の防止に関する条例 |
沖縄県 | 沖縄県迷惑行為防止条例[注釈 26] |
脚注
注釈
- ^ 2020年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2020年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的な不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2012年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例を全改正
- ^ 2001年、茨城県公衆に著しく迷惑をかける行為の防止に関する条例から改称
- ^ 2021年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2018年7月1日、迷惑防止条例の一部が改正され、恋愛感情以外の悪意の感情等に基づくストーカー行為も規制対象となる。
- ^ 2021年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2020年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2013年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2019年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2020年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2017年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2014年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2006年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2016年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2007年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2003年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2004年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2010年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2017年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2011年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
- ^ 2017年、公衆に著しい迷惑をかける行為の防止に関する条例から改称
- ^ 2016年、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例から改称
出典
- ^ 本の「せどり」が合法なのに、なぜチケットのダフ屋は違法なのかニューズウィーク日本版公式ホームページ
- ^ 迷惑防止条例コトバンク
- ^ 警視庁が提出した条例改正案「東京都版の共謀罪」と物議ライブドアニュース
- ^ 迷惑防止条例 警視庁
関連項目
迷惑防止条例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 20:29 UTC 版)
2009年時点で47都道府県中40都道府県の迷惑防止条例でダフ屋行為は禁止されており、次の2つの行為のいずれかを行うとダフ屋行為として刑事罰の対象となる(未遂も処罰される)。 対象となるチケット類は、乗車券、急行券、指定券、寝台券その他運送機関を利用し得る権利を証する物又は入場券、観覧券その他公共の娯楽施設を利用し得る権利を証する物。 転売目的でチケット類を公衆に対して発売する場所において購入し、または購入しようとすること。 公共の場所または公共の乗物で、チケット類を他者に転売し、または転売しようとすること。 ダフ屋行為を処罰する条例を制定していないのは7県である。ただしそのような地方においても物価統制令を根拠に取り締まりを行った事例がある(後述)。 犯罪の罰則は都道府県によって幅があり、概ね非常習犯と常習犯とで軽重を分けており、5万円/10万円/20万円/50万円以下の罰金(または拘留、科料)、1年/6ヶ月/3ヶ月以下の懲役または20万円/30万円/50万円/100万円以下の罰金、など各々規定される。 ダフ屋行為が禁じられたのは、戦後の食糧難の時代において、配給券の買い占め行為が存在し、放置しておいてはそれによる餓死者が出る恐れがあったため、時代の要請として緊急に取り締まる必要があったことが契機である[要出典]。また、東京都で最初に迷惑防止条例が制定されダフ屋行為規制が盛り込まれた1962年当時は暴力団の資金源を絶つ目的の他、ダフ屋によるつきまといや押売りなどの愚連隊による不良行為が問題となっており、その排除が大きな目的の一つに挙げられていた。 かつてはダフ屋は暴力団の関係者が多いとされたが、インターネットの普及により一般人がチケット類を大量に購入してインターネットオークション(後述)で高額で売りさばく例が増加している。暴力団の関係者ではない一般人のダフ屋を指して「シロダフ」(「素人(シロウト)のダフ屋」という言葉から。)とも呼ばれる。
※この「迷惑防止条例」の解説は、「ダフ屋」の解説の一部です。
「迷惑防止条例」を含む「ダフ屋」の記事については、「ダフ屋」の概要を参照ください。
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