竜我家
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※・・・蘭々と梨扇は竜我雷夫人ではないが、両者とも紫紋の近しい側仕えで、梨扇にいたっては後に竜我の愛妾にもなったため、この項目に記述する。 竜我雷(りゅうが・らい) 声 - 太田真一郎 / 檜山修之 (海兵団突撃中隊長→重機甲師団長→第一近衛軍騎都尉→南京楼太守→鎮南将軍→南京楼軍盟主→五丈王→皇帝) 本作品の主人公。度胸と悪運の強さを五丈四天王 狼刃に買われて一兵卒から師団長に抜擢され、比紀弾正の南征時に先鋒として南天に雪崩れ込み 座王都に一番乗りを果たし、その勇名は敵味方に響き渡る。数々の武功を重ね、南征後に騎都尉、比紀弾正死去後に南京楼の太守、骸羅による政変後は鎮南将軍を歴任する。南京楼で希代の天才 大覚屋師真をはじめとする英傑達を迎えて陣営の強化に努める。 中央で骸羅が皇帝を僭称すると、すぐさま挙兵。金州海で恩師 狼刃を涙をふるって倒し、その余勢を駆って骸羅をも倒し、五丈国を手中に収める。玄偉,西羌王 秦馬らの謀事を鎮圧して五丈王に即位し、自らの尊号を「竜王」と称し新たに西羌王となった秦宮括と講和を結び国内体制を固める事に尽力する。 そんな中、智の独眼竜正宗と それに呼応し北伐を敢行した練・南蛮連合の羅候率いる軍が、ほぼ同時に大挙して五丈領内に侵攻してくるが、大覚屋師真の戦力集中による各個撃破案を採用し、開彭沖で独眼竜正宗を討取る。その後、返す刀で南天軍主力と六紋海で激突。天文を利用した作戦を採用し、両軍に壊滅的な打撃を加え、撤兵させる事に成功する。 正宗死後の智国に言葉巧みに接近し、軍勢を智領全土に派遣し、有名無実となった智王(虎丸)に自害を強要し事実上 智領の併呑に成功する。 その後、比紀弾正公ら歴代の北天盟主が成し得なかった南征に本格的に着手する。それを迎え撃つ南天軍を北京沖で撃破し、首都 大王理をも占拠する。そんな最中、同盟関係を反故にした西羌国により首都 斉王都を奪取されるという事態が発生し正室 紫紋と大将軍 孟閣を失う。急遽、新鋭旗艦「金剛」を駆って斉王都を奪還した竜我は西羌王 秦宮括を斬首、孟起、雲海の2将軍に西羌進軍を下命し西羌国を滅ぼす。後顧の憂いを絶った竜我は、再び南征主力軍に合流したものの、南天国大都督 姜子昌の首を持参した元智国の将 飛竜の凶刃にあい、一時危篤状態に陥る。だが、師真達の懸命な努力により銀河一の名医 扶華を呼寄せることができ、一命を取り留める。 最終決戦で羅候を討ち取り全銀河を統一。三年後、銀河皇帝として即位し天極を都と定める。 特筆すべきは、自分よりも優れた武勇や知謀をもつ英傑達を大勢惹きつけることである。自身もまた、数々の戦役で培った強靭な肉体と聡明な頭脳、そして天運を併せ持つ。国政においては冷静沈着な面を見せ、部下たちの助言を大事にする。 師団長や太守としての経験から、武官だけでは軍隊や国家が成り立たないことを理解しており、補給担当官を侮蔑する宿将たちを叱責したこともあった。 信念や義理によって自分と敵対あるいは降ってきた者には寛容だが、単に職業意識で牙をむく者や、日和見で降ってくる者には厳しい見方をする。 欠点は、一度懐に入れたものには考えが甘くなることである。特に秦宮括に対しては、その叛意を早くに知りながらも「末弟 公旦のように冷静な状況判断をしてくれる」と信じて南征を優先させてしまう。また、犠牲を少なくするためには非情な策略も用いるが、それで生じる汚名をそそぐことを後回しにする。それゆえ、南天の謀臣たちからは「智王の自害」を絶好の中傷材料にされ、西羌国背信の一因となった。 私的なところでは酒好き、大飯喰らいな面もあって何でも食べるが、きくらげだけは大の苦手。兵卒時代は女に苦手意識があったが、国主になってからは後宮に三百人もの女を侍らせる。ただし、紫紋に言わせれば「戯れで女を抱かない」気質で、男性としての愛情は基本的に、紫紋はじめ麗羅、楊尚香、綺羅たち四人の竜我雷夫人と愛妾である梨扇に向けられている。この五人以外の宮女にも夜伽をさせるが、紫紋や麗羅の機嫌を損ねないよう頻度に気を配っている。なお、蘭々のことは「チビスケ」と呼んで妹のように可愛がっているが、愛妾関係だったのかは不明。また「女好き」という評判だが、華玉や神楽、邑峻のような「他人の女」に手を出す描写はなく、相応の節度は持っていたようである。 アニメ版でも基本的な性格は変わらないが、智王(虎丸)を保養地に連れ出して懐柔を図るなど、やや穏健さが増している。プロフィールは年齢18歳、身長172センチメートル、体重55キログラム、趣味はよく斬れる刀を集める事、特技は居合い斬りと設定されている。 <異聞>五丈帝国初代皇帝に即位し、都を天極に改めて十数年後に、智海南道で海賊ジャムカ(雷光)の軍勢の動きに頭を悩ませる。一向に戦功の上がらない守備軍に代わり、自ら車騎大将軍 項武と隠居していた元丞相 大覚屋師真を伴い、親征する。始めのうちは軍の指揮を項武と師真に委ねていたが、戦役間際に自らジャムカの前に姿をあらわし、一騎討ちを行い これを捕らえる。 紫紋(しもん) 声 - 小山裕香 / 三石琴乃 (阿曹主禅息女→竜我雷正妻→死亡) 旧帝国将官、阿曹主禅の娘。母は帝国最後の皇帝である光輝帝の皇女であり、唯一皇室の血を受け継いでいる。父親を竜我雷に殺された後、皇孫であるゆえに五丈に身柄を引き渡される。その後、恩賞として竜我の許に預けられた。 竜我との様々な境遇を乗り越え深い愛情を寄せ合うようになり、南京楼にて竜我と結婚する。 竜我が五丈王となってからは斉王都に移り住んでいたが、公叔の言に誑かされた秦宮括率いる西羌国の襲撃によって重傷を負い、最期は駆けつけた竜我と会話を交わした後、麗羅に竜我の事を託して息を引き取った。 竜我雷との間に子はできず、結局神聖銀河帝国皇室の血筋は絶えてしまう事となった。 「銀河一」と呼ばれるほどの舞踊の名手。麗羅ほどではないが、武芸にも長けている。特筆すべきは、人間的な度量の大きさであり、竜我が自分以外の女に手を出しても、「結局は私のもとに帰ってくるしかない」と揺ぎ無い愛情を寄せる。異性よりも同性の麗羅や蘭々、邑峻、梨扇が惹きつけられる事例が目に付く。また、事務処理能力に長けており、その才能は孟閣に勝る(雷が「(孟閣も含めて)一番早い」と認めている)。 アニメ版では「竜我が父の仇」という背景が強調されており、原作よりも竜我に愛情を寄せる進行速度が遅くなっている。また、竜我に姉 紅玉(正宗)を討たれた虎丸(智王)を説得するエピソードもある。 麗羅(れいら) 声 - 冨永みーな / 熊谷ニーナ (比紀弾正息女→五丈国主代理→流浪人→竜我雷第二夫人→竜我雷正妻) 比紀弾正の娘。勝気な性格で武芸をたしなみ、紫紋とはよく対立した。その腕前は正宗配下の精鋭コマンドを斬り捨てる程である。当初は弾正から「政治を知らぬ者」呼ばわりされていたが、後に師真から帝王学と権謀術数に長けてることが語られる。独身時代は、美男子を侍らせて乱痴気騒ぎに興じることもあった。 亡き同僚のために禁制の直訴も辞さない竜我雷を「自分が知る高級武官とは一味違う」と注目し、五丈の支配者にしようと画策する。父の死後、骸羅を扇動して五丈国最高評議会を乗っ取り、国主代理となる。これで安心してしまったのか、以後は奢侈にふけって人民を苦しめる。後に骸羅に国を追われ、雲海が潜伏する寺にかくまわれる。この時期に心境の変化があったのか、竜我と再会したときには「末席でもいいから後宮に置いてほしい」と懇願する。 竜我の第二夫人として梵天丸(後の竜貴)を出産する。この前に紫紋との確執を再燃させるが、玄偉の撃退を経て結局は和解する。彼女に対しては、その死後も友情を感じていたようだ。 紫紋の死後、彼女から後事を託された事と男児を授かっていた事もあって正夫人に昇格。雷の死後は二世皇帝の生母として絶大な権力を振るう。その際の辣腕非道な手段により悪女列伝に名を連ねることになる。77歳で天寿を全うし、竜我王朝の世襲制を確実にした功により玉皇太母の名を送られる。 作中後半および異聞における彼女は呂雉のように描写されているが、他の竜我夫人やその子どもを謀殺・虐待するエピソードは描かれなかった。 アニメ版では美男子を侍らす趣味がなく、毒気が抑えられている。骸羅には密使を送らず、彼らが乗り込んできた直後に武王都を脱出し、南京楼城に居候する。 楊尚香(ようしょうか) (民間人→竜我雷第三夫人) 特別編「竜王様の一日」にて初登場。元々は商家の娘で、気が強く、武芸をたしなんでいたが、棒術の稽古中に朝議に抜け出した竜我が現れ勝負を挑むが一太刀も浴びせることができなかった。その後竜我の第三夫人となり、松寿丸を出産する。「弓腰姫」とも称される。 麗羅たちが斉王都から武王都に転居した後、本編にも登場。正妻となった麗羅を差し置いて竜我の寵愛を得ており、最終決戦時には鎧姿で参戦する。唐突に輿入れしてきた綺羅を苦々しく思うが、綺羅本人よりも竜我を「ロリコン」呼ばわりする傾向にある。終盤では実子の松寿丸を次期皇帝にせんと麗羅と睨み合い、綺羅を動揺させた。 異聞では麗羅の息子 梵天丸を可愛がる描写があるが、麗羅からは快く思われない。 綺羅(きら) (南天国王女→竜我雷夫人) 羅候の妹。和睦の証として、当時14歳の幼さで竜我に輿入れする。「天下人の妻になる」という大願を持っており、超弩級餃子の中に潜んで竜我と対面した。 男を引きつける物言いを自然に行い、夫と兄の死闘をも受け入れる。 竜我夫人としての序列は不明。竜我を除けば楊尚香としか会話をしておらず、尚香はともかく、綺羅自身は彼女のことを嫌っている様子はない。人生経験の差ゆえか、尚香と麗羅の睨み合いには動揺する事しか出来なかった。 異聞では成長した姿で登場、雷の子を身籠った姿で師真の接遇をこなしていた。 梵天丸(ぼんてんまる) (五丈国太子→五丈帝国太子) 竜我の長男。麗羅の息子。第二次南征の少し前に産まれる。長じての名は竜貴。 終盤では幼少期として登場し、まだ幼いながらも次期皇帝としての自覚を持つ一方、麗羅と尚香の睨み合いには弟と共に絶句していた。 異聞では成長した姿で登場。父帝の期待通り穏やかな気質に育ち、異母弟たちから慕われ、尚香はじめ竜我夫人たちから可愛がられている。しかし母親(麗羅)からはその穏やかさが武断的な父には物足りなく映るのではないか懸念されている。 松寿丸(しょうじゅまる) (五丈国王子→五丈帝国皇子) 竜我の次男。尚香の息子。第二次南征の後に産まれる。長じての名は竜白牙。 兄とは違い、幼くして虎を射止めるほど武術に優れる。性格が違う兄とは衝突することはないが、母同士のいがみあいには辟易している様子。 蘭々(らんらん) 声 - 金丸日向子 / 馬場澄江 (民間人→竜我雷正妻付奥女中→林則嘉夫人) 華玉の妹。李張導師の弟子。紫紋の傍仕えを任され、彼女を強く慕う。当初は紫紋が乱暴者として有名だった竜我に嫁ぐことを案じていたが、竜我の美点に気づき「ライ兄様」と呼び慕うようになる。 南京楼で路頭に迷っていた林則嘉に声をかけ、城で働けるよう口利きした。その後も林則嘉が考えた戦略を起草するなどの一幕もあり、最終的には結婚する。 紫紋の死後から林則嘉と結婚するまでの動向は不明。また、竜我からは「チビスケ」と呼ばれて妹のように可愛がられていたが、愛人関係だったのかは不明。 なお、作中で時の経過と共に成長、容貌が変化した、希少なキャラクターである(幼女→少女→女性)。第二次南征の少し前に14歳になり、髪を伸ばし始めた。 アニメ版では、林則嘉よりも太助と会話する場面が多い。また、予知を行ったりと「導師」であることが強調されている。 梨扇(りせん) (五丈国第一軍団宿将配下→竜我雷正妻付奥女中→戦死) 華玉の部下の暗殺者。華玉の命令で数多くの暗殺をしてきたが、華玉に奥女中として竜我の動きの監視を命じられた後、紫紋らと心を通い合わせた結果、竜我に惚れてしまい殺せなくなる。 その後暗殺者であることを竜我に告げるが、竜我は許し、再び奥女中としての生活に入る。同時に、竜我の愛妾として、かんざしを贈られたこともあった。 しかし西羌国により首都 斉王都を奪取された際、紫紋たちを守るため奥女中としての姿を捨て奮戦するも殺されてしまう。
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