ウクライナ政府と「極右民族主義・ネオナチ問題」とは? わかりやすく解説

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ウクライナ政府と「極右民族主義・ネオナチ問題」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 13:58 UTC 版)

ウクライナにおける「ネオナチ問題」」の記事における「ウクライナ政府と「極右民族主義・ネオナチ問題」」の解説

2022年ロシアのウクライナ侵攻後ロシアプーチン政権ウクライナの「非ナチ化」を目標とする宣言、またウクライナゼレンスキー大統領自身ユダヤ人であると発信した事により、「ウクライナネオナチ問題は、ロシアプロパガンダしかない」と報道される状況になった前提として「ネオナチ」という言葉は、ナチズム源流とするアドルフ・ヒトラー理念復興活動を行う「ネオナチ」と、「極右民族主義」や「ウルトラナショナリズム」を意味するネオナチ」の2種類がある。 ウクライナの政治状況は、ゼレンスキー政権発信する「自由と民主主義」とは乖離したウルトラナショナリズム野党政党メディア規制治安警察極右組織による抑圧問題存在するウクライナ白人至上主義等の過激な民族主義台頭している理由に、オリガルヒ経済力および政治力兼ね備えた富裕層)による長く続いた政治汚職腐敗問題大きく上げられるウクライナでは1932年から1933年にかけて起きたホロドモール大粛清下の弾圧により反ソ感情高まっていた。そこにソ連軍蹴散らし侵攻してきたナチス・ドイツ部隊は、ウクライナ少なくない人々に「ソ連駆逐した解放者」として迎えられ住民らによる積極的な協力もあった。しかしナチス東部総合計画として入植するドイツ人の邪魔になる現地人絶滅させる飢餓計画英語版)を始めたことで、ソ連ナチス両方対抗するウクライナ蜂起軍結成されたが、戦局によってはナチス協力することもあった。このため長年渡りアメリカ政府は、ウクライナより米国入国する際に記入する出入国カードに「ナチス迫害虐殺加担していないか」を問う項目を出していた。 ゼレンスキー政権2022年ロシアのウクライナ侵攻後、「2019年自身政権以降ウクライナの政治状況健全化されている」と発信したが、世界各地公務員政治家がどの程度汚職しているかを認識する為の国際指標である「腐敗認識指数」の国別ランキングでは、ウクライナ2021年度時点においても122位の状況であり、長年汚職腐敗問題続いている(腐敗認識指数順位が低いほど腐敗していると認識される。)。 それは軍事組織例外ではなく軍事物品装備の購入費用もままならならず、戦う以前問題苦戦長年続けていた。 2014年ウクライナでの親ロシア派騒乱最中にはオリガルヒ私兵集めたが、その中には極右思想を持つ者も多く存在した。なおユダヤ人イーホル・コロモイスキーアイダール大隊アゾフ大隊にも資金提供したとみられている。彼らは正規軍同じよう武器もほとんどなかったが、フェイスブックなどを通じて在米ウクライナ人献金クラウドファンディング武器調達しはじめた敗北しつづけてきたウクライナ軍は、極右思想を持つ民兵導入した事により強化されていったアゾフ正規軍編入され、これとは別のウクライナ国家親衛隊」という内務省管轄として特設された特殊部隊では、その中核を担う存在にまでになっている東部紛争救国英雄となったネオナチ極右白人至上主義グループは、軍隊のみならず政治にまで踏み込んだ2014年政変後、アゾフ大隊などの軍隊や、政党の「スヴォボーダ」など新政権一部参加したとされるマイダンヤヌコヴィッチロシア亡命したあとの政権では、副首相国家安全国委員会事務局長青年スポーツ大臣環境大臣農業大臣検事総長などの要職に、右派ならび極右グループ入閣続出したマイダン以前から危険視されていたネオナチ団体札付き活動家恩赦となったアゾフアンドリー・ビレツキーは、ウクライナの国会議員となり、ペトロ・ポロシェンコ大統領は、テロによる殺人未遂の罪で収監されていた「”白人による十字軍”を率いてユダヤ人率いられ劣等人種と戦う」と公言しているビレツキーに勲章授与した。こうして国際的にネオナチ証左みなされている「ウルフフック」と「黒い太陽からなるアゾフエンブレムが、ウクライナの国会議事堂や行政府軍隊で、こうして堂々と掲げられるようになった。 これらによりウクライナ政府は、「ネオナチ正規軍組み込まれている世界で唯一の国」としてNATOEU加盟国より批判受けていた。 2014年日本国際政治シンクタンクであるキヤノングローバル戦略研究所研究主幹当時)の小手川大助氏(元IMF日本代表理事)は、これら極右入閣直後時点極右政権危うさ指摘し、「プーチンクリミア併合2014年)の決定は、新政権主体ネオナチ民族主義的極右思想)であることに主因があった」と指摘していた。 2015年ウクライナ情勢をめぐり、ウクライナ政府対しアメリカ政府政府軍支援しミサイル供与計画していたが、ネオナチ指摘受けていたアゾフ大隊ウクライナ政府利用したいた事もあり支援取り止めた2016年にはナショナル・コー国民軍団) という白人至上主義極右政党設立され2018年時点での党員数1万人から1万5000人に上っており、2018年には国家主義的なヘイトグループであるとアメリカ合衆国国務省によって認定された。 このナショナル・コー同様に2018年より国家主義的なヘイトグループであるとアメリカ合衆国国務省によって認定されている「S14(C14)」は、青年スポーツ省から資金供与され愛国教育プロジェクト」を主催しており、アゾフ大隊(現・アゾフ連隊とともに退役軍人省主催する審議会メンバーでもある。 2018年ウクライナの歴史学者ミコラ・シチュクが南部ウクライナの都市ニコライエフにて殺害ウクライナ警察容疑者逮捕したが、その後すぐ釈放され事件未解決態となった。 2019年ウォロディミル・ゼレンスキーウクライナのオリガルヒイーホル・コロモイスキー支援を受け、同年7月21日行われた高議選挙では、自身新党国民の僕党」は、424議席240議席以上を占め圧勝をした。ウクライナの議会選史上、初め単独過半数大きく上回る勝利で、現有議席ゼロから一気第1党になった。しかし、一方でゼレンスキーらはイーホル・コロモイスキー協力の下、検事総長国立銀行総裁らを排除した指摘されていた。ウクライナの政治状況は、ゼレンスキー大統領掲げた「自由と民主主義」とは乖離したウルトラナショナリズム野党政党メディア規制治安警察極右組織による抑圧問題が続く事となった。 同年アメリカ合衆国国務省によって国家主義的なヘイトグループであると認定されている「S14(C14)」をネオナチ呼んで批判したジャーナリスト訴えられ同年8月判決により有罪となった英国ベリングキャットはこれについて「ウクライナ裁判所ネオナチネオナチと呼ぶことを禁じた」と報じウクライナ司法への問題指摘した2021年3月5日アメリカ合衆国国務省ゼレンスキー大統領政治支援行っていたウクライナのオリガルヒ(超富裕層)でありユダヤ人である、イーホル・コロモイスキーとその家族知事時代の不正蓄財容疑入国禁止処分とした。米国長官アントニー・ブリンケン次のように述べた本日、私は、オリガルヒで元ウクライナ公務員イーホル・コロモイスキー重大な汚職への関与による公職指定発表する2014年から2015年までウクライナドニプロペトロフスク州知事として公的資格において、コロモイスキーは、政治的影響力公的権力個人的利益のために利用するなど、法の支配政府民主制度および公的プロセス対すウクライナ国民信頼損ねる汚職行為関与していた。 今回指定在任中の行為に基づくものだが、コロモイスキーが現在行っている、ウクライナ民主的プロセス制度弱体化させる取り組みについても懸念表明しており、これは同国将来対す深刻な脅威となる。 この指定は、2020年国務省対外活動関連プログラム歳出法第7031(c)節に基づいて行われるイーホル・コロモイスキー加え、私はイーホル・コロモイスキー直系家族である妻のイリナ・コロモイスカ、娘のアンゲリカ・コロモイスカ、息子のイスラエル・ズヴィ・コロモイスキーを公的に指定する。 この措置により、イーホル・コロモイスキーとその直系家族の各メンバー米国へ入国資格がないことになる。 同年5月ウクライナ著名であったユダヤ人の歴史ホロコースト研究学者、ウラジーミル・シューキンが殺害。シューキンは、ニコライエフ地域ホロコーストに関する重要な作品執筆ウクライナにおけるユダヤ人存在に関する研究論文をより広く執筆していた。 同年国際調査報道ジャーナリスト連合ICIJ)は、「ゼレンスキー大統領英国バージン諸島ペーパーカンパニー設立し就任後2年間で8億5000ドル蓄財をなした」事を公表した2022年ゼレンスキー大統領は、侵攻直後2月24日に「国民総動員令」に署名し1860歳男性出国禁止したウクライナでは出国する自由や「前線立たない自由」を求め市民たちが、「国民総動員令」に対して「自由や民主主義原則反する」と訴えている。ニューヨーク・タイムズによると、夫をウクライナ残し、がんを患う3歳息子連れてポーランド国境の町メディカ到着した女性は「国が戦うために男性必要なのは分かる。でも私の方がもっと彼(夫)を必要としている」と語ったラトビア家具製造会社勤めて3年男性は、首都キーウキエフ)で、2歳息子ラトビア住み続けるための行政手続きをする必要があったが、「国民総動員令」により25日ラトビア行きの便はキャンセルされた。 ニュースサイト「ウクライナ・プラウダ」は22日ゼレンスキー大統領1860歳男性出国可能にすることを求める25千人請願書について「故郷守ろうとしてない」として反対したと伝えた同年2月27日には、アゾフ連隊兵士豚の脂肪弾丸塗りながら、「親愛なるイスラム教徒兄弟たち私たちの国では、あなたは天国行かないだろう。あなたは天国に入ることが許されない。家に帰ってください。」等と述べ動画ウクライナ国家親衛隊Twitter公式アカウント投稿国連人権高等弁務官事務所OHCHR)は、「これは豚肉食のタブーとするイスラム教徒へのヘイトであり、ウクライナ国家親衛隊ネオナチ賞賛したものだ」として批判している。 同年4月1日ウクライナ政府は公式ツイッターにて「現代ロシアイデオロギー」と題した動画投稿ユダヤ人大量虐殺ホロコースト)を行ったナチス・ドイツ独裁者ヒトラーイタリアのファシズム指導者ムッソリーニと共に日本昭和天皇顔写真並べ、「ファシズムとナチズム1945年敗北した」と記したオランダ民間団体作成した組織犯罪汚職報告書」は、ゼレンスキー大統領資産2022年2月24日以降ロシア政府による侵攻後、毎月1億ドルペース増加していると公表した同年5月23日スイス東部ダボス開かれている世界経済フォーラム年次総会ダボス会議)に、ニクソン政権およびフォード政権期の国家安全保障問題担当大統領補佐官であり、ノーベル平和賞受賞者でもあるヘンリー・キッシンジャーオンライン参加ウクライナ情勢について「今後カ月以内和平交渉進めるべきだ」との見解を示すとともに、「理想的には、分割する線を戦争前の状態に戻すべきだ」と述べ、また「ロシア中国との恒久的な同盟関係追い込まれないようにすることが重要だ」と強調した。このダボス会議でのキッシンジャー早期終戦意図とした発言は、ゼレンスキー政権反発により「キッシンジャーロシア側であり、ウクライナ無差別譲渡意図している」と報道されキッシンジャー意図した発信内容伝わらない事態となったその後キッシンジャーは、ウクライナ国家安全保障、平和、人道に対する罪および国際法対す犯罪者並びに暗殺標的リストピースメイカー」に追加された。 ウクライナ政府長年渡りNATOEUへの加盟熱望していたが、ウクライナ蔓延する汚職などの政治・経済腐敗や、法治問題とともに根深いネオナチ問題指摘されており、NATOネオナチ組織をもつウクライナ問題が片付くことなく加盟国迎えということは考えられないとされている。 同年6月13日ワシントン・ポストは、ユーロクラート(EU連合)の首脳ウクライナEU介入躊躇しており、「今、ウクライナに完全なメンバーシップ与えることは、EUに非常に多く新し問題引き起こし、もともと効率的なガバナンス模範では決してないこのブロックは、おそらく崩壊しさらには脇道にそれてしまうだろう。」と報じた

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