『8時だョ!全員集合』・『ドリフ大爆笑』時代
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「志村けん」の記事における「『8時だョ!全員集合』・『ドリフ大爆笑』時代」の解説
東村山音頭 童謡の替え歌 「カラス、なぜ鳴くの、カラスの勝手でしょ」 - 元ネタは『七つの子』で、裏番組『欽ちゃんのドンとやってみよう!』内コーナー「レコード大作戦」の視聴者投稿作品でもあった。志村自身は「赤坂界隈の子供が言っているのをもらった」と語っている。当初は少年少女合唱団のコーナーで披露されたが、好評を博したため、冒頭のコント内で披露された。劇の最中、突然カラスの操演物(可動式のぬいぐるみ)が登場し、「カー、カー!」と鳴き声を発するのを合図に、志村が舞台中央に立ち観客席に向かって「さん、はい」と指揮を執りながら歌う(同時に観客の子供たちも声をそろえて歌う)。最後に志村が観客席に向かって、威張り口調で「ありがとうございました!」と言って締める。また、ある日飽きたためいかりやに相談したところ「辞めていい」と言われたのでその週は歌うのを辞めたところ、放送後に「子供が寝ないじゃないか!」などの苦情の電話が殺到したことがある。 『ぞうさん』の「かあさん」の部分を、当初は「ちんちん」に替えて歌っていたが、視聴者からの苦情が殺到し、2週ほどでやめさせられた。その後、「そうよ、短けりゃ、ブタなのよ」という歌詞に改められた。 「赤い靴、履いてたら脱げた」(『赤い靴』の替え歌) 「あんだ、バカヤロー!」、「おこっちゃヤーヨ!」 いかりやに対して反抗の意志を示すために、腕と顎を突き出してポーズをとる。後述する「アイーン」のポーズは、この時のポーズと後に『ドリフ大爆笑』でも加藤と志村が時折披露していた「ニン」のポーズを合成したものである。 ディスコ婆ちゃん 1970年代のディスコソング風BGMに合わせて、右手に付けた老婆のパペットを激しく動かす。合間にしきりに「あーぁ」「ゲェッ!」と喚き、最後は「サンキューベイベー」と締める。 キョーデー・ナンデー 加藤とのコンビ。お互いを「キョーデー」(兄弟)・「ナンデー」(何だい)と呼び合い、『ヤン坊マー坊天気予報』の替え歌を歌い始める。「大きなものから」(志村)「小さなものまで」(加藤)のところで加藤の股間を指すが、このタイミングで2人ともいかりやに突っ込まれてオチがつく。 ジャンケン決闘 西部劇の酒場風セットにて行う「最初はグー」で始まるジャンケン。仲本とのペア。敗者には罰ゲーム(水や膨らむ風船などをズボンに入れられる、透明ケースを頭に被せられ多量の粉(呼吸器への影響を考慮して喉の薬を使用)を注入されるなど)が待っている。 掛け声は後に「最初はグー、またまたグー(または「お次はチョキ」)、いかりやチョー介、頭がパー、正義は勝つ!」に変更された。最後の「勝つ」の部分はグーを出す。なお、本人および加藤によると「最初はグー」は、ジャンケンする人数が多すぎる場合にタイミングを合わせるべく『全員集合』の現場で始まったという。これにより、ジャンケン掛け声の第一声に「最初はグー」と言うのが世間に広まったとされる。 ヒゲダンス 加藤とのコンビ。黒タキシードと付けヒゲを着用し、煉瓦の壁をバックに踊りながら様々な芸を披露する。BGM(『「ヒゲ」のテーマ』)は、テディ・ペンダーグラスの『Do Me』をたかしまあきひこがアレンジしたものである。 詳細は「ヒゲダンス」を参照 私ってダメな女ね 桜田淳子との夫婦コント。『全員集合』の後半パートで、桜田がゲスト出演するたび毎回のように披露された。何をやっても駄目な新妻・桜田を、夫・志村が事細かく叱りまくり、叱られるたびに桜田が「私って駄目な女ね。あなたの妻でいる資格なんかないわ」と泣き崩れる(切ない音楽と共に照明が暗くなる)。その度、志村がなだめて桜田をおだて、(軽やかな音楽と共に照明が明るいピンク色になり)明るい表情に一変した桜田が「淳子、しあわせ…」と愛される幸せを噛み締める…というパターンを何度か繰り返す(例:桜田「お帰りなさい、貴方。御飯にする?それともお風呂にする?」志村「じゃ、お風呂」というと桜田がお風呂に水を入れておくのを忘れていた。或いは、御飯炊くの忘れていた等)。ところが、志村の背広のポケットから“おさわりバー・百恵”という文字の入ったマッチが出てきて(“百恵”は山口百恵のこと。桜田と同じ花の中三トリオで親友かつライバル)、逆に桜田が志村を徹底的に糾弾。志村が「私って駄目な男ね。あなたの夫でいる資格なんかないわ」と泣き崩れてオチがつく。 パターン踏襲スタイルの古典的なコントではあるものの、志村と桜田のキャラクターと演技力に加えて、BGMや照明などの舞台効果が高度に計算されており、何度見ても笑えると評判になった。 お食事タイプライター 上記の夫婦コントの中などでも、度々行われていたギャグ。食事の前に「何かいい音楽ないの?」と志村が切り出し、相方がテープレコーダーのスイッチを入れると、ルロイ・アンダーソンの『タイプライター』が流れてくる。最初は普通に食べているが、余りのテンポの速さにせわしない食べ方になってしまい、「チーン、サッ」の音とともに、素早くカメラ目線をしては元に戻るという動作を繰り返す。最後には「やめろよ! 落ち着いて食事が出来ないじゃないか!」と志村が怒ってオチがつく。 借金取り 加藤、女性ゲスト(松本伊代や中森明菜等)との三人で演じる時代劇コント。志村演じる病気の父と健気に看病する娘のもとへ、加藤演じる借金取りが現れて返済を迫る。加藤が「借金のカタに娘をもらってくぜ!」と言って強引に娘を連れ出そうとすると、志村が「加藤の旦那、それだけはご勘弁を!」と加藤を何度も壁に叩きつけたり、プロレス技をかけたりと散々痛めつけ、倒れた加藤が「おい、借金はいいからよ、医者呼んでくれ…」と音を上げてオチがつく。 『ドリフ大爆笑』ではこのパターンをテレビ画面に映し、その傍で女性が着替えや入浴で服を脱ぐごとに、志村と加藤がコントそっちのけで目移りしてしまうなどのメタ的な変化を加えた派生型のコントも存在する。 テレビ特番では、加藤に代わって柄本明や梅沢富美男が借金取り役を演じることが多かった。 バカ殿様 歌舞伎『一条大蔵譚』のパロディ。フジテレビでのシリーズが有名だが、1980年前後に『全員集合』で披露されたコントが原型と言われている。橋幸夫演じる立派な殿様の影武者としていかにも愚者らしい白塗りの顔の志村が抜擢され、城内で大騒動が起こるという内容であった。バカ殿に振り回される家老はいかりやが演じた。 コナミよりファミリーコンピュータソフト「ハイパーオリンピック」のプレイヤーキャラクターをバカ殿にすり替えたものがコント内で使用された際に視聴者から好評だったため、後に同社から「ハイパーオリンピック殿様版」として限定版として発売された。 当時は黒澤明の映画『影武者』が話題になっており、橋幸夫も漫才コンビザ・ぼんちに物まねをされて再ブレイクしていた。 詳細は「志村けんのバカ殿様」を参照 下に落ちてまた這い上がる 志村が足を踏み外したり飛び降りる時に「あーあ↘」と言った後「あーあ↗ってか」と言って這い上がってくる。 志村、後ろ! コント劇で志村の背後にお化けやミイラなどの恐ろしい存在が現れ、それに志村が気づいていない(という演技をしている)時、観客(主に子供)が叫ぶ言葉。志村が能動的に行うギャグではなく、観客の偶発的なリアクションだったが、同種のコントを披露するたび「志村、後ろ、後ろ!」と客席から声が飛ぶようになり、番組中の一種の「お約束」になっていった。 後輩コメディアンいわく「舞台上の演技にタイミングを合わせて『後ろ、後ろ!』と声を掛けるのが難しく、プロのコメディアンであっても意識的に再現できる物ではない」とのこと。 観客のリアクションに関して、志村は番組終了後の特番で「朝からリハーサルやってんだから言われなくてもわかってるんだよ」と述懐している。生放送中にも、観客席の子供に向かって「言われなくても分かってる!」と言い返していたことを、同特番で加藤に暴露された(真偽は不明)。 お前、それはないだろう 地位が上のいかりやの横暴にじっと平伏しているが、途中でいきなり強気で反論し始める。現在で言う“逆ギレ”。相手を指差しながら殿様のように淡々と言うバージョンもある。 勝手にシンドバッド 沢田研二の『勝手にしやがれ』とピンク・レディーの『渚のシンドバッド』の音をコラージュし、音に合わせて両方の振り付けで踊るが、どんどん滅茶苦茶になっていく。ちなみに、後年に作成されたサザンオールスターズのデビュー曲『勝手にシンドバッド』はこれがヒントになっている。 魅せられて ジュディ・オングの『魅せられて』のパロディ。真っ白な衣装を着た志村にバックライトが当たり、ゴツゴツした体型がシルエットになって浮かび上がる。 宮崎美子・ピカピカに光って 宮崎美子が出演したミノルタカメラのCMのパロディ。CMソングの『いまのキミはピカピカに光って』をBGMに服を脱ぎ青いビキニ姿になり、腹の贅肉をつかんで「みやざきよしこー!」と一言。 マダムヤーン 1982年にハウス食品から発売されたインスタントラーメン「楊夫人」(マダム・ヤン。現在絶版)のCMソングがモチーフ。若い女性アイドル歌手に「○○ちゃーん(アイドルの名前)、マダムヤン、マダム・ヤーン♪」と歌いながら奇妙な手つきでからむ。「ドリフ大爆笑」でも多用していた。 ピッカピッカの一年生 1980年の小学館『小学一年生』のCMがモチーフ。主に場面転換で舞台から退く直前、加藤茶と並んで「俺達○○するかなぁ?」「分かりません」「ピッカピッカの、一年生、ビシッ!」とやりとり。大抵は直後2人ともいかりやに突っ込まれ、急かされる様に一旦退場する。 アー・ミー・マー 英語の一人称変格のI - MY - ME - MINEと、志村が好きなビートルズの曲『アイ・ミー・マイン』("I Me Mine")にヒントを得て変化(所有代名詞の部分を省略)させたもの。学校コントの英語授業で、いかりやが志村を指名して変格を言わせる際のお決まりとなっていた。以後、ユー・ヤー・ユー(YOU - YOUR - YOUの誤用)、ヒー・ホー・ヒー(HE - HIS - HIMの誤用、「ヒズ・ヒム・ヒー」とするパターンもあり)、シー・ハッ・ハー(SHE - HER - HERの誤用)と続き、シー・ハッ・ハーの時は一段と声を荒らげ、おかしな顔をして笑いをとる。 「正しい英語教育の支障になる」として、「カラスの勝手でしょ」と共にPTAから槍玉に挙げられたが、居作昌果は著書『8時だョ!全員集合伝説』にて「日本に正しい英語教育そのものが存在していない」と反論している。 テレビ人形劇『飛べ!孫悟空』では、孫悟空の変身の際の呪文としても使われた。また、このギャグがエスカレートしたときの志村の振り付けが、後述する「変なおじさん」の振り付けに転用されている。 その他 「5秒前!、4、3、2、1」「デーン」「ビシッ!」(加藤茶とのペア、ノミ行為による出演自粛中にネタおろしされ、フリはいかりやが担当していた) Here we go, everybody, come on rock'n roll(ゴーゴーダンスの振りをつけながら、野太い声で。スネークマンショーのネタである「咲坂と桃内」を真似たもの) あーあ、か…はたまたやーや、か… しからずんば ぬーぬ、か…(バカ殿コントの導入部で暇をもてあました殿が独り言のように呟く) ○○を大切にしよう!お父さんお母さんを大切にしよう!提供は、(企業名)でした。For Beautiful Human Life.(「ドリフ大爆笑」において加藤茶とのペアによるコントのオチに用いられたフレーズで、言い終わった後に加藤と共に変顔を披露していた。「お父さんお母さんを大切にしよう」は日本船舶振興会の、「For Beautiful Human Life.」はカネボウのキャッチフレーズ)
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