測定 解析

測定

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/23 08:25 UTC 版)

解析

有効数字

測定された値は、不確定なあいまいさが含まれる桁を最小桁として表示し、これは有効数字と呼ばれる。有効数字がどの桁に相当するかは測定器の表示方法に左右され、デジタル表示の場合は最小の桁を、アナログ表示の場合は最小目盛りの1/10までを読み取りこれをあいまいさが含まれる最小桁とする[26]

この有効数字は、解析において加算積算する際に、あいまいさを拡大させてしまう可能性があるため、桁数の揃えなど取り扱いに注意する必要がある[26]

測定誤差と不確かさ

例えば特定の天体についてなどの単一対象を、同じ測定器を使い定められた正しい手順で複数回測定を行って得られた数値でも、往々にして一致せずある程度の分散状態が生じる[27]。これは、得られた量には系統誤差(かたより、正確度)や偶然誤差(ばらつき、精度)が存在し[24][27]、それはどんな精巧な測定方法や測定器でも発生し(方法や機器に付随しない)、いわば測定値に付随する性質のものである[27]

以前、これらはまとめて測定誤差と呼ばれていたが[28]国際度量衡委員会1993年のガイドラインにおいて再定義が施され、真の値を含むデータの「ばらつきのパラメータ」、すなわちデータの範囲を示す指標[29]を「不確かさ」 (uncertainty) と定めた[28]。そして標準偏差と同じく統計学的な「標準不確かさ」が定められ、この2倍に当たる「拡張不確かさ」を測定の信頼率95%の指標と定めた[30]

標準偏差や信頼限界の間隔で示されるこの不確かさは、試験方法を総合的に判断する重要な尺度となり、ひいては品質のバロメーターとなる[30]。そのため、測定を行う際にはその不確かさの概念理解と把握を行う必要があり、ISO/IEC 17025では、測定者(試験所や校正機関)がこの不確かさを報告することを定めている[31]

ただし、実施時点では要求を充分に満たす技術が開発されていない測定や、費用面で実効的ではない点などは考慮されなければならない。これらは測定者では対応できず、その専門分野である計測工学が取り組む事項である。試験所・検査機関の認定指針を定める国際試験所認定会議 (International Laboratory Accreditation Conference, ILAC)は、このような測定方法開発の支援や促進を行う母体でもある[31]

確率論などの解析

測定値が含むさまざまな誤差を修正する最も単純かつ典型的な方法は、複数の測定値の平均を取る事である。これによって真の値を得ることができるわけではないが、その近似値または極限値を知る事は可能である[32]

測定値の集団は初歩の確率論で解析される。分散や確率分布関数および確率密度関数、標本を用いた解析などがその手法に該当する[33]。さらに、最小二乗法も解析の手段に用いられる[33]


脚注

  1. ^ a b c d 今井(2007)、p1-3 はじめに
  2. ^ a b 松原隆彦. “物理学基礎Ⅰ【総合】2009年度第2回 (PDF)” (日本語). 名古屋大学医学部保険学科. 2010年10月31日閲覧。
  3. ^ a b c 中原恒. “地球物理学学生実験 誤差について (PDF)” (日本語). 東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻固体地球物理学講座. 2010年10月31日閲覧。
  4. ^ a b c d 芳賀宏. “電気電子計測 第1講 計測の基礎 (PDF)” (日本語). 摂南大学工学部電気電子工学科光波工学研究室. 2010年10月31日閲覧。
  5. ^ a b c 千野直仁. “データ解析演習C (PDF)” (日本語). 愛知学院大学心身科学部. 2010年10月31日閲覧。
  6. ^ 清水哲雄. “会計における測定について (PDF)” (日本語). 滋賀大学学術情報リポジトリ. 2010年10月31日閲覧。
  7. ^ 中善宏. “管理会計情報による組織の可視化について:個人から活動へ(1) (PDF)” (日本語). 小樽商科大学学術成果コレクション. 2010年10月31日閲覧。
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  35. ^ 伊藤(2005)、1.単位とは、20-21
  36. ^ 今井(2007)、第1章 計るって何だろう、p22-23
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  46. ^ 事例で学ぶ一般検診・特殊検診マニュアル” (日本語). 国立国会図書館リサーチナビ. 2010年10月31日閲覧。

脚注2

  1. ^ JIS Z8103「計測用語」
  2. ^ Amey,L.R.,A.ConceptualApproachtoManagement.NewYork:Prager,1986, p.130.
  3. ^ トマス・クーン、安孫子誠也・佐野正博訳『科学革命における本質的緊張』「近代物理学における測定の機能」、みすず書房、1998年、p223
  4. ^ 村上陽一郎、『文明のなかの科学』青土社、1994年、p27







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