ねんしゅう‐しさ〔ネンシウ‐〕【年周視差】
年周視差 annual parallax
年周視差
年周視差
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/30 08:27 UTC 版)
天体の位置は、地球が公転するために季節によって見かけの位置が変化する。これが年周視差である。ここでは太陽を直角点に据え、地球と目的の天体を結ぶ線を斜辺とする直角三角形を想定する。年周視差は、この三角形のうち目的の天体を頂点とする角度として観測され、ケプラーの法則から得た地球から太陽までの距離を基準に簡単な三角法を用いて、地球から目的の天体までの距離を決定する。 この年周視差を用いた距離の測り方は、そのままパーセクの定義である。年周視差は、距離が遠くなればなるほど小さくなってゆき、あまりにも小さい値を高精度で観測するのは分解能が追いつかず困難となる。1980年代までの観測精度ではせいぜい0.01秒程度の年周視差までしか高精度では測れないため、この測定法が使えるのはせいぜい100パーセク程度までということになっていた。1989年に欧州宇宙機関によって打ち上げられた高精度視差観測衛星ヒッパルコスにより、恒星の視差を0.001秒角の精度で測定し、半径1,000パーセク(約3,260光年)の範囲の星の位置を10% 以下の誤差で精密に定めることができた。
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