宇宙の距離梯子の空白
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/30 08:27 UTC 版)
「宇宙の距離梯子」の記事における「宇宙の距離梯子の空白」の解説
現在の距離梯子には、年周視差とケフェイド変光星との間に空白がある。地球から最も近いケフェイド変光星はポラリス(現在の北極星)だが、この天体までの距離は約400光年と言われ、精度が認められる年周視差範囲を超えている。そのため、HR図などの推計で補填しているが、基準としているケフェイド変光星本来の明るさは誤っている可能性がある。 これに対し、年周視差測定をさらに高精度にする計画がある。2007年、日本の国立天文台はメーザーを放出する天体に限られるが望遠鏡「VERA」を用いて17,250光年までの距離を求めた。人工衛星(科学衛星)では、欧州宇宙機関により2013年に打ち上げられた「GAIA」、2015年頃予定のNASAの「SIM」や2022年を目標としている国立天文台を中心とするグループによる「Nano-JASMINE」が計画されており、これらは約30,000光年の年周視差測定を可能とする予定である。
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