菊川とは? わかりやすく解説

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きくがわ〔キクがは〕【菊川】

読み方:きくがわ

[一]静岡県南西部にある市。牧ノ原台地西方、菊川流域にあり、製茶業が盛ん。平成17年20051月菊川町、小笠(おがさ)町が合併して成立人口4.72010)。

[二]静岡県島田市地名小夜中山(さよのなかやま)の東方にあり、東海道宿場町として発展


菊川

の里の親しみ憩う菊川
菊川は、静岡県金谷町掛川市の境にある粟ヶ岳にその源を発し菊川町小笠町の低平地支川集めながら流れ大東町地先牛渕川合流後遠州灘注いでいる流域面積158km2幹川流路延長28kmの河川です。

遠州灘に注ぐ菊川
遠州灘に注ぐ菊川

河川概要
水系菊川水系
河川名菊川
幹川流路延長28km
流域面積158km2
流域内人7万人
流域関係都県静岡県

菊川流域図
○拡大図
1.菊川の歴史
"菊川は、周りを丘に囲まれ川幅狭隘箇所が多いこともあり、しばしば発生する洪水による被害流域全体におよび、沿川農民飢餓苦しむことが頻繁にありました。そこで、明治大水害を契機地域住民大正10年全国先駆けて菊川改修期同盟会を結成しました。"

 
菊川は、その源を金谷町粟ヶ岳東山麓に発し下前田川、西方川上小笠川佐束川下小笠川合流し、さらに下流部において丹野川黒沢川高橋川集め牛淵川合流し遠州灘に注ぐ、流域面積158km2幹川流路延長28kmの一級河川です。

流域は、東に牧の原丘陵粟ヶ岳、西に小笠山などの小連峰挟まれ肥沃な土地ですが、海岸付近に丘陵横たわり、菊川は海に通じわずかな低地より海に注いでおり、沿川の土地周りを高い丘に囲まれる盆地となってます。
丘陵地には茶園、低平地には水田ハウス栽培等の農業生産が盛んで、また、東名高速道路一般国道150号新幹線東海道本線などの重要な交通網の整備とともに工場進出進んでます。

かつての菊川は、低平な流域の中を自由に蛇行繰り返し川幅狭隘箇所多く河川の蛇行相まって河川水排除妨げ、しばしば洪水による被害発生していました
洪水による被害は、流域全体に及ぶ事が常で、沿川農民精魂込めた耕作地収穫皆無惨状となり、飢餓苦しむこともたびたびでした明治時代以前にも河川改修実施されてきたようですが、部分的な改修であり大きな被害軽減を図る事はできませんでした
明治40年43年大水害が発生したことを契機に、地域住民明治44年牛淵川水害予防組合大正6年に菊川水害予防組合結成し大正10年には全国先駆けて菊川改修期同盟会を結成しましたそれ以降流域住民一致団結して菊川の早期改修要望し昭和8年内務省直轄工事による菊川の改修着手され蛇行ショートカットする捷水路建設狭隘川幅広げる引堤などの事業進められきました

◆菊川の蛇行の状況(昭和8年)◆菊川改修平面図(一部)
◆菊川の蛇行状況(昭和8年)◆菊川改修平面図(一部)
2.地域の中の菊川
"菊川は、堤防通学路散策利用されている他、河口部では魚釣り水辺利用が行われているなど、身近な川として親しまれています。また、河口部静水域ではボートなどによる水面利用も盛んで、平成4年には大東マリーナ建設されています。"

菊川の河川敷は、茶園敷草採草地として利用され堤防通学路散策等に利用されています。また、釣り場としても河口部佐束川牛淵川など各地魚釣りが行われており、身近な川として親しまれています。

上流支川では沿川に植栽進められ散策花見親しまれ河口部では静水域広がり平成4年には大東マリーナ建設された事もあり、ボートなどの水面利用が盛んです。
また、河口部には、菊川河口横断し遠州灘荒波白砂青松の浜を背景に、浜名湖御前崎へと結ばれている太平洋自転車道整備されています。

◆水面の利用◆河口部の水辺利用
水面利用河口部水辺利用
3.菊川の自然環境
"菊川の流域は、植林茶園としての利用進んでいますが、河口部などは御前崎遠州灘県立自然公園指定されており、海岸砂丘などの優れた自然環境見られます。上流部にはアカザ生息し河口部発達したヨシ原多数鳥類見られます。"

流域は、植林茶園としての利用進んでおり、自然植生小笠山などの丘陵地一部照葉樹林残されている状況ですが、河口部をはじめ丹野池、横地城址等が御前崎遠州灘県立自然公園指定されており、海岸砂丘保安林マツ照葉樹林等の優れた自然景観見られます。

上流部では、発達した州にツルヨシヨシなどの植生がみられ、オイカワカマツカギンブナなどが生息しアカザ生息確認されています。
◆菊川上流部◆オイカワ◆アカザ
◆菊川上流部オイカワアカザ


中流部では、ススキカヤヨシなどの植生広がり比較安定的な州が散在して見られツルヨシミゾソバなどの水生植物繁茂してます。貴重種としてミゾコウジュカワヂシャ確認され貴重な環境残ってます。魚類は、床止め農業用取水堰数多く存在することから、コイフナナマズオイカワ等が主に生息してます。
◆菊川中流部◆ミゾコウジュ◆カワヂシャ
◆菊川中流部ミゾコウジュカワヂシャ


河口部ヨシ原発達しシギチドリ等、多種鳥類見られクロダイキス等の海の魚類も多く見られます。
◆菊川河口◆キス
◆菊川河口キス
4.菊川の主な災害

発生発生原因被災市町村被害状況
T3,8,29台風菊川町被災家屋 約260
S33,9,17台風21号菊川町死者行方不明者 2名
被災家屋 約400
S43,7,6梅雨前線菊川町浸水面積92.1ha
浸水家屋204
S57,9,12台風18号菊川町
小笠町
大東町
被災家屋 約1,900
H10,9,23前線菊川町
小笠町
大東町
被災家屋 約400

(注:この情報2008年2月現在のものです)

菊川

読み方:キクガワ(kikugawa)

所在 静岡県

水系 菊川水系

等級 1級


菊川

読み方:キクガワ(kikugawa)

所在 愛媛県

水系 菊川水系

等級 2級


菊川

読み方:キクカワ(kikukawa)

所在 東京都墨田区


菊川

読み方:キクガワ(kikugawa)

所在 石川県金沢市


菊川

読み方:キクガワ(kikugawa)

所在 静岡県島田市

地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

菊川

読み方:キクカワ(kikukawa)

所在 東京都(東京都交通局新宿線)


菊川

読み方:キクガワ(kikugawa)

所在 静岡県(JR東海道本線)

駅名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

菊川

読み方
菊川きくかわ
菊川きくがわ

菊川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/10 13:11 UTC 版)

菊川
河口部にある潮騒橋から望む菊川、上流側の国道150号の菊川橋、中央の遠景は赤石山脈(南アルプス)、右奥に富士山
水系 一級水系 菊川
種別 一級河川
延長 28 km
平均流量 2.21 m3/s
流域面積 158 km2
水源 粟ヶ岳掛川市東山)
水源の標高 532 m
河口・合流先 遠州灘(掛川市国安)
流域 日本 静岡県

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菊川(きくがわ)は、静岡県を流れる河川一級水系菊川の本流である。国土交通省浜松河川国道事務所が管理し、一部を静岡県に委託している。

地理

右岸上流側から望む菊川の河口部に架かる潮騒橋遠州灘

静岡県掛川市東山の粟ヶ岳周辺に源を発し南流。途中菊川市の中心部を縦断し、掛川市国安から遠州灘に注ぐ。24の支川とともに菊川水系を構成している。

菊川市水源のひとつとして、静岡県大井川広域水道企業団からの受水とともに活用されている。菊川市富田地区に浄水場・ポンプ場がある。

歴史

古代においては大井川(古大井川)の流路のひとつとして大井川とつながっていたが、その後上流から運ばれた土砂の堆積と地盤の隆起により牧之原台地が形成され、これにより大井川が北に進路を変えたために大井川から分離してできた川であると考えられている。

流域は牧之原台地と小笠山に挟まれた低平地であり、また蛇行が激しいため過去にたびたび水害をもたらしてきた。しかし流域は幕府直轄領や大名・旗本の領地が交錯する権利関係の複雑な場所であったため、本格的な河川改修が行われるようになったのは明治維新以降のことである。現在では一級河川の指定を受け、国の管理のもと河川改修事業が行われている。菊川水系全体としてみた場合でも一級水系としては小規模な河川の部類に入るため、都道府県が管理する二級河川への指定替えが議論されたこともあるが、国土交通省は「引き続き国の管理のもと河川改修を行う必要がある」としている。

略歴

名称の由来

遠江国佐野郡大鹿村(小夜の中山附近)の「菊石」を描いた江戸時代の彩色画(「菊河菊石」藤長庚編集『遠江古蹟圖會』1803年。国立国会図書館蔵)

周辺一帯が古くは荘園であり、放牧が行われていたことから、柵で囲まれた放牧地(城飼)を流れる川という意味の「城飼川」(きこうがわ)が転じて菊川となったとする説が有力とされている。ほかに、上流の小夜の中山にある「菊石」あるいは旧菊川町友田にある「菊目石」から付けられたという説[1]高天神城の東を流れる川であることから「城東川」(きとうがわ)が転じて菊川となったとする説など多数ある。

近年では、流域周辺の自治体で組織する菊水ブロックの名称の採用や、その後昭和の大合併期に発足した旧菊川町を経て、現在の菊川市の名前に継承されるなど地域へ深く浸透している。また、三菱電機照明の前身である菊川照明の名称は、この川の近くに設立されたことに由来する。

流域の自治体

静岡県
掛川市島田市菊川市

主な支流

一級河川のみを下流側から順に記載する[2][3][4]

河川 よみ 次数 管理者 主な経過地 河川延長
(km)
備考
菊川
小鮒川
きくがわ
こぶながわ
本川 中部地方整備局
静岡県
掛川市、菊川市、島田市 27.67
(うち直轄17.62)
高松川
成行川
たかまつがわ
まりゆきがわ
1次支川 静岡県
掛川市
掛川市、御前崎市、菊川市 3
新田川 しんでんがわ 1次支川 静岡県
掛川市
掛川市 1.6
与惣川
星川川
よそうがわ
ほしかわがわ
1次支川 静岡県
掛川市
掛川市 2.8
牛渕川
牛淵川
うしぶちがわ 1次支川 中部地方整備局
静岡県
掛川市、菊川市 15.28
(うち直轄13.2)
小笠高橋川 こがさたかはしがわ 2次支川 静岡県 菊川市 4.6
江川 えがわ 2次支川 静岡県 菊川市 2.62
丹野川 たんのがわ 2次支川 中部地方整備局
静岡県
菊川市 6.8
(うち直轄1.6)
古谷川 ふるやがわ 3次支川 静岡県
菊川市
菊川市 1.85
内谷川 うちやがわ 4次支川 静岡県
菊川市
菊川市 0.6
黒沢川 くろさわがわ 2次支川 中部地方整備局
静岡県
菊川市 1.3
(うち直轄0.45)
下小笠川 しもおがさがわ 1次支川 中部地方整備局
静岡県
掛川市 9.76
(うち直轄4.42)
畑ヶ谷川 はたがやがわ 2次支川 静岡県
掛川市
掛川市 0.5
谷本川 やもとがわ 2次支川 静岡県
掛川市
掛川市 0.5
亀惣川 かめそうがわ 1次支川 静岡県
掛川市
掛川市 3.7
佐束川 さづかがわ 1次支川 静岡県
掛川市
掛川市、菊川市 5.58
小貫川 おぬきがわ 2次支川 静岡県
掛川市
掛川市 0.8
稲荷部川 いなかべがわ 1次支川 静岡県 掛川市、菊川市 4.5
上小笠川 かみおがさがわ 1次支川 静岡県
掛川市
菊川市
菊川市、掛川市 8.88
栗原川 くりはらがわ 2次支川 静岡県
菊川市
菊川市、掛川市 2.4
五百済川 いおずみがわ 2次支川 静岡県
菊川市
掛川市 0.74
西方川 にしかたがわ 1次支川 静岡県 菊川市 8.15
小出川 こいでがわ 1次支川 静岡県 菊川市 2.3
沢水加川 さばかがわ 1次支川 静岡県 菊川市 3
富田川 とみたがわ 1次支川 静岡県 菊川市 3.3

脚注

  1. ^ 菊川について”. 国土交通省 中部地方整備局. 2019年9月6日閲覧。
  2. ^ 国土交通省中部地方整備局. “河川コード台帳(河川コード表編)” (PDF). 2023年6月19日閲覧。
  3. ^ 国土交通省中部地方整備局. “河川コード台帳(河川模式図編)” (PDF). 2023年6月19日閲覧。
  4. ^ しずおか河川ナビゲーション. “菊川水系 川の紹介”. 2023年7月13日閲覧。

関連項目

外部リンク


菊川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 03:02 UTC 版)

かげろう絵図」の記事における「菊川」の解説

年増中年寄。お美代の方腹心

※この「菊川」の解説は、「かげろう絵図」の解説の一部です。
「菊川」を含む「かげろう絵図」の記事については、「かげろう絵図」の概要を参照ください。

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