水害予防組合とは? わかりやすく解説

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すいがいよぼう‐くみあい〔スイガイヨバウくみあひ〕【水害予防組合】

読み方:すいがいよぼうくみあい

堤防水門保護など水害防御に関する事業目的として、水害予防組合法に基づいて設立される公共組合水害予想される一定区域内の土地家屋所有者組合員とする。


水害予防組合

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/14 14:56 UTC 版)

水害予防組合(すいがいよぼうくみあい)は、日本に存在する地域的な治水組織。

概要

河川の流域で水害の防御を目的に設立された。

かつての治水事業は地域の自助努力によるものが大半であったが、地域で任意組合である水害予防組合を結成し、事業費の一部を負担することで公共事業の誘致、後押しを行った。

組合の活動は明治時代以降の治水事業の進展に貢献した。

1890年、水利組合条例により、法的により組合組織として認められるようになり、その後は水利組合法、水害予防組合法により、組織や制度が整えられた[1]

組合員は水害常襲地に定められた区域の土地所有者や家屋所有者全てが対象となり、税に準じて組合費が徴収された[1]

水害予防組合が全盛期を迎えた大正時代末期には、39府県で1000組合が存在したものとみられる[1]

昭和恐慌を契機に、地元の費用負担を必要としない中小河川補助事業の制度が整備されたこと、第二次世界大戦以降には土地改良区への統合・改組、水防事務組合への移行などにより、多くが姿を消した[2]が、2021年現在もなお、いくつかの組合が法人税法別表第1に規定する公共法人として存続している。

脚注

  1. ^ a b c 内田和子『近代日本の水害地域社会史』p1-p2 古今書院 1994年
  2. ^ 内田和子「日本における水害予防組合の展開過程」『地理学評論 Ser. A』第67巻第5号、日本地理学会、1994年、325-346頁、ISSN 0016-7444NAID 1100005214132021年6月1日閲覧 

関連項目

  • 輪中 - 輪中の維持を行っていた水防組が明治時代に組合へ移行した
  • 水利組合

外部リンク

  • 内田和子「信濃川下流部水害常習地における水害予防組合の特質 : 新潟県上郷水害予防組合を例として」『地理科学』第45巻第2号、地理科学学会、1990年、45-59頁、doi:10.20630/chirikagaku.45.2_45ISSN 0286-4886NAID 110002960204 
  • 内田和子「治水事業と費用負担の地域分析:佐渡島国府川水害予防組合の場合」『人文地理』第44巻第3号、人文地理学会、1992年、321-340頁、doi:10.4200/jjhg1948.44.321ISSN 0018-7216NAID 130000995299 
  • 内田和子「土地改良区の設立と水害予防組合の減少に関する一考察」『地域研究』第34巻第1号、立正地理学会、1993年10月、1-15頁、 ISSN 03896641NAID 40002339407 



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