国鉄EF81形電気機関車
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EF81形電気機関車は、日本国有鉄道(国鉄)が1968年(昭和43年)に開発した、交流直流両用電気機関車である。国鉄分割民営化後にも、日本貨物鉄道(JR貨物)が1989年(平成元年)から追加導入を行った。
注釈
- ^ チョッパ制御自体は実用化の見通しこそついており同年には交流区間向けの試作機ED93形(→ED77形)・ED94形(→ED78形)も登場していた。
- ^ EF80形は1台車1電動機方式、動力伝達にクイル式を用いるなど機構面で特殊性があった。
- ^ 正面窓間の柱は先述2形式などと比べると太くなっている。
- ^ 他形式では、同時期に製作された西武鉄道のE851形電気機関車や、1980年(昭和55年)から製作されたEF64形電気機関車(1000番台)に同系台車の採用事例がある。
- ^ 正面タイフォンは後年の改造で撤去された。
- ^ 後年の改造でブロック式ナンバープレート取付となった車両も一部に存在する。
- ^ 当初は酒田機関区配置予定であったが、電気機関車用設備が完成していなかったことから暫定的に長岡区に配置された。
- ^ ここでの補機とはED75形を示す。田端区に本形式を配置し、EF80形4両を内郷区に転属させ、内郷区のED75形8両を盛岡(5両)と青森(3両)に転属させた。
- ^ 1.まず新製配置直後に宇都宮線久喜 - 栗橋間でダンプカーと衝突し脱線転覆、現場に重機が入れなかったため車体を3つに切断して収容。その後車体を造り直し復旧した。2.機関区で留置中、機関車同士の玉突き事故で前後の運転台を破損、その後修復。3.留置の際マスコンを切り忘れて(いわゆるノッチ残し)抵抗器の過熱による火災を起こし機械室を全焼、内部の機器をすべて交換。4.JR東日本発足後、「北斗星」などの寝台特急牽引機に対する主電動機再整備や車輪交換などの改修工事対象車となり、台車ごと交換。
- ^ 湖西線開業用以外にも、老朽化の進行が著しかった初期交流機ED70形の淘汰も目的であった。
- ^ 実際は首都圏EF10形淘汰を目的としており、新潟地区で運用されていたEF15形を首都圏に移動させることで淘汰を行った。
- ^ 事故車の補充をEF62形で行うよりも、汎用性のある本形式で行ったほうが有利であるとの判断が働いた。
- ^ 本形式1両の場合、起動できる列車重量の上限は650 tである。
- ^ 運用開始直後は重連総括制御時に初期故障が多発した。主電動機過電流検出装置(補機側)動作時に高速度遮断器がリセットしなくなる、補機故障時に制御回路を切り離すと本務機まで力行不能となる、補機コンプレッサの故障を本務機側で検知できず補機からの元空気溜込めが不能となる、などの事例があり、門司機関区で都度改修が行われている。
- ^ 東北本線は黒磯駅構内に当時は地上切り替え式の無電区間が存在したため、必ずしも交直流機関車は必要でなかった
- ^ 捻出されたED75形700番台は34両がED79形に改造・転用された。
- ^ 九州へ転入後、一部の車両は400番台化改造前に旅客列車運用に用いられている。
- ^ “赤2号流星色”、俗に「北斗星カラー」,「星ガマ」等と呼ばれている。
- ^ 「カシオペア」塗装は延べ4両(EF81 79・89・92・99)に施された。99は89の廃車に伴う代替として充当されたものである。
- ^ 1987年に登場した14系欧風客車「スーパーエクスプレスレインボー」の塗装に合わせた配色で、客車の廃車後もそのままの塗装で使用される。2018年(平成30年)の全般検査施行の際も塗装を維持する形で塗り直されている。
- ^ 従前は宇都宮運転所のEF57形・EF58形・EF65形1000番台が使用され、黒磯駅で交流機と交替していた。
- ^ EF81 105は1999年(平成11年)10月以降部品取り車(保留車)とされていた
- ^ トワイライトエクスプレス塗装の機関車としては初の廃車
- ^ 408は試験塗色として濃淡ブルーに白帯を配する塗装とされたが、富山機関区への転属後に赤13号に復した。
- ^ 一部には赤13号に復した車両が存在する。
- ^ 302は触車事故で車体が損傷し、片側の側面をコルゲート板ではなく平板で修復した。
- ^ 2016年(平成28年)3月26日に青森車両センターから組織改編された。それに伴う、転属となる。そして、同年6月4日には廃車扱いとなっている[69]。
- ^ D51 1116の隣に配置され、該当であるEF81 138を記事内の写真で確認出来る[70]。
- ^ 『EF81を採寸する』、pp.71-76。でEF81 138号機の実採寸で「ザ・ヒロサワ・シティ」の協力を得ている。
出典
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固有名詞の分類
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