UNIX 主なUnix系OS

UNIX

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/28 05:27 UTC 版)

主なUnix系OS

フリーなもの

Berkeley Software Distribution (BSD) およびBSDの子孫
現在[いつ?]主要なものに、FreeBSDNetBSDがある。いずれも386BSDから生まれた。
FreeBSD
BSDの子孫。多くの派生版がある(中には有償のものも含まれる)。
Darwin
AppleがDarwinプロジェクトによってオープンソース化したmacOSの中核。FreeBSDのソースコードをベースとし、中核にはMachが使われている。
DragonFly BSD
FreeBSDから派生したBSDの子孫ハイブリッドカーネルを採用している。
NetBSD
BSDの子孫。58以上のアーキテクチャに対応している。
OpenBSD
NetBSDから派生したBSDの子孫
GNU/Linux
Linuxカーネルから派生した、Linuxディストリビューション全般やELIKS (en:Embeddable Linux Kernel Subsetを言う。中には有償のものも含まれる。Linux Standard Base仕様を元に設計されるため、ほぼPOSIX準拠となる。Linuxカーネルを利用した派生OSにAndroid他がある。
GNU/Hurd
GNUプロジェクトの公式OSとして現在開発中である。中核にはMachが使われている。
Solaris/OpenSolaris
サン・マイクロシステムズのOS。現在[いつ?]、最新版のSolaris 11が提供されているが、以前の版も最終リリースのものがダウンロード可能である(Solaris 8, Solaris 9)。もともとは有償版しかなかったが、SPARC版が無償化され、ついでx86版も(一度有償に戻ったが)無償化された。また、カーネル等の主要コンポーネントをオープンソース化したOpenSolarisもリリースされ、そこから多くの派生ディストリビューションも生まれている。
MINIX
IBM PCでも動作すること目的に開発された教育用Unix系OS。80386の仮想記憶には対応していなかったため、Linuxに仮想記憶が実装されるきっかけとなった事でも有名[27]。なお、当初はフリーではないライセンスでリリースされていたが、2000年にバージョン 2.0.2 が BSDライセンスのもとでリリースされ、フリーなOSとなった。
Haiku
BeOS互換のオープンソースOS。POSIXに準拠するよう開発されている。

フリーではないもの

AIX
IBMの、SVR4とBSD4.4をベースとしたUNIX。現在[いつ?]、最新版のAIX 7.2が提供されている。
ACIS英語版
IBMが6100RT/PCシリーズ用に提供していた4.2BSDベースのOS。アカデミック分野の顧客にのみ提供された。AT&T UNIXとBSDのライセンスを持つ顧客にはソースコードも提供された。
AOS
IBMが6100RT/PCシリーズ用に4.3BSDを移植したもの。アカデミック分野の顧客にのみ提供された。AT&T UNIXとBSDのライセンスを持つ顧客にはソースコードも提供された。
Domain/OS
アポロコンピュータが開発したワークステーションに搭載されたUNIXの機能も持つ独自OS。マイクロカーネル上のOS MiddlewareとしてBSD4.3とSVR3を搭載し同時独立動作を可能とした。ヒューレット・パッカード (HP) に買収されたその後は市場から姿を消した。
Ultrix
DECが同社のVAXやDECstation向けに出していた4.2BSD/4.3BSDベースのOS。初の64ビット実装を行ったUNIXとしても知られている
Tru64 UNIX
DECが開発した、Alphaアーキテクチャのサーバ/ワークステーション用のOS。当初は「OSF/1」と呼ばれ「Digital UNIX」を経て Tru64 UNIX となった。DECの買収とともに、コンパックヒューレット・パッカード (HP) へと引き継がれ、現在[いつ?]も販売されている。
DG/UX
DataGeneralのサーバ/ワークステーション用のOS製品の商標。System-V系をベースにしているが、一部BSD系の機能を付加
HP-UX
ヒューレット・パッカード (HP) のPA-RISCアーキテクチャによるサーバ/ワークステーション用のOS製品の商標。OSF/1への移行を前提にSVR3系をベースに実装されたが、そのまま発展したOS。HP-UX V10以降はSVR4ベースとなる。2002年リリースのHP-UX 11i v1.6では業界で初めてインテルItaniumプロセッサに対応する商用OSを提供した
OpenServer
SCOがマイクロソフトから引き継いだXENIXを発展させたIBM PC用のUNIX。一時期はPC用UNIXのトップシェアを誇っていた。
OS/390, z/OS
メインフレーム専用OSであるOS/390およびz/OSはPOSIX準拠OSである。通常UNIXと呼ばれないが、標準のUNIX環境(Unix System Services - USS)により、OS/390やz/OSのネイティブアプリケーションとPOSIX準拠アプリケーションを同時稼働できる。
macOS
独自改良のMachマイクロカーネルとFreeBSDのユーザランドによって実現されたOS (Darwin) 上にCocoa, Carbon, Core Foundationなどを実装したMac用OS。なお、2007年10月に出荷されたMac OS X v10.5以降は、The Open Groupの認証を受けたUNIXである[28]。また、同じくDarwinを実装した派生OSにiOSがある。
A/UX
Apple Computerが開発した、SVR2ベースのMacintosh用OS。X11やコンソールのほかに、Mac OSによく似たインターフェイスのウィンドウシステムを備えていた。当時のMacintoshはMac OS以外をブートできないため、いったんSystem7が起動する。
MachTen
MachマイクロカーネルとFreeBSDをベースとした、Mac OS内で起動するOS。
BeOS
BeのワークステーションであるBeBox、またはPower Mac、PC/AT互換機で動作するUNIX互換OS。メディアOSとしてマルチメディアを扱うのに長けた。マイクロカーネルにはMachを使用しているが、ユーザカーネルなどのソースコードはオリジナルUNIXは使用せず、POSIX仕様をベースに新しくフルスクラッチされた。
BSD/OS
初期BSDから分岐し商業プロダクトとなったUNIX。BSDiが開発、後に組込み系でリアルタイム制御に対応したUNIX互換OS「LINX」を開発・販売していたWind Riverがソフトウェア部門ごと買収。当初の名前はBSD/386
XENIX
マイクロソフトがSVR2をベースに開発・販売していたIBM PC向けUNIX。仮想メモリをもたない8086とFDで動作するシンプルなシステム。教育用および安価なUNIX環境として高いインストールベースを誇った。1983年SCOから販売されていたが、マイクロソフトがサーバOS戦略を独自路線(OS/2 → Windows NT)へ切り替えたため、後にSCOへ売却された。
PANIX
エー・アイ・ソフトが、SVR4をPC/AT互換機・PC-9800シリーズに移植して発売していたもの
UnixWare
USLの純正SVR4がノベルに売却され、ノベルの技術(Netwareのサポートなど)を取り入れられたUNIX。その後SCOへ売却される。
IRIX
シリコン・グラフィックス (SGI) のUNIX。GUIに優れる。映像製作分野でのシェアが高い。SVR4.2系
NeXTSTEP/OPENSTEP
NeXT ComputerのOS。当初は同社のワークステーション専用のOSで、Machに4.3BSD相当の機能を搭載したものであった。後にPC/AT互換機などで動作するOSとして単体販売もされた。
Coherent英語版
Marc Williams製。UNIXライクなOS。
UNICOS
Crayのスーパーコンピュータ用のUNIX。
RISC/os
ミップス・コンピュータシステムズのUNIXワークステーション/サーバ専用のUNIX。日本ではクボタコンピュータ(株)が代理店をしていた。
Σ
通産省主導の国策プロジェクトとして開発されたOS。開発当初はBSD系だったが後にSystem V (Release2) 系に路線変更。プロジェクト的には失敗に終わったとされ、また、その後も少なからず他の国策プロジェクトに悪影響を与えたとされる。
HI-UX
日立製作所のワークステーション、サーバで動作する。当初は68000系ワークステーションで稼働したSystem V系独自OSであったが、後にハードウェアアーキテクチャの変更(PA-RISC)に伴い、HP-UXをベースとした製品へ変更となった。
NEWS-OS
ソニー製のNEWSワークステーション専用のUNIX。当初は4.2BSDベースであったが、後に4.3BSDベースとなる。終末期にはSVR4.2ベースとなった(NEWS-OS6.x)。
OA/UX
シャープ製のOAシリーズ、IXシリーズのオフコン/ワークステーション専用のUNIX。当初はSystemIIIベースであったが、後にSystemVベースとなる。コンソール画面での漢字表示、オンボードの辞書ROMを用いたかな漢変換など独自の日本語化が行われていた。
UniOS-U/UniOS-B/UniOS-Σ
オムロンが開発・販売していたLUNAワークステーションのうちMC68030を用いたモデル専用のUNIX。SystemV系、BSD系、Σ準拠の3種類が供給された。MC88000を搭載したLUNA88k-WSのOSはMachマイクロカーネル(ユーザカーネルは4.xBSD)であった。
EWS-UX(UX/4800)
日本電気 (NEC) 製のEWS4800ワークステーション専用のUNIX。SVR3系のCISC版とSVR4(当初は、SVR4.0,後にSVR4.2、4.2MP)系のRISC版が存在する。その後、UP-UXをOSとするUP4800サーバ・シリーズが発売になり、これらが統合されてUX/4800に名前が変更となった。CPUをR10000シリーズ(64ビット)としたモデルの発売に伴い、32ビット版と64ビット版が提供されている。
PC/UX
NECPC-9800シリーズ80286ベースのもの)専用のUNIX。SVR2ベース。
SUPER-UX
NEC製SXスーパーコンピュータ向けのUNIX。なお、地球シミュレータ向けには、このOSを地球シミュレータ向けに拡張したものが利用されている。
SX/A
富士通ミニコンFACOM Aシリーズ(A30など)・Σ-Station(Σプロジェクトとは無関係)シリーズ専用のUNIX。純正SVR3をベースに4.2BSDのTCP/IP機能を盛り込まれていた。
SX/G
富士通ワークステーションFACOM Gシリーズや後継のFMGシリーズのUNIX。Unix System Vをベースにしていた。
UXP/DS
富士通DS/90GP7000Dシリーズ専用のUNIX、USL純正のSVR4をベースに開発された。
UXP/M
富士通製汎用機(FACOM後継機であるMシリーズ、GS (Gloval Server) シリーズ)で動作するSVR4互換のUNIX。他の富士通汎用機のOS (MSP/VSP) と同様に、VM上で稼動する。
RTU
MASSCOMP英語版製リアルタイムUNIX、世界で初めてUNIXをリアルタイム化したUNIX。SVR3系カーネルをベースに4.2BSDのTCP/IPを利用していた。コンカレント・コンピュータに買収後名前は消えるが、機能性は現在も継承されている。
CX/UX
ハリスコンピュータ製NHxxxxシリーズで動作する、SVR3系リアルタイムUNIX。SVR3系カーネルをベースに4.2BSDのTCP/IPを利用していた。コンカレント・コンピュータに買収後名前は消えるが、機能性は現在も継承されている。
PowerMAX OS
コンカレント・コンピュータ製PowerHawk、NightHawk、TurboHawkシリーズで動作する。SVR4ES/MP純正カーネル(USLのカーネルベース)にPOSIX1003.1b(リアルタイム)、POSIX1003.1c(POSIXスレッド)の拡張を行い、XPG4の認定も受けている。事実上、最後の商用UNIXにおけるリアルタイムUNIXである。(2011年現在、販売中)
NCR UNIX
NCRの発売するUNIX。

  1. ^ 英語の発音は「U」にアクセントを置くので、「ユーニクス」に近い発音となる。『ジャーゴンファイル』でも「U」にアクセントを置いて発音するとしている(→Eric S. Raymond (ed.) (2004年10月4日). “Unix”. The Jargon File, version 4.4.7. 2010年12月15日閲覧)。しかし日本人のアクセントは異なることがある(「ニ」にアクセント)。
  2. ^ What is a "Unix-like" operating system? Unix.org FAQ
  3. ^ Operating system market share”. Marketshare.hitslink.com. 2012年8月22日閲覧。
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  6. ^ Powers, Shelley; Peek, Jerry; O'Reilly, Tim; Loukides, Mike (2002). Unix Power Tools. ISBN 0-596-00330-7 
  7. ^ a b c d Ritchie, Dennis M. (1984). “The Evolution of the Unix Time-sharing System”. AT&T Bell Laboratories Technical Journal 63 (6 Part 2): 1577–93. http://www.bell-labs.com/usr/dmr/www/hist.html 2018年9月2日閲覧。. 
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  9. ^ KEN THOMPSON 9-6-89”. www.tuhs.org. 2024年2月2日閲覧。
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  12. ^ a b Rik Farrow. “An Interview with Peter G. Neumann”. ;login: 42 (4): 38. https://www.usenix.org/system/files/login/issues/login_winter17_issue.pdf. "That then led to Unics (the castrated one-user Multics, so- called due to Brian Kernighan) later becoming UNIX (probably as a result of AT&T lawyers)." 
  13. ^ Dennis M, Ritchie. “The Development of the C Language”. www.bell-labs.com. 2024年2月16日閲覧。
  14. ^ Miller, Richard. “The First Unix Port”. 2024年2月16日閲覧。
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  19. ^ Chuck Karish   View profile    More options. “The name UNIX is now the property of X/Open – comp.std.unix | Google Groups”. Groups.google.com. 2010年11月9日閲覧。
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  22. ^ Autres Unix, autres moeurs (OtherUnix)”. Cm.bell-labs.com (2000年4月1日). 2010年11月9日閲覧。
  23. ^ The Open Group. “The Open Brand Fee Schedule”. 2011年12月26日閲覧。 “The right to use the UNIX Trademark requires the Licensee to pay to The Open Group an additional annual fee, calculated in accordance with the fee table set out below.”
  24. ^ The Open Group. “Mac OS X v10.5 Leopard on Intel-based Macintosh computers certification”. 2007年6月12日閲覧。
  25. ^ The Open Group. “Mac OS X v10.6 Snow Leopard certification”. 2012年10月16日閲覧。
  26. ^ Unix”. Catb.org. 2010年11月9日閲覧。
  27. ^ MOODY 2002, p. 56.
  28. ^ The Open GroupのOS XへのUNIX 03製品認証
  29. ^ ズバッと解決! Windows 10探偵団 ― 第97回 ネイティブで動作するWindows上でLinuxが使えるようになった!(ASCII.jp)”. KADOKAWA (2016年4月13日). 2016年4月25日閲覧。






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