Cygwin
Cygnus Solutions社(現Red Hat社)によって開発された、Windows上に疑似的なUNIX環境を構築するためのソフトウェア群。Cygwinライブラリはオープンソースライセンスである「GPL」と、商用ライセンスである「Cygwin購入ライセンス」のデュアルライセンスとなっている。また、Cywin環境上で動作するソフトウェアはそれぞれのライセンスに従っているが、多くがGPLに基づいている。
Cygwinは、「UNIXのアプリケーションが使用するシステムコール」をWin32 APIを使ってWindows上のランタイムライブラリ(DLL)として実装することでWindows上でのUNIX環境を実現している。あくまでも「システムコールのエミュレーション」であるため、UNIX用の実行形式ファイルがWindows上で動作するようになるわけではない。
また、Cygwin環境に含まれていないUNIXアプリケーションでも、Cygwinに含まれるツール(コンパイラやアセンブラ、リンカなど)を利用することで、ソースコードを大幅に変更しなくてもWindows環境下で動作するようにコンパイルすることができる。
関連URL
Cygwin Information and Installation(http://sources.redhat.com/cygwin/)
Cygwin
Cygwinとは、Windows上で、UNIX系OSの実行環境を構築するためのアプリケーションソフトウェアの名称である。フリーソフトウェアとして提供されている。
CygwinはリナックスAPIエミュレーション層を提供するDLLと、UNUIXライクなルック&フィールを提供するさまざまなツール群によって構成される。
Cygwinは、1995年からCygnus Solutionsにより開発されてきたが、2000年のRed HatによるCygnusの買収に伴い、現在はRed Hatの製品となった。
なお、2008年7月時点の最新バージョンは、2008年6月14日にリリースされた1.5.25-15である。
参照リンク
Cygwin Information and Installation
Cygwin
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/20 03:32 UTC 版)
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この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 (2025年10月)
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Windows XP上でのCygwin
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| 開発元 | シグナスソリューションズ、レッドハットなど |
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| 初版 | 1995年 |
| 最新版 | |
| リポジトリ | |
| プログラミング 言語 |
C/C++ |
| 対応OS | Windows 8.1 以降 |
| プラットフォーム | x64 |
| 種別 | 互換レイヤー |
| ライセンス | GNU LGPL v3 以降[1] |
| 公式サイト | www |
Cygwin(シグウィン)は、Windowsオペレーティングシステム (OS) 上にUNIXライクな環境を提供する互換レイヤーで、自由ソフトウェアである。WindowsでUNIXのソフトウェア資産を活かすことが可能となる。
ゲストOSが不要でハードウェアの仮想化も行わないため煩雑な作業も無く軽量に動作する[注釈 1]。X Window Systemにも対応しGUIアプリも動作する。
似たようなWindows上で動くソフトウェアとして、Mingw-w64/MSYS2が存在する。
特徴
CygwinはUNIX OS自体を動かすのではなく、WindowsをUNIX風に表現し直すソフトと言える。Cygwinはアプリケーションが実行するシステムコールの読み替えだけを行い、WindowsカーネルのAPIを利用する。VMwareやVirtualBoxのような仮想マシンではなく互換レイヤーである。
ゲストOSは不要でCPU、メモリ、周辺機器などのハードウェア仮想化を行わない。このため設定は簡単であり、インストールファイルやメモリ消費量も軽量である。ただし、入出力が遅いという欠点があり大量のデータを扱う用途には向かない。補助的にUNIXツールを使う場合には有用である。
GNU Core UtilitiesといったUNIXの基本コマンドやBashが付属する。また、CygwinのターミナルからはWindowsのバイナリ.exeも呼び出す事ができる。パイプも併用する事で、UNIXアプリとWindowsアプリのコラボレーションが期待できる。
パッケージ管理
Cygwinのインストーラー(GUIベース)はパッケージ管理システムとしても利用でき、1万以上の豊富なオープンソースソフトウェアが利用可能である。Cygwinインストール後にもこれを利用してソフトウェアの構成変更、インストール・アンインストール・アップデートできる。CUIでもパッケージ管理が行えるように、apt-cygというコマンドも用意されている。
ランタイムライブラリ
CygwinはUNIXカーネルそのものを利用するのでは無く、API変換を行ってWindowsカーネルを利用する。
ランタイムライブラリのCygwin1.dllがAPI変換の中核を成している。これはPOSIXのシステムコールと同等の機能を提供し、それぞれのプログラムはこれを動的にリンクすることでUNIX上とほぼ同じ動作がWindows上で可能になる。Cygwin用ではないUNIX用プログラムのソースコードも、大幅な変更無しにWindows用に再コンパイルすることが可能となる。
また、Windowsのファイルシステムもそのまま扱うことができるため、Windowsで作成したデータとCygwinで作成したデータを混ぜて処理することが出来る。実際にWindowsで割り当てたネットワークドライブへCygwinからアクセス可能である。
その他
Unix System V由来のIPCを利用するアプリケーションのために、サービス(NTサービス)を提供している。Cygwinに付属しているPostgreSQLは、このサービスが提供する共有バッファやセマフォを利用して動作する。PostgreSQL自身は、バージョン8.0以降でCygwin依存から脱却し、全面的にWin32ネイティブにソースの書き換えが行われている。
マイクロソフトはWindows Server 2012よりUNIXベースアプリケーション用サブシステムを非推奨とし、代替手段の一つとしてCygwinのPOSIXエミュレーションモードを紹介している[2]。
標準CライブラリとしてGNU CライブラリではなくNewlibを用いる[3]。cygwin1.dllがこれを提供する。Cygwinでコンパイルした自作のC/C++言語ソフトをCygwin未インストール環境で動かすにはcygwin1.dllも同梱させる必要がある。
/dev/memの機能は、1.7.22にて打ち切り[4]になった。現状では、この機能を用いたプログラムは動作しない。
脚注
注釈
- ^ 仮想マシンを使わない分、環境全体としてはCPUもメモリもストレージも大きく消費せず軽量になるが、DLLでシステムコールの変換を行っているためか、入出力の速度に問題があるとの指摘もある。
出典
- ^ “Cygwin Licensing Terms”. cygwin.com. 2024年7月5日閲覧。
- ^ “Windows Server 2012 で削除された機能または推奨されなくなった機能”. 2016年4月20日閲覧。
- ^ “Cygwin FAQ”. 2023年1月8日閲覧。
- ^
Support for /dev/mem, /dev/kmem and /dev/port removed, since OS support was limited to 32 bit Windows XP only.—“What's new and what changed in Cygwin”. 2024年9月10日閲覧。
関連項目
- MinGW
- Mingw-w64
- MSYS
- Windows Subsystem for Linux - Windows純正のLinuxサブシステム
- Interix (Services for UNIX)
- coLinux - LinuxカーネルをWindowsアプリケーションとして動作させる
- シグナスソリューションズ
- Wine - Cygwinとは逆に、Unix系OSでWindowsアプリケーションを動作させる
- 仮想化
外部リンク
固有名詞の分類
- Cygwinのページへのリンク