赤のサーヴァント
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「Fate/Apocrypha」の記事における「赤のサーヴァント」の解説
赤のセイバー 声 - 沢城みゆき 小説版で追加されたサーヴァント。ブリテンの円卓の木片から獅子劫が召喚した白銀の鎧を纏った仮面の騎士。真名は円卓の騎士の一人にして父であるアーサー王に反旗を翻した叛逆の騎士モードレッド。仮面の兜に隠された素顔は20代にも年齢が届いてない小柄な少女なのだが、本人は女扱いされることをかなり嫌悪しており一人称も「オレ」である。気性が荒く傲岸不遜な性格で、過剰なまでに自信に溢れておりその剣技も荒々しいが、一般人を巻き込むことを嫌う高潔さも持ち合わせる。自分こそが王に相応しかったと証明するため、「選定の剣に挑戦させて欲しい」という願いを抱いて聖杯大戦に参加する。父と同じく、『魔力放出』や『直感』のスキルを保有スキルとして獲得している。 宝具はアーサー王から簒奪した白銀の宝剣「燦然と輝く王剣(クラレント)」と、その全力解放である「我が麗しき父への叛逆(クラレント・ブラッドアーサー)」。赤い稲妻を放つ直接攻撃系の対軍宝具であり、セイバーの憎悪によって属性を変質させ、邪剣と化してしまっている。普段はステータス隠蔽の効果を持つ宝具「不貞隠しの兜(シークレット・オブ・ペディグリー)」で自身の素性を隠しており、これを解除しなければ「我が麗しき父への叛逆」は使用できない。 最終決戦で赤のアサシンの霊核に致命傷を負わせたるが、自身も限界を迎える。同じく死にゆく界離と共に己の夢について語り合い、自らの本当の望みを理解したために、選定の剣への未練を振り切ると共に互いの健闘を分かち合い、彼の最期を看取った後に消滅した。 赤のランサー 声 - 遊佐浩二 初期設定 - 奈須きのこ / 初期デザイン - pako 肉体と一体化したかのような黄金の鎧を纏う青年。真名はインドの叙事詩「マハーバーラタ」に登場する不死身の大英雄カルナ。Fateシリーズ全体を通して圧倒的な存在である英雄王にも匹敵すると言われる、赤陣営最強のサーヴァント。自らのマスターに仕えることを第一義とし、シロウ麾下のサーヴァントたちの中ではシロウの方針に従いつつも、唯一本来のマスターへの義理を果たそうとしている。慎ましくも誇り高い性格であり、敵であろうとその手練は賞賛する。 空中庭園では黒のセイバーとの決着という前提条件の下で参戦し、ジークとカウレスに本来のマスターたちの命を救うよう頼み、カウレスからは黒のセイバーに変身したジークを彼の時間制限までに倒せなければ見逃す協定を交わし、激戦の末に、赤のライダーの盾を受け取った黒のライダーの参戦が決め手となって敗北する。その後に未来へ向かうジークと互いに敬意を払い、自らの戦いに満足して消滅していった。 装備している黄金の鎧「日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ&クンダーラ)」は最高レベルの防御力を持つとされる宝具。また「梵天よ、我を呪え(ブラフマーストラ・クンダーラ) 」という対国宝具や「日輪よ、死に随え(ヴァサヴィ・シャクティ) 」という対神宝具を有している。 赤のアーチャー 声 - 早見沙織 初期設定 - 茗荷屋甚六 / 初期デザイン - 唖采弦二 翠緑の衣装を身につけた、野性味と気品を併せ持つ少女。真名はギリシア神話に登場する純潔の狩人アタランテ。生前の自身の不幸な体験から子供たちへの強い慈愛の志を持っており、聖杯に託す願いは「全ての子供たちが幸福に暮らせる世界」の実現。 彼女のマスターはシロウたちによって召喚される前から傀儡と化しており、以後、マスターとの「仲介人」を名乗るシロウの思惑で行動することになってしまったが、シロウが大聖杯を強奪して大勢が傾くといよいよ前マスターを見限り、シロウのサーヴァントとして活動する。 黒の陣営への斥候をしていた際にマスターともども射殺した黒のアサシンの暴走に巻き込まれた時にルーラーが幼いアサシンの思念を切り捨てる選択をした事に激昂し、以降はそれまでの冷静さを失ったかのようにルーラーの命を狙う。空中庭園では憎悪に支配され、自身を忌み嫌っていた魔獣に変えてまでルーラーを討とうするが、乱入した赤のライダーと相討ちになり、自分が何をすべきだったのかをライダーに問いかけ共に消滅する。 アルテミスの加護を受けた狩猟の達人。神域に達した弓術の技量と俊足を持ち、引き絞れば引き絞るほど威力が増し、彼女本来の筋力値を大幅に超える力を矢に宿す弓「天穹の弓(タウロポロス)」を用いて戦う。宝具は天に向けて矢を放ち神の加護を得る事で、空から大量の矢の雨を降らせる「訴状の矢文(ポイボス・カタストロフェ)」。そして、かつて自身が仕留めた、アルテミスが遣わした猪の毛皮を纏う事で、理性を失い「天穹の弓」を封じられる代わりに強大な戦闘力と環境に応じた変化能力を得られる呪いの宝具、「神罰の野猪(アグリオス・メタモローゼ)」を持つ。『Fate/Grand Order』に登場するバーサーカー・アタランテ〔オルタ〕は、宝具による変身状態をベースとしたものとなっている。 赤のライダー 声 - 古川慎 小説版で追加されたサーヴァントの一人。偉容を誇る鎧を身に纏った陽気で荒々しい美丈夫。真名はギリシア神話に登場する英雄アキレウス。赤のランサーに匹敵する大英雄と言われ、オリンポスの神々からの祝福(呪い)により、高位の神性を保有する者以外の攻撃を無効化する不死の能力が下記する宝具の一つとして備わっている。 シロウを信用しておらず、特に王族で傲慢な赤のアサシンとの仲は非常に険悪だったが、大聖杯強奪後は形勢がほぼ確定したために、無力化した前マスターはほぼ見限ることになる。 同郷である赤のアーチャーを「姐さん」と呼んで慕っており行動を共にしている。生前に自らを育ててくれた黒のアーチャーとは強い因縁の元にあり、一騎討ちでの戦闘を強く望んでいる。 黒のライダーを凌ぐ強力な宝具を多数所持する。主戦力としては三頭の馬が牽引する戦車の宝具「疾風怒濤の不死戦車(トロイアス・トラゴーイディア)」があるが、英霊召喚と同等レベルであまりに魔力消耗が激しすぎると言う欠点がある。しかしそれを使わずとも元から強力な敏捷性をさらに大幅強化する宝具「彗星走法(ドロメウス・コメーテース)」が発動するため、弱点であるアキレス腱以外に不死属性を付加する宝具「勇者の不凋花(アンドレアス・アマラントス)」の加護と相まって、他のサーヴァントを戦闘にて圧倒しうる。また同じく「疾風怒濤の不死戦車」から降りる事で使用できる槍の宝具「宙駆ける星の穂先(ディトレコーン・アスケール・ロンケーイ)」は一騎討ちを目的とした空間を展開するという、固有結界に匹敵する大魔術を発動させる。作中では自身で使う事はなかったが、鍛冶の神ヘパイストスが鍛え上げた、赤のライダーが見てきた世界を具象化した結界宝具の盾「蒼天囲みし小世界(アキレウス・コスモス)」は対城・対国・対神宝具すら防ぎ切る破格の防御力を誇る。 槍の空間は黒のアーチャーとの決闘に用い、彼との約定に従って盾の宝具を黒のライダーに貸し与えた。決闘自体には勝利したものの、その空間を解いた後に予め発動されていたアーチャーの宝具によって踵を狙撃され、勇者の不凋花と彗星走法の効果を失う。その後、暴走する赤のアーチャーと相討ちになり、彼女の願いを認めつつも諭しながら消滅する。 赤のキャスター 声 - 稲田徹 初期設定 - 賀東招二 / 初期デザイン - 倉花千夏 中世ヨーロッパ風の洒脱な衣装を身に纏った伊達男。真名は16世紀のイギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピア。一人称は「吾輩」。ことあるごとに自作品の台詞を引用して喋るほど自己顕示欲が強い典型的なナルシスト。自らの「物語」への欲から赤のバーサーカーを暴走させ、味方を窮地へと平気で追いやるトラブルメーカーだが、それはどのような手段を以てしても最高の『物語』を目撃することを至上の目的としているため。それ故に善悪に興味も無く、シロウ達の理想が多くの命を踏み躙るものであっても一向に構わない。その性格のため、本来のマスターを裏切り、シロウへのマスター変更にも応じている。 キャスターでありながら魔術師としての技術は全く持ち合わせていないが、歴史に名高い大文豪たる彼が執筆を行う事で発動するスキル「エンチャント」によってあらゆる物を宝具に匹敵する概念武装へと変えられる(ただし元の素材によってランクは上下する模様)他、宝具「開演の刻は来たれり、此処に万雷の喝采を(ファースト・フォリオ)」は「劇団」と呼ばれるものによって存在しないはずの人間を呼び出すことが出来、能力の再現までは不可能ながらサーヴァントの召喚さえも事実上可能としている。この宝具は対象に肉体的ダメージではなく「精神的ダメージ」を負わせることを目的とするが、相手が何者か分かっていなければ意味をなさない。よって、ルーラーとして「真名看破」のスキルを持つシロウとの連携で最大の効果を発揮することになる。 空中庭園ではルーラーと対峙、宝具を最大限に活用して彼女の人生をなぞった演目と召喚したジル・ド・レェによってルーラーのジークへの愛を徹底的に抉り、一時的に完全に戦意を失わせた。 その後ジークとシロウの決戦後の光景を書斎から見届けながら圧倒的スピードで物語を執筆。邪竜となり飛び立つジークの姿を見ると同時に「最新作」を完成させ、自室が崩落した際に「主役は自分が演じたかった」と言い残して落下し消滅した。 赤のアサシン 声 - 真堂圭 初期設定 - TYPE-MOON / 初期デザイン - 森井しづき 退廃的な雰囲気を漂わせる美女。真名はアッシリアの女帝セミラミス。聖杯大戦においてシロウによって召喚され、彼と共に獅子劫を除いた赤のマスター達を傀儡とし、彼らのサーヴァントを使って暗躍している。シロウと共に、彼と己の大望を果たすためにユグドミレニアの持つ大聖杯を奪わんと策謀を巡らす。その尊大さと得体の知れなさから、赤のアーチャー、ライダーからは不信感を抱かれており、赤のセイバーに至っては「いけ好かない母(モルガン)と雰囲気が似ている」として完全に敵視されている。 シロウに対しては表立ってはシロウを利用するという形で協力し、聖杯の力で女帝として再び君臨する事を望んでいるが、赤のキャスターや赤のライダーなどにはシロウに含む所があるのではないかと看破されている。 『二重召喚(ダブルサモン)』という稀有なスキルを有し、アサシンとして召喚されながら本来のキャスターが持ち得るはずだった能力も併せ持ち、宝具である巨大な浮遊要塞「虚栄の空中庭園(ハンギングガーデンズ・オブ・バビロン)」を完成させて空中からの城塞攻撃を決行し、ユグドミレニアの城塞から大聖杯を引き抜く。また虚栄の空中庭園、その玉座の間でのみ発動可能な宝具「驕慢王の美酒(シクラ・ウシュム)」により赤のセイバーを死地に追い込む。だが赤のセイバーの奇策によってマスターの援護を可能にされてしまい、対毒血清と令呪のサポートを受けた一撃により霊核を砕かれる。 消滅するまでの僅かな時間もシロウのために黒のライダーの足止めを引き受け、ジークとシロウの一騎打ちの後は倒れた彼に再び膝枕をしてあげながらキスをした後、最期を看取った。その直後にいつも最期を看取る側だった事を無念に思い起こしながら消滅する。 赤のバーサーカー 声 - 鶴岡聡 初期設定 - 虚淵玄 / 初期デザイン - 寺田克也 全身に数え切れないほどの傷跡を持つ、筋骨稜々とした巨漢の戦士。真名はトラキアの剣闘士であり第三次奴隷戦争の指導者スパルタクス。常に微笑を浮かべ、敵の攻撃を敢えて受けながら敵を殺戮する戦いぶりは、味方にすら不気味さを感じさせるほど。 味方の制止を物ともせず「圧政者に立ち向かう」という本能のみを己の行動原理としている真の狂人。言葉を話すことが可能で一見正常に見えるが、『狂化』スキルのランクがEX(評価規格外)となっており、意思の疎通は基本的に全く成立し得ないうえ、令呪も2画消費しないと効果を発揮しない。 グラディウスによって強烈な衝撃波を生み出すほどの重い斬撃を放つ。パンクラチオンそのものの戦い方も行い、3メートル近いゴーレムを苦も無く放り投げ、素手で木っ端微塵に砕くほどの怪力を持つ。また驚異的な耐久力を誇り、相手の攻撃を必ず受けてから反撃に移る。宝具はその耐久性を活かし、ダメージの一部を魔力に変換して体内に蓄積できる常時発動型宝具「疵獣の咆吼(クライング・ウォーモンガー)」。 赤のキャスターに唆されたことで単身で黒の本拠地に突撃を掛けた結果、黒陣営に捕縛され、尖兵として利用されてしまう。赤のアーチャー、ルーラーらとの戦いの中、宝具によって再生と強化を繰り返し続け、異形の怪物へと変貌を遂げる。そしてついに溜め込んだ魔力が限界を迎えると、戦場そのものを更地に変えるほどの一撃を放ち、全ての魔力を使い切って消滅した。
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