しっぷう‐どとう〔‐ドタウ〕【疾風怒×濤】
シュトゥルム・ウント・ドラング
(疾風怒濤 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/12 02:48 UTC 版)
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シュトゥルム・ウント・ドラング(独: Sturm und Drang)とは、18世紀後半にドイツで見られた革新的な文学運動である。
概要
この名称は、ドイツの劇作家であるフリードリヒ・マクシミリアン・クリンガーが1776年に書いた同名の戯曲に由来している[1]。時期は、1767年から1785年までとする見方がもっぱらであるが、1769年から1786年、もしくは1765年から1795年とする見方もされる。
古典主義や啓蒙主義に異議を唱え、「理性に対する感情の優越」を主張し、後のロマン主義へとつながっていった。代表的な作品として、ゲーテの史劇『ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』(1773年)や小説『若きウェルテルの悩み』(1774年)、シラーの戯曲『群盗』(1781年)や悲劇『たくらみと恋』(1784年)など。
日本でのシュトゥルム・ウント・ドラングは「疾風怒濤」と和訳されたために「嵐と大波」という意味で理解されることも多いが、ドイツ語から直訳するならば「嵐と衝動」が正しい。英語では「Storm and Stress(嵐と圧力)」や「Storm and Urge(嵐と衝動)」などと訳されているようである。また片仮名表記では「シュトゥルム」は「シュトルム」、「ドラング」は「ドランク」とも表記されることがある。
ハイドンのシュトゥルム・ウント・ドラング
1768年から1772年ごろのハイドンの作風についても「シュトゥルム・ウント・ドラング」という語が用いられる。この時期のハイドンは短調の多用やフーガのような対位法的技法の使用など、前後の時代と異なる作風を持つ。20世紀はじめの音楽学者であるヴィゼヴァが、1772年にハイドンの「ロマン的危機」があったとして、この語を使用したのが一般化したものである[2]。
しかし、ハイドンのシュトゥルム・ウント・ドラングはクリンガーの戯曲が書かれるより古い時期のものであること、シュトゥルム・ウント・ドラングが主に1770年代後半の文学運動に対する語であること、ヴィゼヴァのいうハイドンの「ロマン的危機」なるものが根拠を持たないこと、などの批判があり[3]、「いわゆるシュトゥルム・ウント・ドラング」のように表現されることが多い。
なお、ハイドン以外の同時期のオーストリアの作曲家にも同様の傾向が見られ、モーツァルトもト短調の交響曲第25番 K.183 やニ短調の弦楽四重奏曲第13番 K.173(いずれも1773年)を作曲している[3]。
脚注
出典
- ^ ロックウッド 2010, p. 44.
- ^
フランス語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります:Revues étrangères - A propos du centenaire de la mort de Joseph Haydn
- ^ a b Webster 2001, p. 179.
参考文献
- Webster, James (2001-1). “Haydn, Franz Joseph”. In Sadie, Stanley; Tyrrell, John (英語). The New Grove Dictionary of Music and Musicians: 29 volumes with index. 11 (2nd ed.). Oxford University Press. pp. 171-271. ISBN 1561592390
- ルイス・ロックウッド 『ベートーヴェン 音楽と生涯』土本英三郎・藤本一子 監訳、沼口隆・堀朋平 訳、春秋社、2010年11月30日。ISBN 978-4-393-93170-7。
疾風怒濤(シュトルム・ウント・ドランク, Sturm und Drang)
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「カンピオーネ!」の記事における「疾風怒濤(シュトルム・ウント・ドランク, Sturm und Drang)」の解説
サーシャ・デヤンスタール・ヴォバンが古代朝鮮の嵐を司る三身一体の神風伯・雨師・雷公から簒奪した権能。
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