保存機からの復元以後とは? わかりやすく解説

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保存機からの復元以後

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 03:32 UTC 版)

国鉄D51形蒸気機関車498号機」の記事における「保存機からの復元以後」の解説

国鉄分割民営化後1987年10月JR東日本では「地域密着」をテーマに「蒸気機関車復活して走らせよう」との動き持ち上がった折から横浜市の「みなとみらい21地区で、1989年開催される横浜博覧会」の事務局から、品川 - 博覧会会場間をSL列車運転したい正式に申し入れがあり、これに間に合わせるためSL復元計画JR東日本内で正式に決まった。これにより、関東地方保存されているさまざまな静態保存機リストアップし、調査結果交通博物館保存されていたC57 135が一番良く整備され保存状態良い機関車であることが判明したJR東日本はこのC57 135復元行おうとしたが、SL代名詞的存在であり、最もポピュラーな「デゴイチ」を走らせることが、地域密着を図るうえで最も効果的であるという当時の社長住田正二判断によって、C57 135復元見送られD51形復元するという方針決定した改め調査行った結果茨城県D51 70とこのD51 498同形式で最も状態の良かった機関車となった。そしてこの選択では、標準型である当機のスタイルが一番馴染み深く愛されるという理由で498号機が選ばれ、当機の動態復元決定された。 1988年3月後閑駅静態保存場所から復線し、DD51形牽引され高崎運転所へ、その後6月12日同じくDD51形による牽引大宮工場へと回送され、動態復元向けた大掛かりな復元工事11月25日までに完了したその後動態保存機として車籍が復活され、同日付で正式に高崎運転所配属となっている。復元際しできるだけ原型近付けるために前照灯ヘッドライト)の変更(LP403→LP42)、デフレクターバイパス弁点検口閉口キャブ屋根延長部の切除蒸気ドーム前方手摺り小型化テンダー重油タンク小型化などの工事行われている。また、ボイラー保護のため使用圧力所定の15kg/cm2から14kg/cm2に下げて使用されている。運転速度も、メインロッドへの負荷軽減するため、高崎地区での運用時は50km/hまでを最高運速度としている。 当初予定されていた「横浜博覧会」での運転は、諸事情により中止となったが、その代わり当時来日していた「オリエント急行'88」の国内ラストラン合わせ上野 - 大宮間で当該列車牽引し復活記念の運転を行うことが決定された。1988年12月23日EF58 61補機として後ろ従え前部本務機として先頭に立ち復活アピールした。この運用限りテンダー側面には来日したノスタルジー・イスタンブール・オリエント急行」(NIOE) に使用されているワゴン・リ客車側面エンブレム模した特別塗装施されていた。この際後ろEF58 61赤羽駅での遅延回復による後押し行った程度で、それ以外区間はすべて当機の単独牽引よるもの語られている。 その後は車籍の再登録が行われ、「JR東日本の顔」として、主に上越線の「SL奥利根号」(後・「SLみなかみ」、現・「SLぐんま みなかみ」)を中心に様々なイベント臨時列車起用され東日本全域運転されている。特に注目されるものとしては、現役時代の縁の地である新潟地区にもC57 180代行運転などとしても使用されることがあるなどが挙げられるまた、イベント列車以外でも高崎運転所(現・ぐんま車両センター構内のほか、「SLぐんま みなかみ使用区間の上越線高崎 - 水上間や「SL碓氷」(現・「SLぐんま よこかわ」)の信越本線高崎 - 横川間でSL運転士育成のための乗務員訓練転に使用される機会も多い。 1989年6月には、同年8月31日ATS-P形全線導入されていた京葉線蘇我 - 新木場間で、同機使用したSLコニカ号」 の運転のために保安装置ATS-P形)の設置工事大宮工場行われテンダー後部に同装置電源が追設され、本務機関士席の加減弁の上ATS-P形表示器が設置された。また、ATS-P形専用車上子は先台車上部設置された。なお、ATS-P形車上子1998年ごろに同装置の改良工事が行われ、カモフラージュ及び車上子保護兼ねてスノープラウ排雪器)の常備化を行っている。さらに、2000年代入ってから仙台地区新潟地区普及している保安装置対応するため、2006年12月これまで使用していたATS-SN形からATS-Ps形改造変更された。2010年春中間検査B施工時では、防護無線装置更新図られ首都圏地域普及しているデジタル無線への置き換えが行われている。2013年4月全般検査出場では、テンダー変化見られテンダー内部タンク容量残存状況データ化するための装置重油タンクATS-P形電源箱の間に追設、ATS-P電源自体もそれに合わせて更新された。同時に冬季旧型客車牽引備えて蒸気暖房設備再整備実施し暖房ジャンパ管の取り付け復活した運転室内部では速度計更新実施C61 20C57 180同様、ATS-Ps形速度検知対応した電気式速度計となったまた、LP402A形ヘッドライトC57 180C58 363などのLP-403とは違う。またC6120ヘッドライトテンダー共にLP-402E)への交換2002年が行われている。この時、ヘッドライト上部に庇状の氷柱きりを装備した特殊なスタイルとされたが、2008年5月から7月にかけての中間検査A実行時外され、より往年の状態に近いスタイルになった。なお、2015年5月には同15日初めての夜間営業となったSL YOGISHA碓氷」の運行のために、新たにLP405形ヘッドライト(シールドビームタイプ)を追加装備したが、副灯取り付け台座自体動態復元以前から設置されている。2020年3月全般検査出場時からは、暗所での照明範囲改良のため、双方ライト設置角度が下に向くように変更されている。 正面ナンバープレート復活時には赤地に金抜き文字形式入り大型のものであったが、1995年12月ごろに形式のない往年の状態のナンバープレート取り替えられた。その後、赤や緑のものや青地白抜き文字のものなど何種類かのナンバープレート取り付けた状態も過去見受けられた。赤は「奥利根10周年1999年15周年2004年実施。緑も同じく2004年高崎駅開業120周年記念事業として登場している。水色プレートは、2003年の「ELSLみなかみ物語号」で実現したまた、2007年12月の「SLみなかみ物語号」からは、同機復活20周年記念してナンバープレート運転していたが、2008年5月の「EL&SL奥利根号」で一旦通常のナンバープレート戻されている。その後7月19日から9月17日まで連続して運行された「EL&SL奥利根号」および「SLみなかみ」(EL&SL奥利根号SL区間のみに短縮した列車)では、期間限定で赤→青→黒(通常)→緑の4パターンナンバープレートの色塗り替えて運行されている。これは当時水上地区タイアップしたミニデスティネーションキャンペーンのイベント企画一つでもあり、鉄道ファン注目浴びせるための配慮でもあった。なお、お盆期間掲出され青色は、前述の「ELSL水上物語」のものとは若干異なり、濃い青地であったD51 498汽笛の音(2004年1月から2006年5月まで、ならびに2016年6月より2019年5月まで) この音声映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声動画の再生ご覧くださいD51 498汽笛の音(2006年10月から2016年1月まで) この音声映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声動画の再生ご覧くださいD51 498汽笛の音(1995年12月から2004年1月まで) この音声映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声動画の再生ご覧ください。 当機の汽笛音色は、復活以来5回以上に渡ってチューニング変更がされており、復活蒸機の中では汽笛音色バリエーションが一番豊富となっている。というのも、当機の汽笛吹鳴膨大な圧力かかっており汽笛本体消耗が一番激しいためで、特に検査入り直前ではクラック発生して汽笛吹鳴時にうまく鳴らなくなるなど、安全上の支障を来たす懸念も多い。そのため、変更時に本体そのもの交換が行われている場合もある。 その他の外観上の変化としては、2006年10月全般検査出場の際、スノープラウ右下側に「D51498」と記されペイント施され2007年2月内房線木更津 - 館山間の快速SL南房総号」や千葉 - 木更津間の快速SLちばDC号」の運行などで見られた。しかしながら、これは1年間限定であり、2007年10月の「EL&SL奥利根号」「SLみなかみ物語号」からはペイント塗り潰され通常仕様戻されている。なお、復活初期にも一時期大文字スノープラウペイント記されていたこともある。 2010年4月28日には、鷹取工場式をイメージした長野工場集煙装置取り付け、および後藤工場式に準じた切取大型デフ後藤工式変形デフ門鉄デフ一種)へ変更した形態報道陣公開されいわゆる重装備仕様となった。この集煙装置および切取デフ後藤工式変形デフ)は、同年5月29日から6月6日まで運転された「SLやまなし号」が甲府 - 小淵沢間で運転されるのに際し連続25パーミル急勾配かつ約1kmトンネル存在する新府 - 穴山間を通過するため、その対策兼ねて新造取り付けが行われたもの。これにより、D51 499に類似した形態となった同時にキャブナンバープレート下に取り付けられている製造銘板新たに製作・交換されている。この形態で、同年4月29日の「SL碓氷」より営業運転再開また、2010年5月1日からの「SLみなかみ」からは、D51 499のデフ取り付けられていた後藤工場標準仕様車を示すプレートを摸した、JR東日本マーク添えた動輪柄のシールデフ追加された。「SLやまなし号」運転当日は、ファンサービスとして2008年夏で使用され4種類ナンバープレート1日ごとにリレーし、29日黒色30日青色翌週5日緑色6日赤色掲出した。 この重装備スタイルその後もしばらく維持されて、同年12月の「SL湯けむり号」、2011年春の「D51ばんえつ物語」、同年6月の「SL津軽路号」などの出張運転でも同スタイルでの運転となったが、同年7月から開幕する群馬デスティネーションキャンペーン」に合わせて元のスタイル戻された。ただし、再度重装備仕様運行できるよう、集煙装置取り付け台座、および非公式側から操作できる集煙装置開閉ハンドルテコはそのまま残された(取り付け台座は、ボイラーケーシングに溶接したため、綺麗に復元することが困難であるのも理由)。2013年4月全般検査出場後も取り付け台座運転台ハンドルテコ挿入口はそのまま残存し集煙装置取り付け準備確保されている。しばらく重装備仕様での運行はなかったが、2021年7月10日運転の「SL横川ナイトパーク」から翌週7月18日の「SLぐんま よこかわ」まで短期間ではあるが、10年ぶりに重装備仕様復活した2022年3月12日ダイヤ改正による高崎車両センター再編に伴い高崎車両センター高崎支所ぐんま車両センター改称されたため、区名が「高」から「群」に差し替えられた。 ちなみに2010年以降節目の年を迎えにあたって特別な装備など以下のとおり実施されている。 2010年11月23日:「D51誕生70周年号」紫色ナンバープレート掲出 同機が翌24日以って70年迎えにあたって装備。この日に運転された「SLみなかみ」の列車名変更以降2011年2013年にも、似たような列車名D51誕生記念号)としても走っているが、いずれも特製ヘッドマーク掲げただけとなっている。 2015年11月23日:「D51誕生記念号赤色ナンバープレート掲出およびロッド赤色誕生75年記念して復活初期見られロッド赤色塗装復元。なお、同列車運転前の「SLみなかみ」では通常のナンバープレート赤色ロッドというスタイル運転されている。 当機は2018年11月復活30年周年迎え、それを記念して全般検査入場となる2019年5月までの半年間、復活当時牽引したオリエント急行'88」の装飾リスペクトした30周年記念装飾をヘッドマーク・テンダーに施したD51 498ATSはP形・Psどちらも搭載2006年12月24日 水上駅D51 498運転室内にあるP形・Ps形の表示器(2007年3月15日 村上駅) 「SL南房総号」(2007年2月12日 富浦駅) 「SL村上ひな街道号」(2007年3月18日 新発田駅給水中のD51 4982007年5月 水上駅快速SLお座敷ゆとり号」(2006年3月26日上越線八木原 - 群馬総社間) (1993年2月東北本線) 「SLみなかみ物語号」(2007年12月 水上駅) 「D51復活20周年号」(2008年12月 水上駅集煙装置後藤工場式に準じた切取デフ取り付けた姿(2010年7月3日集煙装置後藤デフとともに新たに製作され製造銘板2010年5月2日 水上駅) 「SL津軽路号」(2011年6月12日 青森駅SLレトロ碓氷充当され本機(2014年9月21日 横川駅)

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保存機からの復元以後

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 03:49 UTC 版)

台湾鉄路管理局DT668号機」の記事における「保存機からの復元以後」の解説

1984年3月に共に除籍となったCT273号機(C57形同形機)と一緒に新竹機関区苗栗機関支区(現・新竹機務段苗栗機務分駐所)に留置されていたが、1993年8月屏東県麟洛運動公園移設され、一般公開された。2000年屏東県政府から台湾鉄路管理局返還され彰化扇形庫にて静態保存されていたが、2010年12月13日には動態復元された。民国100年迎えた2011年11月11日復活運転が行なわれ、初運転は「新竹内湾支線」の六家線接続工事完成による全線運転再開一番列車でもあった。

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