ぐんま車両センターとは? わかりやすく解説

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ぐんま車両センター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/21 15:20 UTC 版)

ぐんま車両センター(ぐんましゃりょうセンター)は、群馬県高崎市双葉町に所在する東日本旅客鉄道(JR東日本)の車両基地である。同社首都圏本部の管轄。


注釈

  1. ^ a b この改称は、国鉄時代の現業機関を分割民営化の際に旅客・貨物会社別に明確に区別するための改称であり[7]、基本的に旅客会社は「電車区」・「気動車区」・「客車区」・「運転区」・「運転所」の5種類、貨物会社は「機関区」・「貨車区」の2種類として、それぞれの会社発足時までに改称させた[7]
  2. ^ a b 貨車は、上毛地方の生糸を鉄道貨物で横浜港までの輸送[14]を主な用途として所属した。生糸は当時最大の日本の輸出品であり、当時貨物や旅客輸送の主流であった舟運に対抗するため、日本鉄道は貨物運賃の割引制度を取り、同年8月に前橋駅まで延伸されると、鉄道貨物の重要性がますます認識されていった[14]。輸送ルートは、第一区線 - 品川線(現・埼京線赤羽駅 - 山手線品川駅間)経由で品川駅で官設鉄道と接続して横浜方面へ輸送した[14]
  3. ^ a b c d 「検車所」は、客貨車の車体部門の検修を担当[15]、「列車電灯所」は、客貨車の電気装置の検修を担当[15]する車両基地である。なお、「列車電灯所」は客貨車の電灯だけでなく、電気暖房機、扇風機などの電気機器類や蓄電池、各部門の蓄電池の保守を広範囲に担当するようになり、実態に沿わないようになったため、1928年(昭和3年)に「車電所」と改称された[15]
  4. ^ a b c ただし、本センター電気機関車留置エリアと現・高崎機関区の敷地は、1943年(昭和18年)10月1日の高崎操車場開設時[16]に「高崎機関区」(初代)および「高崎検車区」・「高崎車電区」の貨物部門が移設したときに設けられた。
  5. ^ a b c d この改称は、現業機関の呼称統一によるもので[17]、特に、「高崎機関庫」→「高崎機関区」(初代)への改称は、後述の高崎第二機関区→高崎機関区(JR貨物)の改称とは意味合いが違う。
  6. ^ a b c d 改組・分離直後は「高崎第一機関区」は旅客部門を担当、「高崎第二機関区」は貨物部門を担当した。
  7. ^ a b c この改称も、現業機関の呼称統一によるもので[17]、他に「電車庫」も「電車区」と呼称統一された(ただし、この時点では高崎地区に電車区は存在しない)。
  8. ^ a b c この改称は、国鉄発足後の現業機関の改正の一環で、従来の「検車区」と「車電区」を廃止して、「客車区」・「貨車区」・「客貨車区」となって客貨車の機械、電気の全装置、蓄電池機器、各種蓄電池の検修業務を引き継いだ[17]
  9. ^ a b c 同運転所発足時に、「高崎第二機関区」敷地であった本センター電気機関車留置エリアと同機関区所属だったEF55形EF60形などの電気機関車の一部と「高崎客貨車区」所属の貨車の一部は「高崎運転所」に移管した[6]。なお、「高崎第二機関区」時代からの貨物列車用のEF64形EF65形は、現・「高崎機関区」の配置となった[6]
  10. ^ 前述の両機関区の所属機関車の内燃・電気分担後は、旅客・貨物両部門を受け持つ機関区となった[27][29]
  11. ^ a b 桐生機関区は、旧・国鉄足尾線(現・わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線)用の機関車および気動車の所属基地で、蒸気機関車(代表形式はC12形蒸気機関車)4両と気動車6両が所属していた[26]
  12. ^ a b 足尾線の貨物列車牽引機関車がDE10形ディーゼル機関車へ置き換えられた後、同DLを高崎第一機関区〔高一〕所属で桐生支所常駐車として所属させた[27]。なお、足尾線用C12形蒸気機関車は、1970年(昭和45年)9月30日に運行が廃止された(同年10月4日さよなら運転実施)[34]
  13. ^ EGともいう。車体側面の助士席側にEG灯と呼ばれる黄色い灯火を装備していることが搭載車の特徴である。
  14. ^ 開閉そのものについては開扉は従来どおり手動で、閉扉のみドアクローザを利用して遠隔操作可能とした。
  15. ^ 特にオハニ36については、元々客室照明が製造当初の白熱灯のままであったため、ガラスグローブを流用し中身のみLED照明に交換した。

出典

  1. ^ a b ジェー・アール・アール編『JR気動車客車編成表 2023』交通新聞社 2023年6月15日 「ぐんま車両センター」p.47, 48, 50, 55 ISBN 978-4-330-02623-7
  2. ^ a b c d 鉄道ファン編集部「JR旅客会社の車両配置表(別冊付録)」『鉄道ファン』2023年7月号、交友社、2023年7月、ぐんま車両センター pp.4, 14, 15, 34。 
  3. ^ 第35期有価証券報告書 41頁 (PDF) - 東日本旅客鉄道
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  5. ^ a b c d e f g h i j 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』1987年5月号「特集:国鉄分割民営化関連特集号」内 編集部著 国鉄分割・民営化関連Q&A <別表>現業機関名所変更(昭62.3.1)p.44
  6. ^ a b c d e f g h i j k l 「JR東日本の車両基地 高崎運転所」『鉄道ジャーナル 1987年7月号 特集●JR・東日本旅客鉄〈第一部〉』第21巻第8号、鉄道ジャーナル社、1987年7月、84,85。 
  7. ^ a b 鉄道ジャーナル社 『鉄道ジャーナル』1990年10月号「特集●JRの車両基地'90」内 小榑宏明(東日本旅客鉄道㈱運輸車両部運用課 課長代理)著 JRの車両基地PART.1 JR東日本 p.48
  8. ^ a b c d 「JR車両ファイル2004」『鉄道ファン』2004年7月号、交友社、2004年7月1日、32頁。 
  9. ^ a b c d e f g h i j k l m n o ジェー・アール・アール編「JR現業機関一覧表」『JR気動車客車編成表 2022』交通新聞社、2022年6月16日、222頁。ISBN 978-4-330-03222-1 
  10. ^ a b c d e 「JR車両ファイル2022」『鉄道ファン』2022年7月号、交友社、2022年7月1日、36 - 37頁。 
  11. ^ a b c d e ひらがな表記に! 「ぐんま車両センター」誕生(旧・高崎車両センター高崎支所名称変更)”. 鉄道ホビダス. カルチュア・エンタテインメント株式会社 ネコ・パブリッシング カンパニー (2022年4月4日). 2022年5月1日閲覧。
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  19. ^ a b c d 「別冊付録 国鉄客車編成表 国鉄機関車・客車配置表 高崎客車区〔高タカ〕」『復刻版国鉄客車ガイド』、交通新聞社、2013年12月15日、49頁。 
  20. ^ JR高崎鉄道サービス株式会社事業紹介 2023年10月27日閲覧
  21. ^ 電気車研究会・鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』2010年3月号「特集:機関区」内 岩成正和(鉄道史学会会員)著 往年の国鉄機関区概観 p.19
  22. ^ 電気車研究会・鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』2010年3月号「特集:機関区」内 解説:伊藤威信 蒸気全盛時代の機関区風景 p.25
  23. ^ a b c 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』2017年8月号「特集:上越線電化70年」内 祖田圭介(元㈶鉄道総合技術研究所)著 上越線の線路をたどる p.53
  24. ^ 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』2017年8月号「特集:上越線電化70年」内 伊藤威信著 一九五〇〜六〇年の代 上越線を往来した列車の思い出 p.30
  25. ^ 鉄道ジャーナル社 『鉄道ジャーナル』1983年10月号「特集●輸送の中枢-車両基地」内 国鉄の車両基地一覧 高崎第一機関区 高タカ一 p.67
  26. ^ a b c d e f g h i 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』2010年3月号「特集:機関区」内 1963(昭和38)年4月1日 機関車配置区一覧 p.20
  27. ^ a b c d e 「別冊付録 国鉄客車編成表 国鉄機関車・客車配置表 高崎第一〔高一〕」『復刻版国鉄客車ガイド』、交通新聞社、2013年12月15日、38頁、ISBN 978-4-330-42613-6 
  28. ^ 鉄道ジャーナル社 『鉄道ジャーナル』1983年10月号「特集●輸送の中枢-車両基地」内 国鉄の車両基地一覧 高崎第二機関区 高タカ二 p.67
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  30. ^ a b 朝日新聞出版編『空撮 JR車両基地』JR東日本高崎車両センター 朝日新聞出版、2015年、p.79、ISBN 978-4-02-331378-1
  31. ^ a b 交通新聞社『鉄道ダイヤ情報』2016年5月号 解説:結解学 シリーズ車両基地 2016 Vol.30「JR東日本 高崎車両センター」pp.62 - 63
  32. ^ 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』2001年9月号「特集:JR高崎・宇都宮線」内 武内浩一(東日本旅客鉄道㈱新前橋電車区副区長)著 新前橋電車区の概要 p.41
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  34. ^ 足尾鉄道の一世紀』184 - 185頁
  35. ^ a b c d 鉄道ジャーナル社 『鉄道ジャーナル』1990年10月号「特集●JRの車両基地'90」内 小榑宏明(東日本旅客鉄道㈱運輸車両部運用課 課長代理)著 JRの車両基地PART.1 JR東日本 pp.49,52
  36. ^ EF64 37とEF64 1052が配給輸送される(交友社 鉄道ファン railf.jp-2021年11月9日)
  37. ^ 『鉄道ファン』No.731、交友社、2022年、p.164
  38. ^ EF64 1052号機が新塗色に(交友社 鉄道ファン railf.jp-2018年4月9日)
  39. ^ a b 鉄道ファン編集部「JR旅客会社の車両配置表(別冊付録)」『鉄道ファン 特集:JR車両ファイル』2017年7月号、交友社、2017年4月、高崎車両センター高崎支所 pp.4, 15, 16。 
  40. ^ 鉄道ファン2011年7月号p.85参照
  41. ^ 鉄道ピクトリアル2014年4月号
  42. ^ 佐藤正樹 (2019年9月13日). “JR東日本の旧型客車がリニューアル…昭和初期をイメージした木目調に 2020年4月”. Response.. 2019年10月24日閲覧。
  43. ^ 東日本旅客鉄道高崎支社 (2019年9月12日). “SLぐんま旧型客車 内装リニューアル!”. JR東日本ニュース. 東日本旅客鉄道高崎支社. 2019年10月24日閲覧。
  44. ^ EF60 19が秋田総合車両センターへ”. 鉄道ファン. 交友社 (2019年7月2日). 2019年9月25日閲覧。
  45. ^ 『鉄道ファン』No.703、交友社、2019年、p.156
  46. ^ 『西武の赤い電機』 p.140





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