小山車両センターとは? わかりやすく解説

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小山車両センター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/15 05:28 UTC 版)

小山車両センター
小山車両センターで展示される205系600番台
(2022年3月27日)
基本情報
日本
所在地 栃木県下野市緑2-3299-46
座標 北緯36度23分06秒 東経139度51分02秒 / 北緯36.38511度 東経139.85044度 / 36.38511; 139.85044座標: 北緯36度23分06秒 東経139度51分02秒 / 北緯36.38511度 東経139.85044度 / 36.38511; 139.85044
鉄道事業者 東日本旅客鉄道
帰属組織 首都圏本部
所属略号 宮ヤマ
旧称 小山電車区
開設 1966年(昭和41年)7月11日
車両基地概要
敷地面積 68,264 m2
留置線本数 14本
検査線本数 交番検査線 3本
洗浄線本数 3本
その他設備 転削線 1本
修繕線 2本
最大収容両数 約400両
配置両数 968両
配置両数
電車 968両
備考 2024年4月現在
敷地面積は有価証券報告書の値[1]
位置
小山車両センター
栃木県の位置
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小山車両センター(おやましゃりょうセンター)は、栃木県下野市にある東日本旅客鉄道(JR東日本)首都圏本部車両基地である。

高崎鉄道管理局宇都宮運転所の運用下にあった東北本線中距離電車(現在の宇都宮線)の車庫として、小金井駅の北方に開設され、2004年平成16年)まで小山電車区と呼ばれていた[2]。当初は宇都宮市郊外(岡本駅付近)に建設する予定であったが周辺住民の反対に遭い、再度石橋 - 雀宮間で計画が練られたもののこちらでも周辺住民の反対に遭い、今度は間々田駅付近と小金井駅付近が候補に挙がり、それぞれの地元が誘致合戦を行った結果、小金井駅付近に開設されることになったという経緯を持つ。

2006年(平成18年)3月17日までは東大宮派出所があったが、3月18日から大宮総合車両センターの管轄に変更され同センター東大宮センターとなった。

歴史

  • 1965年昭和40年)5月 - 宇都宮運転所が管轄する電車車庫として着工[3]
  • 1966年(昭和41年)7月11日 - 宇都宮運転所配置の115系を移管し、小山電車区として開設し一部で使用開始[4]。当時は日本国有鉄道高崎鉄道管理局の管轄で、略号は「高ヤマ」。
  • 1969年(昭和44年)3月1日 - 東京北鉄道管理局の発足に伴い、同局管轄に変更[4]。略号は「北ヤマ」に変更。
  • 1969年(昭和44年)4月 - すべての建設工事が完了、全面使用開始[3]
  • 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR東日本に移管[4]。東京圏運行本部(→東京地域本社→東京支社)の管轄で、略号は「東ヤマ」に変更。
  • 2001年(平成13年)4月1日 - 大宮支社発足により同支社に移管[4]。同時に東大宮派出所が小山電車区の管轄となる[4]。略号は「宮ヤマ」に変更。
  • 2004年(平成16年)6月1日 - 小山車両センターに改称[2][4]
  • 2005年(平成17年)3月25日 - ISO9001認証取得。
  • 2006年(平成18年)3月18日 - 東大宮操車場構内にある東大宮派出所が大宮総合車両センターの下部組織となり、同センター東大宮センターとなる[4]。同時に小山車両センター管轄から分離[4]

構内

東北本線宇都宮線小金井駅 - 自治医大駅間に、広大な敷地を持つ[3]。検修能力500両以上、収容車両数400両と、発足当時は一大車両基地であった[3]。小金井駅から入出区線が伸びており、同駅から入出区を行う[3]

主な業務は、所属車両の機能保全または仕業検査、車輪転削、故障対応、小金井駅の分割・併合作業等である[4]

  • 敷地面積 77,954.0 m2(2001年当時[3]
  • 構内は宇都宮線上り線側より
    • 電留線(電留1番 - 12番線) 12線(1区と2区に分かれており、車両を縦列留置できる[4]
    • 洗浄線(洗浄13番 - 15番線) 3線(洗浄作業台設置)
    • 電留線(電留16番・17番線) 2線(洗浄15番線と電留16番線には汚物抜き取り装置を備えている[4]
    • 交番検査線(交番18番 - 20番線) 3線(交検庫設置、12両編成が収容できる。交番18・20番線で機能保全が実施される[4][注 1]
    • 転削線(転削21番線・車輪転削盤設置) 1線(有効長の関係で、5両に分割して作業が行われる[4]
    • 修繕線(修繕22番・23番線) 2線(検修庫設置。天井クレーン、リフティングジャッキを備えており、機器の吊り替えや修理等を行う[3]

上り入出区線には車両洗浄機を配置[3]している。

配置車両に記される略号

都ヤマ」…首都圏本部を意味する「」と、小山を意味する「ヤマ」から構成される。

  • かつては「宮ヤマ(大宮支社)」「東ヤマ(東京地域本社)」「北ヤマ(東京北鉄道管理局)」「高ヤマ(高崎鉄道管理局)」と表記されていた。

配置車両

2024年4月1日現在の配置車両は以下の通り[5]

電車 気動車 機関車 客車 貨車 合計
968両 0両 0両 0両 0両 968両

電車

E231系1000番台(665両)

E233系3000番台(250両)

  • 基本10両編成16本(U618 - U633編成・160両)と付属5両編成18本(U218 - U235編成・90両)が配置されている[注 3]グリーン車は基本編成に2両連結されている[5]
  • 2014年度には、付属編成3編成の新製に加え、基本16編成・付属15編成が高崎車両センターから転入した。
  • 2015年3月14日ダイヤ改正以降はE231系と共通運用となっている。E231系と共通運用になったことで、E231系とE233系の併合も行われている。湘南新宿ラインでの運用も開始した。

E131系600番台(45両)

  • 600番台3両編成15本(TN1 - TN15編成・45両)が配置されている。
  • 日光線・宇都宮線(小山 - 黒磯間)で運用される。
  • 日光線と宇都宮線で共通運用されており、宇都宮線ではラッシュ時を中心に2編成つないだ6両編成で運転される。

EV-E301系(8両)

  • 蓄電池駆動電車。
  • 2両編成4本(V1 - V4編成・8両)が配置されている。
  • 宇都宮線(東北本線)の宇都宮 - 宝積寺間と烏山線で運用される。
  • 愛称は「ACCUM」。

過去の配置車両

40系

  • 日光線用として3両編成2本と予備車1両の計7両が配置されていた。1976年運用終了。
  • 配置車両の中に、現在青梅鉄道公園で保存されているクモハ40054が含まれていた。

211系

  • 3000番台5両編成16本が配置されていた。
  • E231系の新製投入により、全編成が新前橋電車区に転出した。

113系

  • 1998年(平成10年)に横須賀線・総武快速線用の編成が大船電車区から転入し、宇都宮線の列車増発用として新宿・池袋・上野 - 小金井間で運用された。ただし、新車投入前の暫定投入であったため、2000年にE231系が投入開始されたことですべて運用から外れ、先頭車2両が幕張電車区へ転出したほかはすべて廃車された。
  • 正面の塗り分けは2両は113系本来のものであったが、その他は115系に準じていた。

189系

  • 6両編成1本が配置されていた。
  • 車両の内装をリニューアルした観光・多客期向け臨時列車用の車両(愛称は「彩野」)で、快速「やすらぎの日光号」などに使用された。その後車体は485系「日光」「きぬがわ」編成の塗装に変更され、485系の検査時などに代替で運転される。
  • 2006年3月18日付で大宮総合車両センターに転属した。

115系

  • かつての宇都宮線・高崎線における主力車両であり、最盛期には500[6]~600両以上が配置されていた。2004年4月現在では7両編成7本(うちロングシート車4本)と4両編成10本の計89両が配置されていた[7]
  • 2004年10月改正で定期旅客運用は消滅したが、その後は日光線用の107系の予備車および訓練車として使用された。
  • 2006年には、大宮 - 奥多摩間の臨時快速「むさしの奥多摩」号に使用された。
  • 2007年4月時点では、300番台4両編成1本(Y427編成)が配置されていた。Y427編成は予備車および訓練車として残存し、宇都宮地区や大宮地区での訓練に使用されたほか、東京地区での訓練に使用されることもあった。2007年にE231系の付属編成1本 (U-118編成) が訓練時の予備確保目的で増備されたため使用頻度が減少して保留車となったのち、2007年11月30日に長野総合車両センターに回送され、12月1日付けで廃車された。

107系

  • 0番台2両編成8本が配置されていた。
  • 日光線・宇都宮線(小金井 - 宇都宮間)の普通列車で運用されていたが、2013年3月に運用離脱、6月に廃車された。
  • 運用数に対して編成数が少ないため、予備車が不足した場合は、高崎車両センターの115系や107系100番台を借り入れた。

205系

  • 2022年4月1日時点では600番台4両編成12本(Y1 - 12編成・48両)が配置されていた[8]
  • 2013年3月16日から日光線で運用を開始し、宇都宮線(小金井 - 黒磯間)でも2013年8月24日より運用を開始した。
  • 2022年3月11日をもって営業運転を終了した。
  • 2022年4月から11月にかけて4両編成11本44両が廃車され[9]、最後まで残ったY3編成の4両も2023年4月4日付で廃車された[10]

485系

  • お座敷列車」、「」と「日光」「きぬがわ」用の6両編成3本が配置されていた。
  • 「日光」「きぬがわ」用の6両編成1本は、253系への置き換えにより、2012年に仙台車両センターへ転出した。
  • お座敷列車「宴」、「華」は、2015年に高崎車両センターへ転出した。

クモヤ145形

E995系

  • 蓄電池駆動電車システム試験用車両。
  • 愛称は「NE Train スマート電池くん」。
  • 2019年12月18日に長野総合車両センターへ廃車回送された。

クモエ21形

  • 救援車。事故等の際の資材及び重機運搬、人員の休憩所として使用される車両。
  • クモエ21001が配置されていた。1986年10月25日に廃車され、現在は小山車両センター近くにある「日酸公園」に保存されている。

キハ40形気動車

  • 2017年4月1日時点では1000番台8両(1001-1005, 1007-1009)が配置されていた[11]
  • 宇都宮線(東北本線)の宇都宮 - 宝積寺間と烏山線で運用されていたが、2017年3月4日のダイヤ改正でEV-E301系に置き換えられ運用を終了[12][13]、同日付で宇都宮運転所から転入した[11]。2017年4月6日に1001,1003,1008が廃車、同日付で1009が錦川鉄道へ移籍[14]、2017年5月11日に1002,1004,1005,1007が廃車され、配置が無くなった[15]

その他の車両

運用範囲

定期運用受け持ち区間

過去の定期運用受け持ち区間

脚注

注釈

  1. ^ 交番19番線は屋根上点検通路がないため、実施しない。
  2. ^ 付属編成番号はモハE230-1○○○(12号車)・モハE231-1○○○(13号車)各車両番号の下三桁を基準としているため、欠番がある。
  3. ^ U601 - U617・U201 - U217は国府津のE-01 - E-17とE-51 - E-67に割り当てられている関係で欠番。
  4. ^ a b 輸送障害時や走行キロ調整等により、国府津車両センター所属車両による湘南新宿ライン高崎線 - 東海道線系統の運用の代走で、高崎・上越線経由両毛線前橋駅まで、東海道線小田原駅まで入線実績あり。

出典

  1. ^ 第35期有価証券報告書 40頁 (PDF) - 東日本旅客鉄道。
  2. ^ a b 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '05年版』ジェー・アール・アール、2005年7月1日、182頁。ISBN 4-88283-126-0 
  3. ^ a b c d e f g h 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』2001年9月号「特集:JR高崎・宇都宮線」内「小山電車区の概要」pp.46 - 50
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m 交通新聞社『鉄道ダイヤ情報』2015年12月号シリーズ車両基地2015 Vol.27「JR東日本 小山車両センター」pp.50 - 57
  5. ^ a b c 『JR電車編成表2024夏』交通新聞社、2024年、61-65頁。 ISBN 978-4-330-02824-8 
  6. ^ 交友社『'82国鉄車両配置表』 1982年
  7. ^ ジェー・アール・アール『JR電車編成表2004夏号』p.62
  8. ^ 『JR電車編成表2022夏』交通新聞社、2022年、61頁。 ISBN 978-4-330-02822-4 
  9. ^ 交友社鉄道ファン』2023年7月号 「JR旅客会社の車両配置表」
  10. ^ 『JR電車編成表2024冬』交通新聞社、2023年、358頁。 ISBN 978-4-330-06423-9 
  11. ^ a b 交友社鉄道ファン』2017年7月号 「JR旅客会社の車両配置表」
  12. ^ 烏山線気動車「キハ40形」の引退イベントを実施します』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2017年2月9日。オリジナルの2017年2月11日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20170211155551/http://www.jreast.co.jp/press/2016/20170209_o05.pdf2017年4月23日閲覧 
  13. ^ “さよならキハ40形、JR烏山線の気動車引退”. 日本経済新聞. 電子版 (日本経済新聞社). (2017年3月4日). オリジナルの2017年3月3日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/20170303235344/http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB03HBF_T00C17A3L60000/ 2017年4月23日閲覧。 
  14. ^ 錦川鉄道株式会社 公式ホームページ | 錦川清流線>車両紹介”. 錦川鉄道. 2018年7月1日閲覧。
  15. ^ 交友社鉄道ファン』2018年7月号 「JR旅客会社の車両配置表」

参考文献

関連項目




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