傷とは? わかりやすく解説

瑕疵

読み方:かし
別表記:傷

瑕疵とは「きず」(傷)のことであり、欠点欠陥、不足、不具合、といった意味で用いられる語である。とりわけ法律上の概念として、取引契約における不備、あるいは契約履行における落ち度、を指す用語として用いられる場合が多い。

「瑕疵」の語を構成する「瑕」と「疵」の2字は、どちらも「きず」を意味するである。「瑕」は玉(宝玉)に付いたキズ意味する字であり、「疵」は生体付いた創傷やその痕などを指して用いられることが多い字である。つまり「瑕疵」の語は「製作」「把握」「火炎」などと同様に類義語並列的に並べた構成熟語である。ちなみに現代中国語でも「瑕疵」の語は「欠陥」「短所」「不具合」といった意味で一般的に用いられている。

「瑕疵」は商品など付いた具体的(物理的)なキズを指すこともあれば、契約権利行為あるいは意思表示といった抽象的概念的)な事柄中に見出される不備不完全性を指す意味で用いられることもある。

民法上の「瑕疵」は、たとえば2004年東京地方裁判所判例では、次のように述べられている。

民法570条の「瑕疵」とは、売買目的物通常備えるべき性能等を備えていないことをいう[...]》(「判例時報」1909号55ページ東京地方裁判所平成16年4月15日独立行政法人国民生活センター掲載からの引用 http://www.kokusen.go.jp/hanrei/data/200612.html )

つまり、商品サービス対し当然備わっているものとして要求できる品質満たしていない状態は「瑕疵がある」と表現できる。なお民法570条の条文では「隠れた瑕疵」という言い方用いられており、隠れた瑕疵があった場合は566条の規定契約解除損害賠償請求)をを準用できるとしている。

法律上用語としては「瑕疵担保責任」という用語も多く用いられる瑕疵担保責任は、取引上、注意を払っていても容易には気づけないような瑕疵(隠れた瑕疵)が潜んでいた場合に、売り主の側が買い主に対して負わなければならない責任のことである。

住宅不動産取引分野では、瑕疵のある物件を「瑕疵物件」と呼ぶ。住宅の瑕疵は「物理的瑕疵」「法的瑕疵」「環境的瑕疵」および「心理的瑕疵」に大別される物理的瑕疵は、雨漏りがあったり家が傾いでいたりする物件指し法的瑕疵建築基準法消防法などに抵触している物件を指す。環境的瑕疵は住宅取り巻く環境騒音悪臭などの問題がある物件を指す。そして「心理的瑕疵」は大多数一般人忌避感・嫌悪感を抱くような事情のある物件を指す。いわゆる事故物件」や「いわく付き物件」は、心理的瑕疵のある物件該当する

瑕疵と似た意味合い用いられる語としては「過失」なども挙げられるが、過失は「予見して回避することが可能だったにもかかわらず注意怠ったために回避できなかった」ことを指す語である。

きず【傷/×疵/×瑕】

読み方:きず

切る、打つ、突くなどして、皮膚筋肉裂けた破れたりした部分。「深い—を負う」

物の表面裂け目や、欠けたりした部分。「レンズに—がつく」

人の行為性質容貌(ようぼう)などや物事不完全な部分好ましくない点。欠点。「怒りやすいのが玉に—」

不名誉なこと。恥ずべきこと。汚点。「経歴に—がつく」

心などに受けた痛手。「失恋の—をいやす」

[下接語] 後ろ傷打ち傷・掠(かす)り傷・刀傷・咬(か)み傷・切り傷刺し傷・擦(す)り傷・弾(たま)傷・突き傷手傷・生(なま)傷・古傷無傷向こう傷矢傷山傷(やり)傷


しょう【傷】

読み方:しょう

[音]ショウシャウ)(呉)(漢) [訓]きず いたむ いためる

学習漢字6年

[一]ショウ

きず。けが。「傷病外傷軽傷死傷重傷創傷凍傷負傷

きずをつける。そこなう。「傷害殺傷食傷損傷中傷刃傷(にんじょう)」

心をいためる。つらく思う。「傷心哀傷感傷愁傷悲傷

[二]〈きず〉「傷口手傷生傷古傷

難読火傷(やけど)


作者岬兄悟

収載図書ロック・ミー・ベイビー
出版社早川書房
刊行年月1986.3
シリーズ名ハヤカワ文庫JA


作者乙一

収載図書失はれる物語
出版社角川書店
刊行年月2003.11

収載図書失はれる物語
出版社角川書店
刊行年月2006.6
シリーズ名角川文庫


作者Yoshi

収載図書恋バナ
出版社スターツ出版
刊行年月2005.8


作者浜崎勢津子

収載図書路子と徹
出版社マルニ
刊行年月2006.8


作者加藤千恵

収載図書ゆるいカーブ
出版社スリーエーネットワーク
刊行年月2006.11


作者たなかなつみ

収載図書短編世界
出版社創英社
刊行年月2008.6


傷―KIZ/KIDS

作者乙一

収載図書きみにしか聞こえないCALLING YOU
出版社角川書店
刊行年月2001.6
シリーズ名角川スニーカー文庫


作者海老沢泰久

収載図書二重唱(デュエット)
出版社集英社
刊行年月1986.6

収載図書二重唱
出版社文芸春秋
刊行年月1997.11
シリーズ名文春文庫


作者井上ひさし

収載図書ナイン
出版社講談社
刊行年月1987.6

収載図書ナイン
出版社講談社
刊行年月1990.6
シリーズ名講談社文庫

収載図書ナイン
出版社汐文社
刊行年月1998.11
シリーズ名井上ひさしジュニア文学館


作者森瑤子

収載図書森瑤子自選集 3
出版社集英社
刊行年月1993.8


作者大森やゑ子

収載図書あかつきの闇―小坂晋之介雑記
出版社フロム出版
刊行年月1995.10
シリーズ名アドニスノベルス


作者小田浅葱

収載図書逆光
出版社ビブロス
刊行年月1997.6
シリーズ名ビーボーイノベルズ


作者北原亜以子

収載図書市井図絵
出版社新潮社
刊行年月1997.6

収載図書傷―慶次郎縁側日記
出版社新潮社
刊行年月1998.9

収載図書傷―慶次郎縁側日記
出版社新潮社
刊行年月2001.4
シリーズ名新潮文庫


作者ドナルド・バーセルミ

収載図書アマチュアたち
出版社彩流社
刊行年月1998.10
シリーズ名現代アメリカ文学叢書


作者北原亞以子

収載図書傑作捕物ワールド大きな活字読みやすい
出版社リブリオ出版
刊行年月2002.10

収載図書時代小説読切御免 第2巻
出版社新潮社
刊行年月2004.3
シリーズ名新潮文庫


創傷

( から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/03 00:39 UTC 版)

創傷(そうしょう、: trauma, wounds, burns)は、外的、内的要因によって起こる体表組織の物理的な損傷を指す。(そう)と(しょう)という異なるタイプの損傷をまとめて指す総称である。日常語では、以外の物に対するものも含めて(きず)と呼ばれる。 その形状や原因(機転)などによって擦過傷、切創、裂創、刺創 等々に分類している。


  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 日本皮膚科学会 2017.
  2. ^ a b c 保崎清人『臨床医学概論―生活習慣病を中心として』(第3版)ヘルスシステム研究所;、2008年、26頁。ISBN 978-4902527575 
  3. ^ 保崎清人『臨床医学概論―生活習慣病を中心として』(第3版)ヘルスシステム研究所;、2008年。ISBN 978-4902527575 
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「創傷」の続きの解説一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/03 05:41 UTC 版)

2018年ケルン中央駅人質事件」の記事における「傷」の解説

犯人事件銃撃され上半身頭部に傷を負ったSEKによって薬局の前の広場運ばれGSG-9隊員によって蘇生された蘇生後犯人ケルン大学病院運ばれ集中治療室治療受けた当局水曜日記者会見昏睡状態にあると発表した事件から2ヶ月後犯人昏睡状態から目覚めた犯人ノルトライン・ヴェストファーレン州刑務所移送された。犯人銃創により半身麻痺になっており、頭蓋骨中に銃弾残っている状態である。報告によると、犯人はまだ裁判参加できる状態にないとされている。

※この「傷」の解説は、「2018年ケルン中央駅人質事件」の解説の一部です。
「傷」を含む「2018年ケルン中央駅人質事件」の記事については、「2018年ケルン中央駅人質事件」の概要を参照ください。


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 07:01 UTC 版)

伝染るんです。」の記事における「傷」の解説

頭に包帯巻いて学生服着た少年幼少期心身ともに深い傷を負ったらしい。いつも人を不安に陥れるような一言を言う。アベック嫌悪している。時折新しい文字発明している。

※この「傷」の解説は、「伝染るんです。」の解説の一部です。
「傷」を含む「伝染るんです。」の記事については、「伝染るんです。」の概要を参照ください。

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出典:『Wiktionary』 (2021/08/12 00:08 UTC 版)

発音(?)

名詞

  1. きず。皮膚物の破けたり裂けたりしている部分

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