不完全性とは? わかりやすく解説

不完全性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 08:09 UTC 版)

ロビンソン算術」の記事における「不完全性」の解説

Qにおいて加法交換法則 ∀ x ∀ y ( x + y = y + x ) {\displaystyle \forall x\forall y(x+y=y+x)} が証明不能であることを証明する。これによりQが不完全であることを示せる。それにはQのモデル加法交換法則不成立あるようなものを構成すればよい。まずドメインとして N ∪ { a , b } {\displaystyle \mathbb {N} \cup \{a,b\}} を取る。ここで a , b {\displaystyle a,b} は相異なる不定元である。関数記号解釈は N {\displaystyle \mathbb {N} } 上で通常通り定める。ただし a , b {\displaystyle a,b} に対して次のように定める。まず後者関数解釈S a = b {\displaystyle Sa=b} S b = a {\displaystyle Sb=a} で定める。この解釈のもとで(Q1)–(Q3)を満たす。あとは(Q4)–(Q7)を満たすように加法と乗法適当に解釈すればよい。例え加法次のように解釈する(ここで n {\displaystyle n} は任意の自然数とする): a + n = { a if  n ≡ 0 mod 2 b if  n ≡ 1 mod 2 {\displaystyle a+n={\begin{cases}a&{\mbox{if }}n\equiv 0\mod 2\\b&{\mbox{if }}n\equiv 1\mod 2\end{cases}}} b + n = { b if  n ≡ 0 mod 2 a if  n ≡ 1 mod 2 {\displaystyle b+n={\begin{cases}b&{\mbox{if }}n\equiv 0\mod 2\\a&{\mbox{if }}n\equiv 1\mod 2\end{cases}}} n + a = a {\displaystyle n+a=a} n + b = b {\displaystyle n+b=b} a + a = a {\displaystyle a+a=a} a + b = b {\displaystyle a+b=b} b + a = a {\displaystyle b+a=a} b + b = b {\displaystyle b+b=b} その他、積を定義することによりQのモデル得られるが、ここでは加法交換法則成立しない例えa + b = b ≠ a = b + a {\displaystyle a+b=b\neq a=b+a} である。したがって健全性定理によりQにおいては加法交換法則証明できない

※この「不完全性」の解説は、「ロビンソン算術」の解説の一部です。
「不完全性」を含む「ロビンソン算術」の記事については、「ロビンソン算術」の概要を参照ください。

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