加法と乗法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 03:05 UTC 版)
自然数の加法は再帰的に、以下のように定義できる。 すべての自然数 a に対して、a + 0 = a すべての自然数 a, b に対して、a + suc(b) = suc(a + b) 1 := suc(0) と定義するならば、suc(b) = suc(b + 0) = b + suc(0) = b + 1 となり、b の後者とは単に b + 1 のことである。 加法が定義されたならば、自然数の乗法は再帰的に、以下のように定義できる。 すべての自然数 a に対して a × 0 = 0 すべての自然数 a, b に対して a × suc(b) = (a × b) + a 加法、乗法とも (i) 0 に対する演算結果を定義し、(ii) ある自然数 b に対する演算結果を用いてその次の自然数 suc(b) に対する演算結果を定義する、と言う形式になっている。(i), (ii) をあわせることで、あらゆる自然数に対する演算結果が一意に得られることになる(数学的帰納法)。自然数は加法について、0 を単位元とする可換モノイドになっている。また、乗法についても、1 を単位元とする可換モノイドになっている。 加法と乗法は以下の法則を満たす。 結合法則(a + b) + c = a + (b + c) (a × b) × c = a × (b × c) 交換法則a + b = b + a a × b = b × a 分配法則a × (b + c) = (a × b) + (a × c) 以上の法則は加法、乗法の定義から数学的帰納法を用いて証明できる。 慣例として、a × b は ab と略記され、乗法は加法より先に計算される。例えば、 a + bc という式は a + (b × c) を意味する。
※この「加法と乗法」の解説は、「自然数」の解説の一部です。
「加法と乗法」を含む「自然数」の記事については、「自然数」の概要を参照ください。
- 加法と乗法のページへのリンク