加法、和と差
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 16:17 UTC 版)
ある条件や操作の下で、同じ種類の量の間に加法性が成り立つことがある。このときこれらの量の間に加法が定義できる。もちろん負の値を取らない量の場合は、小さな量からの大きな量の引算は意味をなさない。例えば次のような例がある。 質量 a の物体Aと質量 b の物体Bとが合体した物体A∪Bの質量は (a + b) となる。 電荷 a の物体Aと電荷 b の物体Bとが合体した物体A∪Bの電荷は (a + b) となる。 体積 a の液体Aと体積 b の液体Bとを混合した液体A∪Bの体積は (a + b) となる。ただし液体Aと液体Bが異なる物質のときは、一般には近似的な加法性しか成り立たない。 長さ a の棒Aと長さ b の棒Bとを一直線に結合した棒A∪Bの長さは (a + b) となる。 静止系から見て速度 a の質点Aがある。質点Aから見て速度 b の質点Bの静止系から見た速度 v は (a + b) となる。ただしこの加法性は、ニュートン力学では成り立つが特殊相対性理論では成り立たない。ここで速度はベクトル量であることに注意。 温度 T と体積 V の下で圧力 a である気体Aと圧力 b である気体Bとを一緒にして体積 V の容器に入れ温度 T に保つと、その圧力は (a + b) となる。ただしこの加法性は両気体が理想気体の場合にのみ正確に成り立つもので、実在の気体では近似的にのみ成り立つ。 また、厳密に言えば異なる量の間に加法が成り立つこともある。例えば次のような例がある。 時刻 T から時間 t だけ経過した時刻は (T + t) である。 高度 H の位置より距離 L だけ低い位置の高度は (H - L) である。
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