五九盗賊団
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 16:32 UTC 版)
その名の通り、五九をリーダーとする盗賊集団。初期は五九・トンゴー・ジョーの3人であったが、サンゾウとの出会い以降は徐々にメンバーが増えていく形となる。漫画版では「五九一家」となっている。 五九(ごくう) 声 - 山口勝平 本作の主人公。カカ・マウンテン出身の「最強最悪」を自称する非常に楽天的で下品でスケベな第一世代アソボット。猿顔のため周りからは「サル」と呼ばれることが多く、本人はそれを激しく嫌っている。しかし感情的になった際は猿のような奇声を発したり、好物がバナナであるなど本能的には猿であることが窺える。楽天的な性格だが、親友であるトンゴー・ジョーが敵によって重傷を負った際には涙を流して敵を討つなど、意外に仲間思いな一面もある。 「最強最悪」はあくまで自称ではあるが、実際の戦闘能力は高い。サンゾウにハモニカで(漫画版では「弱い相手に対してより弱くなる」アニメでは「女子供に対して弱くなる」)コマンドを入力され、それ以降は弱い相手からの攻撃を受けるとものすごい勢いでふっ飛ぶようになったため、手が出せなくなってしまった。サンゾウにコマンドを解除してもらうため、仕方なくサンゾウの旅に同行することに(本人はお宝探しのついでだと言い張っているが)。 如意棒を模した変幻自在の「ジョイスティック」を武器とする。服装は、漫画版では「プロテクター」と呼ばれる鎧のようなものを常備しているが、アニメ版では普段は白シャツに短パン(クシャナ村編以降は背中に「五九」と描かれた洋服)の軽装だが、戦闘時は後述するスカイウォーカーからプロテクターを受け取り「大変身」する。変身後は五九のもみ上げがギザギザになり、ジョイスティックにも青色の炎のような模様が入る。また、変身中に五九の顔が一瞬大人びた姿になるが、実際は特に変化していない。ジョイスティックを用いた多くの技を持ち、戦闘時は敵に対してほとんど五九が止めを刺している。 コラボアップ後は頭髪が若干伸び、以前のプロテクターに比べてやや肌の露出が増えた姿になる。ジョイスティックには模様が入らなくなった代わりに棒の部分に6つのリングが付き、リングを使用した攻撃も可能となった。しかし当初はその力を制御できず、真価を発揮できなかった。コラボアップ当初はスカイウォーカーを必要としなかったが、45話以降はなぜか再びスカイウォーカーを介して変身するようになった。 サンゾウ / 玄奘三蔵(げんじょう さんぞう) 声 - 関智一 本作のもう一人の主人公。素直で正義感の強い少年。現在の東京から1000年の眠りについて、砂漠化した作中の時代で覚醒(テンジク砂漠で気絶していたところを漫画版ではスージィに発見され、ミロク村で治療を受けて目覚めた。アニメ版では五九盗賊団の乗るコンテナの破片が体に突き刺さり、そのショックで蘇生)した。世界を救う救世主として、49の鍵を集める旅に出る。1000年前に五九を「共に運命を切り開く」パートナーアソボットに決めていた。五九との対面時にコマンドをかけ、「コマンドを解除するためにはジパングに行く必要がある」と理由をつけて半ば強引に五九盗賊団を旅に同行させた。 サンゾウが五九を選んだ理由は、現代編で後述するレイと共に神社でひいたおみくじの「運命の数字」がそれぞれ「五」と「九」であったことから、59番目にナンバリングされていたアソボット(=五九)をサンゾウが選んだため。また、五九のネーミングの由来は呼んで字の如く「五」と「九」の語呂合わせであると同時に、五九が猿顔で孫悟空似であることにも起因するものである。後述する魅音は30番目・紫苑は40番目であり、名前はやはり番号の語呂合わせになっている。 ハーモニカ型の入力端末「ハモニカ」を持ち、それを吹くことによってアソボットの治療や破滅ウイルスの除去などを行うが、ウイルスの除去が可能なのは第二世代までで、第三世代には効果がない。サンゾウ自身は戦闘能力を持たないが、常時着用している特殊金属製のマントを敵の攻撃からの防御壁として使うことも出来る。 漫画版の6巻終盤から7巻にかけては服装が変わり、ハモニカが大型の銃器に変化(どのような経緯で変化したのかは不明)、戦闘能力を有するようになった。 スージィ 声 - 飯塚雅弓 フルネームは「ゴータ・マ・スジャータ(アニメ版では「ゴータ・マ・スージィ」)」。 人間の少女で、後述する村長「ゴータ・マ・テンドウ」の娘(漫画版ではテンドウに拾われた孤児、アニメ版では実娘)。明るく物事をハッキリという強気な性格で、五九に対してはやや暴力的。父であるテンドウに伝説の結末を見届けてくることを託され、サンゾウ一行と共に旅立つことを決心し、仲間に加わった。五九がサンゾウにコマンドを入力されて以降、五九への制裁は主に彼女が行っており、その際は勢い良く殴ったり蹴ったりするなど過激なものが多い。 髪型・服装は漫画版では横髪の毛先に飾りの付いたセミショートだが、6巻終盤から7巻にかけては脚まで掛かるほどのロングヘアに帽子を被り、胸部を露出した薄着に短パンを着用している。そのほか、以前に比べてなぜかスタイルが良くなり、喫煙もするようになった。アニメ版では初期は漫画版と同じセミショートだが序盤で散髪し、以降はボブカットに丈の短いチャイナドレスを着用している。その丈の短さから、スケベな五九がパンツを見ようとすることが何度もあった。 普通の人間であるため基本的に戦闘能力は持たないが、漫画版6巻終盤から7巻にかけては蝶のようなものを操り、サンゾウ同様に戦闘能力を有するようになった(どのような経緯でそうなったのかは不明)。アニメ版では49の鍵の一つ、「太陽の弓」を使用し敵のアソボットを混乱させる(この弓はこの時代の人間しか使えない)。また、アニメ版のジュモク村編ではビッグトカゲ団の下っ端のアソボットを軽く蹴散らしていたことがある。 トンゴー 声 - 国本武春 五九・ジョーの親友で第二世代。片目に眼帯を付けた、豚のような姿をした大柄のアソボット。胸部に円形のハッチのついた鎧を着ており、漫画版ではその内部に赤ん坊のような生物が確認できるが、これはトンゴーの知能のような存在で、実に300年間は生きているという。ただし、ハッチの中でしか生きることができないらしい。アニメ版では赤ん坊は入っておらず、ハッチの中には小物の収納スペースがある。「強力のトンゴー」や「鎖ハンマーのトンゴー」の異名を持つ。その見た目から「ブタ」と呼ばれることもあるが、本人は満更でもない様子。見た目通り力が強く、また料理も上手。 アニメ版では指先に治療機器が備わっており、人間を治療することが出来る。また、入浴時はなぜか女性用のビキニを着ている。敵を惑わす為に、グラマラスな女体となって現れたことがあるが、身体的には女性なのか、それとも何らかの方法で一時的に女性の体になっていたのかは不明。かつては故郷で介護アソボットとして働いていたが、ある日赤ん坊を死なせてしまい、そのことに責任を感じて村を去ったという過去がある。 鎖の先端にトゲ付き鉄球(アニメ版では分銅)の付いた「鎖ハンマー」を武器とした力押しの戦法を得意とする。コラボアップ後は鎧と眼帯の形状が変化するほかに顔の両脇の毛が伸び、頭頂部にはモヒカンのような毛が生え、いかにも悪役と言える出で立ちになる。鎖ハンマーは分銅が左右にトゲの付いた大型の鉄球に変化する。 単行本の設定資料によると、初期設定では他の山賊のボスであり、従来よりもやや強面になっている。 ジョー 声 - 佐々木望 五九・トンゴーの親友で、トンゴーと同じく第二世代。足元まで隠れるほどの青いロングコートを着た、美形のアソボット。「死神のジョー(アニメ版では「十字架のジョー」)」という異名を持つ。葉っぱのようなものが円状に付いた帽子を被り、口元をマスクで隠している。水が大好きで、それに関する知識は豊富。また工作も得意でメンテナンスは彼が行っており、アニメ版ではスカイウォーカーをレース用のマシンに改造したこともあった。五九・トンゴーに比べてテンションはやや低めだが極端にクールというわけではなく、口数は多い。平気で寒いギャグをかますこともある。 かつては優秀な工作アソボットとして故郷の村人に慕われており、子供達のために遊具などを作っていたが、ある日その遊具が崩壊してしまったことで大事故を引き起こしてしまい、その結果村人から反感を買われ村を追放された過去がある。 「羽剣」という葉っぱのような形状の全方向が刃になっている短剣(帽子についているそれに酷似)を武器とし、複数本を同時に投げつけたり、手持ちで直接斬りつけて攻撃する。この他にそれとは異なるもう1つの羽剣(こちらは1本のみで、柄と刃に分かれた普通の短剣)と、強風を放つ扇子のようなものも所持している。コラボアップ後は身軽な服装になり、もう1つの羽剣が変化した「フェザーブレード」という長剣を腕に装備する。それによって水のようなエネルギーを刀身に纏い、高く飛び上がって斬りつける「飛翔斬」という技を使用するようになった。終盤ではさらにフェザーブレードの形状が若干変化して左右に刀身の分割が可能となり、それぞれを「疾風剣」・「烈風剣」という二刀流として使用するようになった。 単行本の設定資料によると、初期設定での名前は「カッパ」で、無口なキャラクターであった。また、顔面は布で覆い尽くされているため確認できない。 スカイウォーカー 五九の愛馬アソボット。どのような経緯で出会ったかは不明だが五九にとても懐いており、意思の疎通ができる模様。五九の「大変身」の際にプロテクターを届ける役目を持ち、その際は3DCGでモデリングされた、より機械的な姿に変化する。腹部の側面はジェットエンジン付きの翼が収納されており、飛行も可能。仲間がピンチの際には敵に不意討ちを仕掛けたりするなど、意外に活躍する場面は多い。基本的に馬の鳴き声を発するだけで喋ることはないが、漫画版の終盤ではスカイウォーカーを介してキュウゾウ博士の意思が言葉を発している。 魅音(みおん) 声 - 高山みなみ 抜群のスタイルにピンク色のロングヘアが特徴的な女盗賊アソボット。第一世代。神出鬼没でずる賢い性格をしており、五九盗賊団の行く先々に先回りしては敵と手を組んで49の鍵を横取りしようとしたり、敵に裏切られて捕まってしまった際には五九盗賊団に寝返って助けを求めたりするが、逆に五九盗賊団をピンチから助けることもある。当初は五九の持つジョイスティックを手に入れようとしていたが、自分では使いこなせないことが判明してからは狙わなくなった。「サティ」というフェレットのような姿をした小動物型のアソボットをつれており、それをスケボーのような乗り物に変形させて移動手段として使うこともある。 登場当初は非常にクールな性格あったが、回を重ねるにつれて徐々に性格が丸くなり、五九と大差無いほどテンションが高くなった。自由に行動したいという理由から仲間を組まずに常に一人で行動していたが、最終的に五九盗賊団の仲間として行動を共にするようになった。ドクロマークの付いたガムを食べて巨大に膨らませ、それを爆発させて攻撃する「ガムガムボンバー」という技を使う。この他にアニメ版ではチョコの操り人形である「チョコマンドー」や、キャンディの煙幕「キャンディダイナマイト」など、洋菓子を模した武器を使用している。 服装は、初期は前方に「死(アニメ版では縦書きに「三十」)」と書かれた丸い大きな帽子にタイトな上着とミニスカートを着用。全体的に濃い紫色を基調としている。コラボアップ後は服装が大きく変わり、肌の露出が増えたデザインになる。またハートの飾りの付いた傘を持つようになり、それで敵の攻撃を防いだり、飛行も可能になった模様。また五九やトンゴー、ジョーとは異なり、コラボアップ以降は初期の服装には戻らず、常にこの服装でいることが多い。 シュール 漫画版にのみ登場。魅音の手下。 リアル 漫画版にのみ登場。魅音の手下。 紫苑(しおん) 声 - 榎本温子 アニメ版オリジナルキャラクター。第一世代アソボット。魅音が目覚めた直後に彼女も目覚めたため、魅音を姉のように慕っている。外見はツインテールにヘルメットを被った幼女とスタイル抜群の成人女性の2種類の姿を持ち、任意でそれぞれに変身が可能のようである。後に幼女の姿で五九盗賊団に加わるものの、その正体はサンゾウを監視するためにプロフェッサーDが送り込んだスパイであり、同行している通信機を兼ねたキツツキのようなアソボットを介してプロフェッサーDやカスパーと通信を行っていた。 幼女時はスージィとは気が合うようであり、二人で五九を制裁することもあった。 成人女性の姿では主にカルテットの一員で敵として登場し、戦闘時は三味線のような武器を使用する。登場当初は五九盗賊団含め魅音もその姿が紫苑であるとは誰も気づかなかった。しかし、五九盗賊団との敵対やスパイ活動を行っていたのはプロフェッサーDに洗脳されていたためであり、魅音の必死の説得に対して頭を抑えて苦しむことがあった。洗脳が解けて以降は常に幼女の姿で魅音と同行するようになった。ヘルメットをはずした後の頭部には「四十」の文字の書かれた札のようなものが確認できるが、38話での入浴時にヘルメットをはずした際はなぜか札がついていなかった。漫画版では本編に登場しないものの、7巻の表紙や終盤の1ページに彼女らしき少女が描かれている。 ヤズー 声 - 三木眞一郎 五九のライバルと言える存在で、銀髪で美形の第三世代アソボット。前髪で片目が隠れている。戦闘能力は非常に高く、当初から五九を圧倒するほどの強さを見せ付けた。初登場したテルミニ村編では純粋な悪役で「寄生アソボット」であり、カオスII世の体に寄生して乗っ取ることで、一人二役の演技をして村人を騙していた。その後破滅ウイルスを発動した際に一度は五九に倒されたが、後に復活し再登場。その際は長髪にロングコートという出で立ちに変化しており、以前のような寄生アソボットではなくなっている。また、当初に見られた悪徳な性格から一変して冷静なダークヒーローのような立ち位置になった。 この時点から徐々にプロフェッサーDに対して疑念を抱くようになっていた。 終盤ではプロフェッサーDに反旗を翻し、五九達と共闘。最期はプロフェッサーDと共に自爆・消滅した。また、漫画版ではオーロラシティ編で五九との死闘を繰り広げ、互いの実力を認め合った。アニメ版では自尊心が高く、自らを「第三世代を超えた、新世代アソボット」であると語ることが多い。また、最終回エンディングでは旅する五九一行を遠くから見守っている彼らしき人物が確認できる。
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