五人の大罪人と恩師
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 22:12 UTC 版)
「蒼き革命のヴァルキュリア」の記事における「五人の大罪人と恩師」の解説
解放戦争終戦後にユトランドの「大罪人」として断罪され処刑されたという五人の若者たち。彼らは開戦の10年前にモルダにあった孤児院の出身者たちであり、クローディア皇太子と側近の四将による孤児院襲撃で愛するマリア先生を掠われ、他の仲間たちを惨殺された生き残りの子供たち。「復讐者」としてユトランド王国を利用し、ルーシ帝国への戦争に駆り立てる。なお、孤児院の火災(表向きはそう扱われた)は公式記録からは抹消されたが、当時の新聞記事は残っていた。紆余曲折の末、それぞれユトランドで養子に迎えられて地位を得。それを最大限に利用する。 アムレート・グレンケア 声 - 小野大輔 本作の主人公。兵科は突撃兵、開戦時の階級は大尉。武器は大剣型の咒構武器「AVX-005 Calibur」。 後に己の復讐のためにユトランドをルーシ帝国との戦争に誘ったとして処刑された「大罪人」と呼ばれる5人のうちリーダーだと目されていたが、実際は単なる実行部隊役。復讐の為の力として「武力」を求めた。ユトランドの「アンチ・ヴァルキュリア部隊」、通称「ヴァナルガンド」の隊長として部隊を率い、自らも大剣を主武器に最前線で力を振るう。 極端な無口かつ無愛想。クールでいかなる場合も取り乱すことはないため女性隊員たちからは慕われている。反面、女誑しのイザークからは猛烈に嫌われている。オフィーリアとは咒術学校(アカデミー)時代の同窓生であり、首席で卒業した優秀な学生だった。 大の偏食家でニンジンが大嫌い。ヴァナルガンド内ではオフィーリアとそれを打ち明けられた数名に加え、話を盗み聞きしたイザークしか知らないのは献立表を事前に確認し、ニンジン料理の日は隊務をでっちあげて留守にしている。ゲーム内ではポテンシャル「偏食」として、HPが30%以下になった際、咒力がダウンする。 側近のゴドーさえ知らないオフィーリア空腹時の秘密を知っており、空腹時にトランス状態に陥った際の対処法を知っている。物語の冒頭でオフィーリアが「アムレート・グレンケア」とフルネームで呼んでいたのは学生時代に元孤児で養子かつ平民だと、成績をやっかむアカデミーの同級生たちが侮蔑を込めて「アムレート」と呼んでいたことに対する抗議の意志による。その後、アムレート自身が長いからファーストネームで呼ぶようにしてくれと懇願して改められた。 孤児院の先生にして初恋の人だったマリアを連れ去り、孤児院の院長や仲間達の命を無残に奪った上に帰るべき家を焼き尽くしたクローディアスと帝国四将を5人の中で最も憎んでいる。過去にクローディアス皇帝暗殺を実行。斬りかかった際にヴァルキュリアに阻まれ、返り討ちにされかけたが追跡された際に朝を迎えたことで辛うじて一命を拾う。ルーシ帝国を列強たらしめた圧倒的なヴァルキュリアの力に対抗するため他の4人に協力を仰いでヴァナルガンドを組織させた。自らは帝国四将とクローディア皇帝への「断罪役」として戦地に身を置く。養父母とは死別しており、それ以前の記録が無い。 スレイマン・カーレンベルグ 声 - 神谷浩史 「大罪人」の一人。復讐の為の力を「権力」とした。衆議院議員として真っ先に開戦論を唱えた若手議員。天才的なアジテーター(扇動政治家)であり冷徹な策士。『解放戦争』計画の立役者。大罪人たちの事実上のリーダー。解放戦争における攻撃目標を仲間達に伝えた上で、軍に根回しして間接的にヴァナルガンドにも目標への作戦計画が伝わるように仕向けていた。 一議員ながら絶大な政治力を持つのはバイオレットの情報(それ以前の『工作』もある)とそれに基づいたフリートの新聞記事により現職議員たちを次々に恫喝し、屈服させていったことによる。若年ながら非凡で卓越した政治力を持ち理路整然と語る。前述の行いが表には出ないため、国民からは清廉潔白の人だとみなされている。彼が国王に唱えた逆説的な演説が対ルーシ開戦へと踏み切らせた。ユトランドにより帝国から解放された地域においては、イブセリアのように自ら乗り込んで演説を行い『解放戦争』の大義を説いてユトランドに協力させていた。ソフィアという婚約者がいるが、結婚は戦勝後に延期した。 非常に目が悪く、眼鏡を隠された際に養父と庭の木を勘違いしてしまったほど。幼少期はバイオレットとバジルにからかわれてよく眼鏡を隠され、アムレートが呆れて止めるまで続けていたという。 バジル・サバンジュ 声 - 梶裕貴 「大罪人」の一人。復讐の為の力を「財力」とした。養父から受け継いだ咒工業の工房兼会社「サバンジュ&カンパニー」により、咒構武器開発と資金面で復讐と解放戦争をバックアップした。既存の大手武器商人たちを抑え戦争特需で大儲けしており、ルーシ帝国側からは当初列強による経済封鎖に屈していずれルーシの属領になるとみなされていたユトランドがルーシに牙を剝き、軍事技術的に帝国軍を圧倒して緒戦で連戦連勝を重ねたことは実働部隊であるヴァナルガンドの活躍もさることながら、彼らを支える優れた咒構兵器によると帝国軍からは分析された。 社員たちから絶大な信頼を置かれるカリスマ経営者。仕事面もさることながら私生活まで気遣う。一方、伊達男を気取る女誑しだが『本命』であるバイオレットには惚れた弱みで全く逆らえない。料理の腕も一流で会社内の釜を使って料理しては「遊び」のガールフレンドたちに振る舞い、おこぼれを社員たちに振る舞っている。また、会社の収益の中から孤児院で暮らす子供たちにお菓子や文房具を振る舞う慈善活動も熱心に行っている。5人の中では頭が一番弱いためからかわれることも多い。 フリート・エリクセン 声 - 櫻井孝宏 「大罪人」の一人。復讐の為の力を「扇動」とした。「ギゼルシェヒル社」の新聞記者を経て王国で発言力のある識者(コメンテーター・コラムニスト)となった。その立場を利用して世論を戦争に都合がいいように操った。 性格は生真面目で良識家。反面、帝国属領地域で出回る「怪文書」やコラムニストとして手がけた記事を元の職場である新聞社に持ち込み、ユトランド国内の世論を操作。大衆が厭戦気分に陥らないため、小国ユトランド王国を『善』、列強でもとりわけルーシ帝国を『悪』と定義する二元論に持ち込み、穏健勢力や反戦勢力を封じ、解放戦争継続に都合の悪い事実は伝えない等、細心の注意を払う。ただ、彼自身はおおむねスレイマンの具体的な指示を受けて彼の意に沿う文章を仕上げる文筆家。養家は大学教授であり、むさぼるように読書に耽った。将来の夢は冒険小説作家になることだった。 非常にマイペースでおっとりしている。生活力は全くなく。仕事にのめり込むと空腹で倒れるほど。5人で意見が割れたときにはなんでもコイントスで決めることになった。そのきっかけはフリートがマリアと読んでいた冒険小説の一節から。 バイオレット・サンド 声 - 沢城みゆき 「大罪人」の一人で紅一点。階級は少尉。復讐の為の力を「情報」とした。軍情報部に所属し、美貌や豊満な体などの女の武器を最大限生かして諜報活動や工作活動にいそしんだ。 「マルガリータ」という二つ名を持つ“希代の毒婦”としてレオニード・スミノフ中佐をはじめとする帝国将校に接近しては情報収集に勤しむ一方で、得た情報をスレイマンに報告してその後の指示を仰ぎ、ユトランドとルーシを行き来する。彼女の精度の高い情報がスレイマンの緻密な計画立案につながった。大罪人となった後、情報源である帝国将校を始末していたとされたが、彼女は「殺し」は一切していない。 バジルの猛アプローチを言葉巧みにかわしつつ、アムレートにも色目を使って接近を図るなど真意を伺わせないミステリアスな女性。とんでもない酒豪らしく彼女と飲むには樽が必要だという。子供の頃の将来の夢は「ヨーロッパ全土の男たちを魅了する女優になる」と公言し、マリアを絶句させた。 マリア・シュマイケル 声 - 井上喜久子 「大罪人」たちの復讐劇の発端となった人物。彼らが暮らしていた孤児院の先生。 10年前、当時皇太子だったクローディアスと四将に拉致された。当時20歳という若さながらも誰もが母性を感じる、孤児たちにとって母・姉であり、特にアムレートにとっては初恋の人で、5人にとってはかけがえのない存在であった。しかし、モルダでアムレート1人でヴァルキュリア遺跡の最深部で見つけたペンダントが後の悲劇と悲しみを呼んだ。
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